ラーメン屋の内装費用はいくら?坪単価の相場と工事費を抑えるコツを解説|テナント工房
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2025.7.31
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最終更新日:
ラーメン屋の開業を目指す際、多くの方が頭を悩ませるのが内装工事にかかる費用です。夢に描いたお店を実現するためには、どのくらいの資金が必要で、どのようにすればコストを抑えられるのでしょうか。
内装費用は、物件の状態やデザインのこだわりによって大きく変動しますが、事前に相場や内訳を理解しておくことで、計画的かつ賢く資金を配分できます。
この記事では、ラーメン屋の内装費用の相場から、費用を抑えるための具体的な方法、さらには繁盛店につながるデザインのポイントまで、詳しく解説していきます。
ラーメン屋の内装費用の相場
スケルトン物件の場合の費用相場
居抜き物件の場合の費用相場
ラーメン屋の内装工事費用の主な内訳
設計・デザイン費
内装工事費
厨房設備工事費
電気・ガス・水道工事費
空調・換気・排気工事費
その他雑費
ラーメン屋の内装費用を安く抑える5つのコツ
居抜き物件を選ぶ
中古の厨房機器や什器を活用する
DIYで対応できる部分は自分で行う
複数の内装業者から相見積もりを取る
補助金や助成金を活用する
失敗しないラーメン屋の内装業者の選び方
ラーメン屋など飲食店の実績が豊富か確認する
見積もりの内容が詳細で明確かチェックする
担当者との相性やコミュニケーションが円滑か見極める
繁盛するラーメン屋の内装デザインのポイント
コンセプトを明確にする
清潔感のある空間を意識する
効率的な動線を確保する
まとめ
ラーメン屋の内装費用の相場
ラーメン屋の内装工事にかかる費用は、物件が何もない状態の「スケルトン」か、前の店舗の設備が残っている「居抜き」かによって大きく異なります。
一般的に、1坪あたりの費用相場は30万円から70万円程度とされていますが、これはあくまで目安です。 店舗の規模や立地、導入する設備の種類やグレードによって、費用は上下します。
スケルトン物件の場合の費用相場
スケルトン物件とは、建物の骨組みだけが残された状態の物件を指します。
床、壁、天井の内装はもちろん、電気、ガス、水道、空調といった設備も何もない状態から作り上げる必要があります。そのため、内装デザインの自由度が高い反面、工事費用は高額になる傾向があります。
スケルトン物件の内装工事費用は、坪単価で30万円から70万円程度が相場とされています。例えば、15坪の店舗であれば、450万円から1,050万円程度の費用がかかる計算になります。デザインにこだわったり、高性能な厨房設備を導入したりすると、費用はさらに膨らむ可能性があります。
居抜き物件の場合の費用相場
居抜き物件は、前のテナントが使用していた内装や設備がそのまま残されている物件です。特に、前店舗がラーメン屋や他の飲食店だった場合、厨房設備や空調、トイレなどを流用できる可能性があり、スケルトン物件に比べて初期投資を大幅に抑えることができます。
居抜き物件の内装工事費用は、坪単価で15万円から50万円程度が相場です。
流用できる設備の状況によって費用は大きく変わりますが、スケルトン物件と比較して工事内容が少なく済むため、コストを抑えやすいのが最大のメリットです。
ただし、残された設備が古かったり、故障していたりすると、修理や買い替えで追加費用が発生する場合もあるため、契約前の入念な確認が不可欠です。
ラーメン屋の内装工事費用の主な内訳

ラーメン屋の内装工事費用は、様々な項目の合計で構成されます。
予算計画を立てるためには、どのような工事にどれくらいの費用がかかるのか、その内訳を把握しておくことが重要です。
以下は、20坪程度の店舗を想定した一般的な内装工事費用の内訳です。
|
項目 |
費用相場の目安(20坪の場合) |
概要 |
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設計・デザイン費 |
50万円~120万円 |
店舗のコンセプトに基づいた内装デザインや設計図の作成費用。工事費全体の5%~15%が目安です。 |
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内装工事費 |
200万円~400万円 |
天井、壁、床の仕上げや、カウンター、間仕切りなどの造作工事にかかる費用です。 |
|
厨房設備工事費 |
100万円~500万円 |
ゆで麺機、コンロ、シンク、冷蔵庫などの厨房機器の購入・設置費用。ラーメン屋の心臓部であり、費用も高額になりがちです。 |
|
電気・ガス・水道工事費 |
150万円~300万円 |
照明やコンセントの設置、ガスの配管、給排水設備の設置など、インフラ関連の工事費用です。 |
|
空調・換気・排気工事費 |
100万円~200万円 |
業務用エアコンや、調理中の熱気や煙を排出するためのダクト工事などにかかる費用です。ラーメン屋では特に重要な設備です。 |
|
その他雑費 |
30万円~100万円 |
看板の設置工事(サイン工事)や、工事中の仮設費用、諸経費などが含まれます。 |
上記の表はあくまで一般的な目安であり、物件の状態や工事業者によって金額は変動します。
設計・デザイン費
店舗のコンセプトを形にするための設計図やデザインにかかる費用です。
お店の印象を決定づける重要な部分であり、専門のデザイン会社に依頼することが多いです。
費用は工事費全体の5%~15%程度が一般的です。
内装工事費
天井、壁、床の仕上げや、お店の顔となるカウンターやテーブル、収納棚などの造作工事にかかる費用です。
使用する素材やデザインの複雑さによって費用は大きく変わります。
【関連記事】飲食店の内装工事費用の相場と内訳を解説!節約するためのコツも
厨房設備工事費
ラーメン屋の運営に不可欠な厨房機器の購入および設置費用です。
ゆで麺機、スープレンジ、冷蔵庫、製氷機など、必要な機器は多岐にわたります。
新品で揃えるか中古品を活用するかで、費用を大きくコントロールできる部分でもあります。
電気・ガス・水道工事費
照明、コンセント、電話・インターネット回線などの電気設備、ラーメンの調理に不可欠な強力なガスコンロのためのガス設備、そして給水・排水のための水道設備工事の費用です。
特にラーメン屋ではガスの容量や給排水設備の設計が重要になります。
空調・換気・排気工事費
お客様と従業員が快適に過ごすためのエアコン設置や、大量の湯気や熱、匂いを外部に排出するための換気・排気設備の工事費用です。
特にとんこつラーメンなど匂いの強いスープを扱う場合は、近隣への配慮のためにも高性能な脱臭装置などが必要になることがあります。
その他雑費
店舗の顔となる看板の製作・設置費用や、工事中の養生や清掃にかかる仮設工事費、現場の管理費など、上記以外の様々な費用が含まれます。
見落としがちな費用ですが、全体の予算を考える上で重要です。
ラーメン屋の内装費用を安く抑える5つのコツ
開業資金には限りがある中で、内装費用はできるだけ抑えたいと考えるのが自然です。品質を落とさずにコストを削減するためには、いくつかのポイントがあります。
ここでは、費用を賢く抑えるための5つのコツを紹介します。
居抜き物件を選ぶ
最も効果的なコスト削減方法の一つが、居抜き物件を選ぶことです。
前の店舗が飲食店、特にラーメン屋であれば、厨房設備や空調、給排水設備などをそのまま流用できる可能性があります。
これにより、スケルトン物件から開業する場合と比較して、数百万円単位での費用削減が期待できます。ただし、設備の劣化状況やコンセプトとの合致度は、事前にしっかりと確認する必要があります。
【関連記事】居抜き物件で飲食店の開業!~メリットと注意すべき点も解説~
中古の厨房機器や什器を活用する
厨房機器は内装費用の中でも大きな割合を占めますが、すべてを新品で揃える必要はありません。
中古の業務用厨房機器を専門に扱う店舗やオンラインストアを活用することで、費用を大幅に削減できます。
シンクや作業台、コンロなど、耐久性が高く中古でも問題なく使用できる機器は多く存在します。状態の良い中古品を賢く取り入れましょう。
DIYで対応できる部分は自分で行う
専門的な技術が必要な工事はプロに任せるべきですが、壁の塗装や簡単な棚の取り付けなど、自分たちでできる範囲(DIY)の作業を行うことで、人件費を節約できます。
友人や知人に手伝ってもらうのも良いでしょう。
ただし、作業の品質や全体のスケジュールに影響が出ないよう、無理のない範囲で行うことが重要です。
複数の内装業者から相見積もりを取る
内装工事業者を決める際は、必ず複数の業者から見積もり(相見積もり)を取りましょう。
最低でも2〜3社から見積もりを取得し、金額だけでなく、工事内容の詳細、提案の質、過去の実績などを比較検討することが大切です。
これにより、ご自身の計画に適した価格で、信頼できる業者を見つけることができます。
補助金や助成金を活用する
国や地方自治体は、新規開業や事業再構築を支援するための様々な補助金や助成金制度を用意しています。
例えば、小規模事業者持続化補助金や事業再構築補助金などが該当する可能性があります。
申請には条件や手続きが必要ですが、返済不要の資金を得られる大きなチャンスです。
利用できる制度がないか、商工会議所や中小企業庁のウェブサイトなどで積極的に情報収集しましょう。
失敗しないラーメン屋の内装業者の選び方
内装工事の成功は、信頼できるパートナーである業者選びにかかっています。
費用が安いという理由だけで選んでしまうと、後々トラブルに発展する可能性もあります。
ここでは、失敗しないための業者の選び方のポイントを3つ紹介します。
ラーメン屋など飲食店の実績が豊富か確認する
ラーメン屋の内装工事には、強力な換気設備や防水・防油性の高い床材の選定、効率的な厨房の動線設計など、特有のノウハウが必要です。
そのため、過去にラーメン屋や飲食店の施工実績が豊富な業者を選ぶことが非常に重要です。
実績を確認することで、専門的な視点からのアドバイスや、スムーズな工事進行が期待できます。
見積もりの内容が詳細で明確かチェックする
提出された見積書の内容を詳しく確認しましょう。
信頼できる業者の見積書は、「一式」といった大雑把な記載が少なく、どのような工事にどのような材料が使われ、それぞれにいくらかかるのかが詳細に記載されています。
不明な点があれば遠慮なく質問し、納得できるまで説明を求めましょう。丁寧に対応してくれるかどうかも、業者を見極めるポイントです。
担当者との相性やコミュニケーションが円滑か見極める
内装工事は、担当者と何度も打ち合わせを重ねながら進めていきます。
そのため、担当者との相性や、コミュニケーションがスムーズに行えるかどうかも非常に重要です。
こちらの要望を正確に理解し、親身になって相談に乗ってくれるか、レスポンスは迅速かなど、契約前のやり取りの中から信頼関係を築ける相手かどうかを見極めましょう。
繁盛するラーメン屋の内装デザインのポイント
内装は、ただ食事をするための空間を作るだけではありません。
お店のコンセプトを伝え、お客様に快適な時間を提供し、リピートにつなげるための重要な要素です。
ここでは、繁盛店に共通する内装デザインのポイントを3つ紹介します。
【関連記事】売上が変わる!?ラーメン屋の内装デザインのポイント|テナント工房
コンセプトを明確にする
「どのようなお客様に、どのようなラーメンを、どのように楽しんでもらいたいか」というお店のコンセプトを明確にすることが、デザインの出発点です。
例えば、「女性一人でも気軽に入れるお洒落なラーメンカフェ」を目指すなら、明るく清潔感のある内装に。
「昔ながらの本格的な味を追求する頑固な一杯」を提供するなら、木材や黒を基調とした重厚感のある雰囲気が合うでしょう。
コンセプトが明確であれば、内装デザインに一貫性が生まれ、お店の魅力がお客様に伝わりやすくなります。
清潔感のある空間を意識する
飲食店において清潔感は最も重要な要素の一つです。
特にラーメン屋は、油汚れや湯気などで汚れやすい環境にあります。
そのため、デザインの段階から掃除のしやすさを考慮することが大切です。
例えば、油が染みにくく拭き取りやすい床材や壁材を選んだり、凹凸の少ないシンプルなデザインにしたりするなどの工夫が挙げられます。
お客様が快適に過ごせる清潔な空間を維持しましょう。
効率的な動線を確保する
お客様の回転率が売上に直結するラーメン屋では、効率的な動線の確保が不可欠です。
スタッフが厨房内を無駄なく動き回れるか、料理の提供や片付けがスムーズに行えるか、お客様が安全に入退店し、席まで移動できるか。
これらの「動線」を緻密に設計することで、サービスの質が向上し、結果としてお客様の満足度と売上アップにつながります。
まとめ:ラーメン屋の内装費用の相場を知って効率的な改装をしよう!
ラーメン屋の内装費用は、開業資金の中でも大きな割合を占める重要な投資です。
坪単価の相場は30万円から70万円と幅広く、物件の種類や工事内容によって大きく変動します。
費用を抑えるためには、居抜き物件の活用や相見積もりの取得などが有効です。
しかし、単に安さだけを追求するのではなく、お店のコンセプトを体現し、お客様が快適に過ごせる空間を、信頼できるパートナー業者と共に創り上げることが成功への鍵となります。
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