売上が変わる!?ラーメン屋の内装デザインのポイント|テナント工房

  • 2025.7.15

  • 最終更新日:


ラーメン屋の内装は、集客を左右する重要なポイントです。テーマやコンセプト、ターゲット層に合わせた内装で他店との差別化を図れる他、業務効率アップも見込めます。

本記事では、これからラーメン屋を開業する方向けに、ラーメン屋の内装が重要視される理由や内装に必要なもの、デザインと差別化のポイント、内装工事にかかる費用やコストを抑える方法について解説します。


Contents
ラーメン屋の内装デザインが大切な理由と売上に与える影響
ラーメン屋の内装に必要なもの
 厨房設備
 排水設備
 電気設備
 ガス設備
 空調設備
 店内の家具や什器
ラーメン屋の内装デザインのポイント
 外観(ファサード)にこだわる
 女性1人でも入りやすい空間
 回転率を意識した席レイアウト
 床や壁の素材選びに注意する
 オープンキッチンにする
 店内・厨房内の動線を考慮する
 清掃のしやすさを考える
 ラーメン屋の内装デザインを差別化するためのポイント
 コンセプトをしっかり決めておく
 照明演出で店舗の雰囲気を作る
 トイレの清潔さを保つ
ラーメン屋の内装工事にかかる費用
 ラーメン屋の内装工事の費用の目安
 ラーメン屋の内装工事の費用の内訳
ラーメン屋の内装工事費用を抑える方法
 適した広さの物件を選ぶ
 居抜き物件を使用する
 相見積を取る
 中古品やリース品を使用する
まとめ


ラーメン屋の内装デザインが大切な理由と売上に与える影響

ラーメン屋の内装デザインは、店の第一印象を決める重要なポイントの一つです。

居心地の良さや清潔感、デザイン性にこだわった店舗は客に好印象を与え、「また来たい」と思わせるきっかけになります。リピーターが付けば経営は軌道に乗り、売上アップを期待できるでしょう。

また、内装デザインにこだわった店舗は他店との差別化を図りやすく、店のブランディングや知名度の向上にも役立ちます。逆に、内装デザインが悪い店はいくらラーメンがおいしくてもマイナスのイメージが付きやすく、客足が遠のく原因になることもあるので注意が必要です。



ラーメン屋の内装に必要なもの

ラーメン屋を開業するにあたって最低限必要な内装の設備は、大きく分けて6つあります。


厨房設備

ラーメン屋の主な厨房設備には以下のようなものがあります。

● ゆで麺機
● ガスコンロ
● スープレンジ
● 冷凍・冷蔵庫
● コールドテーブル(作業台付きの冷凍・冷蔵庫)
● 2層シンク
● 製氷機
● グリストラップ(排水中のごみや油分を除去する装置)
● 従業員用の手洗い器

ラーメン調理は流れ作業なので、プロセスをスムーズにこなせるよう、従業員の動線を考えながらレイアウトする必要があります。


排水設備

ラーメン屋の排水設備は、厨房とトイレの2つがあります。このうち、厨房からは水だけでなく油やごみも流れるため、グリストラップを設置して汚れをキャッチする必要があります。


電気設備

電気設備とは、厨房にある冷凍・冷蔵庫やコールドテーブル、ガスコンロ、給排気システムをはじめ、照明やエアコン、店内に設置するテレビなどを動かすための設備全般を指します。ラーメン屋は電気代が高くなりやすいため、照明はLED電球にするなど、節電効果の高いものを選ぶと良いでしょう。


ガス設備

ガスコンロは、麺をゆでたり、スープを作ったりするのに必要不可欠な設備です。ガス設備の容量は4号、10号などの号数で表され、数字が大きいほど大容量のガスを使えるようになります。必要なガス容量は、店の規模や使用するガス機器によって異なるので、店の状況に合った契約容量にする必要があります。


空調設備

空調設備とは、店内や厨房のエアコン、給排気システムのことです。特にラーメン屋の厨房は熱気やにおいがこもりやすいため、高性能な空調設備を導入した方が良いでしょう。


店内の家具や什器

カウンター席やテーブル、イス、待合室に設置するベンチや本棚など、店内に設置する家具や備品全般も重要です。これらの数や大きさは、店舗の面積や収容人数などによって異なるため、動線や客の回転数などを考えながら、どのような家具をどのくらい設置するかの検討が大切です。

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ラーメン屋の内装デザインのポイント

ラーメン屋の内装デザインを考える際に押さえておきたい基本的なポイントを、7つご紹介します。


外観(ファサード)にこだわる

ラーメン屋に限った話ではありませんが、外観(ファサード)はいわば店の顔であり、第一印象を決めるポイントです。ファサードとは、真正面から見たときの外観やデザインを指します。店舗のコンセプトやブランドイメージに合ったファサードにすれば、来店した客や通りすがりの人に対してどのようなお店なのかのアピールができます。

また、店舗前に店の名前やメニューなどを書いた看板を掲げておくと、どういうメニューをいくらで提供しているのかが一目で分かるため、初めての方でも来店しやすくなります。


女性1人でも入りやすい空間

従来のラーメン店は男性中心の客層というイメージがあるかもしれませんが、女性が一人でも抵抗なく入店できるような内装デザインを心掛けましょう。

例えば、壁紙や床材を明るくて清潔感のある色柄にする、ナチュラルなテイストのテーブル、イスを採り入れる、かわいい食器を使用するなど。女性でも入りやすいラーメン店はまだまだ少ない傾向にあるため、女性客向けの内装デザインを意識すれば、効率の良い集客やリピーター獲得につながるでしょう。


回転率を意識した席レイアウト

ラーメン屋の売上をアップするには、いかに客の回転率を上げるかが重要なポイントになります。そのためには、入店から退店までの客の動線を考慮し、スムーズに動けるようなレイアウトにしなければなりません。

具体的には、テーブル同士の間隔にゆとりはあるか、客同士がぶつかり合わないか、会計が混み合ったときに入口をふさぐ心配がないか、などを検討し、滞りのない動線を確保する必要があります。客が来店してから着席、会計、退店までの流れを実際にシミュレーションし、客がどのように動くのかを理解してからレイアウトを決めるのがポイントです。


床や壁の素材選びに注意する

ラーメン屋は水や油、スープなどの汚れが付着しやすい場所なので、衛生的かつ安全な環境をキープするには、床や壁の素材選びにも注意する必要があります。

例えば、床材は滑りにくい素材を選ぶ、壁材は防水性や防汚性に優れたものを選ぶなど。一方で、ただし機能性を重視するだけでなく、デザイン性にもこだわるのがポイントです。

壁材や床材は店舗のイメージやブランドに合った色を選びつつ、家具とのバランスも考えるようにしましょう。インパクトを出したいのなら、壁の一部にアクセントカラーを採り入れるなど、他店との差別化を図る要素を採り入れてみるのもおすすめです。


オープンキッチンにする

客席から厨房の様子を覗けるオープンキッチンを採用すると、客は調理の工程を目で見て楽しめます。注文を受けてから料理を提供するまでの一部始終をエンターテイメントとして提供できるため、待ち時間のストレスを軽減できる効果が期待できます。また、調理工程を見せることで客に安心感を与えられるのもオープンキッチンならではの魅力です。

ただし、オープンキッチンにすると厨房内の湯気や油、においが客席に流れていきやすくなるため、高性能な排気設備を導入したり、厨房内を常に清潔に保ったりする工夫を施す必要があります。


店内・厨房内の動線を考慮する

客の注文を受けてから料理を提供するまでの時間を短縮するには、店内および厨房内の従業員動線にも配慮しなければなりません。

例えば、厨房内の動線はラーメンとその他のメニューで動線を分ける、調理プロセスに沿って設備を配置する、店内の動線はなるべく客と交差しにくいレイアウトにするなど。また、厨房には入口と出口を一つずつ設けるようにすると、客席に出ていく従業員と、厨房に戻ってくる従業員が交差しにくくなり、よりスムーズに動けるようになります。


清掃のしやすさを考える

ラーメン屋のような飲食店は清潔感や衛生面が何より重視されるため、清掃がしやすいデザイン・レイアウトの意識が大切です。

例えば、継ぎ目の少ない壁材や床材を選ぶ、汚れやすい部分には化粧板を貼る、防水性や防汚性の高い素材を使用するなど。壁との接地面など角がある部分は汚れがたまりやすいので、なるべく丸みを帯びた設計にするなど、設備の構造にも配慮した方が良いでしょう。

また、油をたくさん使用する厨房の排気設備やグリストラップは短期間でかなり汚れやすくなるため、メンテナンスしやすい形状・素材のものを選ぶのがコツです。

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ラーメン屋の内装デザインを差別化するためのポイント

他店との差別化を図るためには、内装デザインにも独自のこだわりやオリジナリティを出すことが大切です。

ここでは、ラーメン屋の内装デザインの差別化を図るために押さえておくべきポイントを3つご紹介します。


コンセプトをしっかり決めておく

まずは、自分の店のコンセプトやテーマをしっかり決めておくことから始めましょう。コンセプトを決めずにデザインやレイアウトを考えようとすると、どこにでもあるような無難な内装になってしまうか、逆にまとまりのないちぐはぐなデザインになってしまう可能性があります。

コンセプトを決めるときは、どのような客層をターゲットにするか、どういうイメージのお店にしたいかなどを考えていくと、コンセプトが固まりやすくなります。コンセプトがしっかりしていれば、内装を決めるときの軸がぶれにくくなって統一感のあるデザインを実現できる上、自分の店ならではの特色やオリジナリティも出しやすくなるでしょう。


照明演出で店舗の雰囲気を作る

店内を照らす照明は、店の雰囲気を左右する重要なポイントです。麺やスープをよりおいしく見せるためには明るめの照明が好まれますが、落ち着きのある雰囲気を演出したいのなら間接照明を採り入れるなど、おしゃれに見える工夫を採り入れることも大切です。

照明自体のデザインも、一般的なシーリングライトだけにとどまらず、ペンダントライトやスポットライトを設置するなどのアレンジを利かせてもよいでしょう。


トイレの清潔さを保つ

いくら店内を清潔に保っていても、トイレが汚れていると「衛生面に問題あり」という負のイメージを与える原因になります。トイレは短時間でも汚れやすい場所なので、壁や床の素材は防水・防汚性の高いものを選ぶのはもちろん、便器も汚れが付着しにくい形状・素材にする、ふちのないものを選ぶなど、汚れが付きにくい環境を整えるようにしましょう。

また、トイレは営業中でも定期的に清掃し、常にきれいな状態を保つようにします。女性客をターゲットにするのなら、アメニティの提供などを検討するのもおすすめです。



ラーメン屋の内装工事にかかる費用

ラーメン屋の内装工事にかかる費用は、店の規模や導入する設備などによって変動します。大まかな目安を把握しておかないと予算オーバーになる恐れがあるので、大体の金額をチェックしておきましょう。

ここでは、ラーメン屋の内装工事にかかる費用の目安と内訳を説明します。


ラーメン屋の内装工事の費用の目安

ラーメン屋の内装工事の坪単価は、一般的に30万円~50万円が相場とされています。

内装工事の費用は一から設計・デザインするスケルトン物件か、前の店の内装や設備をそのまま引き継ぐ居抜き物件かによって大きく異なります。スケルトン物件の場合、20坪なら600万円~1,000万円、30坪なら900万円~1,500万円を一つの目安としておくと良いでしょう。

コストを抑えたいのなら、新たな内装や設備の導入費を最小限に抑えられる居抜き物件を選ぶと良いでしょう。居抜き物件について、詳しくは後述します。


ラーメン屋の内装工事の費用の内訳

ラーメン屋の内装工事の主な費用の内訳は以下の通りです。

仮設工事 10万円前後
内装仕上げ工事 50万円前後
建具工事 40万円~70万円
電気設備工事 80万円~90万円
空調設備工事 80万円前後
給排水設備工事 30万円前後
造作工事 150万円前後
諸経費 60万円前後

上記はあくまで目安ですので、詳しい費用を知りたい場合は内装工事業者に見積もりを作成してもらいましょう。なお、内装工事業者に設計やデザインも任せた場合は、別途デザイン費も発生します。



ラーメン屋の内装工事費用を抑える方法

ラーメン屋の内装工事費をできるだけ抑えたいときは、以下4つの方法を実践してみましょう。


適した広さの物件を選ぶ

ラーメン屋の内装工事費は、一般的に店の広さに比例します。広い物件を選べばゆとりのあるレイアウトができますが、初期費用や賃料が割高になるので、自店の経営スタイルに応じて、無駄のない適切な広さの物件を選ぶことが大切です。

なお、ラーメン店の平均的な広さは5坪~15坪とされています。10坪以下ならカウンター席のみ、あるいは少数のテーブル席を配置したレイアウトにするのが一般的です。

一方、10坪以上ならカウンター席とテーブル席を合わせて設置することもできます。後者の方がレイアウトの自由度も上がりますが、コストはかさむので、配置したいテーブルの数などに合わせて慎重に物件を選びましょう。


居抜き物件を使用する

居抜き物件は前の店舗の内装や設備をそのまま流用するぶん、内装工事費を大幅に節約できます。ただし、レイアウトやデザインの自由度は下がるため、居抜き物件を選ぶときは自分のイメージやコンセプトに近い内装・レイアウトかどうかをチェックしておくことをおすすめします。

なお、内装にこだわりがある場合や、一部で老朽化が進んでいる場合は居抜き物件をリフォームする必要がありますが、物件によっては改装に制限が設けられていることもあるので、事前にきちんと問い合わせておきましょう。


相見積を取る

同じ条件の内装工事でも、施工を依頼した業者によって費用に大きな違いが出る場合があります。より良い条件で施工を依頼するためにも、複数の業者に同じ条件で相見積もりを取り、内容をよく比較してみましょう。

ただし、費用だけで業者を決めると工事の内容に不満が生じたり、アフターサポートが不足したりする原因となるので、トータルでの判断が大切です。


中古品やリース品を使用する

全ての設備を新品で購入するのではなく、中古品やリース品の使用も検討してみましょう。

ただし、状態の悪い中古品を選ぶと、後々メンテナンス費用や修繕費がかさむ可能性があるので、製品の状態や保証の内容をきちんと精査することが大切です。

一方のリース品は毎月決められたリース料を支払って設備を使用するため、初期導入費を節約できるところが利点です。また、リース期間終了時は設備・機器をリース会社に返却するだけなので手間がかからないメリットもあります。



まとめ:内装のプロに相談しながら魅力的なラーメン屋のデザインを目指そう

ラーメン屋の内装デザインやレイアウトは、集客効果やリピーター率に大きな影響をもたらす要素です。経営を軌道に乗せるためにも、女性1人でも入店しやすいデザインにする、客と従業員の動線を意識する、床や壁の素材選びにこだわるなど、さまざまな工夫を採り入れて居心地の良い空間を作ることが大切です。

ただし、予算内で理想のデザイン・レイアウトを実現するのは簡単なことではないため、プロのアドバイスを受けながらの設計・デザインをおすすめします。


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