猫カフェの開業費用はいくら?内訳や資金を抑えるポイントを解説|テナント工房

  • 2026.8.29

  • 最終更新日:

「動物が好きだから、いつか自分で猫カフェを開いてみたい」

そんな夢を具体的に描き始めたとき、最初に気になるのが開業費用ではないでしょうか?物件取得費や脱走防止のための特殊な内装工事、迎え入れる猫の生体費用など、猫カフェならではの出費は多岐にわたり、総額の目安が見えないまま計画が止まってしまう方もいらっしゃいます。

本記事では、初期費用の相場と具体的な内訳、開業後に毎月かかるランニングコストをわかりやすく整理します。あわせて、居抜き物件の活用や保護猫の譲渡、補助金制度などで資金を抑えるコツや、第一種動物取扱業の登録・飲食店営業許可といった必須の手続きも解説します。

この記事の要約

  • 開業資金の総額は1,000万円〜2,000万円が相場で、物件と内装工事費が大部分を占める
  • 脱走防止用の二重扉やキャットウォークの設置など、猫カフェ特有の内装工事にコストがかかる
  • 開業後のランニングコストとして、家賃・人件費のほかに猫の飼育費用(エサ代・猫砂代など)が毎月発生する
  • 居抜き物件の活用や保護猫の譲渡を受けることで、初期費用を抑えられる
  • 第一種動物取扱業の登録、飲食店営業許可の取得、食品衛生責任者の配置が必須



猫カフェ開業の初期費用相場は?

猫カフェを開業するには、テナントを借りて内装を整え、猫を迎え入れるための初期費用が必要です。一般的な相場と、費用の内訳において大部分を占めるとされる項目を整理します。

費用の項目 概要
総額目安 1,000万円から2,000万円程度
主な内訳 物件取得費、内装工事費、猫の生体費用、備品代など
費用の大部分 物件取得に関する費用と店舗の内装工事費

参考:猫カフェ | 起業支援 | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

【関連記事】猫カフェの開業方法を解説!必要な資格から資金調達、成功の秘訣まで解説!


総額1000万から2000万円が目安

猫カフェを開業するための初期費用の総額は、1,000万円から2,000万円程度が目安です。これは立地や店舗の広さ、迎え入れる猫の頭数によって変動します。

例えば、都心部や駅前の好立地で開業する場合は家賃が高くなり、広い店舗であれば内装工事費も増額します。自己資金だけで賄うのが難しい場合は、日本政策金融公庫などの融資制度を活用することも一般的です。

参考:新規開業・スタートアップ支援資金|日本政策金融公庫

参考:創業予定の方|日本政策金融公庫


物件と内装工事が大部分を占める

初期費用の中で特に大きな割合を占めるとされるのが、物件の取得費用と内装工事費です。一般的な飲食店と同様に、テナントを借りるための保証金や仲介手数料が必要です。

それに加えて、猫が快適に過ごせる環境を作り、脱走を防ぐための特殊な内装工事が求められます。物件探しと並行して、猫カフェの内装設計に詳しい施工業者を探しておく必要があるでしょう。



猫カフェの開業に必要な初期費用の具体的な内訳

開業資金の大部分を占める物件や内装のほかに、備品や猫に関わる費用も計算に入れておく必要があります。ここでは、具体的な費用の内訳を4つの項目に分けて解説します。

初期費用の内訳 具体的な内容
物件取得費 保証金、礼金、仲介手数料、前家賃など(家賃の約10ヶ月分)
内装工事費 二重扉、キャットウォーク、空調設備、消臭対策など
備品・設備代 厨房機器、客席のテーブル・椅子、猫用のケージやおもちゃ
生体・初期医療費 猫の購入費用、ワクチン接種代、避妊・去勢手術代など

参考:猫カフェ | 起業支援 | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]


物件取得費は家賃10ヶ月分を見込む

テナントを借りるための物件取得費は、家賃の約10ヶ月分を想定しておきましょう。内訳としては、保証金(敷金)、礼金、仲介手数料、前家賃などが該当します。

店舗用の物件は、居住用のアパートやマンションと比較して保証金が高く設定される傾向にあり、保証金だけでも家賃の6ヶ月〜10ヶ月分を求められるのが一般的です。家賃が20万円の物件であれば、物件取得費だけで200万円以上が必要になるでしょう。


脱走防止等の内装工事費がかさむ

猫カフェの内装工事には、通常の飲食店よりも費用がかかる傾向にあります。出入り口には猫の脱走を防ぐための二重扉が必要になるほか、壁にキャットウォークを設置するなどの工夫も求められます。

また、複数の猫が生活するため、強力な換気設備や消臭効果のある壁紙の導入も必要になるでしょう。スケルトン物件(内装設備が何もない状態)から工事を始める場合は、坪単価で30万円〜50万円程度の工事費を見込んでおくのがおすすめです。

【関連記事】猫カフェ開業ガイド:内装デザインのポイントも解説!|テナント工房


厨房機器や客席用の備品を揃える

お客様に提供するドリンクや軽食を作るための厨房機器や、客席の家具類を揃える費用も必要です。冷蔵庫や製氷機、エスプレッソマシンなどの厨房設備のほか、テーブルやソファといった客席用の備品も購入します。

さらに、猫用のケージ、トイレ、爪とぎ、キャットタワー、おもちゃなども多頭数分揃えなければならないため、これらにもまとまった資金が必要です。


猫の生体費用や初期医療費を払う

お店の主役となる猫を迎え入れるための生体費用と、初期の医療費も大きな出費でしょう。ペットショップやブリーダーから純血種の猫を購入する場合、1頭あたり15万円〜30万円程度の生体価格がかかります。

また、安全に触れ合えるよう、ワクチン接種やノミ・ダニ予防、避妊・去勢手術の費用として、1頭あたり数万円程度の初期医療費も必要です。10頭の猫で開業する場合、これらの費用だけで200万円以上かかる計算になります。



猫カフェ開業後のランニングコスト内訳

お店をオープンした後も、店舗を維持していくためのランニングコストが毎月かかります。利益を出すためには、初期費用だけでなく毎月の支出も正確に把握しておくことが重要です。

ランニングコスト 具体的な内容
物件関連費 テナント家賃、水道光熱費、通信費など
人件費 アルバイトやスタッフの給与、社会保険料
猫の飼育費用 エサ代、おやつ代、猫砂代、定期的な医療費(ワクチン・薬など)

参考:猫カフェ | 起業支援 | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

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毎月のテナント家賃と水道光熱費

毎月の固定費として、テナントの家賃と水道光熱費が発生します。猫が快適に過ごせるよう、営業中はもちろん休業日や夜間もエアコンを稼働させて適切な温度・湿度を保つ必要があります。

また、こまめな清掃や換気も必要なため、水道代や電気代は一般的な飲食店よりも高くなる傾向にあります。固定費が毎月の売上を圧迫しないよう、無理のない家賃設定の物件を選びましょう。


従業員を雇うための人件費

自分一人で営業する小規模な店舗を除き、アルバイトなどのスタッフを雇う場合は人件費がかかります。猫カフェでは、接客やドリンクの提供だけでなく、店内の清掃、猫の体調管理、トイレの片付けなど、業務は多岐にわたります。

猫の頭数や客席数に応じて適切な人員を配置しなければならず、従業員の給与はランニングコストの中でも大きな割合を占めるでしょう。


エサ代や猫砂といった飼育費用

毎日のエサ代やおやつ代、トイレの猫砂代といった飼育費用も毎月かかります。猫の頭数が多いほどこれらの消費量は増え、質の良いフードや衛生的な猫砂を選べばその分費用も上がります。

さらに、定期的なワクチン接種やノミ・ダニ予防薬の投与、突然の体調不良による動物病院での治療費など、医療費への備えも必要です。1頭あたり月額5,000円〜1万円程度を飼育費用の目安として計算しておきましょう。



開業資金を賢く抑えるには?

1000万から2000万円を超える開業資金を用意するのは容易ではないでしょう。初期費用を少しでも抑え、経営を軌道に乗せやすくするためのポイントを3つ紹介します。

資金を抑えるポイント 期待できる効果
居抜き物件の活用 内装工事費や設備導入費を大幅に削減できる
保護猫の譲渡 生体購入費を抑えつつ、社会貢献にもつながる
補助金・助成金の活用 国や自治体の制度を利用して資金の支援を受けられる

参考:猫カフェ | 起業支援 | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]


居抜き物件を選び工事費を削る

以前に飲食店として使われていた「居抜き物件」を選ぶことで、内装工事費を削減できます。厨房設備や空調、トイレなどが残っていれば、それらを再利用することで新規の導入費用を大幅に抑えられる可能性があります。

ただし、猫カフェとしての営業に適しているか、脱走防止の扉を設置できるかといったレイアウトの確認は必要です。元の状態を活かしつつ、必要な箇所だけ改装することでコストダウンを図りましょう。

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保護猫の譲渡で生体費用を抑える

ペットショップから購入するのではなく、動物愛護団体や保健所から保護猫を譲り受けることで生体費用を抑えられます。近年は、新しい飼い主を探す目的で運営される「保護猫カフェ」の需要が高まっています。

譲渡の際はワクチン代などの医療費を負担するのが一般的です。純血種を購入するより費用を抑えられるだけでなく、保護猫の命を救うという社会的な意義を持たせることもできるでしょう。


国や自治体の補助金を活用する

起業家を支援するための国や自治体の補助金・助成金制度を活用できるケースがあります。例えば、小規模事業者持続化補助金や、自治体が独自に設けている創業支援の補助金などが挙げられます。

これらの制度は要件を満たせば返済不要の資金を受け取れますが、事前の申請手続きや事業計画書の作成が必要です。公募期間が決まっているものも多いため、開業準備の早い段階で商工会議所などに相談することをおすすめします。

参考:小規模事業者持続化補助金(一般型)



猫カフェ開業時に必須となる資格と許可

猫カフェを営業するには、動物を取り扱うビジネスとしての登録と、飲食店としての許可の両方が必要です。店舗のオープン前に確実に取得しておかなければならない資格や許可を解説します。

必要な資格・許可 申請先
第一種動物取扱業 都道府県または政令指定都市の動物愛護センターなど
飲食店営業許可 管轄の保健所
食品衛生責任者 管轄の保健所(講習会の受講で取得)

【関連記事】ドッグカフェの開業方法を解説!必要な資格や資金、失敗しないポイントとは?


第一種動物取扱業として登録する

猫カフェを開業するためには「第一種動物取扱業(展示)」の登録が必須です。この登録を受けるには、店舗に「動物取扱責任者」を1名以上配置しなければなりません。

動物取扱責任者になる要件は厳格で、獣医師または愛玩動物看護師の資格を持っているか、半年以上の実務経験に加えて1年間以上の所定の教育機関の卒業、もしくは半年以上の実務経験に加えて客観的な指標に基づいた資格試験の合格が必要です。

資格を持っていない場合は要件を満たすスタッフを雇うか、事前に実務経験を積む必要があります。

参考:環境省_第一種動物取扱業者の規制 [動物の愛護と適切な管理]


保健所で飲食店営業許可を得る

お客様にドリンクや軽食を提供する形態の猫カフェでは、管轄の保健所から「飲食店営業許可」を得る必要があります。許可を取得するには、厨房と客席(猫がいるスペース)を壁や扉で完全に区切る、厨房内に専用の手洗い設備を設けるなどの施設基準を満たさなければなりません。

自治体によって細かな基準が異なるため、内装工事の設計段階で保健所の担当窓口に図面を持参して相談しましょう。

参考:営業許可・届出の概要|「食品衛生の窓」東京都保健医療局


食品衛生責任者を店舗に配置する

飲食店営業許可を取得する要件として、各店舗に1名以上の「食品衛生責任者」を配置することが義務付けられています。

栄養士や調理師の資格を持っていればその資格で食品衛生責任者になれますが、資格がない場合でも各都道府県の食品衛生協会が開催する講習会(1日)を受講すれば取得できます。開業直前は講習会が満席で受講できないこともあるため、スケジュールに余裕を持って取得しておきましょう。

参考:厚生労働省「食品衛生責任者について(現行の取扱い)」



まとめ

猫カフェの開業には、物件取得費と特殊な内装工事費を中心に、総額1,000万円〜2,000万円程度の初期投資が目安となります。居抜き物件の活用や自治体の補助金制度をうまく取り入れれば資金を抑える余地はあるものの、猫の脱走を防ぐ二重扉や、保健所の飲食店営業許可を見据えた厨房と飼育スペースの明確な分離など、専門要件を満たしながら内装プランを組み立てるには相応の知見が求められます。

事業用テナントの中でも動物の飼育と飲食提供を両立できる物件は限られており、さらに第一種動物取扱業の登録手続きや保健所審査を並行して進めなければならず、独力での物件探しと内装プランニングには相応の難しさが伴います。

猫カフェの開業では、物件選びや内装工事だけでなく、関連法令への対応や開業後の集客まで見据えた準備が成功のカギを握ります。テナント工房では、保健所の許可基準を満たすゾーニング設計のポイントや、脱走防止・防臭施工の押さえどころ、リピーターにつながる立地選びなど、ペット関連事業ならではの落とし穴を学べるセミナーを開催中です。

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