店舗設計の依頼方法から費用・流れ・業者の選び方までまとめて解説
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2022.12.15
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せっかく店舗を開業するなら、自分の理想の店舗にしたいですよね。そのためには、店舗設計の依頼方法や、業者の選び方を知る必要があります。
誤った業者を選んでしまうと、納得のいかない内装デザインになってしまったり、必要以上に費用が発生してしまったりする可能性もあります。
そこで今回は、店舗設計の依頼方法や流れについて詳しく解説します。この記事を読むことで理想の店舗に近づけることができるようになります。
店舗設計を依頼する方法
店舗設計を依頼する方法は大きく2種類あります。
店舗設計は、店舗の居心地に大きな影響を与えるものです。店舗の入りやすさや、コンセプトに合ったデザインを重視し、居心地の良い空間を提供できるように考えていきましょう。
設計と施工を別々に依頼する
店舗設計と施工を、それぞれ違った会社に依頼する方法です。
・店舗設計を依頼したい会社が施工を受け付けていない
・店舗設計、施工それぞれの会社にツテがある
・店舗設計と施工とそれぞれ最も要望とマッチするところを選びたい
このような場合に、設計と施工を別々に依頼することになるでしょう。
とくにそうした事情がない場合には、設計から施工まで一貫して対応してくれる会社に依頼した方が、手間は少なくなります。
設計と施工をまとめて依頼する
設計と施工をまとめて依頼すると、それぞれ別の会社とやりとりする手間がなくスムーズです。打合せや契約、施工まで同じ会社と進めることで、担当者にゼロから説明する必要もなくなります。
また、店舗設計・施工を担う会社の立場で考えてみると、任される工程が多く総合的な費用が高くなるほど、業務効率化・コスト削減できる箇所も多くなります。そのため店舗設計、施工を別々の会社に依頼するよりも安く済む傾向にあります。
店舗設計の費用は何で決まる?
店舗設計の費用は何によって決まるのか、ご存じでしょうか。設計会社によって設計料の算出方法は違いますが、一般的に次のような項目があります。
総施工費
総施工費にかかる費用に基づいて店舗設計の費用を算出する場合は、平均的に10~12%を店舗設計費用として算出します。店舗の案件や、大きさなどによって割合が変わります。
店舗設計から施工をトータルで請け負う会社で、まとめて依頼した場合に使用されることが多い算出方法です。什器や工事費、電気・ガスなどのインフラ整備など、施工費の総額の見積もりを出した上で、店舗設計の費用を算出します。
面積
設計会社の中では、面積から店舗設計の費用を算出するのが一般的です。
面積から設計料を考える場合、基本的に坪単価で費用が算出されます。設計費用は坪単価5~7万円ほどです。たとえば15坪前後の店舗なら、75~105万円前後と想定しておくとよいでしょう。
人件費や技術費
人件費や技術費をもとに店舗設計の費用を算出する場合です。実際に施工工事をする際に、必要な人員は何人かなどを想定した上で、店舗設計の費用を算出します。
デザインにこだわり、一般的な設計よりも難しいと判断された場合には、技術料なども上乗せされることも考えられるでしょう。
人件費や技術費で費用を決める会社は少ないです。人件費や技術費で算出される場合は、料金体系がイメージしにくいため、詳しい料金体系の説明を求めるなど納得してから設計を依頼しましょう。
店舗設計・施工に必要な費用相場
施工する物件の状態によっても、必要な費用は大きく異なります。ここでは、物件ごとに店舗設計・施工の費用の相場を開業する店舗を例に出しながら解説します。
スケルトン物件
スケルトン物件とは、スケルトン=骨格の名前のとおり、打ちっぱなしのコンクリートや配管が見えているような建物と骨組みだけの物件のことです。
スケルトン物件は、天井や壁などの内装、室内の設備をすべて1からデザインできる魅力がありますが、施工箇所・作業が多くなるぶん費用も高くなり、坪単価30~50万円程度がかかってきます。仮に25坪の店舗だとすると、750~1,250万円がかかると想定しておくと安心です。
また、スケルトン物件を利用して飲食を提供する店舗を開く場合は、保健所に営業許可を取る必要があります。開業までの手間が増えることはデメリットと感じる方もいるかもしれません。
居抜き物件(小売店)
居ぬき物件は、前のテナントの設備などを引き継いだ物件です。店舗のデザインや設備をそのまま使用できます。
また、小売店などの店舗を経営する場合は、給排水設備工事が必要ありません。つまり、居ぬき物件を活用することで初期費用を抑えられる可能性があります。
居ぬき物件で8~12坪の小売店を開く場合の店舗設計費用は、20~30万前後で抑えられます。
施工にかかる料金は200万~300万前後でしょう。飲食店を経営する場合は、別途給排水設備の工事費用などが発生する可能性があります。
初期費用を抑えられるのは魅力的ですが、妥協できる部分と妥協しない部分を事前に決めておくことが大切です。再利用するものを決めるなど工夫して初期費用を節約しながら、理想の店舗を開業しましょう。
居抜き物件(全面改装)
理想の立地、居ぬき物件を見つけられたとしても、状態が悪い物件もありますよね。
居ぬき物件にこだわりすぎると、店舗が思ったよりも劣化しており、修繕費などの費用が別途発生することもあるので注意が必要です。そういった居抜き物件は、全面改装をする必要性があります。全面改装をすると、お店のコンセプトに沿ったデザインにできます
居抜き物件を全面改装して15~20坪の美容室を開業する場合、店舗設計費用は、40~60万円です。施工にかかる料金は400~600万前後になるでしょう。
店舗設計の流れ
ここでは店舗設計から施工までをまとめて依頼する場合の流れを詳しく解説します。先述したようにまとめて依頼すれば契約の手間を削減し、スムーズに店舗を開業することができるでしょう。
一般的に業者相談から完成までおおよそ3か月~6か月の期間を要します。物件選びや基本設計にどのくらい時間をかけるかによって期間が異なります。
また、先述したスケルトン物件・居抜き物件などの物件によっても施工にかかる期間が変わります。開業したい日付や時期が決まっている場合は、担当者と相談しながら店舗設計を進めていきましょう。
1.業者相談・申し込み
まず、設計事務所や工務店に相談に行くことから始まります。初回無料の相談を行っているところは多くあるので、話だけでも聞きに行ってみてください。
店舗のデザインや内装のイメージがある場合は、イメージを担当者やデザイナーに伝えると理想の店舗実現に向けて、店舗のデザインを考えてくれるでしょう。
話し合いの中でデザインの方向性を決め、納得したら申し込みを行います。店舗のコンセプトやターゲット層など、店舗を経営するにあたって重要となる要素をヒアリングし、店舗のデザインを引き続き考えていきます。
この際、店舗のコンセプトなどを一緒に考えてくれる、妥協せずに親身に相談に乗ってくれる担当者であれば、ご自身に店舗設計の知識がなくても安心です。
2.物件探し・コンセプト作成
相談後、理想とする店舗のデザインやイメージが具体的になったら、それを実現できる物件を探しに候補物件の内覧に行きます。
物件がすでに決まっている場合には、内覧と周辺物件の調査を実施してより細かく店舗設計を行っていきます。
物件はもちろん大事ですが、物件周囲の環境も考慮して店舗設計を行いましょう。たとえば大学が近くて学生が多い街では、客層が若くなることが容易にイメージできます。若年層にとっての入りやすさ、居心地のよさに注目した店舗づくりを行うと、客層とのマッチング度が上がり、店舗経営にもよい影響が期待できるでしょう。
3.基本設計
コンセプトなどの基本構想や、物件を決めた後、店舗設計の概要をデザイナーが図面上に起こした基本設計を作成します。
デザイナーは、色や素材など、数多くの種類の中から店舗に合うと思ったデザインを選んでいます。お互いに意見を出し合い、納得のいくデザインになるよう打ち合わせを重ねましょう。
このとき、店舗がオープンし、お客さんが訪れているイメージをしながらレイアウトを考えることがポイントです。後になって変更を繰り返すと設計者の負担が大きくなり、設計費用も上乗せとなってしまうこともあります。
4.実施設計
基本設計をもとに、デザイナーは実施設計を制作します。実施設計とは、工事の発注ができるように制作する図面のことです。デザインの素材の品番や、什器が置けるように寸法決めを行います。また必要であれば構造・設備図面も作成することがあります。
新築であれば、確認申請書類が必要になります。書類は実施設計図と並行して作成を行い、諸官庁へ提出します。できる限りスムーズに施工に入れるように書類の申請も行います。
万が一各地域で定める条例などに違反していた場合は、事前に確認しておけば必要のない手間が生じます。とくに法律に関しては、しっかりと目を通しておくようにしてください。
5.不動産契約
事業計画や、金融機関との面接を行い、資金計画が立ったのち、不動産物件の契約を行います。
依頼主が主体となって不動産契約することになるため、着工前に不動産契約できていなかったという事態は避けるように、不動産会社と対応を進めておきましょう。
6.着工・竣工
不動産を契約したら、実施設計をもとに着工します。図面の通り設計が進んでいるか随時管理しながら、工事が進んでいきます。
工事が進むにつれ、開店準備も忙しさを増します。スタッフの雇用や指導、印刷物の準備、メニュー選定などやることは数えきれないほどあるでしょう。
実際に工事が終了することを竣工と言います。依頼主が実際に店舗を見る竣工検査で問題がないかどうか確認します。万が一内装に不具合がある、適切な工事がされていないと判断する場合は、第三者の期間に検査を依頼することも検討しましょう。問題がなければ、引き渡しになります。
引き渡し後は開業準備期間です。基本的に1週間~3週間ほど設けられることが多く、お客さんを想定したオペレーションの確認などをすることができます。
この期間に何かトラブルなどがあった場合は、デザイナーに相談して改善するかどうか検討しましょう。
▶着工・施工・竣工とは?それぞれの違いをわかりやすく解説
店舗設計で施工業者を選ぶ際のポイント
店舗設計を行う会社は数多くあるため、どこに依頼をするべきか迷うと思います。そこで、理想の店舗を建てるためにも、施工会社を選ぶ際のポイントをご紹介します。
施工範囲
まず施工業者によって施工範囲は異なります。その会社が対応できる施工範囲でない限り、どんなに施工を依頼したいと考えても、対応は難しいでしょう。
会社のホームページなどを確認して、近しい施工例があるかどうか確認しておくことが大切です。
実績の有無
実績の有無も重要です。これまでの施工実績、口コミ、お客様の声などを参考にするといいでしょう。また、店舗設計のみを行う会社では、提携する施工会社を紹介してくれる場合もあります。
デザイナーとの相性などを考えると、紹介された施工会社に依頼するのもいいでしょう。しかし、予算などが見合わない、得意な施工ジャンルが異なるなどの可能性もあるため、ご自身でのリサーチも同時に行うことをおすすめします。
特色
複数の会社を比較検討していると、施工会社によって強みが異なることに気が付くかと思います。
たとえば、短期間で工事を行うなど工事のスピードにこだわりを持っている会社や、低価格で工事できることを強みにする会社などがあります。会社も同業他社との差別化を図っているため、特色はさまざまです。
スピード感や費用面など、人によって重視するポイントは異なると思います。それぞれの特色を比較してみてください。
サポート体制
トラブルが発生した場合に、素早く適切なサポート体制が整っているかも重要なポイントです。分からないことが多いからこそ、工程においてのアドバイスなどを明確に説明してくれる会社を選ぶようにしましょう。
工事終了後にアフターサポートを行っている会社もあります。細やかな部分まで計画を立てて設計しても、実際に店舗をはじめると新たな気づきや、トラブルが発生することは珍しくありません。サポート体制が整っている会社は安心して工事を任せることができますね。
店舗設計に関するよくある疑問
店舗設計に必要な知識と、店舗設計の流れを確認したところで、よくある質問に回答します。分からない点や不安な点は、業者やデザイナーに事前に確認しておきましょう。
自分で設計しても大丈夫?
店舗の設計は必要な知識がないと、動線が混乱するような店舗になってしまったり、法律に引っかかってしまったりと、トラブルが発生する可能性があります。
もちろん、店舗設計に必要な知識がある方であれば、自分で設計することは問題ありません。一方で知識がない方は、専門的な知識を有する業者やデザイナーに依頼するべきでしょう。
業者は、依頼主から理想とする店舗をヒアリングし、依頼主の頭の中のイメージを設計図にしていきます。業者との信頼関係の構築も理想の店舗づくりに欠かせません。お互いにいい関係を築きながら、理想の店舗に近づけていきましょう。
店舗設計で注意すべき点は?
店舗設計の注意すべき点は、あらかじめ店舗のコンセプトと予算を決めておくことです。実施設計をもとに施工を行っても、施工途中に状況などに応じて変更になることが考えられます。
その際に追加工事が必要になるのかなど、その都度確認することが重要です。詳細な見積もりを出してくれる業者を選ぶと、万が一工事が発生しても、それが正当であるか判断可能です。
まとめ
今回は店舗設計の依頼方法から流れ、業者の選び方について詳しく解説しました。理想の店舗で、お客様に居心地の良い空間を提供できるようにするためには、信頼のできる業者を選び、時間をかけて店舗設計を行うことが重要です。
店舗設計はプロに相談するのが一番です。お一人で悩まずに相談に行ってみることをおすすめします。
また、事前に要望に優先順位をつけておく、予算を把握しておくなど、準備をしっかりすることでスムーズに店舗設計を進めやすくなります。実績や特色、サポート体制などから総合的に判断し、納得できる業者を選んでくださいね。
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