成功するマツエクサロン内装デザインのポイント!費用についても解説

  • 2024.11.15

  • 最終更新日:

人気のあるマツエクサロンは、施術メニューや広告宣伝だけでなく、内装デザインにも力を入れています。 店舗の内装デザインは、来店した顧客の印象や満足度に大きく影響するからです。

ターゲットとなる顧客に合った内装デザインや、リラックスできる空間づくりを取り入れることで、集客力アップにつながるでしょう。

この記事では、マツエクサロンにおける内装デザインのポイントや、気になる費用相場、内装業者の選び方について紹介します。


マツエクサロンにおける内装デザインの重要性とは?

マツエクサロンを開業・改装する際に、内装デザインにこだわるべき理由は3つあります。

  • 顧客満足度を向上させ、リピーターの獲得につながるから
  • 施術者の業務効率や働きやすさに影響を与えるから
  • 開業費用のうち、内装工事費用は大きな割合を占めるから

顧客満足度を向上させ、リピーターの獲得につながるから

おしゃれな内装デザインを取り入れることで、来店した顧客の印象や満足度が高まり、「次もこのお店を利用したい」と感じてもらえます。リピーターを増やす上でも内装デザインは重要です。

とくにマツエクサロンなどの美容サロンでは、施術中に顧客がストレスを感じないよう、清潔感や居心地の良さを意識して内装デザインを考えるとよいでしょう。

実際に人気店では、やわらかい間接照明や、心地よいヒーリングミュージック、安らぎを与えるアロマオイルの香りなどの工夫により、利用者がリラックスできる空間づくりに取り組んでいます。


施術者の業務効率や働きやすさに影響を与えるから

内装デザインが影響を与えるのは、サロンの利用者だけではありません。店内の間取り・レイアウトによって、アイリストやアイデザイナーといったスタッフの働きやすさも変わってきます。

とくに重要なのが、受付や待合室、施術スペース、バックヤード、トイレなどの各エリアの配置です。顧客が来店し、施術を受けるまでの移動の流れ(動線)を想定してレイアウトを考えることで、スタッフが無駄なくスムーズに作業できます。

また以下のような点も意識すると、施術者の業務効率が高まり、働きやすい店舗づくりにつながるでしょう。

  • 施術時にスタッフや顧客同士の距離が近くなりすぎないように配置を考える
  • 移動経路をふさぐようにインテリアや設備・什器を置かないようにする

開業費用のうち、内装工事費用は大きな割合を占めるから

日本政策金融公庫の「創業の手引+(美容業)」によると、サロン開設費用の平均は約940万円です。そのうち、店舗の内外装にかかる工事費用は約476万円と、全体の50.6%を占めています(※)

実は機械・什器・備品などの費用(197万円)よりも、内外装工事にはお金がかかります(※)。とくにテナントを借りるのではなく、一から新築する場合は、より多くの工事費用が必要となるでしょう。

しっかりと店舗のコンセプトやイメージを固め、後悔のない内装工事を行うことが大切です。

※ 日本政策金融公庫「新たに美容業を始めるみなさまへ 創業の手引+」p2

 

マツエクサロンの内装デザインのポイント

マツエクサロンの内装デザインのポイントは4つあります。

  • あらかじめコンセプトやターゲットを固めておく
  • 利用者がリラックスできる空間づくりを意識する
  • 施術前にアイメイクを落とせるスペースを設ける
  • 動線を意識してレイアウトを決める

あらかじめコンセプトやターゲットを固めておく

マツエクサロンの内装デザインは、設計事務所や工務店と打ち合わせを重ね、相談しながら決めていきます。ターゲットとなる顧客に合わせて、「かわいらしい空間」や「スタイリッシュな空間」など、デザインコンセプトを固めておくとよいでしょう。

かわいらしい空間にする場合

若い女性が主なターゲットの場合、かわいらしい雰囲気の内装デザインがおすすめです。ピンク系統の色や、淡いパステルカラーを中心としてコンセプトを考えると、キュートでSNS映えする空間を演出できるでしょう。

スタイリッシュな空間にする場合

大人の女性がターゲットの場合、スタイリッシュな印象を与える内装デザインがおすすめです。例えば、天井や壁だけでなく、機械・什器・備品などもモノトーンで統一すると、クールで洗練された仕上がりになるでしょう。

高級感のある空間にする場合

富裕層を中心として集客するなら、高級感のある空間づくりが欠かせません。アンティーク調のインテリアや、木目調の機械・什器・備品などを取り入れ、ラグジュアリーで落ち着いた雰囲気を演出しましょう。


利用者がリラックスできる空間づくりを意識する

マツエクサロンをはじめとした美容サロンでは、癒やしやリラクゼーションを求めて来店する顧客もいます。

ここでは、利用者がリラックスできる空間づくりのポイントを3つ紹介します。

  • カラーコーディネートにこだわる
  • 照明の色味や色温度にこだわる
  • インテリアにこだわる

カラーコーディネートにこだわる

内装デザインの色は、利用者の心理に働きかけ、さまざまな影響を及ぼすと言われています。例えば、自然を連想させるグリーンや、さわやかなブルーなどの色は、リラックス効果があることが知られています。

照明の色味や色温度にこだわる

照明の色味(色温度)も、リラックスできる空間づくりに欠かせません。とくに赤みを帯びた電球色や、自然の色に近い温白色は、癒やしの空間にぴったりの色温度です。また光が利用者に直接当たらない、やわらかな間接照明も美容サロンに適しています。

インテリアにこだわる

店内に設置する家具やインテリアにもこだわりましょう。

例えば、施術用のイス(スタイリングチェア)は、ふかふかで座り心地が良いものを選ぶと、利用者がゆったりくつろげます。また癒やしの空間を演出するため、ルームキャンドルやルームフレグランス、インテリアフラワーなどの小物を導入するサロンもみられます。


施術前にアイメイクを落とせるスペースを設ける

マツエクサロンの主なターゲットは女性です。アイメイクをして来店する方も多いため、施術前にメイクを落とせるスペースを設けるとよいでしょう。


動線を意識してレイアウトを決める

動線を意識してレイアウトを決めることで、スタッフや利用者の無駄な移動がなくなり、スムーズに施術を提供できます。

とくに入口(エントランス)から施術スペースへの動線は、実際に利用者を案内する流れをイメージし、しっかりと考えましょう。施術スペースが狭かったり、動線が重なっていたりすると、施術中にスタッフ同士でぶつかってしまう可能性もあります。

動線について分からないことがある場合は、設計事務所や工務店の担当者に相談してみましょう。


マツエクサロンの内装デザインを決めるときの注意点

マツエクサロンの内装デザインを決めるときに注意したい点は3つあります。

  • 実現したい内装デザインに合わせて物件を選ぶ
  • 汚れが目立たないように工夫し、清潔感のある空間にする
  • 美容所登録の基準を満たす構造設備を採用する

 

実現したい内装デザインに合わせて物件を選ぶ

マツエクサロンを開業する物件は、大きく3種類に分けられます。

  • 自宅サロン・マンションサロン
  • 居抜き物件(テナントを借りる)
  • 新築(新しく店舗を建てる)

マツエクサロンの場合、自宅やマンションの一室などで営業するケースも少なくありません。とくに家賃相場が高い都心部では、自宅サロンやマンションサロンでの開業を考えている方もいるでしょう。

しかし、自宅サロンやマンションサロンでは、実現できる内装デザインが制限されます。また居抜き物件を借りる場合も、機械・什器・備品などがそのまま残っているため、デザインの自由度はあまり高くありません。

実現したいコンセプトやイメージがある場合は、新しく店舗を建てることをおすすめします。ただし、新築すると内外装工事の費用がかかるため、予算に合った選択をしましょう。


汚れが目立たないように工夫し、清潔感のある空間にする

利用者が安心して施術を受けられるようにするため、清潔感のある空間づくりを意識しましょう。とくにマツエクサロンでは、デリケートな目の周辺に対して施術を行います。店内の清潔感が乏しいと、苦情やクレームの原因となる可能性もあります。

利用者の目にとまりやすいのが、汚れやほこりです。毎日掃除をすることはもちろん、汚れやすい場所にはグレーやブラウンなどの暗めの色を採用することで、汚れやほこりが目立ちにくくなります。


美容所登録の基準を満たす構造設備を採用する

マツエクサロンを開業するには、管轄の保健所に必要書類(開設届や施設の平面図など)を提出し、「美容所」としての登録を受けなければなりません。

サロンの内装にも、美容所登録の基準を満たす構造設備を採用する必要があります(以下、一例)。

構造設備の例(※1)(※2) 基準
床・腰板 不浸透性材料(コンクリート、タイル、リノリューム、板など)とする
毛髪箱、汚物箱 各々フタ付きのものを備える
消毒設備 ・流水装置のある洗い場
・消毒薬(医薬品)・計量器具(液量計)
・未消毒器具:器具消毒用・器具乾燥用の収納ケース などを備える
作業室床面積
美容イスの台数
・10㎡以上、ただし美容イスと鏡のセットが3組を超える場合は超過ぶんの1組につき2.5㎡を加えた広さが必要
(例:美容イスが4台ある場合:10+2.5=12.5㎡以上)

※1 京都府「美容師法施行細則」

※2 京都府「理容所及び美容所における衛生管理要領」


マツエクサロンの内装工事にかかる費用相場

マツエクサロンの内装デザインでは、店舗の内外装工事の費用の他、機械・什器・備品の購入費用や、美容所登録の費用(検査手数料など)がかかります。

また集客に向けた広告宣伝費や、事業が軌道に乗るまでの間の運転資金も用意しておくとよいでしょう。ここでは、マツエクサロンの開業までにかかる費用の目安を紹介します。


マツエクサロンの内外装工事費用の目安は約476万円

日本政策金融公庫の「創業の手引+(美容業)」によると、内外装工事にかかる費用の平均は約476万円です(※)。

ただし、一から店舗を新築するのではなく、テナントを借りる場合、外装工事や外部工事の費用はかかりません。

店舗形態 テナント 新築
工事費用 内装工事 内装工事費用+外装工事費用+外部工事費用

店舗形態によって工事費用は変わってくるため、実際の費用は設計事務所や工務店などに問い合わせてください。

※ 日本政策金融公庫「新たに美容業を始めるみなさまへ 創業の手引+」p2


機械・什器・備品代の目安は約197万円

日本政策金融公庫の「創業の手引+(美容業)」によると、機械・什器・備品代の平均は約197万円です。美容サロンの開業費用のうち、2番目に高い金額となっています(※)。

マツエクサロンの開業に必要な機械・什器・備品には、以下のようなものがあります。

  • ・施術用のベッドやリクライニングチェア
  • ・照明器具
  • ・ドレッサー

施術用のベッドやリクライニングチェア

マツエクサロンの開業には、施術用のベッド(施術台)か、リクライニングチェアが必要です。

購入費用は、通常のベッドよりもリクライニングチェアの方がかかります。また同じベッドでも、低反発タイプのものや昇降式のものは購入費用が高くなるため、予算に合わせて種類を選びましょう。

照明器具

マツエクサロンの場合、店内を照らす照明に加えて、施術中に手元を照らすライトも必要です。必要に応じて、ライトを支えるアームやスタンド、拡大用のレンズなどの周辺機器も導入しましょう。

ドレッサー

施術前にアイメイクを落とせるドレッサーがあると、顧客満足度の向上につながります。美容サロン向けのドレッサーは、通常のドレッサーよりも高額なため、思わぬ出費となるケースもあります。


美容所登録の費用の目安は約2万円

美容所登録をするには、施設の完成後、自治体ごとの設備基準に適合しているかを確認する立入検査を受けなければなりません。

施設の検査を受けるには、検査手数料がかかります。金額は自治体によって異なり、例えば京都府の保健所での場合、検査手数料は1万6,320円です(※)。

その他、登記事項証明書を取得する費用(法人の場合)や、証明書の発行手数料(希望する場合)などもかかる場合があります。

※ 京都府「美容師法に基づく衛生上必要な措置等に関する条例」


広告宣伝費や運転資金も用意しておく

これらの費用の他、集客に向けた広告宣伝費や、開業後の運転資金も用意しておきましょう。

広告宣伝費の例として、例えば店舗のホームページの作成費用や、SNSでのプロモーション費用、雑誌や新聞などのメディアへの広告出稿費用が挙げられます。

また日本政策金融公庫の「創業の手引+(美容業)」によると、開業後の運転資金の平均は約150万円です。開業資金の16.0%程度を目安として、家賃や人件費、水道光熱費などの運転資金を用意しておきましょう(※)。

※ 日本政策金融公庫「新たに美容業を始めるみなさまへ 創業の手引+」p2


まとめ:失敗しない内装業者の選び方も知っておこう

マツエクサロンの内装工事で失敗しないためには、信頼できるパートナーとなるような内装業者を選ぶことが大切です。例えば、内装業者を選ぶに当たって、以下のような点を考慮するとよいでしょう。

  • ・美容室のデザインや内外装工事の実績があるか
  • ・利用者からの口コミや評判は良いか
  • ・デザインから施工まで一貫して依頼できるか

内装業者の選び方についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。


成功するマツエクサロンの内装デザインのポイントを知ろう

マツエクサロンの開業・改装を成功させるためには、内装デザインにもこだわりましょう。

店舗の内外装工事にかかる費用は、開業資金全体の約50%を占めています。施設の完成後、後悔することがないように、「あらかじめコンセプトやターゲットを固めておく」「リラックスできる空間づくりを意識する」といった内装デザインのポイントを把握しておきましょう。