小料理屋内装の基本!小料理屋の内装デザインのコツ|テナント工房
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2025.10.6
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最終更新日:
アットホームで落ち着いた雰囲気のある小料理屋は、大衆居酒屋にはない魅力があり、常連が付きやすいお店ともいわれています。ただし、お客様に愛される小料理屋を営むには、居心地の良い空間づくりにこだわる必要があります。
そこで今回は、初めて小料理屋を開店する方向けに、小料理屋の定義や内装デザインのコツ、デザインを決めるために心掛けたいポイント、コスト削減の方法についてまとめました。
小料理屋の定義
小料理屋とは、家庭的な料理や、その料理に合うお酒の提供を主な趣旨としたお店のことです。
ジャンルとしては居酒屋に該当しますが、大勢の人でにぎわう大衆居酒屋とは異なり、小料理屋はカウンター席がメインで、スタッフも1人~2人の少人数制となっています。そのぶん、スタッフとお客様の距離が近く、おいしい料理とお酒を堪能しながら、スタッフとのおしゃべりを楽しむことを目的に小料理屋に通うお客様も多いようです。
基本的な小料理屋の内装デザインのポイント
小料理屋の内装デザインを決めるに当たって押さえておきたい基本のポイントを6つご紹介します。
和や伝統などの要素を取り入れる
小料理屋ではさまざまな料理を提供しますが、基本的には日本の家庭料理=和食がメインですので、内装にも和の要素や日本の伝統を取り入れるのがおすすめです。
例えば、壁や床、カウンターなどに木材を使用する、和紙を用いた照明を取り入れるなど。一方で、純和風にこだわりすぎると高級感が出てしまい、小料理屋ならではのアットホームさが薄れる可能性もあるので、要所でモダンな要素を取り入れてみても良いでしょう。
一例を挙げると、一部の畳の配色を変える、障子は和紙の代わりにガラスを採用するなどがあります。現代的な要素を加えると、カジュアルさが増してふらっと立ち寄りやすい雰囲気を出せるでしょう。
外観(ファサード)にもこだわる
外観(ファサード)はいわば店の顔であり、第一印象を決める重要な要素です。店の前を通った人の目を引くような外観にすれば、効率良く集客出来るでしょう。
外観デザインを決める際のポイントは、内装デザインとテイストを統一させることです。外観と内装のイメージがマッチしていないと、来店したお客様が混乱してしまう可能性もあるため、世界観を壊さないよう注意する必要があります。
小料理屋は和風、あるいは和モダンの内装が基本となるため、外観も木材や竹、障子、格子など和テイストを感じさせる素材をふんだんに使用すると良いでしょう。
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照明設計をしっかり計画する
照明はその部屋の雰囲気を左右する重要なポイントになるため、しっかりと計画を立てて設置することが大切です。照明を考えるときは、見た目だけでなく、照度(面積あたりの明るさ)や色温度(光の色合い)などにもこだわると良いでしょう。
小料理屋の場合、落ち着いた雰囲気づくりが重視されるため、照度はやや落とすケースが多いようです。ただし、照度を落としすぎると足元が見えにくくなったり、料理の色合いが映えなくなったりする可能性もあるため、適度な照度を模索する必要があります。
一方の色温度はぬくもりを感じさせる電球色や、太陽の明るさに近い昼白色などが人気です。外観については、木材や和紙を用いた和テイストの照明を合わせると、内装デザインとの統一感が増すでしょう。
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座席レイアウトと動線の考慮
小料理屋は店の性質上、フロアの面積はさほど広くないため、座席のレイアウトと動線には十分に配慮しなければなりません。店の出入りや通路の往き来で頻繁に他の人と接触すると、ストレスを感じて居心地の悪い空間になってしまいます。
そのため、席と席の間に適度な空間があるか、お客様の動線とスタッフの動線が頻繁に交差しないか、などを考えながらレイアウト設計を行うようにしましょう。来店したお客様の動きとスタッフの動きをそれぞれシミュレーションすれば、そのお店に合った適切なレイアウトが見つかりやすくなります。
メンテナンスしやすい素材選び
小料理屋に限らず、飲食店では衛生面が非常に重視されます。いくらおしゃれな内装にしても、汚れが目立つようではお客様が不快な思いをする原因となるので、常時きれいな状態を保てるよう、メンテナンスしやすい素材を選びましょう。
例えば、床材は料理や飲み物をこぼしてもさっと拭き取れるクッションフロアにする、木材に防汚・撥水効果のある仕上げ塗料を塗るなど。トイレも、フチなしトイレやタンクレストイレを選んだり、汚れが付きにくい特殊コーティングを施したものを採用したりすれば、衛生的な状態をキープ出来る上、掃除の手間も省けます。
小物や装飾で雰囲気づくりの演出が出来る空間にしておく
壁や床、天井、カウンターといった構造体や造り付けの家具とは別に、小物や装飾をプラスすると、より良い雰囲気を生み出せます。
和のテイストが主となる小料理屋なら、陶器や木製の置物を飾る、和風テイストの花器に花を生ける、絵画や掛け軸をディスプレイするなど。花や絵画については、季節に合わせて入れ替えるなどの工夫を取り入れれば、四季を感じられるお店になるでしょう。
小料理屋の内装デザインを決めるためのポイント
小料理屋の内装デザインを決める際は、基本的な概念として、以下3つのポイントを理解しておきましょう。
コンセプトを決める
小料理屋の内装デザインを決める際は、店のコンセプトを明確にしておくことが大切です。店のコンセプトやテーマがはっきりしていないと、内装デザインの軸がぶれ、統一感のない仕上がりになる恐れがあります。まずはどのような店にしたいのか、頭の中にあるイメージをなるべく具体化し、内装づくりの基板を作っておくようにしましょう。
例えば「初めての方でもくつろげるようなカジュアルな店にしたい」「30代~40代の会社員の方が仕事帰りにふらっと立ち寄れる店にしたい」など。基本のコンセプトが決まれば、どのような設計にするか、どういう素材を選べば良いか、などの基準もはっきりするため、デザイン設計もスムーズに進みやすくなります。
ターゲット層に合わせた雰囲気づくりをする
店のコンセプトを決めたら、ターゲット層に合わせた雰囲気を出すにはどうすれば良いかを具体的に検討します。
例えば「会社員の方が一人で気軽に立ち寄れる店」をコンセプトにする場合は、モダンな要素を積極的に取り入れてアットホーム感やカジュアルさを前面に出せば、予約なしでもふらっと立ち寄れる気軽な雰囲気を演出出来ます。
一方、女性の利用客を増やしたい場合は、外観から内装に至るまで、おしゃれでスタイリッシュなデザインを取り入れるのがポイントです。また、プライバシーに配慮してパーテーションを設置し、半個室にするなどの工夫も取り入れると、女性でも抵抗なく来店出来るようになるでしょう。
料理を引き立てる空間にする
小料理屋は料理を楽しむ場所なので、主役である料理を引き立てる空間づくりを意識することが重要です。
一般的に、料理をおいしく見せる色は暖色系とされているため、照明をぬくもり感のある電球色にする、ナチュラルな色合いの木製カウンターを設置するなど。照明に関しては、店の上半分を少し明るめにし、下半分をやや暗めにすると、料理の彩りを強調しながら、落ち着きのある空間に仕上げられます。
小料理屋の内装デザインのコスト削減のポイント
「内装デザインにはこだわりたいけど、予算オーバーが気になる」という場合は、理想の内装を実現しつつ、予算内に収めるための節約術を取り入れましょう。
ここでは小料理屋の内装デザインのコストを削減するためのコツを4つご紹介します。
収支計画に合った物件を選ぶ
収入に対して支出が大きくなると経営が破綻する恐れがあるため、あらかじめ策定した収支計画に基づき、予想する収入に見合った物件を選ぶようにしましょう。
小料理屋を開業するための物件は、立地や規模、設備などによってコストが大きく異なります。立地の良い場所を選べば集客効果は高まりますが、そのぶん物件価格や賃料が高く、コストがかさみやすくなる場合もあります。
なお、小料理屋の物件には、構造体から設計・レイアウトするスケルトン物件と、前の店舗から内装や設備をそのまま流用する居抜き物件の2種類があります。前者の方が設計の自由度は高めですが、コストを抑えたいのなら後者の居抜き物件を検討した方が良いでしょう。
内装に使用する素材にこだわりすぎない
内装の素材選びは、素材の質にこだわりすぎるとコストが割高になる原因となります。そのため、実用性やコンセプトに合ったデザインを意識しつつ、必要以上に高級な素材を選ばないようにしましょう。
お客様の目に触れる部分にはこだわり、あまり目立たない部分は安い素材を使うなど、メリハリのある設計にするのも有効な手段でしょう。ただし、メンテナンス性に関してはあまり妥協しないのがおすすめです。耐久性や防汚性に優れた素材を選べば、掃除の手間が省けるだけでなく、素材そのものが長持ちしてリフォームにかかるコストを安く抑えられるからです。
内装工事のプロに相談すれば、実用性とデザイン性、コストパフォーマンスを兼ね備えた素材を提案してもらえるでしょう。
設備などは中古品やレンタル品も取り入れる
設備や什器は全て新品を購入する必要はなく、中古品やレンタル品を利用するという方法もあります。中古品やレンタル品なら初期の設備導入費を安く抑えられるため、浮いた費用を他の内装費に回すことも出来ます。
ただし、状態の悪い中古品を選んでしまうと、かえって修繕費やメンテナンス費用がかさむ可能性があるため、事前に設備・什器の状態はきちんと確認することが大切です。
一方、リース品やレンタル品なら、月々定額の費用で最新の設備を導入出来ます。ただし、長期的に利用すると購入するよりコストがかかることもあるため、長期利用した場合の費用を比較してみることをおすすめします。
複数の業者から相見積もりを取る
業者ごとに費用が異なるケースは珍しくないため、内装工事業者を選ぶときは複数の業者から相見積もりを取りましょう。
内装工事費は、デザインや設計の内容、店の規模、選んだ素材の他、工事を依頼した業者によっても大きく変動します。業者が作成した見積書の内容を比較すれば、どの業者がより良い条件を提示してきたかが一目で分かり、トータル施工費の節約にもつながります。
ただし、コストばかりを重視して業者を選ぶと、手抜き工事をされたり、粗悪な素材を使われたりするリスクが高くなります。そのため、見積書を比較する際は費用だけでなく、内訳や予定している工期などを確認し、総合的に満足出来る業者を選ぶことが大切です。
施工事例の紹介
テナント工房が施工した施工事例をご紹介します。
大阪の小料理屋
おばんざいNico
落ち着いた空間でしっぽり呑めるおばんざい屋さん
まとめ:小料理屋の内装デザインは居心地の良さを重視して決めよう
小料理屋の内装デザインを決めるときは、店のコンセプトやターゲット層に合わせた雰囲気づくりなどを心掛けつつ、和の要素を取り入れたり、外観や照明にこだわったりするのが基本です。
一方で、営業上の実用性を兼ね備えるためには、座席レイアウトや動線、メンテナンスのしやすさなどにも配慮する必要があります。さらに予算のことも踏まえるとなると、理想の設計・レイアウトを考えるのは難しくなるので、内装工事のプロに相談しながらデザイン・設計を考えた方が良いでしょう。
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