飲食店の内装デザインを成功させるコツと内装をおしゃれにするメリット

飲食店の内装は、集客において重要な要素です。デザインに優れた店舗は、顧客の注目を集められます。
内装をおしゃれにするには、デザインにおけるコツを押さえなくてはなりません。そこで、飲食店の内装デザインを成功させるためのコツをまとめました。
あわせて、内装にこだわることで得られるメリットや、内装業者の選び方をご紹介します。


飲食店の内装デザインを成功させるコツ

飲食店の内装は、料理や立地・経営におけるコンセプトにより、それぞれデザインが違います。同じ料理・コンセプトの店舗でも、内装のデザインに違いが生じる場合もあります。

料理の種類やコンセプトに限らず、集客効果のある内装作りにおいて共通するコツがあります。コツを押さえれば、顧客に受ける内装を作れるようになるでしょう。以下では、内装デザインを成功させるコツをご紹介します。


店舗のコンセプト

内装を決めるにあたって最重要なのが、店舗全体のコンセプトです。立地・提供する料理・ターゲットにしたい客層などを明確に決めましょう。

店舗作りの柱であるコンセプトが決まっていないと、内装のデザインもバラバラになります。統一感のない店内では、顧客は落ち着いて食事ができません。まずは店舗の目的を定め、そのうえで必要なデザイン要素をまとめましょう。

デザインは絵に描かなくても問題ありません。必要な要素を箇条書きするだけでも十分業者には伝わります。店舗内装を検討する際はコンセプトと、コンセプトに沿った要素の洗い出しを行いましょう。


店舗の導線・レイアウト

内装において重要なのが、動線とレイアウトです。動線はスタッフの動きだけでなく、顧客の動きも考慮しなくてはなりません。レイアウトはレジ・インテリア・厨房をそれぞれ考えます。

飲食店の動線は、厨房内で料理を作るときの動き・できた料理を配膳する動き・下げられた食器を受け取って洗う動きの3つを意識します。異なる作業をするスタッフの動きが被らないよう、動線はできるだけ独立させて考えましょう。

次にレイアウトですが、レジを最初に決めるとほかの要素を決めやすくなります。レジは入り口近く、客席から離れたところに設置すると動きやすく、顧客が快適に過ごせます。

インテリアは顧客の印象や店舗の雰囲気を決める要素です。コンセプトを意識しながら適切な位置に配置しましょう。厨房は動線を意識した配置を心がけてください。



店舗の照明

店舗のデザインを決めるのは、レイアウトやインテリアだけではありせん。照明も重要な要素です。コンセプトに沿って、適切な明るさと色を決めましょう。

照明の適切な明るさは、飲食店によって異なります。高級感や落ち着いた雰囲気を演出したい場合は、天井に近い部分は明るく、下に向かうにつれて暗くなるような明るさが適しています。明るい雰囲気を求めたり回転率を高めたりしたいなら、標準より少し明るいくらいの照明がベストです。

照明の色についても、押さえておきたいポイントがあります。電球色やオレンジ色に近い照明を用いれば、暖かさやぬくもりを伝えられます。ゆったりとした雰囲気を作り出すため、電球色やオレンジ色の照明はゆっくり食事を楽しんでほしい場合に最適です。また、自然の光に近い色は料理をおいしそうに見える効果があります。

回転率を高めたい場合の照明は、オレンジよりも白系の光を入れるとよいでしょう。青系の光は集中力を高める効果があるため、長時間滞在には適していません。回転率を高めたい場合は、不快にならない程度に長居しにくい照明を意識して調節します。

照明もまた、コンセプトの影響を強く受ける要素です。店舗デザインを決める際は、コンセプトを十分に練ってから取りかかりましょう。


内装の配色

照明と同じくらい顧客に影響を与えるのが、内装の配色です。内装の配色は多くても3色までに留めましょう。カラフルにしすぎると落ち着かない印象を与えてしまうでしょう。ベースの色を決めてアクセントとなる色を加えると、店内をすっきりとまとめられます。

たとえば、白一色のところに木の色や木目調の柄をもってくることで、清潔感とぬくもりを伝えられます。黒またはダークブラウンの中にオレンジ系の照明や雑貨を飾ると、ビンテージ感のある店内を演出できます。

このように、飲食店の内装は基本の色にアクセントを加えるかたちで考えましょう。


工事を依頼する業者

最後に重要なのが、内装工事を依頼する業者です。選び方のポイントとして「コンセプトにあったデザインが得意か」と「適切な料金か」のふたつを基準にしてください。

内装業者はそれぞれ、得意な設計やデザインがあります。同じ飲食店を得意とする業者でも、コンセプトにより得意・不得意があり、仕上がりが大きく変わります。業者選びの際は、まず自分の掲げているコンセプトが得意な業者を絞り込みましょう。

次に金額についてです。内装業者は独自に価格設定を行っています。同じデザイン・施工でも、業者ごとに大きく差が出る場合も珍しくはありません。金額から決めるには複数の業者に見積もりを出して、比較する必要があります。

飲食店の内装はコンセプトやレイアウトだけでなく、業者選びも重要です。必ず複数の業者を比較したうえで依頼先を選びましょう。



飲食店の内装をおしゃれにするメリット

飲食店の内装をおしゃれにすると、集客効果以外にもメリットを生み出します。ここでは、内装をおしゃれにすると得られるメリットを解説します。


集客&売上UPにつながる

飲食店の内装をおしゃれにした場合の一番の効果は、集客と売り上げアップです。おしゃれな内装が話題になれば、顧客が口コミやSNSで店舗を宣伝してくれます。

多くの人が注目すれば、テレビや雑誌などの大きなメディアに取り上げられる可能性もあるでしょう。顧客が増えれば売り上げもアップします。

店舗が自分から宣伝しなくても顧客が集まるようになれば、広告宣伝費にかける費用も最小限で済ませられます。費用が浮いた分をメニュー開発に注力することも可能です。内装の力を借りつつ料理の質を向上できれば、より多くの顧客を集められるようになるでしょう。

おしゃれな内装は集客だけでなく、費用を節約し、注力したい部分にお金をかけられるようになる効果もあります。料理の質にこだわった店舗を経営したい場合でも、内装はしっかりデザインしましょう。


顧客満足度の向上につながる

おしゃれな内装は、目や雰囲気でも顧客を楽しませられます。料理だけではない付加価値もつけられるため、顧客満足度の向上を期待できます。店舗に満足する顧客が増えれば、リピーターや新規の顧客も確保できるでしょう。

コンセプトを大切にしつつ他店にはない内装を心がければ、競合店にも勝てるようになります。内装へのこだわりは、料理以外の価値を店舗につけるのに最適な要素です。


従業員にも良い印象を与えられる

内装の影響を受けるのは、顧客だけではありません。店内で働くスタッフにもよい影響を与えられます。

おしゃれな内装の店で働けるようになれば、それだけで周りからうらやましがられるようになります。おしゃれなライフスタイルに価値を見出すスタッフがいれば、店舗により貢献するようになるため、店舗サービスの向上に役立つでしょう。

スタッフが高い満足度で働くようになるため、離職率の低下も期待できます。また、店舗の評判が広まれば、新しいスタッフも雇い入れやすくなります。たくさんの応募者の中から、ほしい人材を選べるようになるため、即戦力となるスタッフを確保しやすくなるでしょう。

働きやすくておしゃれな内装は、店舗の業務をスムーズに進めるのにも役立つ要素です。飲食店の内装を考える際は、内装の細かい部分までこだわりながら考えることをおすすめします。


飲食店の内装工事を依頼する業者の選び方

おしゃれな内装の店舗を作るには、業者選びにもこだわらなくてはなりません。業者はそれぞれ得意なデザインや価格が違うため、自分の店にあうところを的確に選ぶ必要があります。

次は、飲食店の内装業者を選ぶときのポイントを解説します。業者選びの際は、これから解説するポイントを押さえたところに依頼しましょう。

工事からアフターフォローまで一貫体制か

内装業者には3つの種類があります。施工のみでデザインを行わない業者・デザインのみで施工しない業者・デザインから施工まで一貫体制で行う業者です。業者選びの際は、デザインから施工を一貫体制で行っている業者を選びましょう。

施工のみ・デザインのみの業者だと、業者ができない作業を別業者に引継ぎする必要があります。当然ながらふたつの業者に料金を支払うため、引継ぎがいる分、工期も費用も必要です。

デザインから施工までを一貫体制でできる業者なら、施工依頼と打ち合わせの手続き・施工までを一気に行えます。費用や工期も、ひとつの業者にかかる分で済むため、無駄がありません。内装業者を選ぶときは、まずデザインから施工までを一貫体制で行っているかどうかに注目しましょう。


開業までワンストップでサポートしてもらえるか

内装業者の中には、施工から完成までだけでなく、開業までのサポートできる業者があります。施工に関する相談はもちろん、什器・インテリア業者とつながりのあるところに依頼すれば、つながりを通じて信用できる業者を紹介してもらうことも可能です。

業者選びの際は、アフターフォローも可能かをチェックしましょう。できれば、開業までワンストップでサポートしてもらえるところを選んでください。


現役で活躍する職人と連携しているか

内装デザインは流行があります。個客の興味を引くには、現在の流行にあわせたデザインができる業者を選ばなくてはなりません。現役の飲食店経営者と交流がある・実際に施工を行っている職人と連携が取れているかなどのポイントにも注目しながら選びましょう。

実際のお店の流れを確認し、柔軟な対応ができる業者であれば、現在の流行を正しく汲み取れます。このような業者を探す際は、実際に気になる内装のお店に行き、利用した業者を聞くなど、口コミをチェックするとよい業者を見つけられます。

内装業者の中にはネットで宣伝を行わず、地元の評判のみで活動しているところも多いです。業者を探すときはネットだけでなく口コミを確認するなど、さまざまな方法で探しましょう。


実績は豊富か

おしゃれなデザインには、テクニックが要求されます。思い通りの内装を作ってもらうには、実績ある業者に依頼する必要があります。業者選びの際は、実績にも注目しましょう。

実績は内装業者のホームページで確認できます。おしゃれな内装を手掛けた実例や、内装実績自体の数などを確認してください。自分が求めているデザインをよく扱っているところなら、安心して店内を任せられます。



飲食店の内装工事にかかる費用

内装業者の選び方を押さえたところで、実際に依頼するとどれくらい費用が掛かるかを確認しましょう。費用目安としては、デザイン・設計費が35~70万円・設計管理費は25~50万円・厨房工事が30~300万円・内装工事は50~150万円となります。

内装工事のみの場合はそれほどかかりませんが、客席の設備やデザインにこだわれば当然費用は高くなります。厨房設備の費用に開きがあるのは、カフェや料理店など、飲食店ごとに違いがあるためです。

また、必要な費用は物件によって異なります。設備・壁・天井・床をはがし、構造体の状態であるスケルトン物件は、設備や床・壁などを作るところから始めなくてはなりません。その分デザインは自由に設計できますが、費用は高くなります。

一方、設備や内装が残った状態の居抜き物件は、デザイン性に制限がありますが、設備や床が完成している分、費用を抑えることが可能です。費用を抑えたい場合は、物件の種類にも注目しましょう。

内装工事は業者ごとにかかる費用が違うため、内装工事の際は物件だけでなく業者ごとの費用も比較すると、よい業者を選べます。比較には複数の業者に見積もりを出してもらう必要があります。見積もりを出してもらったうえで、業者を決めるようにしましょう。


まとめ:飲食店の内装はコンセプト作成が重要

飲食店の内装は、集客や店舗の付加価値などを決める重要な要素です。おしゃれな内装をうまく作れるようになれば、経営をスムーズにすすめられるでしょう。

内装を決める際は、コンセプトを明確に決め、それに沿ってデザインを選んでいきます。コンセプトはしっかり作成してください。内装業者は得意とするデザインや機能が違うため、選ぶ際は注意が必要です。

飲食店の内装作成を検討されている方は、まずはコンセプト作成と内装業者探しから取りかかりましょう。