店舗の看板の種類と選び方ガイド|テナント工房

  • 2025.5.13

  • 最終更新日:


店舗に掲げる看板は、その店の知名度や集客に大きな影響をもたらします。

看板は種類によって特徴が異なるため、店のコンセプトやデザインなどに合わせて制作することが大切です。また、店舗看板の設置には遵守しなければならない法律もあるため注意しましょう。

本記事では店舗看板の概要や主な種類、看板設置に関する法律、制作にかかる費用、看板で集客するためのポイントをまとめました。



店舗の看板とは何か

店舗の看板とは、その店の情報を周知させるために設置する広告媒体のことです。看板には店名やキャッチコピー、連絡先、住所などが表示されており、店先やその周辺など、人目に付きやすいところに設置します。


店舗の看板の役割と重要性

店舗の看板の役割は、道行く人に店の情報を提供し、集客率や認知度を向上させることです。

看板がないと、その店が何という名前で、どのようなサービスを提供しているのか全く分からないため、店の前を通っても「入ってみよう」という気持ちにはなりません。店舗看板を掲げておけば、店の名前、サービス、キャッチコピー、連絡先、住所などの情報を一度に確認できるため、興味・関心を持った人が来店するきっかけになります。

また、そのお店を訪れようとする人にとって、看板は店の所在地を示す目印にもなります。店舗の前だけでなく、周辺の目立つところに「次の信号を曲がってすぐ」などの情報を提示しておけば、初めて訪れる人をお店まで案内する役割も果たしてくれるでしょう。


看板とブランディングの関係

看板は色やフォント、イラストなどを自由にデザインすることが可能です。店の名前や連絡先などの情報だけでなく、その店のコンセプトやテーマに基づいたキャッチコピーを掲げたり、ロゴを掲載したりすれば、ブランドを印象づけたり、認知度を高めたりする効果を期待できます。

また、店の外観や内装と同じテイストの看板を設置すれば、デザインの統一感が生まれ、ブランドのイメージ確立に役立つでしょう。


看板を利用した集客効果

集客に使えるツールは多くありますが、看板を利用した集客には他の方法とは異なるメリットがあります。

まず第一に、コストパフォーマンスに優れている点です。パンフレットやチラシは配布して手元に在庫がなくなると、新たに発注しなければならず、コストがかさんでしまうかもしれません。一方、看板は一度設置すれば、汚れがひどくなったり、壊れたりしない限り、長期間にわたって宣伝効果を発揮することが可能です。

2つ目は人目に付きやすいことです。看板は一目見ただけで情報が伝わるデザイン・レイアウトにするのが基本であるため、店先や道路沿いなどに大きめの看板を設置しておけば、通行人や通りがかった車の目に留まりやすくなります。デザインやレイアウトにこだわった看板を掲げれば、より人々の記憶に残りやすく、高い集客効果を期待できるしょう。



店舗の看板の種類

店舗の看板にはさまざまな種類があります。ここでは主な種類とそれぞれの特徴をまとめました。


スタンド看板


スタンド看板とは、自立型かつ移動可能な看板のことです。主に店先など屋外に設置するタイプで、キャスター付きのものや折り畳み式になっているものなど、さまざまな種類があります。いずれの場合も手軽に持ち運びできるため、閉店後は店内にしまうこともできます。

なお、同じスタンド看板でも、ポスターを貼り付けるタイプ、手書きタイプ、電飾タイプなどの種類があり、用途に応じて使い分けが可能です。


ウィンドウ看板


ウィンドウ看板とは、店舗の窓ガラスそのものを看板にするタイプで、別名ウィンドウサインとも呼ばれています。文字やイラストなどを印刷したシートを窓に貼るだけのため、設置スペースが必要なく、それでいてインパクトのある見た目に仕上がるところが特徴です。シートを曇りガラス風にすれば目隠しの効果も期待できます。


ファサード看板


ファサード看板とは、店舗の正面に掲げる看板のことです。いわば店の顔とでも言うべき看板であるため、店名や業種を掲げて目印のような役割を果たしているケースが多く見受けられます。

また、店舗やブランドのイメージを強調する役目も担っていることから、サイズは大きめで、ロゴやショップカラーなどを採り入れているところが特徴です。


壁面看板


壁面看板とは、その名の通り、壁面に取り付けるタイプの看板です。前述したファサード看板も、壁面に取り付けられているものなら壁面看板の一種となります。

壁面看板は取り付ける場所によって役割が異なります。例えば店舗の正面に出すファサード看板の場合なら、店の顔や目印としての機能が期待できるでしょう。一方で、側面の高い位置などに掲げれば、遠目からでも宣伝効果を発揮する広告物としての役割を果たします。

なお、壁面看板には平坦なパネルを取り付ける平看板と、箱のような見た目をした箱形看板の2種類があり、取り付ける場所や目的に応じて使い分けられます。


突出し看板(袖看板)


突出し看板とは、通りに面した壁面などに、道路に対して直角になるように取り付けた看板のことです。着物の袖のように見えることから、別名袖看板とも呼ばれています。表と裏のどちら側からも情報を視認できるため、その通りを通行する人や車に漏れなくアピールできるところが特徴です。

通行の邪魔にならないよう、サイズは小ぶりなものが多いですが、そのぶん電飾などで目立たせる工夫をこらしているものが多く見受けられます。


自立・野立看板


自立・野立看板とは、地面に作った基礎に固定されている看板です。

前述したスタンド看板も自立型ですが、自立・野立看板は一度取り付けると移動ができない固定型の看板であるところが特徴です。そのぶん頑丈で、かつサイズも大きめの場合が多く、店名の他に業種や電話番号、キャッチコピー、地図などさまざまな情報を掲載できます。


デジタル看板


デジタル看板とはディスプレイなどに宣伝広告などの画像や映像を流せる電子看板のことです。一般的にはデジタルサイネージと呼ばれています。普通の看板は静画であるのに対し、映像や音声などを流せるところが大きな特徴で、遠目からでも人の目を引きつけます。

また、ネットワーク機能が搭載されているタイプなら、遠隔操作でリアルタイムに映像の内容を変えることも可能です。



店舗看板設置に関する法律


店舗看板は勝手に設置して良いものではなく、屋外看板についてはさまざまな法令や条令によってルールが定められています。ルールを無視して看板を設置すると法律違反や条令違反に問われ、罰則の対象となる可能性があるため注意しましょう。

ここでは店舗看板設置に関する法律や条令について説明します。


看板設置に関する法律・条令

看板設置に関する主な法律・条令は以下の通りです。

● 道路交通法
● 道路法
● 屋外広告物法
● 建築基準法
● 自治体の条令

各法令では、看板設置に当たって遵守すべき安全性や、看板設置の際に届出、看板のサイズに関するルールなどが定められています。また、設置する看板のサイズがかなり大きい場合は建築基準法の対象になることもあります。


許可申請の流れと必要書類

屋外看板を設置する場合に必要な許可申請の流れは以下の通りです。

1. 必要な情報を確認する
2. 申請書類を準備する
3. 審査の実施
4. 手数料の支払い
5. 許可証・許可済シールの交付
6. 完了届を提出する


まず、設置する看板について、設置場所や看板のサイズを確認します。特に設置場所については、規制区域の対象になっていないかどうかをチェックしましょう。規制区域に該当する場合、看板設置に一定の規制が適用されるため、注意が必要です。

次に、申請に必要な書類を準備します。申請書類の種類や書式は自治体によって異なりますが、主に以下のような書類が必要です。

● 屋外広告物表示(設置)許可申請書
● 看板を設置する場所の見取り図
● 看板の形状やサイズ、材質などを示す仕様書
● 施工者の屋外広告業登録通知の写し


上記の他にも、看板の種類やサイズ、設置場所の要件などによって賃貸借契約書や建築確認許可書の写し、管理者の資格者証の写し、安全点検報告書などが必要になることもあります。書類に不備があると申請が通らないため、事前に必要な書類について役所に問い合わせておきましょう。

必要な書類を提出したら、自治体による審査が実施され、問題がなければ所定の手数料を支払います。すると、許可証・許可済シールが交付されるため、看板の目立つ場所に貼り付けましょう。

看板の設置が終わった後に自治体に完了届を提出すれば、手続きは完了です。


看板のサイズや位置の制限

看板の種類によっては、サイズや設置位置に制限が設けられることもあります。例えば突出し看板や自立・野立看板の場合、看板の高さが4mを超える場合は建築基準法に基づく工作物確認申請が必要です。また、突出し看板を市道の上に設置する場合は道路占有許可の申請が必要になります。

このように、看板のサイズや位置に一定の制限が設けられている場所で、必要な許可を得ずに看板を掲げた場合、看板を撤去されたり、罰則の対象になったりする恐れがあるため注意しましょう。



店舗看板制作の費用の目安


店舗看板制作にかかる費用は、看板の種類やサイズ、設置場所などによって異なります。事前にシミュレーションしておかないと予算をオーバーする可能性もあるため、大まかな費用相場をチェックしておきましょう。


看板の制作コストと内訳

看板制作にかかるコストの相場は、15~30万円程度とされています。

ただし、前述の通り、看板は種類やサイズのバリエーションが豊富で、制作する看板によって費用に大きな差が生じます。そのため、費用の相場はあくまで目安と考え、希望する看板の制作にどのくらいの費用がかかるか詳しく知りたい場合は、業者から見積もりを取り寄せましょう。

なお、看板制作費の主な内訳は以下の通りです。

●デザイン費
●施工費
●諸経費
●運搬交通費
●現場調査費
●足場代
●電気工事費
●各種申請代行


上記の他にも、必要に応じて高所作業車やクレーンなどの利用代金、古い看板の撤去代、交通誘導警備員の費用などが必要になることもあります。

 

費用を抑えるためのポイント

看板制作の費用を節約するために押さえておくべきポイントは3つあります。

●早めに発注する
●具体的な要望を正確に伝える
●継続利用する


看板を制作することが決まったら、なるべく早めに発注を依頼しましょう。スケジュールに余裕があれば、人員をなるべく抑えて施工できるため、人件費の節約になります。

また、発注の際は看板のデザインや仕様や要望について、なるべく具体的な情報を伝えておくことが大切です。詳細を詰めておけば、デザインや設置場所などを検討する手間が不要になるぶん、コストの削減につながるでしょう。

さらに、業者によっては継続利用することで割引サービスが適用されることもあります。今後長く利用するケースも考慮し、末永くお付き合いできる優良な業者を選ぶことが大切です。


看板業者の選び方

看板業者を選ぶ際にチェックしたい主なポイントは以下3つです。

●施工実績の豊富さ
●見積もり内容の内訳
●業務の範囲


看板の施工実績が豊富な業者であれば、知識・技術・ノウハウに長けているため、多彩なニーズに応えてもらえます。

また、見積もりを取り寄せたときは、内訳がきちんと記載されているかどうかも重要なポイントの一つです。「看板制作一式」など曖昧な表現をしている場合、詳細な内訳が分からず、後から追加料金などが発生するリスクがあります。見積もりが届いたら、どのような作業を行い、それぞれにどのくらいの費用がかかるかをしっかりチェックしましょう。

さらに、看板制作についてどこまで対応してくれるのかも重視したいところです。看板の施工だけでなく、デザインや設計、アフターフォローまで一貫して自社で対応してくれるところなら、外部の業者を挟まずに済むぶん、コストや手間を節約できるでしょう。


看板で集客するためのポイント


看板による集客効果をアップするためのポイントを3つご紹介します。

 

店の特徴や雰囲気が伝わるデザインにする

看板は店の顔です。そのため、一目見ただけで店の特徴や雰囲気が伝わるデザインにすることを心掛けましょう。

例えば和食なら筆文字にする、パン屋ならパンのイラストを採り入れるなどの工夫を施すと、どういうお店か認識しやすくなり、集客につながります。


営業時間やメニューなどの情報を入れる

店に入りやすくするためには、営業時間やメニューなど、お客様が知りたい情報をアピールすることが大切です。

具体的には、スタンド看板に画像入りのメニューを載せたり、窓看板に営業時間を掲載したりすれば、お客様も気軽に入店しやすいでしょう。


夜間でも見えるように電飾・LED看板を使用する

夜間営業するお店なら、看板に電飾やLED看板などを使用して視認性を高める方法も有効です。

LEDなら電気代を節約できるため、ランニングコストを抑えながら集客効果を高めることが可能です。



まとめ:店舗のコンセプトやニーズに合った看板を制作しよう

店舗の看板には、店の集客効果をアップしたり、知名度や認知度を向上させたりする役割があります。看板にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴やメリットに違いがあるため、ニーズやコンセプト、予算に応じた看板を設置しましょう。

なお、屋外看板の設置には法律や条令に基づいた届出が必要です。ルールを遵守せずに看板を掲げると罰則の対象となることがあるため注意しましょう。

看板の設置コストをなるべく抑えたいのなら、デザインから施工まで一貫対応してくれる業者を選んだ上で、早めに発注依頼を出すこともおすすめします。


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