整体院の開業に必要な資格は?開業資金の目安や必要な手続き、内装のポイントを解説|テナント工房

  • 2026.7.31

  • 最終更新日:

整体院の開業を考えているものの、「何から始めればいいのか」「資格は必要なのか」と不安を感じていませんか?確かな整体の技術をお持ちでも、資金計画や法律、税金の手続きまで一人で把握するのは骨が折れることでしょう。

この記事では、整体院の開業に資格が必要かどうかや整骨院との違い、自宅・テナント別の開業資金の目安、開業までの6ステップ、開業届などの必須手続き、失敗しない内装づくりのポイントまでを分かりやすく解説します。




整体院の開業に資格は必要?整骨院との違い

整体院を開業するにあたり、どのような資格が必要なのか疑問に思う方も少なくないでしょう。後々のトラブルを防ぐためにも、事業を始めるためのルールを把握しておくのがおすすめです。ここでは、整体院の開業における資格の扱いや、似た業態との違いについて解説します。


整体院は無資格でも開業できる

結論からお伝えすると、整体院を開業するために特別な国家資格は必要ありません。日本の法律において、整体やリラクゼーションを目的とした施術を提供するだけであれば、無資格でも事業を始めることが認められています。異業種から転身して独自の技術を学び、自分の店舗を持つケースも存在します。

ただし、無資格で開業できるからといって、技術や知識が不要というわけではありません。お客様の体に直接触れるサービスである以上、解剖学などの専門的な知識をしっかりと身につけておくことが求められます。

無資格で開業した場合のリスクとして、施術中の事故や体調悪化に対する法的責任、専門知識の不足によるお客様の信頼低下、資格を保有する競合との差別化の難しさなどが挙げられます。こうしたリスクを軽減するためにも、知識不足による施術の事故が起きないよう、日々の学習や技術向上に努めましょう。

参考:厚生労働省「施術所の名称等について」


整骨院(接骨院)やマッサージ店との違い

整体院とよく似た業種として挙げられやすいのが、整骨院や接骨院、そしてマッサージ店です。これらとの大きな違いは、施設を開業するために国家資格が必要となる点です。整骨院や接骨院を開業するには、柔道整復師という国家資格が必須になります。

また、マッサージを看板に掲げて開業する場合は、あん摩マッサージ指圧師の国家資格が必要です。健康保険が適用されるかどうかで国家資格が求められる施設と整体院を見分けられます。

整骨院では骨折や捻挫などの治療に対して健康保険を適用できますが、整体院では保険を使った治療行為を行うことはできません。お客様に対して、自院がどのようなサービスを提供する場所なのかを正確に伝える必要があるのです。

参考:全国健康保険協会(協会けんぽ)「柔道整復師のかかり方|給付と手続き」

参考:・あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(◆昭和22年12月20日法律第217号)


取得しておくと有利な民間資格

国家資格は不要ですが、民間資格の取得にはメリットがあると考えられます。資格の所持は一定水準以上の技術や知識があることを客観的に証明でき、お客様からの信頼を得やすくなる効果が期待できます。

代表的な民間資格としては、カイロプラクティックやリフレクソロジー、スポーツトレーナーなどの資格が挙げられます。資格証を店内に掲示したり、ホームページのプロフィールに記載したりすることで、初めて来店するお客様の不安を和らげる効果も狙えるでしょう。

また、特定の技術に特化した資格を持つことで、他の整体院との差別化を図る武器にもなり得ます。自身の得意分野を見極め、それに合った資格の取得を検討してみてください。

施設の種類 必要な資格 資格の種類 健康保険の適用 主な目的
整体院 不要(民間資格があると有利) 民間資格(カイロプラクティック等) 適用不可 疲労回復
リラクゼーション
姿勢改善
整骨院(接骨院) 柔道整復師 国家資格 適用可能(条件あり) 骨折、脱臼、打撲、捻挫などの治療
マッサージ店 あん摩マッサージ指圧師 国家資格 適用可能(医師の同意が必要) あん摩
マッサージ
指圧による治療


整体院の開業に必要な資金の目安

整体院の開業にあたって、資金がどれくらい必要なのかは多くの方が気になるポイントでしょう。開業するスタイルによって、初期費用の規模は大きく変わってきます。

ここでは、自宅で開業するケースと、賃貸テナントを借りるケースに分けて、それぞれの資金の目安を解説します。

費用の項目 自宅開業の目安(万円) テナント開業の目安
(万円)
費用の詳細や内訳のポイント
物件取得費 0 100〜200 テナントの場合は敷金、礼金、仲介手数料などが発生
内装工事費 0〜30 100〜300 自宅は壁紙やカーテンの変更程度。テナントは間仕切り等が必要
設備・備品費 10〜30 50〜100 施術ベッド、受付カウンター、待合室の家具、リネン類など
広告宣伝費 0〜20 30〜50 ホームページ制作、チラシ印刷、Web広告、看板設置など
運転資金(数ヶ月分) 0〜50 100〜150 開業直後の売上が不安定な時期を乗り切るための生活費・経費
合計金額の目安 10〜130 380〜800 選択する規模や立地によって金額は大きく変動する

自宅で開業する場合に必要な資金

自宅の空き部屋を利用して開業する場合、物件取得費がかからないため初期費用を抑えられます。主な支出は、施術用ベッドやタオルなどの備品代、内装の変更費用、チラシやホームページなどの広告宣伝費です。

開業後しばらくの運転資金を加えても、10万円から130万円程度の資金で開業可能と考えられます。自宅開業は家賃が発生しないため、毎月の固定費が抑えられ、精神的な負担も少ないというメリットがあります。

一方で、生活感が出やすいため、インテリアや照明を工夫して非日常感を演出することが求められます。また、看板の設置や駐車場の確保など、住宅街ならではの制約に配慮しながら準備を進める必要があるでしょう。

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賃貸テナントで開業する場合に必要な資金

駅前や商業施設周辺の賃貸テナントを借りて開業する場合は、まとまった資金が必要となります。物件を借りるための敷金や礼金、仲介手数料といった物件取得費に加えて、店舗らしい空間を作るための内装工事費がかかってきます。

さらに、看板の設置費用や広告宣伝費、当面の運転資金を含めると、380万円から800万円程度の資金を見込んでおくのが一般的です。

賃貸テナントは人通りが多い場所が選択でき、新規のお客様を獲得しやすいという利点がありますが、毎月固定の家賃が発生します。初期投資が大きくなる分、集客に力を入れて早期に投資を回収する仕組み作りをしっかり構築しましょう。



整体院を開業するまでの手順と準備6ステップ

整体院を開業するためには、計画的に準備を進めることが大切です。思いつきで行動すると、余計な費用がかかったりスケジュールが遅れたりする原因になり得ます。

ここでは、開業に向けて段階的に取り組みたい手順を、ステップごとに詳しく見ていきます。

準備のステップ 主な作業内容 期間の目安 注意点やポイント
1.コンセプト設計 ターゲット設定
メニュー開発
価格設定
1〜2ヶ月 他店との明確な差別化要素を言語化する
2.事業計画の策定 売上予測
経費計算
資金繰り表の作成
1ヶ月 融資審査に耐えうる現実的な数値を設定する
3.物件選定・契約 立地調査
内見
賃貸契約の締結
1〜2ヶ月 ターゲット層の導線や競合店の有無を確認する
4.資金調達 自己資金の確認 1〜2ヶ月 事業計画書を持参し、早めに事前相談を行う
5.設備・備品の準備 施術ベッド、消耗品、予約システムの導入 2〜3週間 過剰な投資を避け、必要最低限からスタートする
6.広告・集客準備 ホームページ作成
チラシ配布
SNS運用開始
1〜2ヶ月 開業前から少しずつ認知を広げておく

ステップ1:コンセプトの設計

開業準備の第一歩は、整体院のコンセプトの明確化です。誰に、どのような悩みを解決するサービスを提供するのかを具体的に言語化しましょう。

例えば「働く女性の肩こり改善に特化する」「スポーツ愛好家のパフォーマンス向上を支援する」など、ターゲットと提供価値を絞り込むことで、店舗の雰囲気や価格設定、立地選びの方向性が定まりやすくなります。

周辺の競合店を調査して自分の技術や経験を活かせる強みを見極め、「選ばれる理由」となる独自性を打ち出して、安定経営の土台を作りましょう。


ステップ2:事業計画書の作成

コンセプトが定まったら、事業計画書を作成します。事業計画書には、想定される売上や毎月かかる経費、初期費用の回収計画などを具体的な数値で記載します。

客の単価や1日あたりの想定来店数から売上を算出し、家賃や人件費、消耗品費といった支出を差し引いて、無理のない収支の見通しを立てましょう。

事業計画書は、金融機関から資金を借り入れる際の審査で重視される大切な書類です。客観的で現実的な数字を設定することが、開業後の資金繰りの安定につながるでしょう。


ステップ3:物件の選定と契約

事業計画と並行して、店舗を構える物件を探します。自宅を活用するのか、駅前のテナントを借りるのか、マンションの一室を利用するのかによって、必要な資金や集客方法は大きく変わります。

ターゲット層が通いやすい立地かどうか、競合店が周辺にどれくらいあるかを調査しましょう。物件の目星がついたら内見を行い、広さや天井高、水回りの状況、施術スペースとして使えるかを確認します。

契約時には敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用に加え、原状回復義務の範囲も把握しておくと、退去時のトラブルを防ぐのに役立ちます。


ステップ4:開業資金の調達

物件や設備の費用が見えてきたら、開業資金の調達を進めます。自己資金だけで賄えない場合は、日本政策金融公庫などの公的機関からの借り入れを検討するのが一般的です。

融資には申し込みから実行まで時間がかかるため、事業計画書を持参して早めに相談窓口へ足を運びましょう。自己資金と借入のバランスを取り、余裕を持った資金計画を立てられれば、売上が不安定な開業直後の時期を乗り切る助けになるでしょう。


ステップ5:機材・備品の準備

物件と資金の目処が立ったら、施術に必要な機材や備品を買い揃えます。整体院の運営には、施術用ベッドやタオル、マットなどの備品が必要です。施術ベッドはお客様の快適性だけでなく施術者の作業効率にも影響するため、慎重に選びましょう。

あわせて、受付カウンターやパソコン、予約管理システムなども初期段階で準備しておきたい設備です。内装は、清潔感がありリラックスできる空間を意識します。装飾を重視すると費用がかさみやすいため、まずは必要最低限から揃え、利益が出てから少しずつ充実させるのをおすすめします。細かな消耗品もリスト化し、漏れなく準備を進めましょう。


ステップ6:広告・集客の準備

設備が整ったら、開業前から集客の準備を始めます。開業初日からお客様に来てもらうためには、事前に認知を広げておくことが求められます。ホームページやGoogleビジネスプロフィールを整備し、店舗の場所やメニュー、料金をわかりやすく掲載しましょう。

あわせて、InstagramなどのSNSでの情報発信や、近隣へのチラシ配布もおすすめの手段です。オープン記念の割引やSNSの登録特典を用意すると、初回来店のハードルを下げやすくなるでしょう。なお、詳しくは後述しますが、整体院の広告には法律上の表現規制があるため内容には十分な注意が必要になります。

参考:あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師|厚生労働省

参考:厚生労働省「あはき・柔整広告ガイドラインの概要(PDF)」



整体院開業で必須となる手続きと注意点

整体院開業で必須となる手続きと注意点<

整体院を開業する際には、国や自治体に対する法的な手続きが必要です。ルールを知らずに営業を始めてしまうと、後から罰則を受けたり、事業を停止せざるを得なくなったりするおそれがあります。

ここでは、開業時に必ず行うべき手続きと、重要な注意点について説明します。

手続き
・注意点
提出先・関係する法律 期限・タイミング 目的と具体的な内容
開業届の提出 所轄の税務署 事業開始日から1ヶ月以内 個人事業主としての登録を行い、税務上の手続きを開始するため
青色申告承認申請書 所轄の税務署 開業日から2ヶ月以内(原則) 確定申告時に特別控除などの税制上の優遇措置を受けるため
広告表現のチェック 薬機法、あはき法、景品表示法 チラシやWebサイトの制作時 「治療」「治癒」「マッサージ」等の違反となる表現を避けるため
消防署への届出 管轄の消防署 内装工事の開始前や使用開始前 テナントの構造変更等に伴い、防火対象物使用開始届などが必要な場合

税務署への開業届の提出

個人事業主として整体院を開業する場合、事業を開始した日から1ヶ月以内に、管轄の税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」を提出する必要があります。手続き自体は無料で、用紙に屋号・事業内容・開業日などの必要事項を記入します。

提出方法は以下の3つです。

  • 税務署の窓口への持参
  • 郵送
  • e-Tax(電子申告)

用紙のダウンロードや記入方法は、国税庁の公式ページで確認できます。提出時にはマイナンバーの記載と本人確認書類が必要になるため、あわせて準備しておくとよいでしょう。

仮に提出しなくても、直ちに罰則が科されることはありません。ただ、開業届を出していないと後述の青色申告を選択できず、屋号名義の銀行口座開設や事業用の融資審査で不利になるおそれがあります。事業の実態を公的に示す書類でもあるため、開業初期の早い段階で済ませておくのがおすすめです。

参考:A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁


青色申告承認申請書による税金対策

開業届と同時に提出しておきたいのが「青色申告承認申請書」です。提出期限は、原則としてその年の3月15日までですが、1月16日以後に開業した場合は、開業日から2ヶ月以内と定められています。期限を過ぎるとその年は青色申告が使えず、白色申告となります。

開業届とセットで提出しておくとよいでしょう。青色申告の大きなメリットの一つは、青色申告特別控除による節税効果です。控除額は記帳・申告の方法によって10万円・55万円・65万円の3段階に分かれます。複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付して期限内に提出した場合は55万円が控除されます。

さらに、e-Taxによる電子申告または優良な電子帳簿の保存を行った場合は、最大65万円が控除されます。控除以外にも、赤字を翌年以降3年間繰り越せる純損失の繰越控除や、家族へ支払う給与を経費にできる青色事業専従者給与など、開業初期の資金繰りを助ける制度が利用できます。

参考:A1-8 所得税の青色申告承認申請手続|国税庁

参考:No.2072 青色申告特別控除|国税庁


消防署への届出(テナント開業時)

賃貸テナントで開業する場合は、消防関係の届出も必要になることがあります。店舗を新たに使い始める際は、管轄の消防署へ「防火対象物使用開始届出書」の提出が必要です。原則として使用を開始する7日前までが期限です。間仕切りの設置や内装工事を行う場合は、「防火対象物工事等計画届出書」を工事着手の7日前までに提出します。

これらの届出は、避難経路や消防設備が基準を満たしているかを事前に確認する目的で行われます。防火対象物使用開始届出書は各自治体の火災予防条例に、防火対象物工事等計画届出書は消防法施行令に基づく手続きです。建物全体の収容人員によっては、防火管理者の選任・届出が求められるケースもあります。

整体院のように不特定多数の方が出入りする特定用途の建物では、収容人員30人以上が選任義務の目安です。テナント契約の前に、対象となる建物の管理会社や管轄の消防署へ確認しておくと安心です。

届出を怠ると、使用開始後に是正指導を受けることがあります。自宅の一室を利用する小規模な開業では、届出は原則として不要です。住宅の一部を大きく改装する場合は、念のため確認しておくとよいでしょう。

参考:防火対象物の工事等計画の届け出をしよう | 東京消防庁

参考:防火管理者が必要な防火対象物と資格 | 東京消防庁


広告表現における法律上の制限に注意

整体院の集客でチラシやホームページを作成する際は、広告表現に注意が必要です。医師法・医療法・あはき法(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律)・景品表示法など、複数の法律によって使用できる表現が制限されています。

これらの法律との関係では、「治療」「治る」「治癒」「マッサージ」といった医療行為やそれに類する言葉の使用は禁止されています。なお、薬機法はサプリメントや健康器具を販売・広告する場合に適用されます。

肩こりが「治る」と断定したり、医療機関であるかのように誤認させたりする表現は、法律違反として指導の対象となります。代わりに「疲れを癒やす」「姿勢を整える」「リフレッシュする」など、リラクゼーションや健康維持を目的とした表現を用いるのが基本です。他に、景品表示法に注意が必要です。

合理的な根拠なく「業界No.1」「効果は絶対」などと表示すると優良誤認、通常価格を偽って割安に見せると有利誤認にあたるおそれがあります。施術前後を比較するビフォーアフター写真や利用者の体験談も、効果を保証すると受け取られる使い方は避けましょう。

2023年10月からは、広告であることを隠して口コミを装う、いわゆるステルスマーケティングも景品表示法の規制対象となりました。第三者に依頼した口コミやSNS投稿には「PR」「広告」と明記するなど、法律の範囲内で自院の魅力をどう伝えるかの工夫が求められます。

参考:あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師|厚生労働省

参考:厚生労働省「あはき・柔整広告ガイドラインの概要(PDF)」

参考:令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。 | 消費者庁



整体院の開業成功を後押しする内装作りのポイント

整体院を開業する上で、施術の技術や立地と並んで着目したいのが内装です。内装は単なる見た目の問題ではなく、お客様の満足度や集客、リピート率にまで影響を与えると言われる経営要素です。

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ポイント1:施術効果を高めるリラックス空間を演出する

整体院では、施術そのものの技術だけでなく、お客様が心身ともにくつろげる空間かどうかも満足度に影響します。緊張した状態では体がこわばり、施術の効果を十分に感じてもらえない可能性もあります。

照明の明るさや色温度、壁紙の色合い、香りやBGMといった要素を丁寧に整えることで、来店した瞬間から気持ちがほぐれる非日常の空間を演出できるでしょう。リラックス体験は「またここに来たい」という気持ちをサポートし、リピート率の向上にもつながります。


ポイント2:清潔感で来店のハードルを下げる

初めて整体院を訪れるお客様は、体に直接触れられるサービスへ不安を抱えていることもあります。不安を和らげる上で、清潔感のある内装は大切な役割を果たします。汚れや古さが目立つ空間では、どれほど技術が高くても信頼を得るのを妨げる可能性があります。

白を基調とした明るい壁や整理された受付、清潔なリネン類が見える環境は、それだけで安心感を醸成すると考えられています。また、待合スペースや洗面まわりなど、施術室以外の場所まで配慮が行き届いているかどうかも、注意点です。


ポイント3:コンセプトを反映し競合と差別化する

整体院は無資格でも開業できるため、地域によっては競合が多く、価格や立地だけで差別化するのが困難なことも珍しくないでしょう。そこで強みになるのが、店舗のコンセプトを内装で表現することです。

たとえば「働く女性向けの上質な癒やし」を掲げるなら木目や間接照明を使った落ち着いた空間に、「スポーツ愛好家向け」であれば機能的で活動的な印象の内装にと、ターゲットに合わせて雰囲気を作り込みます。内装から伝わる世界観は、他店にはない独自の魅力としてお客様の記憶に残る助けになるでしょう。



整体院開業の際に参考にしたい内装事例

整体院の開業では、施術を受ける方が安心して体を預けられる空間づくりが大切です。ここでは、整体院づくりの参考になる内装の工夫を紹介します。

サロンやクリニックの事例から得られる施術室・受付・待合の整え方を整体院にも活かしましょう。

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横になる施術に配慮した照明計画

滋賀県栗東市のエステサロンBou様は、施術室の照明に様々な工夫が見られます。寝転んだときに顔へ照明が直接当たらないよう、天井の照明は控えめに設定されています。その分、カウンター下の間接照明や鏡の横の丸い照明で明るさを補うように工夫されました。

横になって受ける施術が中心となる整体院でも、まぶしさをやわらげる照明の考え方は参考になりそうです。

参考:Bou様施工事例|開業ならテナント工房


圧迫感を抑えた受付・待合空間

京都市のKelly Clinic様では、来店時の印象を左右する空間として、圧迫感を抑える点が重視されています。白を基調に天井を一部掘り上げ、間接照明で高さ感を出す工夫が取り入れられました。

受付は収納と作業性を確保できる大きさにし、明るめの木目やグレーを部分的に合わせて落ち着いた雰囲気にまとめています。施工面積は約46㎡で、限られた広さでも開放感を意識した設計と言えるでしょう。

参考:Kelly Clinic様施工事例|開業ならテナント工房


光と曲線でやわらかい印象に仕上げた空間

大阪府枚方市のはちどり皮膚科様は、窓から光を取り入れ、曲面を活かしたデザインが特徴です。受付には曲面のカウンターを設け、待合全体を見渡せるようにしています。

診察室は患者がリラックスして受けられる暖かな空間とされ、用途に応じて照明の色温度を切り替えられる部屋も用意されました。直線を抑えたやわらかな空間づくりは、緊張をほぐしたい整体院にも応用できそうです。

参考:はちどり皮膚科様施工事例|開業ならテナント工房



まとめ

この記事では、整体院を開業する際に必要な資格の有無や資金、手続きについて解説しました。ポイントをまとめます。

  • 整体院は国家資格がなくても開業できるが、整骨院やマッサージ店とは違い保険診療は行えない
  • 開業資金の目安は自宅で10〜130万円、賃貸テナントで380〜800万円が目安
  • コンセプト設計から資金調達・集客準備まで、6つのステップで計画的に進めること
  • 開業届や青色申告承認申請書は期限内に税務署へ提出する
  • 「治る」などの表現は医師法・あはき法・景品表示法などに触れるおそれがあるため、広告の言葉選びに注意すること

整体院の開業は決して平坦な道のりではありませんが、正しい知識を持ってひとつずつ準備を進めることで、理想の店舗運営を実現する助けになります。この記事で得た知識と一緒に第一歩を踏み出しましょう。

整体院は無資格でも開業できる分、地域には競合も多く、いかに認知を広げてリピートにつなげるかが経営を左右します。だからこそ、開業前から集客の導線までを見据えた準備が求められます。テナント工房では、開業者のリアルな失敗談や、法律に配慮した効果的な宣伝方法を学べるセミナーを開催しています。

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