居酒屋にはどんな内装がある?デザインタイプや内装で欠かせない要素

居酒屋開業を計画している方にとって、どのような内装デザインにするのかは大きな課題だと思います。

実際、開業にあたって内装デザインを具体的に進めるために予想以上に時間がかかる場合や、工事が進んでいくとともに理想と違うデザインになってしまうケースも多いです。

そこで今回の記事では、居酒屋の内装デザインを決定していく過程で、どのようなことに意識を向ければ良いのかを解説します。

記事全体を通してわかるのは以下3点です。

・居酒屋の内装デザインの大まかなタイプ
・内装デザインを決定するために必要な要素
・内装デザインで失敗しないためのコツや注意点

今回の記事では居酒屋の内装デザインについて、以上3点を中心に解説します。居酒屋を開業するために役立つ情報ばかりのため、ぜひ最後まで読み進めてみてください。


居酒屋の内装デザインのタイプ

居酒屋には多種多様なタイプのお店が展開されています。開業に向けて、居酒屋の種類やそれぞれの内装デザインのタイプを理解しておくと、どういった居酒屋にするのかイメージしやすくなるでしょう。

そこで、ここからはモダンやレトロ、和風・洋風と居酒屋のタイプを大別して、それぞれの特徴や内装のポイントを紹介します。


モダン

モダンをテーマしている居酒屋では、無機質ながら落ち着いた雰囲気の中でおいしい料理やお酒を楽しめます。イタリアンやフレンチなどをアレンジした料理をはじめ、メニューも内装の雰囲気と同様で洗練されたものが多いです。

モダンな居酒屋の内装では、現代的なスタイルを取り入れると良いでしょう。鉄骨の梁や柱のタイルなどを内装に取り入れて、無機質で工業的なモダンイメージを演出しましょう。また、壁や什器にはレンガ材を使用すれば、よりモダンな店内を効果的に演出できます。

モダンな中に和テイストを加えて「和モダン」に仕上げたい場合は、木目の自然素材や丸みを帯びたデザインを取り入れるのがおすすめです。モダンと和風のバランスを微調整しつつ仕上げましょう。


レトロ

レトロ居酒屋は近年流行しているスタイルの一つで、明治から昭和の雰囲気を堪能できます。懐かしい駄菓子や揚げパン、屋台焼きそばなどをメニューに取り入れているのが多いです。

歌謡曲のレコードジャケットを店内に飾る、個室スペースを畳やちゃぶ台で作る、椅子を瓶ビールケースにするなど、レトロな雰囲気を演出する方法やアイテムはさまざまです。

レトロな居酒屋ではレコードや畳、古い照明器具など、アイテムの中には特殊な手入れが必要なものがあります。そのため、一般的な居酒屋であれば気にしなくても良い部分ですが、レトロ特有の雰囲気を保つためには継続的に手入れしていきましょう。


和風

居酒屋には懐石料理や小料理など和食をメインに提供しているお店もあり、落ち着いた雰囲気の中で和食と和酒を楽しめる点で人気を集めています。そういった居酒屋では、全体的に和風のテイストを演出するのが効果的です。

たとえば木目の什器や障子、大きな魚拓、和紙の照明などのアイテムを取り入れると効果的です。さらに廊下や壁面のデザインを曲線にすると、和風らしい柔らかさが加わります。


洋風

洋風の居酒屋では、所謂「パブ」の雰囲気を演出するのがポイントです。パブとは英国の伝統的な大衆酒場を指し、特徴として暖かみと少しの重厚さがあります。

そのため、洋風の居酒屋では暖かみのあるカウンターチェアやハイスツールを取り入れると、いかにもパブらしい雰囲気が出るためおすすめです。


居酒屋の内装デザインで欠かせない要素

居酒屋の内装デザインを決めていく過程で、絶対に欠かせない要素があります。たとえばコンセプトやターゲット層の明確化や、エントランスの作り込み、店内の動線の工夫など、さまざまな要素を考慮したうえで内装デザインを検討していきましょう。

ここからは内装デザインを考えるときに欠かせない要素について解説します。


コンセプトとターゲット

コンセプトとターゲットの明確化は、居酒屋を開業するうえで欠かせない作業になります。

近年では、一口に「居酒屋」といってもさまざまな形態があります。まずは、来店して欲しい年代や性別、職業などをイメージしてターゲットを定めましょう。

大体のターゲット層を決めたら、お店全体のコンセプトを考えます。たとえばターゲット層が40代以上のサラリーマンの居酒屋と、学生を含めた20代向けの居酒屋では単価や料理の質が異なります。

メニューや単価を決めるためにもターゲット層に合わせたコンセプト決めは重要です。ターゲット層やコンセプトを決める作業は、お店が軌道に乗っていくかどうかに関わるとても重要な部分のため、時間をかけて着実に進めていきましょう。


作り込まれたエントランス

人気の居酒屋で共通しているのが、エントランスや外観が優れている点です。外から一目見て、どういったコンセプトの居酒屋なのかわかると、新規客も取り込みやすいでしょう。

たとえば刺身や寿司・魚料理が自慢の居酒屋であれば、大きないけすをエントランスに設置すると、魚メインの居酒屋を探している人に強くアプローチできます。


客席のレイアウト

内装を考えるうえで、客席のレイアウトもこだわりたい要素です。客席のレイアウトは、混雑具合や予約状況に応じて変更できるようなスタイルにしておくのがおすすめです。

大人数の予約や宴会も受け付けている場合、客席のレイアウトを調整しなければなりません。お店のコンセプトやターゲット層も考慮しつつ、ある程度レイアウトに自由度や柔軟性を持たせておきましょう。


店舗内の動線

来客とスタッフがスムーズに動けるような動線を敷きましょう。席からお手洗いまでの経路や、スムーズに会計ができる動線、ドリンクやフードのサーブのミスが起きにくい動線の確保を心がけてください。


コンセプトに沿った装飾

お店のコンセプトに沿った装飾を施すのも重要な要素です。細かい装飾までこだわっていると、滞在中の空間への没入感が高まります。

たとえば昭和のレトロな雰囲気を出している居酒屋には椅子をビールケースにする、和風居酒屋なら優しい印象を与える丸型照明にするなど、居酒屋のコンセプトに合った装飾にしましょう。

コンセプトと装飾がリンクしていると、ターゲット層にも好印象を与えます。細かいところですが、より良いお店にするために装飾もこだわってみましょう。


居酒屋の内装デザインで失敗しないために

居酒屋の内装デザインを決めていく過程で、最終的に失敗しないために注意しておくべきことがあります。

ここからは余裕のあるスケジュール組みや工事業者の選び方など、内装デザインを失敗しないために必要なことを解説します。


余裕を持ったスケジュールを組む

内装デザインを依頼する際は、開業まで余裕のあるスケジュール感で進めるようにしましょう。遅くとも開業1ヵ月前までに竣工しておかないと、開業に必要なほかの準備まで遅れてしまうかもしれません。

内装デザイン工事の期間はおよそ2~6ヵ月かかるとされており、店舗の規模が大きくなるとさらなる工事期間を要す場合もあるため注意が必要です。もし、開業が遅れると営業による売り上げがないまま、最初の賃料を支払わなくてはいけません。

そうならないためにもコンセプト設計や業者選び、内装デザインの検討などは開業日の6ヵ月から1年前から動き出すようにしておくと良いでしょう。


工事業者にすべてを任せきりにしないようにする

内装デザインの工事中には、定期的に工事現場へ出向くようにしてください。定期的に出向くことで工期に遅れがないか、間違った仕上がりになっていないかなど進み具合を直接チェックしましょう。

もし、工期が遅れていることが遅れて発覚した場合、開業予定日に間に合わない可能性もあります。さらに、デザインに間違いがあったとしても、定期的にチェックしていないと修正が遅れてしまうこともあるでしょう。

工事業者にすべてを任せきりにせず定期的に直接チェックするのは、めでたく開業日を迎えるために必要不可欠です。


依頼する工事業者は慎重に選ぶ

居酒屋でリピーター率の上昇や新規顧客の開拓を狙うためには、内装のデザインは一切手を抜けない重要な要素の一つです。そのため内装を依頼する工事業者選びは、開業後の売り上げを気にするうえでも非常に重要といえます。

工事業者選びではこれまで居酒屋の内装を手がけてきたのかの実績や経験、高品質な内装をどれくらいのお金で請け負ってくれるかの費用面、打ち合わせから工事後のアフターフォローまでのサポート面など、さまざまな要素を考えて複数の業者から検討しましょう。

 

まとめ

居酒屋の内装デザインを考える際はコンセプトやターゲット層の絞り込み、客席のレイアウトの考慮、来客やスタッフが動きやすい動線の確保など、いくつか必要不可欠な要素があります。

紹介した要素はすべて、居酒屋の開業や内装デザインを検討するために重要なポイントです。どのようにすれば来客の満足度や売上の向上につながるのか熟慮して決定してください。

また、開業日まで工事が順調に進むためには、余裕を持ったスケジュールを組むことや、慎重に工事業者を選ぶことなどが非常に重要です。着工から竣工までスムーズに進めるために、常に工事業者と連携していきましょう。

この記事で紹介した居酒屋の内装デザインのタイプや、デザインを考えるうえで大切な要素などを参考にして、自身にとって理想の居酒屋開業となるように役立ててみてください。

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