ファサードデザインとは?店舗ファサードの押さえておきたいポイント5選

店舗の顔となるファサードデザインは、お店づくりにおいて重要なポイントです。お店のコンセプトをうまく伝え、魅力的な印象を与えることが出来れば、集客にも役立ちます。

そこで今回は、集客を成功させるためにも重要であるファサードデザインについて詳しく解説します。この記事を読むことで、ファサードデザインにおいて押さえておくべきポイントがわかりますので、ぜひ参考にしてみてください。



ファサードデザインとは

ファサードは、建物の正面デザインのことを言います。ファサードはフランス語で「顔」を表す言葉です。

ファサードデザインは、店舗の場合、建物正面の外観を中心に店舗の印象を決める重要な部分です。建造物や建築物の第一印象と言ってもいいでしょう。


ファサードは看板や店内外照明など、店舗の前を通る際に目に映る要素すべてをいいます。入り口近くのメニュー表なども、ファサードデザインのデザインの中に含まれます。

「人の第一印象は3秒で決まる」と言われるように、店舗であっても第一印象は重要です。
お店の外観も良い印象を与え、実際に入店してもらうことができれば良いファサードデザインといえるでしょう。


ファサードが重要な理由や役割とは

ファサードが重要な理由は、集客に大きな影響を与えるからです。役割は入店までの不信感をなくしたり、店舗のコンセプトを表したりできます。

店舗の前を通る際に「このお店に入りたい」といった印象を与えることができれば、後日であっても入店してくれる可能性があります。通行人にインパクトを与えるような看板や、店舗内外の照明を工夫することが大切です。


近年は若者を中心にInstagramなどのSNSで映えるスポットや店舗を探す傾向にあります。
Instagramなどでお店を選んで探す客は目的客です。反対に店舗周辺を歩いていて、入りたいお店を見つけて入店する客を流動客と言います。

店舗の周辺を歩いているような流動客を中心に、集客に大きな効果があります。さらに流動客がSNSに投稿することで、目的客の集客にもつながります。




ファサードデザインを意識して集客を成功させるコツ

集客を成功させるためのコツを大きく5つご紹介します。
店舗のファサードデザインは、ターゲット設定に影響を与えます。若者・家族層などをターゲットにする場合や、目的客や流動客の場合などで外観の作り方が変わる点はしっかり押さえておきましょう。


Point1. 店内の様子が外から見えるようにする


「店舗内の様子が分からない」「人が入っているか分からないようなお店は入りにくい」と感じたことがある人も多いのではないでしょうか。店舗内の様子が外から見えるデザインは、集客に効果的です。


店舗内の様子を外からでも見えるようにすることで、ほかの人が店内にいるという安心感を与えます。たとえば路面に面している店舗であれば、ガラス張りにして店舗内と外の境界線をなくすのも効果的です。ガラスを用いた名前の通り、ガラスファサードと呼ばれているデザインです。


ガラスファサードは、外壁とされる部分がガラスになっています。日光を取り込み、開放感のある店内を演出することが可能です。店舗からの外の景色がきれいであれば、窓際の席を好む人も多いかもしれません。

窓際を選んでゆっくりと時間を過ごす人が多くなり、外からでも人気店といった印象を与えます。オシャレな雰囲気のカフェでガラスファサードを用いれば、集客率の向上が期待できます。


店内の様子が外から見える工夫は、コンビニでも応用されています。コンビニの雑誌コーナーは基本的に入り口に面した場所にありますが、これは雑誌コーナーで立ち止まる方を店舗外から見せることで、安心させて入店しやすくする効果があります。


しかし、ガラスファサードにはデメリットもあります。内部のプライバシー性が低く、温度管理が難しい点が課題です。日光で室内の温度が高くなる可能性があるので、遮熱効果があるガラスを使用するのも検討しましょう。

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Point2. 分かりやすい看板や置物を設置する

看板や置物などのファサードで、店舗の印象や、販売している商品を分かりやすく伝える方法もあります。たとえば、かに料理店でファサードに大きなかにの置物を設置するといったものです。

看板や置物は遠くからでも人の目を引き付けるため非常に効果的です。また、看板や置物以外にも文字を使った集客もできます。一目見ただけではどんな店舗か分かりにくい場合でも、ジャンル名を記載して分かりやすくすることが可能です。

また、テナントを借りて店舗を営業する場合、1階以外に店舗を借りることもあると思います。店舗の入り口に店内の写真や雰囲気が分かるものを設置すると、入店時のギャップの軽減を期待できるでしょう。

「お店の象徴ともいえるものは何か」と考え、デザイン・設計をすることが集客を成功させるコツです。




Point3. 遠くからでも店舗の存在感が分かるようにする

遠くからでも「あそこにオシャレなお店があるな」と、店舗の存在感が分かるようにすることも重要です。

遠くの顧客に店舗の存在を認知してもらうためには、顧客の視線上に看板や置物を設置するという方法があります。

周辺を歩きながらお店の特徴を表すものがあれば、意識しなくても目に入ってしまうものです。ファサードによって多くの人にお店を認識してもらえるでしょう。



Point4. ファサード周辺の雰囲気をよくする

ファサード周辺の雰囲気を良くすることも集客のコツです。周りに馴染んだデザインを選び、お店があることで周辺の雰囲気が良く見えるといった印象を与えられると、理想的なファサードといえます。



Point5. 店舗の入り口を広めに設計する

入り口を広めに設計することは、店舗の開放感と入店しやすさに影響を与えます。扉の幅が広いと、顧客に入店しやすいといったイメージを持ってもらうことができます。

隠れ家のようなカフェを経営したいと考えている方は別ですが、できる限り集客をしたいと考える方は、入り口を広く設計するといいでしょう。




魅力的なファサードデザインのポイント

ファサードデザインを考えるときのポイントを解説します。
1から考えることは難しいので、紹介したデザインの作り方を参考にして、魅力的なデザインに近づけるように考えてみましょう。


Point1. 一目見ただけでコンセプトが伝わるデザイン


一目見ただけで「このお店はこういうお店なんだ」と顧客にイメージを持たせることが重要です。飲食店の場合はサービス内容・価格帯などをファサードで伝えることができます。


たとえばファミリー層をターゲットにする場合と、高級層をターゲットにする場合だとファサードも変わってきます。

ファミリー層をターゲットにする場合は、キャッチーな看板や文字を使用し、入店しやすいファサードにすることがおすすめです。

高級層をターゲットにする場合は、落ち着きのある店舗を演出するために無垢材や大理石などを使用することで、雰囲気づくりの効果が期待できます。


店舗のコンセプトとファサードがあっていないと、実際に入店した際のギャップが生じ、集客離れの理由になってしまう可能性もあります。



Point2. 視覚にインパクトを与えられるデザイン


色や建物のデザインを工夫すれば、視覚にインパクトを与えるデザインにできます。

ファサードに赤や黄色、オレンジといった暖色系の色を使用すると、人の視覚に目につきやすいです。飲食店で赤やオレンジを使用すると食欲の増進効果もあり、食べ物をおいしく見せることができます。


しかし、何も考えずに暖色系を選ぶのは避けましょう。周辺の建物と色がかぶってしまうと看板が目立ちにくく、インパクトが与えられません。周辺の建物でどんな色を使っているかなども事前に確認しておく必要があります。


また、建物の形状を、ほかの建物と違ったデザインにすると通行人の目に止まりやすくなります。SNSの拡散効果も期待できるでしょう。



Point3. 入りやすいと感じるバランスの取れたデザイン


色や素材のバランスを考え、入りやすいと感じるデザインにしましょう。派手なデザインにすることで店舗のファサードにこだわりすぎるあまり、入店しにくい店舗になってしまっては意味がありません。


入りやすいと感じるデザインにするためには、照明を活用しましょう。店内を明るく見せることで集客率の向上を期待できます。

路面に面している店舗では、昼間は太陽光があたると店内が暗くなってしまう場合があります。太陽光に負けないためにも照明は明るくしておきましょう。


不安感や緊張感といった入店までの心理的負担を減らすことも、ファサードの役割の一つです。顧客の立場に立って考え、入りやすいと感じるデザインにするように心がけましょう。



Point4. 好印象を与えられる清潔感のあるデザイン


好印象を与えるために必要なのが、店舗の清潔感です。せっかく店舗内が見えるファサードにしても、店舗内が汚れているような場合だと逆効果にもなってしまいます。

お店の清潔感は、売り上げや集客に影響を与えます。店内だけでなく看板や置物の整理整頓を心がけ、入店しやすい雰囲気をつくりましょう。

先述したガラスファサードは、汚れが目立ちやすいです。ガラスの汚れが目立てば清潔感もなくなってしまうため、定期的に掃除やメンテナンスを行いましょう。


Point5. 景観法の条例に沿ったデザイン


ファサードを考える際に、景観法を確認しておきましょう。

たとえば、京都府は厳しい景観条例を定めています。日本全国に展開している有名なチェーン店であっても色の使用を控えるといった対策をしており、通常の地域と一風変わった看板が多く見られます。

各自治体によって定められている景観法の内容は異なるため、注意が必要です。魅力的なファサードデザインを設計したとしても、景観法に基づいたデザインでなければ店舗を建築することができません。




まとめ


今回は、ファサードデザインはどういったものかを詳しく解説しました。ファサードデザインは集客に大きな影響を与える重要な要素です。

また、集客につながる魅力的なデザインにする方法をご紹介しました。ファサードは店舗の「顔」であり、入店まで不信感をなくしたり、お店のコンセプトを表したりすることができます。

店舗の開業を検討している人は、魅力的なファサードデザインにこだわる必要があります。人気のお店の外観を参考にすることも一つの手段です。理想のファサードデザインを設計し、集客につなげていきましょう。


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