Episode.11 日々是中華 様


大阪府の阿倍野区にある中華料理の定食屋をメインとした日々是中華様。強い信念を持ってお店づくりをされていたオーナー様に、開業のきっかけや弊社を選んでいただいた理由、今後の展望などを詳しくお伺いしました。



――開業のきっかけを教えてください。

お客様:飲食店を何店か経験したんですけど、色んな人の思惑が入り乱れていると、やっぱりただ美味しい料理を出しているだけじゃだめで。特定のお客さんを優遇しないととか、上司の顔色を伺わないととか先輩を立てないととか、そういうややこしいことが入ってくるのが嫌で、一回飲食業界を離れたりもしたんです。

けど、それだったら自分で全部コントロールして、良かったら自分の手柄やし、悪かったら全部自分の責任やしで、分かりやすいかなというのと、あとは自分が食べに行きたいと思う店を作りたいというのが最初の始まりかなと。


スタッフO(以下O):いつ頃から開業しようと思ったんですか?


お客様:4年ぐらい前ですね。その時に勤めていたのはすごい小さい店で、僕が料理担当で、店長がソムリエでお酒担当で、2人だけの職場だったので、これが連携が上手くいかないとすごいチグハグなお店になっちゃうんで、その時に改めて一人で全部やりたいなと思いました。

取材は日々是中華様におじゃましました!(左からパートナースタッフK、お客様、弊社スタッフO)


――問い合わせのきっかけ、決めた理由は。

お客様:施工会社やデザイン会社を選ぶ基準がよく分からないまま、ある業者に問い合わせをしたけどなかなか返事がなくて。次の候補を探しているときに、店舗の施工とか工事とかで調べたらテナント工房がぱっと出てきて。そこでHPを見させて貰って、お客様の声や、こういう人が所属していますのページや、Oさんのプロフィールも見ました。何級建築士などの肩書も書いてあったのを見てこれは頼もしいなって。とりあえず事前の相談に伺った感じですね。


O:HPで色々見てから相談会に来てくださったってことですか?


お客様:そうですね、HPがきっかけですね。


O:その中でテナント工房以外は見られなかったんですか?


お客様:何件も見ました。見たんですけど…ピンとこなくて。テナント工房さんの方がHPがいい感じだった。


O:ちょうどHPリニューアルしたばかりだったから見ていただけて良かった。


お客様:相談はタダやし、ダメもとでって感じでいきました。HPのおかげですね。


O:最終テナント工房にしようと思った決め手はあったんですか?


お客様:決め手は相談会ですね。古川さんが相談聞いてくれて、施工に関していろいろ一人で悩んでいた疑問にも即答していただいて。あとは借入の話。そこも古川さんに相談できて、こうした方が審査通りやすいって教えてくれて、頼もしいなと思って、テナント工房さんにお願いしようかなと。



――開業まで不安だったことは。

お客様:そうですね…いっぱいあるんですけど…。どんなお店になるんかなというのと、お金持つのかなというのと、この土地に決めたけど大丈夫かなというのが大きいですかね。


O:なかなか場所がね、決まらなかったんですよね。


お客様:そうですね、設計さんとパートナーさんにも何回も内見に来て貰ったんですけど、なかなかコレというところがなくて。1件良いのがあったんですけど、半日違いのタッチの差で取られてしまって…。


O:そうー取られちゃったんだよね…。


お客様:それからまた決まらずに、あと半日早く申し込んでいれば…って思いを抱えながら…。結局決まったんで良かったんですけど。


O:それでお店の近くまで引っ越しもされたんですよね?


お客様:そうなんです、さすがに通うのが辛いので引っ越してきました。


O:そういう事も含めての場所を探されてましたもんね。2~3ヶ月ぐらいかかりましたよね。


お客様:そうですね、2カ月半ぐらいかかりましたねー…。


O:どんなお店になるのかなという不安は、イメージ通りのものが出来るかなという不安ですか?


お客様:僕の場合イメージが特になかったんですよ。だからこういうお店にしたいです、ってサンプル写真を越智さんに見せて。あれも僕のイメージに近いというよりはこんな感じなら当たり障りないかなという感じで。自分の中で「こういう店舗!」ってイメージが全然なくて。


O:ザ中華って感じでなく、定食屋さんだからカジュアルに入りやすい感じですよね。


お客様:清潔でシンプルなら良いかなと。僕自身にあまりイメージがないんで、伝えるのも難しい。実際、店舗内容や壁内容これがいいです、って1個1個指定はするんですけど、結局合わせた時にどんな感じになるかって見てみないと分からないじゃないですか。なのでもうある程度希望は出すけど、全部組み合わさってからのお楽しみみたいなところがあったので、ちょっとドキドキというか不安はありましたね。でも出来てみたらすごい良い感じで、清潔でシンプルで。お客さんにもオシャレやなって。こないだ来たお客様にも堀江にありそうなお店やなって言ってもらいました。


O:カフェみたいな感じ?綺麗に整理整頓もされているからですね。



――担当の印象(O、K)

お客様:Oさんの印象は、めっちゃ話しやすいなーって。あとはフットワークが軽くて、レスポンスが早い。これってどういう事って聞いたらすぐに回答くれるし、内見でこういうのどうかなと思って伝えたらすぐ物件も一緒に見に来てくれて。最初に問い合わせた所がレスポンスがよくなかったので、担当に伝えときますとかじゃなくて、ダイレクトにすぐやり取りが出来るってのはすごい頼もしかったですね。


O:小規模ならではかもしれないですね。


お客様:色んな人を通さずに、直接やり取りできるってのは僕としては安心感がありましたね。


O:Kさんの印象は?


お客様:Kさんはめちゃめちゃ頼もしいですね。


O:初めて会ったのは、商店街の中の物件の現調の時でしたよね。


K:そうですね、リフォームしようか、どうしようかってそういうところも一緒にね。


O:辞めた方がいいって言ったんですよね(笑)


お客様:あの時ばっさり言ってくれたので、この人信用できるなって。テナント工房さん側からしたら、僕がどの物件を選んでもそこを施工をすれば良いだけやしって感じやと思うですけど。ここは今から盛り上がっていくような感じではないですし、商店街もちょっと寂れ感あるんで、あまり投資してまではオススメ出来ないです、って事をちゃんとはっきり言ってくれて。

自分でも薄々感じてたんですけど、自分で一回内見した時は週末でそれなりに人通りもあっていけるんかなと思ってて。2人に内見に来て貰った時は平日ですごい閑散として、お年寄りしかいなくて。ただ2人に来て貰った手前、あんまりやなとは自分からは言えないので、ここちょっとイマイチやなと思ってたところ、Kさんからここはあんまりオススメ出来ないですねって言ってくれたので、「あ、頼りになるな、この人の事は信用してもいいかな」と思いました。


O:その次に見に来た物件がこのお店でしたよね。


お客様:ここを2人にも見に来て貰った時は、Kさんの反応も良かったんです。言ってた条件にバッチリ合ってますねって言ってくれて、僕もそう思ってたんで、なんかKさんとは合うな、って。あの時ばっさり切ったKさんのお墨付きなら僕も一層安心やなという感じで、この物件に決めさせてもらった。


O:Kさん、けっこうズバズバ言いますもんね(笑)
私のお客様の印象は、すごい勉強されているなーって。初めて相談会に来られた時から店舗づくりについてすごい勉強されてて。私が聞かれてもすぐに分からない内容があったりして、詳しく調べられてましたよね。


お客様:そうですね、個人で調べられるところは結構ガッツリ調べてまくって、これ以上独学は無理だなと思ったんで、相談会に行かせてもらって、新しい話聞けて勉強になりました。


O:設備の事とかも結構詳しくて。水道はこれぐらいの大きさじゃないとダメですよね、みたいな話されてましたよね。なかなかそこまで詳しく聞く方はいらっしゃらないですし、すごいなーと思って。


お客様:そうなんですね、普通がどのぐらいか分からなくて…(笑)


O:だからストイックな方でもあるのかなという印象でした。


お客様:始めてみてもっとやっておけば良かったって思いたくなくて、とりあえず出来る範囲で調べておこうというのはありました。


O:Kさんはどうですか?


K:僕のお客様への第一印象は、すごいしっかりした考え方で信念を持っている方やなと。飲食の仕事を本当にやりたいんだろうなというのをすごい感じて。その想いに、この人のお店を作ってあげたいなと僕も逆に刺激されて。そういう気持ちが大きかったのと成功してほしかったので、おこがましいけど、ここは辞めといてくださいという事も言わせて貰いました。オーラもあったので、お店も成功されるだろうし、お客様とはまた将来的にもお付き合いが出来たらいいなと気持ちで、スタートしました。



――印象に残っているエピソードはありますか?

お客様:一番はさっきも言った、物件を取られたのが強烈に残っていますね。あの時、こういった物件があって一回見に行くんでまた見てくださいって設計さんに連絡したら、私もその日行けるんでって言ってくれて、一緒に見て。

その日僕は約束の時間より30分早く着いたんですけど、その時に別の不動産屋さんが内見の案内をしていて。それも見てこの物件気になるなと思ったにも関わらず、その日に申し込みをしなくて…。内見翌日の早朝の申し込みでも大丈夫ですよという不動産屋さんの言葉に甘えて、翌日に回してしまったら、入っちゃいましたって。あれは悔しいというか…自分に隙があったんやなって。

これは店舗づくりの話を始めて1ヶ月ぐらいの出来事だったんですけど、良い物件があったのになんで最速で契約しなかったんやろって後悔していて そのあと1ヶ月半ぐらいかかって今のこの物件見つけるんですけど、この後悔をずっと抱えていたんで、それからは先延ばしにしないこと、良いと思ったらすぐ行動すること、あかんと思ったらすぐ相談するようにしました。実際、そのあともOさんにも何回もリテイクをお願いしましたし、あの時のああやっておけば良かったなという悔しい思いがそうさせていたのかなと。


O:あれは悔しかったですね。まさかのってね。


お客様:結構引きずりましたね。


O:私は、照明のメーカーさんのところに一緒にショールームに行って、そこで照明の色温度とか色味とか機能とか事前に詳しく調べてきてて、それを一緒にお客様と検証したのがすごい印象に残っています。そこまでやる方はいらっしゃらないですし、そういうところが凄いなと。


お客様:照明…確かに。ショールームの方もそこまでやる人いないって言ってましたもんね。


O:やっぱり自分で納得する事が大事で、さっきの話から悔しい思いしたくないって思いがありますもんね。


お客様:あります。


O:やってみて違うなってなって、やり直しがきかなくなっちゃうのも違うし、っていう思いがあるから、そのストイックさに繋がっていくのかなと感じます。



――良かった提案はありましたか。

弊社設計:こだわった部分は、照明の位置ですね。ちょうどお客さんのおぼんの置くところにスポットが当たるように配置したところかな。あとは清潔に見えるようにってところなのかな。


お客様:そうですね、僕のこだわりは、清潔で掃除がしやすいって事ですね。掃除がしやすいってのは凹凸が少ないことだと思っていて。なるべく掃除の手間になりそうな箇所を省くために、凹凸を無くしたかった。Oさんから最初にいただいた格子の提案も、あったらオシャレなインテリアだけど、掃除が大変そうだなと思って。僕は清潔さを優先して無しにしてもらったり。

良かった提案としては、僕の中で具体的なイメージが特になかったので、ここはこういう質感にしましょうとか、他はこうしましょう、こういうのある程度絞って3つか4つ選んできたんですけど、この中で好みどれですかってそういう聞き方をしてくれて。50色あるんですけどお客様どれがいいですか?っていう聞かれ方をすると、僕は全然選べなくて。 なので、僕のイメージで清潔でシンプルであんまりごちゃごちゃしていないというのを、Oさんが汲んでくれて、イメージ的にいうとこんな感じですかね?って壁紙とか床とかパネルとかをある程度絞って提案してくれたのが、僕はすごくやりやすかったですね。あんまりありすぎると選べないんで。


O:ここも迷いましたよね。おぼんを置いたときに映えるのはどっちかな?みたいなね。


お客様:3つか4つでも迷ったので、もっとあったら大変だった(笑)



――お客様の反応はいかがですか。

お客様:オープン後のお客様の反応…いいです!


O:おぉ、どんな感じに?


お客様:そうですね…。僕もこの料理ならいけると思って店を始めた訳なんですけど、思った以上に好印象ですね。美味しいって言ってくれる方が結構多くて。オープンして3週間ですけど、リピートしてくれる方もちょくちょく増えてきてて。最初、事業計画を立てたときは、1ヶ月の集客をめちゃめちゃ低く見積もっていたんです、1日10人いかないやろうなと。これからちょっとずつ増えていくみたいな計画だったんですけど、先週は1日平均20人来てくれていて。


O:すごい!倍!そしたら結構忙しいですね。


お客様:そうですね。もっと長いこと辛抱しないといけないだろうなと思っていたので良かったです。新しい店できてるわー入ろうってなるまでが最初にハードルあると思うんですけど、一回来てくれたら、「堀江にあるみたいでオシャレやん」「綺麗にしてはるね」って言ってくれるお客さんが多くて。料理も美味しい、周りに宣伝するわって言ってくれて。だから僕が低く見積もっていた最初の1ヶ月目の反応よりもだいぶ好印象で。

お客さんの話だと、前のお店がクローズドな感じだったらしくて。扉はあるけどガラスももっと小さくて、暖簾みたいなのがかかっていて前の店は入りづらかったけど、ここは、中が見えてどんな感じでどんな人がやっているか見えて分かりやすくて入りやすいわ、って言われます。これは前面ガラス張りにしてよかったなと。


O:狙い通りでしたね。


お客様:僕もお客さんの立場なら、入りづらいクローズドなお店に入って、入ると常連さんばっかりで「なんやこいつ」みたいな感じはちょっと辛いんで…。


K:利用者は男性が多いんですか?


お客様:結構女性も多いんです。若い方が多くて。


O:女性が入りやすいお店なんですね。


お客様:今のところ半々ぐらいです。カップルの方もわりと来ていただいて。この辺の客層としては、40~50代のお酒を楽しむ方が多いらしいんですけど、若い人がご飯だけを食べにくるお店があんまりなかったんで、隙間産業的に需要があったのかなと。



――お店のPR・今後の展望をお願いします!

お客様:PRは、夜でも美味しい定食が食べられるお店。お酒が飲めなくてもOK。自分のお店は、呑みに来て貰うお店ではなくて、ご飯を食べにきて貰うお店というのを軸にやっていきたいなと思っているんで。気軽に来れる定食屋さんです。


K:今後の展望は?お店をどうしていきたいとか、2店舗目をやりたいとか。


お客様:2店舗目は…やりません。全部自分でコントロールしたいので、自分の手が届かないと、それがまたストレスになっちゃうんで。料理をもっと美味しくしていきたいですね。


O:メニューを増やすとか?


お客様:メニューも増やすかもですが、もっと料理のレベルを上げていきたいですね。今、酢豚も試作を繰り返していて。原価をかけずにもうちょっと美味しくできそうなんで、やり方を変えているところなんですけど、こんな感じでちょっとずつでも味をもっと良くしていければと。


定食屋さんなので、美味しいご飯が食べられるのが一番のウリだと思うんです。美味しいご飯でいずれは行列になってほしいなと。それで毎日売り切れて営業終了ってなれば、食品ロスもないですし、売値を抑えられるし、売値を抑えたままもっと良い材料を使えるようになって、もっとご飯を提供できるようになるので。なので料理をもっと美味しくして、行列が出来るようにしたいです!

※本対談に記載の内容は取材当時のものです。(2022年11月)