美容室とネイルサロンの併設で成功する方法|テナント工房
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2025.11.12
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最終更新日:
近年、美容室に併設する形でネイルサロンを開業するケースが増えています。美容室とネイルサロンを併設すると、集客面や業務面などでさまざまなメリットを得られますが、一方でいくつか気をつけなければならない点もあります。また、美容室とネイルサロンを併設する場合は、デザインやレイアウトにも工夫が必要となるため、あらかじめ基本的なポイントを押さえておきましょう。
今回は美容室とネイルサロンを併設するメリットや、開業時の注意点、内装デザインのポイントについてまとめました。
目次
美容室とネイルサロンを併設している店舗の需要は増えている
これまで、美容室とネイルサロンは個々に店舗を展開する独立型が主流となっていました。しかし、近年は美容室とネイルサロンを同じ店舗に併設し、両方のサービスを提供する併設型の需要が高まってきています。顧客側にとっては、美容室とネイルサロンのサービスを同じ施設内で受ければ、時間と手間を大幅に節約できるためです。
特に子育てや仕事などで忙しい女性は美容にかけられる時間が限られているため、時短の美容サービスは好まれる傾向にあります。また、ヘアケアサービスとネイルサービスを同時に受けることで、短時間で髪も爪も理想的な状態に整えられるため、退店時の満足度が高いというのも併設型のニーズが高まっている要因の一つです。
美容室でネイルサロンを併設するメリット
美容室にネイルサロンを併設した場合に期待できるメリットは大きく分けて5つあります。
新しい顧客層へのアプローチができる
美容室とネイルサロンを併設すると、ヘアケアサービスを受けたい顧客だけでなく、ネイルサービスを利用したい顧客にもアプローチできるようになります。
特に、ヘアケアサービスとネイルサービスを同時に受けて、美容にかける時間を節約したいと考えている方に対しては効果的なアプローチとなるため、新規顧客の獲得を期待できるでしょう。
相乗効果による売上向上が見込めるから
美容室の売上を伸ばすには、顧客一人あたりの単価を上げるのが最も効果的だといわれています。美容室とネイルサロンを併設すれば、「ヘアカットの次いでにネイルをしてみようかな」と考える顧客が増え、客単価の増加が見込めます。
前述した新規顧客の取り込みと合わせれば、相乗効果によって店全体の売上がアップし、安定した経営を続けやすくなるでしょう。
他店舗との差別化になる
冒頭で美容室とネイルサロンの併設型が増えていると説明しましたが、美容室全体の割合から見るとまだ独立型の方が多い傾向にあります。
そのぶん、美容室単体として営業している店と差別化を図りやすく、「ここでしか受けられないサービス」を求めて来店する顧客の増加を見込めるでしょう。特に美容室の激戦区とされるエリアで新規参入する場合、既存の店と同じサービスを提供するだけでは、お客さんに店の乗り換えを検討するほどのインパクトを与えられません。
美容室のサービスに加えて、ネイルサロンのサービスも同時に受けられるという付加価値をアピールすれば、お客さんの目にも「新しい形態のサロンがオープンする」という点を強調でき、効果的なマーケティングにつながるでしょう。
スペースや時間を有効活用できる
美容室とネイルサロンを併設すると、空いているスペースや時間を有効活用できるというメリットもあります。
ネイルサービスは大がかりな道具や器具を使用しないため、施術に必要なスペースはそれほど広くありません。そのため、既存の美容室にある空きスペースを利用すれば、増設工事などを行わなくてもネイルサロンを併設することが可能です。
また、ヘアサービスとネイルサービスの施術を同時に行うことで、時間あたりの単価が上がり、より効率的に売上を伸ばせるでしょう。
スタッフのスキルアップやキャリアパスの場が広がる
美容師とネイリストで情報を共有したり、連携してアドバイスを提供したりすれば、顧客にトータルビューティーを提案できるようなスキルを身につけられます。トータルビューティーの提案は顧客満足度の向上につながるため、リピーターの獲得にも貢献するでしょう。
また、美容師とネイリストがそれぞれスキルアップを図れば、今後のキャリアパスの幅も広がります。例えば、美容師がネイルの知識や技術に関心を持って資格を取得し、独立して併設型のサロンを開設するというキャリアプランを立てることも可能です。
美容室でネイルサロンを開業する際の注意点
美容室にネイルサロンを併設するには、いくつか注意しなければならない点があります。正しい知識や情報を得ずに併設してしまうと、知らずに法律違反を犯してしまう可能性もあるので注意しましょう。
ここでは美容室でネイルサロンを開業する際に気をつけたいポイントを4つご紹介します。
美容師法に則る
ネイリストには特別な資格は必要なく、無資格・未経験でもネイルを職業とすることは可能です。ただし、美容師法では、厚生労働大臣の免許を受けた美容師でなければ、美容を業とする施設(美容所)で美容の業をしてはならないと定められています。[注1]
つまり、ネイリストが美容所=美容室でネイルサービスを提供するには、美容師と同じく美容師免許を取得しなければなりません。もし無免許のまま美容室でネイルサービスを提供すると、同法第十八条の規定により、30万円以下の罰金に処されるので注意が必要です。[注1]
美容師免許や資格が必要
前述したように、ネイリストが美容室でサービスを提供するには、美容師免許の取得が必要です。美容師免許を取得するには美容師国家試験を受験する必要がありますが、そのためには都道府県知事が指定する美容師養成施設に入所し、指定の課程を修了しなければなりません。
なお、美容師養成施設での修業方法には中間(昼間)・夜間・通信の3つがありますが、中間と夜間の通常課程は2年以上、通信課程は3年以上の修業期間が必要です。指定の課程を修了して受験資格を得たら、美容師国家試験を受験し、これに合格すれば美容師として登録することができます。
つまり、ネイリストが一から美容師免許を取得するには、最低でも2年以上の時間が必要です。すでに美容室で従業員として働いているスタッフをネイリストにする場合は問題ありませんが、ネイルサロンからスタッフを引き抜く場合、免許の関係からすぐに雇用できない可能性があるため注意しましょう。
美容室とネイルサロンのそれぞれの設備投資が必要
美容室とネイルサロンを併設する場合、両方のサービス提供に必要な設備・什器を準備しなければなりません。
例えば、美容室にはシャンプーユニットや施術用のチェア、パーマ機器、ミラーやドレッサーなどが必要ですが、ネイルサロンではネイルテーブルやネイルチェア、ネイルマシン、カラージェルなどが必要です。両方の設備を一度にそろえるとなると、どちらか一方のみで開業する場合よりも多くの費用がかかるため、開業時の負担が大きくなります。
また、既存の従業員ではなく、美容師免許を持っているネイリストを新たに雇用する場合は人件費もかさみます。そのため、美容室とネイルサロンを併設する場合は、より多くの資金を調達する必要があるでしょう。
人材確保が難しくなる場合もある
必要な免許を持つ人材の確保が難しいのも併設型のデメリットの一つです。
前述したように、美容室で働くためには美容師免許を取得しなければなりません。美容師免許を持つ人材を確保する方法は2通りあり、1つはすでに美容師として働いているスタッフにネイリストの技術を習得してもらう方法、もう1つは美容師免許を持っているネイリストを探す方法です。
前者の場合、新たに人材を雇用する必要がない点は利点ですが、場合によっては美容師スタッフの手が足りなくなる可能性があります。後者の場合は新たにスタッフを雇用することになるため、人材のやりくりに悩む心配はありませんが、美容師免許を取得しているネイリストは決して多くないため、必要な人材の確保が難しくなる可能性があります。
どちらのケースも一長一短であり、必要なスタッフをそろえるまでに時間がかかるかもしれません。
美容室でネイルサロンを併設する場合の内装デザインのポイント
美容室でネイルサロンを併設する際は、美容室だけで開業する場合とは異なるデザイン・設計を取り入れる必要があります。
ここでは美容室とネイルサロンを併設する場合の内装デザインのこつを5つのポイントに分けて解説します。
レイアウトの配置と効率的な動線を考える
併設型では美容室とネイルサロンという2つのサービスを提供するため、独立型よりもレイアウトの配置や効率的な動線に配慮が必要となります。美容室とネイルサロンでは使用する設備や機器などに違いがあるため、それぞれのサービスごとにゾーニングを行うことが大切です。
美容室のサービスはこちらのエリア、ネイルサロンのサービスはあちらのエリアと明確に区別すれば、設備や機器が入り混じったりするリスクは少なくなるでしょう。
一方で、美容室とネイルサロンのサービスを同時に利用するお客さんのために、両方のサービス間をスムーズに往き来できるような動線を確保しなければなりません。実際に美容室のサービスからネイルサロンのサービスに移行するまでの顧客の動きをシミュレーションし、慎重にレイアウトを検討しましょう。
リラックスできる居心地の良い空間づくりをする
美容室とネイルサロンのサービスを同時に行うと、どちらか単体のサービスを利用するよりも滞在時間が長くなってしまいがちです。待ち時間や施術中に疲れやストレスを感じると「もう行きたくない」と思われてしまう原因になるため、待合スペースや施術室はリラックスできる空間づくりを心掛けましょう。
例えば、壁や天井は目にやさしいベージュやクリーム、ホワイトなどの色を取り入れる、木材を多く使う、アートや観葉植物を飾るなど。また、ヒーリングミュージックを流したり、アロマディフューザーでサロン内を心地良い香りで満たしたりする方法も有効です。
他にも、椅子やソファを座り心地の良いものにする、ウォーターサーバーを設置するなど、リラックスできる工夫を取り入れてみましょう。
美容室とネイルサロンそれぞれのブランドイメージを融合させたデザインにする
美容室とネイルサロンを併設するのなら、それぞれのブランドイメージを融合させたデザインを意識しましょう。それぞれのブランドにロゴやイメージカラーがある場合は、どちらか一方に偏らないよう、バランスの良い配色やデザインを心掛けることが大切です。
ただし、同じ店内で複数の色を使うと雑然とした印象になってしまうため、色数は多くても3色までに抑えるようにしましょう。
照明設計の計画をしっかり行う
美容室とネイルサロンは、ともに髪色やネイルカラーを重視するサービスなので、照明の選び方には十分注意が必要です。カラーリングの色やネイルの色を確認する際は、自然光に近い昼白色の照明を取り入れた方が良いでしょう。
一方、待合スペースでは暖かみのある電球色の照明にするとリラックス効果が高まります。その他にも、観葉植物やオブジェに間接照明を当てておしゃれな雰囲気を演出するなど、場所や目的に合わせて適切な照明設計を行うことが大切です。
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清掃のしやすい素材を使用する
美容室やネイルサロンは、カットした髪やカラーリング剤、パーマ剤、ネイルをオフする際に発生するダストなどにより、汚れが付着しやすい環境下にあります。
サロン内に汚れやごみが目立つと、顧客に不快な思いをさせてしまうので、常に衛生的な状態をキープしなければなりません。そのため、床や施術用の椅子、シャンプー台などを選ぶ際には、撥水性や防汚性の高い素材を選ぶようにしましょう。
まとめ:美容室でネイルサロンを併設する際は人材やレイアウトに注意しよう
美容室でネイルサロンを併設すると、新規顧客の獲得や売上アップ、他店舗との差別化、時間やスペースの有効活用など、さまざまなメリットを期待できます。
一方で、美容室で働くには美容師免許が必要になるため、ネイリストを雇う際は資格の有無に注意する必要があります。また、美容室とネイルサロンではそれぞれ使用する設備や機器が異なるため、各サービスで求められる要素を踏まえながら内装デザイン・設計することを心掛けましょう。
「何に注意してデザインすれば良いか分からない」「動線を考えるのが難しい」など内装に関して悩みを抱えている場合は、内装工事のプロに相談してみることをおすすめします。
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