ジョリパットを店舗の内装にする利点は?費用や失敗しないための注意点を徹底解説|テナント工房

店舗の第一印象を左右する壁面デザインにおいて、多くのオーナー様が検討されるのがアイカ工業の「ジョリパット」です。

一般的な壁紙(クロス)では決して表現できない圧倒的な質感と重厚感は、こだわりを持つ店舗のブランディングにおいて強力な武器になります。

しかし、商業施設や路面店での採用には、住宅とは異なる「内装制限」への対応や、日々のメンテナンス、そして施工コストの把握が欠かせません。

この記事では、ジョリパットを店舗の内装に導入する際のメリットとデメリット、費用感まで、経営判断に役立つ情報を網羅的に解説します。読み終わる頃には、ご自身の店舗にジョリパットが最適かどうかを明確に判断できるようになるでしょう。




ジョリパットを店舗内装に採用するメリット

店舗のデザインにおいてジョリパットが選ばれ続けている最大の理由は、無限に近い表現力にあります。

既製品を貼り付けるだけの壁紙とは異なり、職人が現場で仕上げる塗り壁だからこそ生み出せる価値があります。

ここでは、店舗運営において特に恩恵を受けやすい三つのメリットを詳しく説明します。

比較項目 ジョリパット 一般的なビニールクロス
デザイン性 非常に高い(職人の手仕事) 標準的(印刷による表現)
耐久性 高い(ひび割れに強く長持ち) 普通(破れや剥がれが起きやすい)
内装制限 不燃タイプあり 準不燃・不燃タイプあり
質感 本物の土や石のような重厚感 平面的で人工的な質感

参考:ジョリパット不燃 JQ-200 | アイカ工業株式会社

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メリット1:180色以上の色と100以上の模様で個性を表現できる

ジョリパットの最大の強みは、標準色だけで180色以上、さらにテクスチャ(模様)が100種類以上も用意されている点にあります。

様々な組み合わせで、ブランドコンセプトに合わせた唯一無二の空間を作り出せます。

例えば、カフェであれば温かみのある「ゆず肌」仕上げ、モダンなバーであれば無機質な「研ぎ出し」仕上げなど、狙いたい客層や雰囲気に合わせて壁面の表情を自由自在にコントロールできます。

色を特注でオーダーできるため、コーポレートカラーや特定のイメージに完全に合致した内装を実現できます。


メリット2:高い耐久性で店舗の美観を長期維持できる

ジョリパットはアクリル樹脂をベースとした素材であり、柔軟性と硬度を兼ね備えているため、衝撃に強いという特徴を持っています。

また、色褪せしにくい顔料を使用しているため、窓際など直射日光が当たる場所でも鮮やかな色合いを長く保てます。

初期投資はクロスより高くなりますが、頻繁な貼り替えが不要になるため、長期的な店舗運営における修繕コストを抑制する効果が期待できます。


メリット3:不燃タイプで内装制限に対応し安全性を確保できる

飲食店や商業施設内の店舗を設計する際、避けて通れないのが建築基準法による内装制限です。

ジョリパットには「ジョリパット不燃(JQ-200)」という、不燃認定を取得した専用のシリーズが用意されています。火災時の安全性を確保しつつ、塗り壁ならではの豊かな意匠性を楽しめます。

特にキッチン周りや通路など、法令で制限を受ける箇所にも安心して採用できる点は、店舗設計者にとって非常に大きな利点です。

参考:建築基準法 | e-Gov 法令検索

参考:国土交通省:内装制限に用いる不燃材料等に係る検討



店舗でジョリパットを使用する際のデメリット

ジョリパットは魅力的な素材ですが、店舗運営の現場においては無視できない注意点もいくつか存在します。

導入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、ネガティブな側面についても正確に把握しておく必要があります。

デメリットの項目 内容と店舗への影響 対策案
施工コスト クロスの3〜5倍以上の費用 アクセントウォールとして部分採用する
工期の影響 乾燥時間を含め数日の工程追加 余裕を持ったスケジュールを組む
清掃性 凹凸に汚れや埃が溜まる 滑らかな仕上げパターンの選択

デメリット1:壁紙に比べて施工費用と工期が必要になる

ジョリパットの施工は、職人がコテやローラーを使って一段階ずつ丁寧に仕上げていく「湿式工法」です。下地処理から乾燥までを含めると、どうしても壁紙を貼る「乾式工法」よりも時間がかかります。

一般的に、小規模な店舗でも施工に2日から3日は見ておく必要があります。材料費に加えて熟練した左官職人の人件費がかかるため、総コストは壁紙の数倍以上に膨らむことが珍しくありません。

開店日が迫っている居抜き物件の改装など、工期が極端に短い場合には、工程管理を慎重に行う必要があります。


デメリット2:凹凸のある仕上げは埃が溜まりやすい

ジョリパット特有の立体的なパターンは魅力的ですが、凹凸が埃のトラップになってしまうという側面があります。

特に照明を当てて陰影を強調するデザインの場合、溜まった埃が目立ちやすく、清潔感が求められる飲食店などでは定期的な清掃が欠かせません。

また、衣服が擦れた際に表面のザラつきで生地を傷めてしまう可能性もあるため、客席の背もたれ部分や狭い通路など、人が頻繁に触れる場所には、凹凸の少ない「フラット」や「シルキーパレット」といった滑らかなシリーズを選定するなどの配慮が求められます。



店舗内装におけるジョリパットの費用相場

ジョリパットを検討する際に、最も気になるのが具体的なコストです。店舗規模やデザインのこだわりによって価格は大きく変動しますが、一般的な目安を知っておくことで予算配分がスムーズになります。

仕上げグレード 平米単価の目安 特徴
標準パターン 5,000円〜7,000円 ローラーや標準的なコテ仕上げ
高意匠パターン 8,000円〜12,000円 複数色使いや特殊工具を用いた模様
プレミアム仕上げ 15,000円〜 モルタルアート等の高度な左官技術

1平米あたり5,000円から15,000円が目安

一般的な内装用ジョリパットの施工単価は、1平米あたり5,000円から7,000円程度がボリュームゾーンです。これには材料費と標準的な左官工事費も含まれます。

800円から1,500円程度で施工できるビニールクロスと比較すると、初期費用としてはかなり高額に感じられるかもしれません。

しかし、店舗全体ではなく、レジカウンターの背面やエントランスといった、お客様の視線が集まる場所に絞って導入することで、コストを抑えながらも最大の演出効果を得られます。


模様や不燃仕様の有無で単価が変動する

施工価格を左右する大きな要因の一つが、パターンの種類です。

単純なローラー仕上げであれば安価に済みますが、複数の色を重ねる工法や、特殊な工具を使用する高度な意匠(エイジング加工など)を選ぶと、1平米あたりの単価が15,000円を超えることもあります。

商業施設で必須となる「不燃タイプ」の材料は、標準タイプよりも材料費が高くなる傾向にあります。

見積もりを依頼する際は、必ず「不燃認定が必要な場所かどうか」を施工会社に伝え、それに合わせた仕様で算出してもらいましょう。



ジョリパットの美しさを保つメンテナンス方法

店舗の美観は、そのまま顧客からの信頼に直結します。

ジョリパットは耐久性が高い素材ですが、日々の適切な手入れによって、質感をより長く維持できます。


軽微な汚れは水拭きや中性洗剤で早期に落とす

内装のジョリパットに飲み物などが跳ねてしまった場合、早期の対応が求められます。基本的には水を含ませた柔らかい布で優しく叩くように拭き取れば、多くの汚れは除去できます。

油分を含むしつこい汚れには、薄めた中性洗剤の使用も有効です。ただし、強くこすりすぎると表面の骨材が剥がれたり、模様が変わってしまったりするため注意が必要です。

日々のお手入れとしては、毛先の柔らかいブラシやたたきを使用して、凹凸に溜まった埃を軽く払うだけで、黒ずみの定着を防げます。


重度の劣化には専用塗料での塗り替えを検討する

オープンから数年が経過し、店舗全体の壁面がくすんできた、あるいはタバコのヤニなどで変色してしまった場合には、塗り替えによってリフレッシュ可能です。

アイカ工業からは、ジョリパットの質感を活かしたまま色を塗り替えることができる専用の改修塗料(ジョリパットフレッシュなど)が販売されています。

また、このタイミングで店舗のテーマカラーを変更し、店内の雰囲気を一新させることも、有効なリニューアル戦略となります。

参考:ジョリパットフレッシュ JQ-800 | アイカ工業株式会社



店舗の業種に合わせた最適なパターンの選び方

ジョリパットは多機能な素材ですが、業種によって求められる機能や印象は異なります。

ターゲットとするお客様にどのような体験を提供したいかによって、選ぶべきパターンも変わってきます。


居心地を重視する飲食店は温かみのある模様を選ぶ

カフェやレストランなど、滞在時間の長い飲食店では視覚的な柔らかさが重要です。

例えば、コテ特有のランダムな波形が美しい「連波(れんなみ)」や、砂粒の質感がナチュラルな「ゆず肌」などは、照明の光を柔らかく反射し、空間全体に温かみを与えます。

自然なムラ感のある壁面は、お客様にリラックス効果を与え、料理をより美味しく見せる舞台装置としての役割を果たしてくれます。

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清潔感を求めるクリニックは滑らかな質感を優先する

美容クリニックやサロンなど、衛生面での信頼が重視される業種では、凹凸の少ない仕上げが推奨されます。

ジョリパットの「シルキーパレット」シリーズのような、きめ細やかで滑らかな質感のタイプは、埃が溜まりにくく清掃性に優れているため、常にクリーンな印象を保つことができます。

ホワイトや淡いベージュ系のカラーを選択することで、洗練されたプロフェッショナルな空間演出が可能になります。

参考:ジョリパットシルキーパレット JQ-20 | アイカ工業株式会社


高級店はライティングが映える深い陰影を検討する

ジュエリーショップや高級ラウンジなど、ラグジュアリーな演出が必要な店舗では、あえて深い陰影が生まれるパターンを選択するのが効果的です。

例えば、荒々しい石積みのような質感を持つ「ストーンスタイル」や、金属のような光沢を放つ「メタリック」仕上げは、スポットライトとの相性が抜群に良いという特徴があります。

光と影のコントラストを強調することで、空間に圧倒的な奥行きと格式高さをもたらし、商品の付加価値を高めることができます。

参考:レイヤーストーン | アイカ工業株式会社

参考:メタリアート | アイカ工業株式会社



まとめ

この記事の要点をまとめます。

  • ジョリパットは圧倒的なデザイン性と耐久性を持ち、店舗のブランド価値と美観を長期的に高める壁材。
  • ジョリパットは180色以上の色と100以上の模様の組み合わせで、店舗独自の個性を演出できる。
  • 内装制限に対応した不燃タイプが用意されており、商業施設でも安心して採用できる。
  • 施工費用や工期はクロスより必要になるが、高い耐久性により長期的な修繕コストを抑制できる。

ジョリパットは初期投資が必要ですが、他店との差別化や長期的なコストパフォーマンスを考えれば、十分に検討する価値があります。

ジョリパットを内装に取り入れることで、お客様の記憶に残る唯一無二の店舗空間を実現してください。