サウナの内装で失敗しない!デザインのポイントや費用まで徹底解説|テナント工房

  • 2025.11.28

  • 最終更新日:

サウナブームが高まる中、新しいサウナ施設の開業やリニューアルを検討している方も多いのではないでしょうか。

多くの人々を惹きつける魅力的なサウナを作る上で、その「内装」は極めて重要な要素です。内装は、ただ空間を飾るだけでなく、利用者の満足度や安全性、そして施設の収益性にも直結します。

この記事では、サウナの内装を成功させるために知っておくべき木材の選び方から、デザインのポイント、法的な注意点、費用相場まで、網羅的に解説します。




なぜサウナの内装は重要なのか?

サウナの内装は、施設の「顔」とも言える部分です。デザイン性はもちろんのこと、利用者が安全かつ快適に過ごせるかどうかを決定づける重要な役割を担っています。


安全性と快適性を左右するから

サウナは高温多湿という特殊な環境です。内装材には熱や湿気に強い素材を選ぶ必要があります。特に、利用者が直接触れる壁やベンチの木材は、熱を伝えにくく、ささくれ立ちにくいものが求められます。

また、床材は滑りにくい素材を選ぶことで、転倒事故を防ぎます。さらに、適切な断熱設計は熱効率を高め、快適な室温を維持するために不可欠です。

適切な内装設計が、利用者の安全と快適なサウナ体験の基盤となるのです。


集客や施設のブランドイメージに影響するから

利用者はサウナの温度や湿度だけでなく、空間全体の雰囲気も重視しています。内装のデザインは施設のコンセプトを体現し、競合との差別化を図るための強力な武器となるのです。

例えば、高級感のある木材や落ち着いた照明デザインは、ラグジュアリーなイメージを与え、特別な体験を求める顧客層を引きつけます。

一方で、明るくナチュラルな内装は、誰もが気軽に利用できる親しみやすい雰囲気を演出します。内装は施設のブランドイメージを形成し、ターゲットとする顧客層へのアピール力を高めることで、集客に大きく貢献します。



サウナの内装で使われる代表的な木材の種類と特徴

サウナの内装、特に壁やベンチには、その特性から木材が広く使用されます。

ここでは、代表的な5つの樹種とその特徴について解説します。それぞれのメリットを理解し、施設のコンセプトに合った木材を選びましょう。

木材の種類 特徴 メリット こんな施設におすすめ
シダー(米杉)

赤みがかった美しい木肌と、特有のさわやかな香りが特徴。
腐朽や虫害に強く、耐久性・耐水性に優れる。

リラックス効果のある香り。
寸法安定性が高く、反りや収縮が少ない。

屋外サウナ
本格的なフィンランド式サウナ
ナチュラルな雰囲気を重視する施設

ヒノキ(檜)

日本を代表する高級木材。
光沢のある美しい木肌と、心地よい芳香が人気。
耐水性・耐久性が非常に高い。

特有の香りがリラクゼーション効果を高める。
抗菌作用も期待できる。

高級旅館やスパ
和のテイストを取り入れたい施設
衛生面を特に重視する施設

スプルース(米唐檜)

淡い黄白色の明るい木肌で、清潔感がある。
木目が細かく均一で、加工しやすい。

明るく爽やかな空間を演出できる。
比較的安価でコストパフォーマンスに優れる。

大衆向けの温浴施設
北欧スタイルのデザインを目指す施設

ヘムロック(米栂)

全体的に淡い色調で、クセのない木肌。
香りがほとんどない。

落ち着いた空間を作りやすい。
香りに敏感な利用者にも配慮できる。

シンプルでモダンなデザインのサウナ
瞑想などをコンセプトにする施設

パイン(松)

節が多く、素朴でナチュラルな雰囲気。
黄色っぽい木肌が特徴。
経年変化で味わい深い褐色に変わる。

柔らかい肌触り。
価格が手頃で導入しやすい。

コストを抑えたい施設
カントリー調や山小屋風のデザインにしたい施設


香りと耐久性が魅力の「シダー(米杉)」

シダー、特にウエスタンレッドシダーは、サウナ用木材として非常に人気があります。耐久性が高く、高温多湿な環境でも反りや収縮が少ないのが大きなメリットです。赤みを帯びた美しい木肌と、リラックス効果のある独特の香りが、心地よいサウナ空間を創り出します。


日本ならではの高級感を演出する「ヒノキ(檜)」

日本ならではの高級感を演出する「ヒノキ(檜)」

ヒノキは、古くから日本の風呂や建築に用いられてきた高級木材です。最大の魅力は、なんといっても特有の芳醇な香りでしょう。

耐水性や耐久性にも非常に優れており、長期間にわたって美しい状態を保ちます。光沢のある木肌は、サウナ室全体に清潔感と高級感を与えてくれます。


明るい色合いで清潔感のある「スプルース(米唐檜)」

スプルースは、サウナ発祥の地であるフィンランドでもよく使われる木材です。白に近い淡い黄白色の色合いが、サウナ室を明るく清潔な印象に見せてくれます。

材質が柔らかいため肌触りも良く、コストパフォーマンスにも優れているため、多くの施設で採用されています。


落ち着いた空間に適した「ヘムロック(米栂)」

ヘムロックは、淡い色調で木目が均一なため、落ち着いた雰囲気を演出できる木材です。大きな特徴として、香りがほとんどない点が挙げられます。

これにより、アロマオイルなど、他の香りを楽しみたい場合に邪魔になりません。匂いに敏感な方でも快適に過ごせる空間づくりに適しています。


コストパフォーマンスに優れた「パイン(松)」

パイン材は、比較的安価で手に入りやすいことから、コストを重視する場合に選ばれることが多い木材です。節が多く、

黄色っぽい木肌は、ナチュラルで温かみのある山小屋のような雰囲気を醸し出します。経年によって色が濃い褐色に変化していくため、その味わいを楽しむこともできます。



おしゃれなサウナ内装をデザインする5つのポイント

利用者に「また来たい」と思わせる魅力的なサウナを作るためには、単に木材を張るだけでは不十分です。

ここでは、空間全体の価値を高めるための5つのデザインポイントを紹介します。

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ポイント1:施設のコンセプトを明確に定義する

まず最初に、「誰に、どのような体験を提供したいのか」というコンセプトを明確にしましょう。

例えば、「都会の喧騒を忘れる静寂の空間」を目指すのか、「仲間と語らえるコミュニケーションの場」を提供するのかで、内装のデザインは大きく変わります。コンセプトが明確であれば、使用する素材や色、照明などの方向性も自ずと決まっていきます。


ポイント2:利用者の動線を考慮したレイアウトを計画する

利用者の満足度は、サウナ室、水風呂、休憩スペースへの移動のスムーズさ(動線)に大きく影響されます。

サウナ室から出てすぐにシャワーと水風呂があり、近くにリラックスできる休憩椅子が配置されている、といった理想的な動線を意識してレイアウトを計画しましょう。

従業員の清掃やメンテナンスのしやすさも考慮に入れると、より効率的な施設運営につながります。


ポイント3:照明や香りでリラックス空間を演出する

照明は、空間の雰囲気を決定づける重要な要素です。

サウナ室内は、直接光源が目に入らない間接照明などを使い、照度を落として落ち着いた空間にするとリラックス効果が高まります。熱や湿気に耐えられる専用の照明器具を選びましょう。

また、セルフロウリュ用にアロマ水を用意するなど、香りの演出も利用者の満足度を高めるのに効果的です。


ポイント4:熱効率と換気効率の両立を図る

快適なサウナ環境を維持するためには、熱を逃さない高い断熱性と、新鮮な空気を取り入れる適切な換気の両立が不可欠です。壁や天井にしっかりと断熱材を入れることで熱効率が上がり、ランニングコストの削減にもつながります。

同時に、息苦しさを感じさせないよう、給気口と排気口を適切に配置し、十分な換気量を確保しましょう。


ポイント5:清潔感を維持できるメンテナンス性を確保する

多くの人が利用するサウナ施設にとって、清潔感は生命線です。汗や湿気によるカビや雑菌の発生を防ぐため、内装材は清掃しやすいものを選びましょう。

特に床材には、耐水性が高く、汚れが落としやすいタイルなどが適しています。日々の清掃や定期的なメンテナンスがしやすい設計を心掛けることが、長期的に施設を良い状態に保つ秘訣です。



サウナ内装で後悔しないための法的注意点

サウナ内装で後悔しないための法的注意点

サウナ施設を安全に運営するためには、デザイン性や快適性だけでなく、法律や条例を遵守することが絶対条件です。

特に火災予防に関する規制は厳しく、設計段階から専門家と相談しながら進める必要があります。

法律・基準 主な規制内容 対応策
消防法

サウナストーブ周辺の仕上げ材、防火区画、消防設備の設置などに関する規制。

ストーブから一定の距離内は、レンガや石、タイルなどの不燃材料で仕上げる。
施設の規模に応じた消火器や自動火災報知設備の設置。

建築基準法

建物の用途や規模に応じた内装制限。
壁や天井に使用できる材料が定められている。

設計段階で、建築士や施工業者に法規制に適合しているか確認を依頼する。

公衆浴場法

施設の衛生基準や構造設備の基準など。

保健所の指導に従い、換気や採光、洗い場の設置などの基準を満たす設計を行う。

サウナ設備設置基準

日本サウナ・スパ協会が定める自主基準。
安全なサウナ設備の構造や保守点検について詳細に規定。

法的義務はないが、安全性を高めるために準拠することが強く推奨される。


消防法・建築基準法などの法律を遵守する

サウナ施設は、建築基準法や消防法、そして公衆浴場法など、様々な法律の規制を受けます。火災予防のための内装制限や、衛生管理の基準などが厳しく定められています。

例えば、施設の規模や構造によって、壁や天井に使用できる材料が不燃・準不燃・難燃材料に限定される場合があります。規制を知らずに工事を進めてしまうと、後で大規模な手直しが必要になる可能性もあるため、必ず設計段階で専門家と確認しましょう。

参考:建築基準法 | e-Gov 法令検索

参考:消防法 | e-Gov 法令検索

参考:公衆浴場法概要 |厚生労働省


熱源(ストーブ)の周辺には不燃材を使用する

サウナの火災原因でしばしばみられるのが、サウナストーブの過熱です。消防法や日本サウナ・スパ協会の設置基準では、ストーブの周囲の特定部分(放熱器から一定の離隔距離内)の壁や天井、床を不燃材で仕上げることが義務付けられています。

具体的には、レンガや大谷石、タイルといった熱に強い材料を使用する必要があります。木材で内装を仕上げたい場合でも、ストーブ周りの規定された範囲は必ず不燃材としなければなりません。

参考:サウナ設備に係る消防法の関係規定と 火災安全性検証実験について

参考:サウナ設置基準forPDF


利用者の安全を守る断熱・防水対策を徹底する

サウナ室の壁の内部には、グラスウールなどの断熱材を施工し、室内の熱が建物の構造体に伝わるのを防ぐ必要があります。怠ると、低温炭化による火災のリスクが高まります。

また、ロウリュなどで発生した水蒸気が壁の内部に侵入し、結露や構造材の腐食を引き起こさないよう、防湿・防水層の施工も極めて重要です。

目に見えない部分ですが、施設の寿命と安全を左右する重要な工事です。



サウナ内装の費用相場とコスト削減のコツ

サウナの内装工事にかかる費用は、施設の規模やデザイン、使用する素材のグレードによって大きく変動します。

ここでは、費用の目安と、コストを賢く抑えるためのポイントを解説します。


内装工事費用の坪単価と主な内訳

サウナ施設の内装工事費用は、一般的に坪単価50万円〜100万円程度が相場とされています。

例えば、10坪のサウナ施設であれば、500万円〜1,000万円程度が一つの目安となります。

費用の内訳は、大きく分けて以下のようになります。

  • 設計・デザイン費:工事費全体の10%程度
  • 内装工事費(壁・床・天井など):工事費全体の30%程度
  • 設備工事費(サウナストーブ、電気、給排水、空調など):工事費全体の50%程度
  • 諸経費:工事費全体の10%程度

特に、サウナストーブや空調換気設備、給排水設備などの設備工事費が全体の約半分を占めることが多く、ここのグレードが総額に大きく影響します。


費用を賢く抑えるためのポイント

予算内で理想のサウナを実現するためには、いくつかの工夫が考えられます。

一つ目は、相見積もりを取ることです。複数の内装工事業者から見積もりを取り、費用や提案内容を比較検討することで、適正な価格で信頼できる業者を見つけられます。

二つ目は、内装材のグレードを調整することです。利用者が直接触れるベンチなどには質の良い木材を使い、バックヤードなど目立たない部分はコストを抑えた素材にするなど、メリハリをつけることで全体の費用を調整できます。

三つ目は、補助金や助成金の活用です。国や自治体が提供する事業再構築補助金などは、サウナ施設の新設や改修にも利用できる場合があります。返済不要の資金となるため、積極的に情報を収集し、活用を検討しましょう。

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まとめ

サウナの内装は、利用者の満足度と施設の成功を左右する重要な要素です。

安全性と快適性を確保するための木材選びや法規制の遵守はもちろん、施設のコンセプトを体現するデザイン性が求められます。

本記事で解説したポイントを参考に、利用者に愛される理想のサウナ空間を実現してください。信頼できる専門家と相談しながら、計画的に内装づくりを進めていきましょう。