小さな居酒屋の内装デザイン!おしゃれで繁盛する店づくりのポイントを解説|テナント工房

  • 2025.11.27

  • 最終更新日:

これから小さな居酒屋を開業しようと考えている方にとって、内装デザインは店の成功を左右する非常に重要な要素です。

限られたスペースだからこそ、工夫次第でお客様にとって忘れられない、居心地の良い空間を生み出すことができます。

この記事では、小さな居酒屋の内装を考える上で押さえるべき基本的なポイントから、費用を抑えるコツ、さらにはおしゃれな空間を演出するための具体的なテクニックまで、詳しく解説していきます。




小さな居酒屋が持つ魅力とは?

小さな居酒屋には、大型店にはない独自の魅力がたくさん詰まっています。限られた空間だからこそ生まれる価値を理解し、内装デザインに活かすことが繁盛店への第一歩です。

ここでは、小さな居酒屋が持つ主な3つの魅力について解説します。


お客様との距離が近く常連化しやすい

小さな居酒屋の最大の魅力は、店主やスタッフとお客様との物理的・心理的な距離が近いことです。カウンター席がメインのレイアウトにすれば、調理をしながらお客様と自然な会話が生まれます。

親密なコミュニケーションが、お客様に「また来たい」と思わせる強力な動機となり、常連客の獲得につながりやすいのです。内装を考える際は、この「距離の近さ」を最大限に活かす設計を心がけましょう。


開業資金やランニングコストを抑えられる

店舗の規模が小さいことは、経済的なメリットにも直結します。物件取得費や内装工事費といった初期投資を大幅に抑えられます。

加えて、開業後も家賃や水道光熱費、人件費などのランニングコストを低く保つことができます。経営リスクを低減し、よりこだわりの食材やドリンクにお金をかけるなど、質の高いサービスを提供しやすくなるのです。

費用項目 小規模店舗(〜10坪)のメリット 大規模店舗との比較
物件取得費 敷金・礼金などが安価 高額になりがち
内装工事費 面積が狭いため費用を抑えられる 面積に比例して高額になる
人件費 ワンオペや少人数での運営が可能 多くのスタッフが必要
水道光熱費 空間が狭いため効率が良い 維持コストが高い

コンセプトを特化させ個性を出しやすい

小さな店舗は、店主のこだわりや個性を強く反映させた、コンセプトの立った店づくりに適しています。

例えば、「特定の地酒と郷土料理に特化」「昭和レトロな雰囲気で懐かしさを提供」など、ニッチなテーマでも熱心なファンを掴めます。大規模店では難しい、エッジの効いたコンセプトを実現しやすいのは、小さな居酒屋ならではの強みと言えるでしょう。



小さな居酒屋の内装におけるコンセプト設計方法

小さな居酒屋の内装を成功させるためには、すべての土台となる「コンセプト」を明確にすることが不可欠です。

コンセプトが曖昧なままデザインを進めると、統一感のない空間になり、お客様に店の魅力が伝わりません。ここでは、魅力的でブレないコンセプトを作り上げるための3つのステップを紹介します。


ステップ1:お店の「らしさ」を言語化する

まず、あなたがどのような居酒屋を作りたいのか、その「らしさ」を具体的に言葉にしてみましょう。「どんなお客様に」「どんな料理やお酒を」「どんな雰囲気の中で」楽しんでほしいのかを自問自答します。

例えば、「仕事帰りの30代男性に、こだわりの日本酒と手作りのおばんざいを、ジャズが流れる落ち着いた空間で楽しんでほしい」のように、具体的なシーンを思い描きましょう。内装デザインの方向性を決める羅針盤となります。


ステップ2:ターゲット顧客のニーズを理解する

次に、あなたの考えた「らしさ」が、ターゲットとするお客様に本当に求められているかを確認します。周辺の競合店をリサーチしたり、ターゲットに近い友人や知人に意見を聞いたりしてみましょう。SNSやグルメサイトで地域の飲食店の口コミを分析することもおすすめです。

独りよがりな店づくりに陥ることを避け、お客様のニーズと自分の理想のバランスを取ることが、長く愛される店を作る秘訣です。


ステップ3:コンセプトを内装デザインに落とし込む

言語化したコンセプトと顧客のニーズを基に、具体的な内装デザインへと落とし込んでいきます。

例えば、「ぬくもり」「手作り感」がコンセプトなら、内装には無垢材や珪藻土などの自然素材を取り入れ、照明は暖色系の柔らかい光を選ぶといった具合です。コンセプトを構成するキーワードを抽出し、色、素材、照明、家具、装飾といった各要素に反映させることで、統一感のある魅力的な空間が生まれます。



空間を最大限に活かすレイアウトの工夫方法

小さな居酒屋では、限られたスペースをいかに効率的かつ快適に活用するかがレイアウト設計の鍵となります。

デッドスペースをなくし、お客様とスタッフの双方にとって使いやすい空間を作り出すための工夫が求められます。


カウンター席を主役に設計する

10坪以下の小さな居酒屋では、カウンター席をレイアウトの主役に据えるのが基本です。コの字型やL字型のカウンターは、少ない面積で多くの席数を確保できるだけでなく、お客様とスタッフのコミュニケーションを促進する効果もあります。

お客様一人ひとりに目配りしやすく、きめ細やかなサービスを提供できるため、顧客満足度の向上にも繋がります。

テーブル席を設ける場合も、2人掛けの小さなものを基本とし、必要に応じて連結できる可動式のものを選ぶと柔軟性が高まります。

【関連記事】10坪店舗の費用はいくら?内装工事の相場と開業資金を抑えるコツを解説します!


お客様とスタッフが快適に移動できる動線を考える

お客様とスタッフの動線が交錯しない、シンプルでスムーズな動線計画は、店の快適性と運営効率を大きく左右します。

お客様が入口から席へ、席からトイレへとストレスなく移動できる通路幅(最低90cm程度)を確保しましょう。

同様に、スタッフが厨房と客席を効率的に行き来できるルートを設計することで、料理の提供スピードやサービスの質が向上し、店の回転率アップにも貢献します。

動線の種類 確保すべきポイント 目安となる通路幅
客動線 入口から客席、トイレへのスムーズな移動 90cm〜120cm以上
サービス動線 厨房から各客席への最短ルート 60cm以上
共通動線 お客様とスタッフがすれ違う通路 120cm以上

壁面や天井など縦の空間を有効活用する

床面積が限られているからこそ、壁面や天井といった「縦の空間」を有効活用する意識が重要です。壁に棚を取り付けてお酒のボトルやグラス、装飾品をディスプレイすれば、収納とインテリアを兼ねられます。

お客様の視線が上に誘導されることで、空間に広がりを感じさせる効果も期待できます。天井から吊り下げるタイプの照明や装飾も、空間を立体的に見せるのに有効なテクニックです。



空間を広く見せる内装デザインのテクニック

「狭さ」は小さな居酒屋の宿命ですが、デザインの工夫によって視覚的に広く、開放的に見せることは可能です。

圧迫感をなくし、居心地の良い空間を演出するためのテクニックをいくつかご紹介します。

【関連記事】飲食店の内装デザインを成功させるコツと内装をおしゃれにするメリット|テナント工房


明るい色を基調とし開放感を演出する

内装の色使いは、空間の広さの印象に大きく影響します。白やベージュ、アイボリーといった明るい色は「膨張色」と呼ばれ、壁や天井に用いることで空間を広く見せる効果があります。

光を反射しやすいため、店内全体が明るい印象になるのです。床や家具に濃い色(収縮色)を使うと、空間にメリハリが生まれ、より膨張色が引き立ち、奥行きを感じさせられます。


鏡やガラスで視覚的な広がりを作る

壁面に大きな鏡を設置するのは、空間を広く見せるための古典的かつ非常に効果的な手法です。鏡が店内を映し込むことで、視覚的に奥行きが生まれ、実際の倍近い広さを感じさせられます。

また、間仕切りなどにガラスや格子状のパーテーションを用いると、視線を完全に遮ることなく空間を緩やかに区切ることができ、「抜け感」のある開放的な雰囲気を保てます。

テクニック 具体的な方法 期待できる効果
鏡の活用 壁一面に大きな鏡を設置する 奥行きを演出し、空間を広く見せる
ガラスの活用 間仕切りやドアにガラス素材を用いる 視線を遮らず、開放感を維持する
オープンキッチン 厨房を客席から見えるようにする ライブ感と抜け感を演出し、空間の一体感を高める

間接照明で奥行きと落ち着いた雰囲気を両立する

照明計画も、空間の印象をコントロールする上で重要です。天井や壁を直接照らす間接照明は、空間に柔らかな光と影のコントラストを生み出し、奥行きを感じさせます。

例えば、カウンターの下や壁面の棚の奥に照明を仕込むことで、立体感が生まれます。また、暖色系の温かみのある光は、お客様をリラックスさせ、長居したくなるような落ち着いた雰囲気を作り出すのに効果的です。



小さな居酒屋の内装費用を抑えるポイント

魅力的な内装を実現したい一方で、開業資金はできるだけ抑えたいのが本音でしょう。賢くコストを管理し、費用対効果の高い内装工事を行うための3つのポイントを解説します。

【関連記事】飲食店の内装費用はいくら?坪単価の相場と安く抑えるコツを解説!


ポイント1:居抜き物件を賢く活用する

以前のテナントが飲食店だった「居抜き物件」を活用することは、内装費用を抑える最も効果的な方法の一つです。厨房設備や空調、トイレなどが残っている場合が多く、再利用できれば初期投資を大幅に削減できます。

ただし、残された設備の状態や、自身の店のコンセプトと合っているかを慎重に見極める必要があります。不要な設備の撤去費用がかえって高くつくケースもあるため、物件選びは慎重に行いましょう。

【関連記事】居抜き物件で飲食店の開業!~メリットと注意すべき点も解説~|テナント工房


ポイント2:DIYを取り入れてコストを削減する

専門的な技術を要しない壁の塗装や、小さな家具・装飾品の製作などを自分たちで行う「DIY」も、コスト削減に有効です。自分たちの手で店を作れば、内装に独自の個性を与え、愛着も深まります。

ただし、電気工事やガス工事など、資格が必要な作業は必ず専門業者に依頼してください。安全性に関わる部分まで無理にDIYしようとすると、大きなトラブルにつながる可能性があるため注意が必要です。

DIYにおすすめの作業 専門業者に任せるべき作業
壁の塗装、漆喰塗り 電気・ガス・水道工事
簡単な棚の取り付け 防水・防災に関わる工事
メニューボードの作成 主要な構造に関わる工事
装飾品の製作 専門的な厨房設備の設置

ポイント3:複数の内装業者から相見積もりを取得する

内装工事を業者に依頼する際は、必ず複数の業者から見積もりを取り、比較検討しましょう。これを「相見積もり」と呼びます。1社だけの見積もりでは金額が適正かどうか判断できません。

料金だけでなく、提案内容や過去の施工実績、担当者の対応などを総合的に比較し、最も信頼できるパートナーを選ぶことが、後悔しない内装工事の鍵となります。



小さな居酒屋のおしゃれな内装事例

小さな居酒屋のおしゃれな内装事例

コンセプトが決まったら、具体的なデザインスタイルに落とし込んでいきましょう。ここでは、ひとつの小さな居酒屋の内装スタイルを紹介します。和モダンスタイルの小さな居酒屋として、テナント工房が手がけた大阪市中央区の「黒門漁楽」は、限られた空間を最大限に活かした内装デザインが特徴です。

1階約46平方メートル、2階約42平方メートルという小規模店舗ながら、波模様のグラフィックを壁面に配し、約200匹の魚のモビールを照明の反射でキラキラと輝かせることで動きのある空間を演出しています。

入口は広めに設計し、木工建具で和の風合いを出しながらも外国人観光客も入りやすい雰囲気に仕上げました。紺色と赤色のコントラストが印象的で、SNS映えする店舗として注目を集めています。

【関連記事】黒門漁楽様施工事例|開業ならテナント工房



まとめ

小さな居酒屋の内装づくりは、限られた空間という制約の中で、いかに店の個性と居心地の良さを表現するかという、創造的な挑戦です。明確なコンセプト設定から始まり、効率的なレイアウト、広く見せるデザインテクニック、そして賢いコスト管理まで、押さえるべきポイントは多岐にわたります。

今回紹介した内容を参考に、あなただけの魅力的な空間を創り上げてください。