ドッグカフェの開業方法を解説!必要な資格や資金、失敗しないポイントとは?|テナント工房

  • 2025.10.27

  • 最終更新日:

愛犬と一緒に過ごせる特別な空間、ドッグカフェ。犬が好きで、「いつか自分のドッグカフェを開きたい」という夢をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

しかし、その一方で「何から始めればいいの?」「特別な資格や多額の資金が必要なのでは?」といった不安を感じ、一歩を踏み出せないでいるかもしれません。

この記事では、そんなドッグカフェ開業の夢を現実にするために、必要な資格や許認可、開業資金の目安、そして失敗しないための準備の進め方や成功のコツを、順を追って詳しく解説します。この記事を読めば、あなたの夢の実現に向けた具体的な第一歩を踏み出すことができるでしょう。




ドッグカフェの開業、まずは形態を知ろう

ドッグカフェと一言で言っても、その営業形態は様々です。どのようなカフェにしたいのか、コンセプトを明確にするために、まずは代表的なドッグカフェの形態を知ることから始めましょう。提供したいサービスによって、必要な資格や準備も変わってきます。


愛犬と一緒に入店できるカフェ

最も一般的な形態が、飼い主が自身の愛犬を連れて一緒に入店できるカフェです。お客様は愛犬との散歩の途中や、愛犬家仲間との交流の場として利用します。

人間用のメニューはもちろん、犬用のオリジナルメニューを提供することで、他のカフェとの差別化を図れます。愛犬家同士のコミュニティが生まれやすいのもこの形態の特徴です。


お店の看板犬と触れ合えるカフェ

「犬は好きだけど、住宅事情で飼えない」という方々のために、お店で飼っている看板犬とお客様が触れ合える形態のカフェです。猫カフェの犬版をイメージすると分かりやすいでしょう。看板犬の可愛らしさがお店の魅力となり、リピーター獲得に繋がりやすいというメリットがあります。この形態の場合、後述する動物取扱業の登録が必要になります。


ドッグランやトリミングを併設した複合型カフェ

カフェ機能に加えて、ドッグランやトリミングサロン、ペットホテルといった付加価値の高いサービスを併設する形態です。広い敷地が必要になるなど開業のハードルは上がりますが、サービスの多様化により収益の柱を増やすことができます。

お客様はカフェの利用だけでなく、愛犬を遊ばせたり、トリミングを待つ間の時間を利用したりと、様々な目的での来店が期待できます。

【関連記事】初めてのトリミングサロン開業!店舗設計のコツや費用についても解説|テナント工房



ドッグカフェ開業に必要な資格と許認可

ドッグカフェを開業するためには、通常の飲食店の開業準備に加えて、動物に関わる特別な許認可や資格が必要になる場合があります。手続きには時間がかかるものもあるため、開業スケジュールから逆算して早めに準備を始めましょう。


許認可・資格の種類

必要なケース

概要

飲食店営業許可

全てのドッグカフェ

飲食物を提供するために必須。

保健所の審査を通過する必要がある。

食品衛生責任者

全てのドッグカフェ

店舗の衛生管理を行う責任者。

各店舗に1名以上の配置が義務。

第一種動物取扱業

看板犬を置く、犬を預かる場合など

営利目的で動物の展示や保管などを行う場合に必要。

都道府県等への登録が必須。

動物取扱責任者

第一種動物取扱業の登録をする場合

動物取扱業を行う事業所ごとに1名以上の選任が義務付けられている専門家。

農林水産省への届出

犬用フードをテイクアウト販売する場合

ペットフード安全法に基づき、製造・輸入業者は届出と帳簿の備え付けが必要。

消防署への届出

収容人数や設備による

収容人数が30人以上の場合の防火管理者選任届など、建物の条件に応じて必要。


全ての飲食店で必須の「飲食店営業許可」

ドッグカフェでお客様に食事や飲み物を提供する限り、必ず「飲食店営業許可」が必要です。店舗の工事が完了する前に、設計図面を持って管轄の保健所に事前相談に行き、施設基準を満たしているか確認しましょう。

基準に沿って店舗を完成させた後、保健所の担当者による実地検査を受け、合格すれば許可証が交付されます。

参考:営業規制(営業許可、営業届出)に関する情報|厚生労働省


店舗に一人は必要な「食品衛生責任者」

飲食店営業許可を取得するためには、各店舗に1名以上の「食品衛生責任者」を配置することが義務付けられています。各都道府県の食品衛生協会が実施する養成講習会を受講すると資格を取得可能です。

調理師や栄養士などの資格を持っている場合は、講習を受けずに食品衛生責任者になれます。

参考:食品衛生管理者|厚生労働省


看板犬を置くなら必須「第一種動物取扱業」の登録

お店の看板犬をお客様と触れ合わせる、ペットホテルとして一時的にお客様の犬を預かるなど、営利目的で動物の「展示」や「保管」を行う場合は、「第一種動物取扱業」の登録が必要です。

登録を行わずに営業すると罰則の対象となるため、該当する場合は必ず管轄の動物愛護センターや保健所などで手続きを行いましょう。

参考:環境省_第一種動物取扱業者の規制 [動物の愛護と適切な管理]


動物取扱の専門家「動物取扱責任者」

第一種動物取扱業の登録を行う事業所では、常勤の職員の中から「動物取扱責任者」を1名以上選任しなければなりません。動物取扱責任者になるには、獣医師や愛玩動物看護師の免許を持っている、または関連業種での半年以上の実務経験があるなどの要件を満たす必要があります。

参考:動物取扱責任者について|第一種動物取扱業|東京都動物愛護相談センター


手作りフードのテイクアウト提供には農林水産省へ届出が必要

店内で手作りした犬用のおやつなどをテイクアウトで販売する場合には、ペットフード安全法に基づき、農林水産省への届出が義務付けられています。

店内での提供のみであれば届出は不要ですが、物販にも力を入れたい場合は注意が必要です。

参考:環境省_愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法) [動物の愛護と適切な管理]


建物の安全について消防署へ届出が必要

店舗の収容人数が30人を超える場合は、「防火管理者」を選任し、消防署に届け出る必要があります。

また、設置する厨房設備によっては「火を使用する設備等の設置届」の提出が求められることもあります。内装工事を始める前に、管轄の消防署に確認しておくとスムーズです。

参考:防火管理者が必要な防火対象物と資格 | 東京消防庁



ドッグカフェ開業にかかる資金はどれくらい?

ドッグカフェの開業には、通常のカフェよりも多くの資金が必要になる傾向があります。

特に、犬と人間が快適かつ衛生的に過ごせる空間を作るための設備投資が大きくなるため、余裕を持った資金計画が重要です。


開業時に必要な初期費用(店舗取得費・内装工事費など)

初期費用は、店舗の規模や立地、居抜き物件かスケルトン物件かによって大きく変動しますが、一般的に500万円~2,000万円程度が目安とされています。主な内訳は以下の通りです。

費用項目

内容

目安

物件取得費

保証金

礼金

仲介手数料

前家賃など

賃料の6~12ヶ月分

内装工事費

設計デザイン

内装・外装工事

厨房・衛生設備の工事費

300万円~1,000万円

設備・備品費

厨房機器

空調設備

テーブルや椅子

犬用備品など

100万円~500万円

広告宣伝費

ホームページ制作

チラシ

看板作成など

20万円~50万円

その他

運転資金の確保

許認可申請費用など


開業後に必要な運転資金(人件費・仕入れ費など)

開業後、経営が軌道に乗るまでの間の運転資金も準備しておく必要があります。最低でも3ヶ月から半年分の運転資金を用意しておくと安心です。 主な内訳は以下の通りです。

  • 人件費:スタッフの給与、社会保険料など
  • 賃料:店舗の家賃
  • 仕入れ費:食材、ドリンク、犬用おやつ、グッズなどの費用
  • 水道光熱費:電気、ガス、水道料金
  • 広告宣伝費:SNS広告、情報サイト掲載料など
  • その他:通信費、消耗品費、税金など

開業資金を抑えるためのポイント

開業資金は大きな負担ですが、工夫次第で抑えることが可能です。例えば、厨房設備や内装が残っている「居抜き物件」を選ぶと、内装工事費を大幅に削減できます。

また、厨房機器を中古品で揃えたり、リースを利用したりも有効です。国や自治体が提供する創業融資や補助金・助成金制度の積極的活用も検討しましょう。

【関連記事】居抜き物件のメリットとデメリット!おすすめの人や注意点も|テナント工房



失敗しないための開業準備の進め方

ドッグカフェの開業を成功させるためには、計画的な準備が不可Nessです。夢を実現するために、一つ一つのステップを丁寧に進めていきましょう。


Step1:コンセプト設計と事業計画書の作成

まずは「どんなドッグカフェにしたいのか」というコンセプトを具体的に描くことから始めます。ターゲットとする客層、お店の雰囲気、提供するメニューやサービスなどを明確にしましょう。

コンセプトが決まったら、それを実現するための詳細な「事業計画書」を作成します。事業計画書は、資金調達の際に金融機関へ提出する重要な書類となるだけでなく、開業後の経営の指針ともなります。


Step2:開業資金の調達方法を検討する

事業計画書で算出した必要資金を元に、資金調達の方法を検討します。自己資金だけでは不足する場合、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」や、地方自治体の制度融資などを利用するのが一般的です。

また、特定の条件を満たすことで返済不要の補助金や助成金を活用できる場合もあります。それぞれに特徴や審査基準があるため、専門家のアドバイスを受けながら最適な方法を選びましょう。

参考:新規開業・スタートアップ支援資金|日本政策金融公庫


Step3:ドッグカフェに適した物件選び

ドッグカフェの成功は立地選びに大きく左右されます。公園の近くやペットを飼っている人が多い住宅街、散歩コース沿いなどが理想的です。

また、「ペット可」の物件であることはもちろん、犬の鳴き声や臭いなどについて、近隣住民の理解が得られやすいかどうかも重要なポイントです。十分なスペースが確保でき、換気がしやすい物件を選びましょう。


Step4:お客様と愛犬が喜ぶメニューを開発する

人間用のメニューはもちろん、愛犬用のオリジナルメニューはドッグカフェの大きな魅力となります。見た目の可愛らしさだけでなく、犬の健康に配慮した安全な食材の使用が大切です。

アレルギーを持つ犬にも対応できるメニューがあると、より多くのお客様に喜ばれるでしょう。人間用のメニューは、調理に時間がかかりすぎず、安定した品質で提供できるものを選びましょう。


Step5:必要な設備・備品を揃える

ドッグカフェ特有の設備として、リードフック、犬用の水飲み場、粗相をした際の清掃用具などが必要です。また、衛生管理の観点から、保健所の指導により人間用と犬用の食器を洗うシンクを分ける、厨房と客席を扉で仕切るなどの対策が求められる場合があります。開業前に管轄の保健所に必ず確認し、基準に沿った設備を整えましょう。


Step6:SNSなどを活用して集客活動をする

お店のオープン前から集客活動を始めることが、開業当初の成功の鍵となります。InstagramFacebookなどのSNSを活用し、お店のコンセプトや内装工事の進捗、看板犬の紹介などを発信して、オープンへの期待感を高めましょう。

地域の愛犬家が集まるイベントに参加したり、近隣のペットショップにチラシを置かせてもらったりするのも効果的です。



ドッグカフェ開業を成功させるための運営のコツ

ドッグカフェを開業してからも、お客様と愛犬に愛され続けるお店であるためには、様々な工夫が必要です。長期的に安定した経営を目指すための運営のコツをご紹介します。


衛生管理を徹底し清潔な環境を保つ

ドッグカフェは飲食店であると同時に、動物が集まる場所でもあります。そのため、衛生管理には特に気を配る必要があります。

犬の毛が飛散しないように厨房と客席スペースを区切る、定期的な換気や消毒を行う、犬が粗相をしてもすぐに清掃できるような床材を選ぶなど、常に清潔な環境を保つ工夫が求められます。

清掃

耐水性・耐久性の高い床材を選び、こまめに清掃・消毒を行う。

換気

定期的な換気はもちろん、高性能な空気清浄機を導入する。

厨房の衛生

厨房と客席は完全に分離し、犬の毛などの侵入を防ぐ。

食器の管理

保健所の指導に基づき、人間用と犬用の食器の洗浄場所を分ける。

参考:衛生管理の基準の解説

お客様が安心して過ごせるルールを設定する

すべてのお客様と犬たちが快適に過ごせるよう、店内でのルールを明確に設定し、入り口やメニューブックなどに掲示しましょう。例えば、「狂犬病などの予防接種済みであること」「店内では必ずリードを着用すること」「ヒート(生理)中の利用は控えてもらう」といったルールです。

トラブルを未然に防ぎ、安心して過ごせる空間を提供することが、お客様の信頼に繋がります。


グッズ販売や関連サービスで客単価を上げる

カフェの飲食売上だけでは、経営が安定しにくいのが実情です。そこで、客単価を上げるための工夫が重要になります。オリジナルのおやつやペット用グッズ、おもちゃなどを販売する物販コーナーを設けるのが効果的です。

また、トリミングサロンやドッグランを併設したり、プロのドッグトレーナーを招いてしつけ教室などのイベントを開催したりすることで、新たな収益源を確保できます。


愛犬家が集まるコミュニティを作る

ドッグカフェの大きな魅力は、飼い主同士が交流できるコミュニティの場となることです。お客様同士の会話のきっかけを作ったり、犬種別のオフ会イベントを企画したりすることで、お店のファンを増やし、リピーターの獲得に繋げることができます。

SNSを活用して、お客様の愛犬の写真を紹介するなど、オンライン上でのコミュニティ作りも有効です。



まとめ

ドッグカフェの開業は、通常のカフェに比べて多くの準備と配慮が必要ですが、犬と人が共に幸せな時間を過ごせる空間を創り出す、非常にやりがいのある事業です。

成功のためには、明確なコンセプトに基づいた入念な事業計画と、衛生面への徹底した配慮が不可欠です。

この記事でご紹介した、必要な資格や資金計画、開業準備のステップ、そして運営のコツを参考に、ぜひあなたの夢である素敵なドッグカフェの実現に向けて、着実な一歩を踏み出してください。