カレー屋の内装デザインのポイント7選!工事費用や節約法もご紹介

  • 2024.10.15

  • 最終更新日:

カレー屋(カレーショップ)を開業するときは、内装デザインに悩まれる方も多いのではないでしょうか?
食欲を刺激するカラーを採用したり、おしゃれな証明やインテリアを取り入れたりすることで、店舗の印象は大きく変わります。また香辛料の匂いを軽減するため、内装材には消臭性が高いものを選びましょう。

この記事では、集客や顧客満足度の向上につながる内装デザインのポイントや、内装工事費用の目安、コストを節約する方法についてご紹介します。


開業する前に知っておきたいカレー屋の特徴


カレーは家庭料理の代表ともいわれ、日本人にとってポピュラーな料理の一つです。これまでカレーの外食市場はさほど大きなものではなかったものの、近年の単身者の増加や、外食ニーズの多様化などを受けて市場規模が拡大し、一大市場に成長しています。 ここでは、カレー屋を開業する前に知っておきたい基礎知識をご紹介します。


カレー屋の顧客は30代~50代の男性が多い

カレー屋のメインの顧客層となるのは、30代~50代の男性です。利用率や利用頻度で見ると、全ての年代で男性が女性を上回っており、特に30代~50代の男性は利用意向が強くなっています。
しかし、カレー屋の需要は幅広い年齢層に分布しており、男性だけでなく女性にも潜在顧客が多く存在します。商品開発や内装デザインにおいて、女性客の需要を掘り起こしていく経営戦略も効果的でしょう。


大衆向け店と専門店の違い

カレー屋の営業形態は、大衆向け店と専門店の2種類に分けられます。開業に当たって、それぞれの違いを把握しておきましょう。

大衆向け店 専門店
顧客ニーズ ・リーズナブルな価格
・スピーディーな提供
・一人で食事
・本格的なカレー
・こだわりの製法やスパイス
・雰囲気の良い店舗
・家族での食事
店舗形態 ・小規模な設備
・カウンターのみのスタンド方式
・セルフサービスでの提供
・キッチンカーでの移動販売
・価格に見合った内装の店舗
・家族連れで利用しやすいテーブル席
ポイント ・低価格でも味にこだわる
・客単価よりも回転率を重視する
・カレーの種類やトッピングを豊富にする
・フランチャイズ・チェーン(FC)への加盟も検討する
・駅周辺やビジネス街、学生街などの立地を選ぶ
・家庭料理では出せない味わいを追求する
・カレー以外のインド料理やタイ料理もメニューに加える
・繁華街や幹線道路の近くなどの立地を選ぶ
・立地によっては駐車場の設置を検討する


カレー屋を開業するメリット・デメリット

ここでは、カレー屋を開業するメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。


メリット:材料費が比較的安く、ポピュラーな料理のため需要も大きい

カレー屋を開業するメリットは2つあります。

  • 材料費が比較的安い
  • ポピュラーな料理のため需要が大きい

カレーの主な原材料は、肉類や魚介類、野菜、各種スパイスなどです。他の飲食店と比べて材料費が比較的安く、仕入れにも手間がかかりません。ただし、こだわりのスパイスや有機野菜、和牛などの高級食材を採用する場合は、材料費が高くなります。

また、カレーはポピュラーな料理のため、幅広い年代に需要があるのもメリットです。季節別に見ると、カレーの外食需要は寒い時期の方が高い傾向にあるものの、夏場でも一定の集客が見込めます。


デメリット:参入障壁が低いため、競合店が多く差別化戦略が必要となる

一方、カレー屋を開業するデメリットは2つあります。

  • 参入障壁が低い分、競合店も多い
  • 客単価を上げるのが難しい

カレー屋は大規模な店舗設備を必要とせず、参入障壁が比較的低いとされています。それ故に競合店も多く、大手チェーンの進出も進んでいるため、差別化戦略によって自店舗の強みをアピールする必要があります。
また、カレー屋は、客席の回転率が高いという強みがある一方で、客単価が低いのがデメリットです。世間では、カレーは家庭料理というイメージが根強く、価格設定を上げにくいからです。カレーのみの食事で満足する顧客も多いため、利益率の高いアルコール類を販売し、客単価を上げることも難しくなっています。


カレー屋の内装デザインで意識したいポイント7選


カレー屋を開業するときにこだわりたいのが、店舗の内装デザインです。ここでは、顧客の印象をアップさせる内装デザインのポイントを7つご紹介します。

  • どのようなイメージの内装にしたいか決めておく
  • 消臭性の高い内装材を採用する
  • 店内の空調・換気に気を配る
  • 汚れが目立たない素材を使用する
  • 動線を考慮してレイアウトを考える
  • 楽しく食事できる色彩を取り入れる
  • おしゃれな装飾や照明器具で雰囲気を演出する

どのようなイメージの内装にしたいか決めておく

内装デザインは、そのお店のイメージを形作る大事なポイントです。雑誌やインターネット上のデザイン例、実在する店舗などを参考にして、どのようなイメージの内装にしたいかを決めておきましょう。
内装デザインといっても、さまざまな雰囲気や素材、色使いが考えられます。例えば、カレー屋に適した内装デザインのコンセプトは以下のとおりです。

カレー屋のイメージ
雰囲気 おしゃれ、和モダン、モダン、シンプル、
ナチュラル、アンティーク
素材 木目、ガラス、漆喰、ステンレス
白、黒、赤、緑、茶

ベースとなるコンセプトが固まったら、内装工事会社や設計事務所(デザイン事務所)の担当者に伝えてみましょう。内装デザインを任せきりにするよりも、ある程度具体的なイメージを持っていた方が、理想の店作りに近づきます。


消臭効果の高い内装材を採用する

カレー屋の内装デザインには、他の飲食店にはない注意点があります。それはカレーに使われる香辛料の匂い対策です。
店内に使用する内装材も、できるだけ消臭効果・脱臭効果があり、匂いが染み付きにくいものを選びましょう。例えば、消臭効果の高い内装材として、漆喰や珪藻土などが挙げられます。
また、セラミック素材のタイルも、脱臭効果や調湿効果があるためおすすめです。天井や壁などにタイルを施工すると、カレーの匂いだけでなく、梅雨特有の湿気も吸収してくれます。


店内の空調・換気に気を配る

カレーの匂い対策には、店内の空調・換気に気を配ることも大切です。空調設備によって店内の空気を循環させつつ、小まめに換気を行うとよいでしょう。
飲食店向けの空調設備には、以下の4種類があります。

空調設備の種類 特徴
天井埋込ダクト形 吹出口や吸込口を自由に決められるため、内装デザインの自由度が高い
天井埋込カセット形 吹出口が本体から分離されているため、内装デザインの自由度が高い
露出タイプ 天井吊形 天井に大きな穴を開けられない場合や、天井裏に十分なスペースがない場合に
壁掛形 店内が狭く、天井や床に空調設備を設置するスペースがない場合に

空調設備の種類は、内装デザインの自由度にも影響するため、店作りのコンセプトに合わせて選びましょう。


汚れが目立たない素材を使用する


カレー屋も飲食店である以上、清潔感が求められます。店内の装飾に使う素材は、できるだけ汚れにくいものを選ぶとよいでしょう。ほこりはもちろん、カレーの汚れが付いたときにすぐ拭き取ってきれいにできる素材なら、お手入れの手間がかかりません。
例えば、インド系のカレー屋によく見られるのが、色鮮やかなインド更紗を多用した内装デザインです。しかし、布はほこりが付きやすく、飛び散ったカレーが染み付いてしまうという欠点があります。布をガラスやアクリル板に挟むなど、汚れが付きにくくする工夫をするとよいでしょう。


動線を考慮してレイアウトを考える

店内のレイアウトは、顧客やスタッフの動線を考慮することが大切です。お客さまが来店し、食事をして退店するまでの流れや、その間のスタッフの移動をイメージし、厨房(キッチン)やダイニングフロア、客席を効率よく配置しましょう。


楽しく食事できる色彩を取り入れる

店内の「色」には、心理的な効果があるといわれています。例えば、寒色系の色よりも暖色系の色の方が、顧客の食欲を刺激する効果が期待できます。飲食店の場合は、暖色系の色彩を取り入れるとよいでしょう。
特に、イエローやオレンジ、ピンク、ゴールドなどの配色は、店内を明るい雰囲気にしてくれます。


おしゃれな装飾や照明器具で雰囲気を演出する

内装デザインに欠かせないのが、おしゃれな装飾アイテムや照明器具です。特に、照明器具は、店内の雰囲気を演出するだけでなく、提供したカレーのおいしさを引き立てる効果も期待できます。
照明による効果を引き出すには、照明器具の色温度や角度、照射範囲などのノウハウが必要です。内装工事会社や設計事務所の専門家と相談しながら、照明デザインを決めていきましょう。


カレー屋の内装工事費用の目安や節約方法を紹介

カレー屋の内装デザインを決める際に、予算面が気になる方も多いでしょう。ここでは、内装工事にかかる費用の目安や、コストを節約するポイントを紹介します。


内装工事費用の相場

内装工事費用は、店舗面積や席数によって変わります。例えば、店舗面積が20坪、席数が36席の場合、内装工事費用の目安は約400万円〜です。
内装工事費用には、以下のような項目が含まれます。

  • デザイン・施工管理費
  • 内装工事費
  • 設備・機器・什器工事費
  • 諸経費

デザイン・施工管理費

デザイン・施工管理費は、デザインの設計や工事の監理に必要な費用です。

内装工事費

内装工事費とは、天井や壁のクロス張りや、床のタイル張りなど、内装工事にかかる費用です。内装工事費の目安は、坪単価30万円〜 といわれています。

設備・機器・什器工事費

設備・機器・什器工事費は、店内の設備を導入するための費用です。例えば、飲食店では、コンロやフライヤー、冷蔵庫、オーブン、二槽シンクなどの設備が必要です。設備・機器・什器工事費は、内装工事費用に占める割合が高い傾向にあります。

諸経費

諸経費とは、内装工事の人件費や、工事に当たって必要な行政手続きの費用、工事前後の仮設・解体にかかる費用のことを指します。


内装工事費用を節約する4つのポイント


内装工事費用を節約するポイントは4つあります。

  • 複数の内装業者に相見積もりを取る
  • 内装や設備が残った居抜き物件を探す
  • コストがかかる設備や什器はリースにする
  • 外食事業者向けの補助金・助成金を利用する

複数の内装業者に相見積もりを取る

内装工事費用を節約するなら、複数の内装業者に問い合わせを行い、「相見積もり」を取りましょう。それぞれの見積内容を比較検討し、予算に合ったプランを選べます。内装デザインを依頼したい会社がすでに決まっている場合は、相見積もりを取る必要はありません。

内装や設備が残った居抜き物件を探す

居抜き物件を探す方法もあります。居抜き物件には、以前のテナントの設備や機器、什器などが残っているため、設備投資にかかるコストを節約できます。
ただし、居抜き物件には以下のような注意点もあるため、物件の情報をしっかりと精査することが大切です。

  • 設備や機器、什器などが劣化しており、むしろ修繕費用がかかる可能性がある
  • 以前のテナントの評判によっては、店舗に悪いイメージが付く可能性がある

コストがかかる設備や什器はリースにする

コストがかかる設備や什器は、リース契約にするという選択肢もあります。リース契約とは、厨房機器などをリース会社が代わりに購入し、一定期間レンタルしてくれるサービスです。毎月リース料金が発生するものの、初期投資を抑えて設備や什器を導入できます。


外食事業者向けの補助金・助成金を利用する

条件に当てはまる場合は、外食事業者向けの補助金・助成金を利用できます。例えば、以下のような補助金・助成金があります(※)。

補助金・
助成金
支援分野 補助
上限額
問い合わせ先
事業再構築
補助金
新分野展開や業態転換で
事業を立て直ししたい
最大8,000万円 事業再構築補助金事務局
雇用調整
助成金
雇用を維持したい 日額最大15,000円 お近くの都道府県労働局
またはハローワーク

※経済産業省「事業再構築補助金」

※厚生労働省「雇用調整助成金」


まとめ:カレー屋の開業なら、内装デザインにもこだわろう!

カレー屋(カレーショップ)は幅広い年代の利用客に足を運んでもらえる飲食店です。安定した集客を実現するには、カレー屋の内装デザインにもこだわるとよいでしょう。食欲を刺激するカラーコーディネートや、店内の装飾や照明器具にこだわることで、顧客満足度を高められます。
カレー屋の内装工事費用の目安は、20坪で約400万円〜と考えられます。相見積もりや居抜き物件の活用、設備・什器のリースといった工夫により、コストを節約することが可能です。