テイクアウト専門店の内装・店舗デザインに関する8つのポイント
近年、新型コロナの影響や宅配サービスの普及により、食生活が変化してきました。それに伴いテイクアウト専門店の需要が増加しています。
テイクアウト専門店は、狭いスペースで始められたり、開業資金が少なく済んだりなどのメリットがあります。「テイクアウト専門店の出店にあたり、内装デザインについて知りたい」と考えている方もいるでしょう。
テイクアウト専門店の開業を目指している方は参考にしてください。
なぜテイクアウト専門店の開業が良いのか
座席のある飲食店とは特徴が異なるテイクアウト専門店ですが、なぜテイクアウト専門店の開業がおすすめなのでしょうか。ここからは、テイクアウト専門店ならではの強みやメリットについて紹介します。
最小限のスペースで運営できるため
テイクアウト専門店に必要なのは、基本的にキッチンと販売スペース、レジカウンターのみです。10坪ほどの広さがあれば開業は可能なため、客席のある飲食店よりも気軽に始められるでしょう。
小さい規模であれば家賃も安く抑えられます。小さなスペースで開業するメリットを活かしつつ、調理や販売のしやすさを計算しながら内装やレイアウトを考えることが大切です。
広さや使いやすさのイメージがつかみにくい場合は、テナント内装の専門業者に相談してみましょう。
少人数で運営できるため
テイクアウト専門店は、少人数で運営できるというメリットがあります。規模が小さいため、運営に必要な作業が限られているためです。
客席がないためテーブルを片づける必要がありません。また、扱うメニューも少なく食材の仕込みにもあまり手間がかからないのも特徴です。そのため、少ない人数でお店を回せるため人件費を抑えられます。
また、スタッフがいつも同じ顔ぶれであることは、顧客に安心感を与えられます。小規模だからこそ、顧客との距離を縮められるところもテイクアウト専門店の魅力といえるでしょう。
さまざまなコストを抑えられるため
テイクアウト専門店は、開店資金や人件費などのランニングコストを抑えることが可能です。
前述のとおり、テイクアウト専門店は規模が小さいため家賃を抑えやすいというメリットがあります。また、料理の配膳やテーブルの片づけが必要なく、スタッフも少人数で運営でき、人件費を削減できます。
開店資金や光熱費などの固定費も抑えられるため、イートインのある店舗よりも利益率を上げやすいといえるでしょう。
客数を気にする必要がないため
テイクアウト専門店は、お店の客数を気にしなくていいというメリットがあります。通常、座席のある飲食店では、座席の数が収容できる客数の上限です。そのため「満席で顧客に待っていただく」という状況にはなりません。
また座席がないことで、店舗の回転率を上げるために時間制限を設けたり、余分なスタッフ対応が増えたりすることもありません。回転率を上げることに注力してしまうと、落ち着かないお店という印象を持たれる可能性もあります。
座席数や回転率を気にすることなく売上を上げられることは、テイクアウト専門店の大きなメリットといえます。
受注量を増やせるため
受注量を増やしやすいところもテイクアウト専門店のメリットといえます。テイクアウト専門店では、座席の回転数を気にすることなく、食材の在庫に合わせて注文を受けられるため、座席ありの店舗よりも多くの注文を受けることが可能です。
また、商品の受け取りの時間を予約制にすれば、大量のテイクアウトオーダーにも応えられます。注文が多く入っている時間帯にスタッフを増やすことで、効率よく受注量を増やせるでしょう。
食品ロスを減らせるため
食品ロスの管理が比較的容易なのも、テイクアウト専門店の魅力です。テイクアウト専門店は1つのコンセプトに特化することで成功しやすいという特徴があります。そのため、扱うメニューの種類が比較的少なくなります。
扱うメニューが少ないと、準備する食材も少なくなるということです。食材が少なければ在庫管理がしやすいため、食品を捨てるなどのロスをなくすことができます。
食品ロスは原価率を上げる要因のひとつです。食品ロスを減らすことで利益率も上がり、環境にも配慮したテイクアウト専門店を運営できるでしょう。
内装デザインのポイント
集客できるテイクアウト専門店にするには、インパクトが強く魅力のある内装デザインにすることが大切です。 小さなテイクアウト専門店でもしっかりと売り上げる店舗にするための、内装デザインのポイントについて解説していきます。
コンセプトをはっきりとさせる
まずは、どんなお店にしたいのか、コンセプトをはっきりさせましょう。コンセプトとは「リーズナブルなお弁当を売りたい」など、店舗運営の土台となる方向性のことです。
コンセプトを設定することは、飲食店ならどのような店にも必要なことです。店舗の規模が小さいテイクアウト専門店では、よりきちんとしたコンセプトを持つことが大切です。
たとえば、リーズナブルなお弁当を売っているのに内装に高級感があると、コンセプトがバラバラで顧客に入りづらさを感じさせてしまいます。販売する商品と、お店の内装のイメージを統一することで、顧客にギャップを感じさせないお店作りができます。
顧客にリピーターになってもらうためにも、コンセプトを明確にして統一感のあるお店を作りましょう。
何のお店かひと目でわかるようにする
テイクアウト専門店は、ひと目見て何の お店なのかが分かるようにしなければなりません。店の前を通りかかった人は、全員が立ち止まってまでどのようなお店なのかを確認してくれるわけではないからです。
たとえば、サンドイッチを売るお店なら、おいしそうなサンドイッチの写真を載せた看板を出しましょう。ドーナツやマフィンなどのスイーツ系なら、人気の商品をかわいくポップなイラストにした看板がおすすめです。
人の興味を引きつつ、購入意欲が高まるようなデザインにすることが大切です。
外観を目立たせる
イートインコーナーがないテイクアウト専門店では、内装デザインだけでは他店との違いを演出することが難しい場合があります。そのため、外観を目立たせ、インパクトのあるデザインにすることが大切です。
店舗の顔であるファサード(建物の正面部分のデザイン) に派手な装飾を施したり、温かみのあるデザインを取り入れたりなど、コンセプトを守りながらもインパクトのある外観がおすすめです。
座席のないテイクアウト専門店は、通りがかった人にお店の存在を認識してもらう必要があります。
そのため、すぐに目を引くような目立つファサードをデザインするのがおすすめです。テイクアウト専門店は外観のイメージが集客に直結するため、最も力を入れるべき場所といえるでしょう。
カウンターを広くしすぎないようにする
テイクアウト専門店の商品受け取りカウンターは、商品の注文を受け、出来上がったらお渡しすることが目的の場所です。2〜3人が作業できるスペースがあれば充分ですので、あまり広げすぎないことがバランスの良い内装にするコツです。
カウンターを広げすぎないことでキッチン内やカウンターまでの動線に余裕が生まれ、スタッフが作業しやすくなります。 また、カウンターと作業台に高さの差を作ることで、顧客が受ける印象を変える効果があります。
手元が見えない高さのカウンターなら非日常的な空間を、手元が見えるローカウンターなら調理などのパフォーマンスを楽しんでもらえます。コンセプトに合わせてカウンターの高さを変えてみるのもおすすめです。
商品をショーケースでアピールする
通行する人に認識してもらうためには、ショーケースでの商品のアピールが必要です。
ショーケースの利用には「何を販売しているのかがすぐにわかる」「おいしそうな商品が並ぶことで視覚的に購買意欲を上げる」「ショーケースから取り出すだけですぐに販売できる」などのメリットがあります。
たとえばサンドイッチ専門店なら、惣菜系・スイーツ系など種類ごとに並べることで見栄えがよくなり、顧客は選びやすくなります。また、テイクアウト用ショーケースに合った照明をつけるのも、明るい雰囲気になるためおすすめです。
顧客が買いたくなるような陳列方法を意識することが、ショーケースを有効活用するためのポイントです。
調理しやすい動線設計を行う
テイクアウト専門店は小規模店舗の場合が多く、スタッフも少人数で運営していることがほとんどです。店内のスペースが限られているため、スタッフが効率よく動けて生産性の高いキッチンレイアウトを考えるとよいでしょう。
スタッフの動線をコンパクトに、交差させないようにすることがポイントです。商品の受け渡しがスムーズにできるよう、調理設備の配置を考慮するとよいでしょう。
また、商品のできあがりを外で待つ顧客が、通行する人の邪魔にならないよう配慮することも必要です。
顧客に厨房や調理風景を見せる
顧客にキッチンや調理風景をあえて見せることは、テイクアウト専門店の運営に効果的といえます。顧客からカウンター越しのキッチンが見えるようにすることで、食品の衛生管理や調理のパフォーマンスをアピールして安心感を与えられるでしょう。
また、調理の工程が見えることで、そのお店の価値を上げる効果があります。調理風景を楽しみに来店する顧客もいるため、リピーター獲得にも期待できます。
調理風景が見えるような内装にするには、テナント内装の専門会社に相談するとよいでしょう。どのようなデザインが有効なのか、しっかりと相談に乗ってもらえます。
看板を設置する
テイクアウト専門店は、店舗をアピールするための看板を設置することが必要です。看板設置には「通りがかった人にお店を認知してもらう」「なにを売っているお店なのかをすぐにわかってもらう」「おすすめメニューや価格をアピールする」といった目的があります。
飲食店の看板は「店名やキャッチフレーズでアピール」と「店頭掲示メニューとしての役割」の大きく2種類に分けられます。お店のコンセプトやメニューを顧客に知ってもらい、商品を購入してもらうよう訴求することが狙いです。
集客のためには、読みづらいフォントや目立たないデザインは避け、店名や商品がわかりやすく目立つデザインの看板を作るとよいでしょう。
内装工事にかかる費用
内装工事にかかる費用は、坪単価で変わります。内装工事における坪単価とは、内装工事と設備工事に必要な費用を合わせ、1坪あたりで計算したものです。
一般的に、新装のテイクアウト専門店の内装工事は坪単価20〜30万円ほどが目安とされています。この金額は、スケルトン物件を想定して算出したものです。スケルトン物件とは、壁や天井、厨房設備などの内装が施されていない物件のことをいいます。
鉄骨やコンクリートがむき出し状態の物件に、キッチンスペースと販売スペースを自由に設置可能です。コンセプトに沿った壁、床の色や模様を、内装デザイナーと決めていきます。
デザインを自由に決められるスケルトン物件ですが、設備の調達などが必要なため初期費用は高めになります。しかし、テイクアウト専門店は店舗の規模が小さいため、全体の内装費として300万円ほどを目安と考えておきましょう。
内装費用を安く抑えたい場合には、居抜き物件を検討してみましょう。居抜き物件とは、前業者が設備などをそのまま置いた状態で売りに出した物件です。そのため、冷蔵庫やショーケースといった設備を用意する初期費用が抑えられます。
壁や床もそのまま使えれば、内装にかける予算を少なく見積もることが可能です。清掃や部分的な工事をした場合でも、居抜き物件の坪単価は10〜20万円ほどが目安といえるでしょう。
しかし、設備投資を抑えられる反面、イメージ通りの店舗が作れない場合もあります。キッチンの広さや形、動線などが理想と大きく異なる物件は、長く店舗運営をしていくうえで大きな問題となる可能性があります。
事前に内装のイメージや設備、広さなどをチェックし、運営しやすい物件かどうかを調べておくことが大切です。
物件の選び方
理想的なテイクアウト専門店にするには、物件の選び方が重要です。物件選びは店舗運営のカギを握る大切な要素であるため、ポイントをしっかりと把握しておきましょう。
物件の立地
物件の立地は、人通りの多い場所を選ぶことが大切です。テイクアウト需要がある場所を選ぶことで、売上増が見込めます。
ランチ需要を狙うのであればオフィス街、子ども連れでも気軽に食べたいファミリー層を狙うのであれば住宅街などがおすすめです。コンセプトや販売する商品に合わせて、顧客ニーズのある立地を選ぶとよいでしょう。
物件の種類
物件には「居抜き物件」と「スケルトン物件」の2種類があります。それぞれの特徴について解説します。
居抜き物件
居抜き物件とは、以前利用していた店舗の設備や内装をそのまま使用する物件のことです。準備する設備が減るため、開店費用を抑えられます。また、水回りや電気配線などをそのまま使えるため、短期間で開店を迎えられる点もメリットです。
ただ、広さや間取りに制限があるため、レイアウトを自由に設定できない場合があります。キッチンスペースや販売スペースが確保できているかなどをきちんと把握しておく必要があります。
スケルトン物件
スケルトン物件とは、内装が施されていない状態の物件のことをいいます。
スケルトン物件は内装がない状態から店舗を作り上げられるため、デザインの自由度が高いというメリットがあります。壁や床の色や材質、照明なども自由に選べるため、好みのイメージで内装を仕上げることが可能です。
デメリットは、電気配線などの工事をすべて行う必要があるため初期費用がかかる点です。しかし、設備の配置や動線を配慮した作業のしやすさを追及でき、スタッフが働きやすい環境を作れます。イメージどおりのお店を作り上げたい場合におすすめです。
物件の周辺環境
テイクアウト専門店は、顧客に店舗外で並んで待ってもらう場合があります。そのときに、顧客の列が通行人や近隣の住民の邪魔にならないよう配慮する必要があります。
近隣の方に迷惑をかけてしまうと、店舗営業に支障をきたす恐れもあります。店舗前の道路状況や交通量、歩行者の数などを事前に調査し、近隣に迷惑をかけない物件を選ぶことが大切です。
実際に何度も足を運ぶことで、候補となる物件周辺の環境を知ることができます。把握しきれない環境情報については、物件選びから請け負ってくれる専門の会社に相談してみるとよいでしょう。
内装業者の選び方
内装業者を選ぶときには「実績が豊富か」「開業エリアに対応しているか」「ワンストップサービスか」この3点を押さえておくのがポイントです。ひとつずつ詳しく紹介していきます。
実績は豊富か
内装業者を選ぶときに、実績が豊富にあるかはとても大切な要素です。実績が多い内装業者は専門性が高く、イメージ通りの内装に仕上げてくれるため安心して任せられます。
内装業者によって得意な分野は異なり、使用する資材や工法にも違いがあります。どんな内装を手がけているのかを知るためには、過去の施工事例を見てみるとよいでしょう。
ホームページに施工事例が掲載されているケースが多いため、必ず事前にチェックしておきましょう。
また、過去に内装工事を依頼した人の口コミやレビューも参考になります。イメージ通りの内装になるのか、内装業者の対応はよいのかなどを知ることができるため、必ず目を通しておくようにしましょう。
開業したいエリアに対応しているか
内装業者が、開業したいエリアに対応しているかも重要なポイントです。対応エリアでなくても工事を請け負ってくれる場合もありますが、内装工事の現場と内装業者の会社(事務所)が遠いと、さまざまケースで対応が遅れる場合があります。
工事中にトラブルや発生したときなど、急を要するときにすぐ対応してもらえるよう、現場と内装業者の位置関係は近いほうが好ましいです。内装業者との打ち合わせが必要な場合もあるため、できるだけ出店する場所から近い内装業者を選びましょう。
ワンストップサービスか
内装業者が直接施工の会社であることも大切なポイントです。契約・デザイン・施工などをすべて自社で担当し、下請け業者に依頼しない「ワンストップサービス」である内装業者を選びましょう。
営業(契約やデザインなど)と工事施工の会社が異なる場合、仲介手数料が必要なためコストがかかります。また、施工業者に内装のイメージが上手く伝わらず、出来上がりの雰囲気が異なってしまう可能性もあります。
ワンストップで内装工事を請け負ってくれる業者であれば、営業担当者が施工職人にきちんと意思を伝達できるため、イメージの食い違いは起こりません。理想通りのテイクアウト専門店にするには、直接施工の内装業者を選択しましょう。
テナント工房は、物件を探すところから始まり、デザインや施工、完成後のアフターフォローまでワンストップで対応できる内装業者です。施主に寄り添った対応に定評のある業者ですので、安心して内装工事をお任せできるでしょう。
まとめ
テイクアウト専門店は、客席のある飲食店よりもランニングコストがかからないのが魅力です。初期費用を抑えた分を内装にまわすことで、コンセプト通りのお店が実現するのもメリットといえます。
どんな内装やレイアウトにしたらよいか迷うという方は、飲食店設計に長けた施工会社に相談してみましょう。
テナント工房は、物件探し・デザイン設計・施工・アフターフォローまで、トータルでサポートしてくれる店舗施工会社です。しっかりとしたヒアリングで、施主の希望を汲み取った内装デザインが叶えられます。
また、開業後のアフターフォローも充実しているため、急なトラブルにもスピーディーに対応してくれます。そんなテナント工房が気になる方は、公式ホームページの問い合わせフォームから気軽に相談してみましょう。