トリミングサロンの内装で失敗しないポイントは?おしゃれな店舗作りのコツを解説|テナント工房

トリミングサロンを新しくオープンさせる際や、古くなった店舗を改装する際、最も頭を悩ませるのが内装に関することではないでしょうか。

理想の空間を作りたいという思いがある一方で、予算の制限や機能性の確保、さらには保健所の基準など、考慮すべき点は多岐にわたります。

この記事では、トリミングサロンの内装を成功させるために必要な知識を、費用の相場から具体的な設計のコツまで詳しく解説します。

読み終える頃には、あなたの理想とするサロンを実現するための具体的な道筋が見えているはずです。




トリミングサロンの内装費用はいくら?

トリミングサロンの内装工事を検討中なら、まずは一般的な相場を把握しておきましょう。一般的にスケルトン物件から新しく内装を作る場合の坪単価は、70万円から120万円程度が目安となります。

しかし、この金額は選ぶ素材や設備のグレード、物件の状態によって大きく変動するため、予算計画は慎重に進める必要があります。

項目 費用の目安(坪単価) 特徴
スケルトン物件 70万~120万円 自由な設計が可能だが、基礎工事から必要
居抜き物件 35万~60万円 前店舗の設備を活かせるため、コストを抑制可能
部分改装 5万円〜15万円 壁紙や床材の張り替えなど、特定の場所のみ変更

【関連記事】10坪店舗の費用はいくら?内装工事の相場と開業資金を抑えるコツを解説します!


坪単価は70万円から120万円程度

新築のテナントやスケルトン状態の物件でトリミングサロンを開業する場合、坪単価は70万円から120万円程度を見込んでおくのが無難です。

例えば、10坪の店舗であれば、700万円から1,200万円程度の工事費がかかる計算になります。

この費用には、床や壁の仕上げだけでなく、電気、水道、空調、給排水設備、換気・防音設備といった目に見えないインフラ工事も含まれています。


居抜き物件で費用を軽減できる

少しでも初期費用を抑えたい場合は、以前にペットショップや美容室として使われていた居抜き物件を探すのが有効な手段です。

居抜き物件であれば、水道配管や電気設備がそのまま利用できるケースが多く、内装費用を坪単価35万円から60万円程度まで抑えられる可能性があります。

ただし、古い設備の修理が必要になる場合もあるため、事前に状態を細かくチェックしましょう。


設備工事がコストを左右する

トリミングサロンの内装費用の中で、大きな割合を占めるのが水回りの設備工事です。ワンちゃんを洗うためのシンクの設置や、大型犬にも対応できる排水システムの構築には、特殊な工事が必要となることがあります。

また、ドライヤーを同時に複数台使用するための電気容量の増強工事なども、コストを押し上げる要因となるため注意が必要です。



保健所の基準を満たす内装とは?

トリミングサロンを営業するためには第一種動物取扱業の登録が必要であり、保健所の立ち入り検査をクリアしなければなりません。

内装工事を始める前に、必ず管轄の保健所で具体的な基準を確認しておく必要があります。衛生面が保たれ、動物の脱走を防げる構造であることが求められるのです。

設備項目 保健所の主な基準 対策内容
床材・壁材 清掃が容易で汚染しにくいこと クッションフロアやタイル、パネルの活用
洗い場 動物を洗浄できる設備があること シャンプー用シンクの設置
消毒設備 手指や器具の消毒ができること 手洗い場と消毒用アルコールの備え付け

参考:環境省「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針」

参考:J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト「トリマー | 業種別開業ガイド」

参考:動物の愛護及び管理に関する法律施行規則 | e-Gov 法令検索


床と壁に不浸透性素材を使用する

保健所の基準では、床や壁が汚染されにくく、清掃が容易な素材であることが求められます。具体的には、コンクリートやタイル、クッションフロアなどの水を通さない不浸透性の素材を使用するのが一般的です。

木材を使用したい場合は、防水塗装を施すなどの工夫が必要になりますが、衛生面を最優先に考えるのであれば、拭き掃除がしやすいビニル系の床材を選ぶのが賢明です。


洗い場と消毒設備を設置する

動物を清潔に保つための洗い場を設けることは必須条件となります。

また、スタッフの手指や使用した器具を消毒するための設備も、作業スペース内に適切に配置しなければなりません。

水回りは、排水がスムーズに行われるように勾配を考慮した設計にする必要があります。


適切な照明と換気設備を確保する

作業を行うスペースには、十分な明るさを確保するための照明器具が必要です。ワンちゃんの被毛が舞いやすく、独特の臭いも発生しやすいため、強力な換気設備の設置も強く推奨されます。

保健所の検査対象となるだけでなく、働くスタッフの健康や、周辺環境への配慮としても極めて重要な要素となります。



ワンちゃんに優しい内装のポイント

トリミングサロンの主役はあくまでワンちゃんです。彼らにとってストレスが少なく、安全に過ごせる空間を作ることは、オーナーとしての重要な責任です。

特に、慣れない環境で緊張しているワンちゃんが怪我をしないような工夫を、内装の随所に散りばめる必要があります。


ポイント1:滑りにくい床材を選ぶ

多くのワンちゃんにとって、ツルツルとした床は足腰に大きな負担をかけます。特に小型犬や高齢犬の場合、滑って転倒することで脱臼や骨折の原因になることもあるため、非常に危険です。

内装を選ぶ際は、水に強く、かつ適度なグリップ力がある「消臭機能付きクッションフロア」や、ペット専用のフローリング材を選ぶことを強くおすすめします。


ポイント2:防音対策を施してストレスを軽減する

トリミングサロンでは、ドライヤーの音やバリカンの音、さらには他のワンちゃんの鳴き声など、大きな音が発生しやすい環境にあります。

聴覚が鋭いワンちゃんにとって大きなストレスになってしまうのです。壁に吸音材を入れたり、厚手のカーテンを利用したりすることで、店内の騒音を和らげる工夫をしましょう。

近隣トラブルを防ぐためにも、外への音漏れを最小限に抑える設計が求められます。


ポイント3:適切な空調を設置して室温を管理する

ワンちゃんは人間よりも暑さに弱いため、室温管理には細心の注意を払わなければなりません。

特にトリミング中は、ドライヤーの熱で室温が上昇しやすいため、強力なエアコンと空気循環を助けるサーキュレーターの併用が効果的です。

湿度が高すぎると皮膚トラブルの原因にもなるため、除湿機能もしっかりとしたものを選びましょう。



スタッフが働きやすいトリミングサロンのレイアウトのコツ

どれだけおしゃれなサロンであっても、作業効率が悪ければスタッフの疲労が蓄積し、サービスの質の低下につながります。

一日に何頭ものワンちゃんを扱うプロの現場だからこそ、無駄な動きを最小限に抑える機能的なレイアウトを追求しなければなりません。


無駄のない作業動線を設計する

トリミングの流れを意識して、道具の配置を決めましょう。ワンちゃんを受け取ってから、シャンプー、カット、そしてお迎えを待つケージへの移動が、スムーズな一本の線でつながるようにレイアウトします。

水に濡れた状態のワンちゃんを抱えて長い距離を移動するのは、転倒のリスクがあるだけでなく、床が汚れる原因にもなるため避けるべきです。


収納スペースを十分に確保する

トリミングには多くの種類のハサミ、バリカン、シャンプー、タオルなどが必要です。作業台の周りに散乱していると、作業効率が落ちるだけでなく、ワンちゃんが触れてしまう危険もあります。

使う頻度に合わせて、壁面収納や移動式のワゴンを効果的に活用し、常に整理整頓ができる環境を整えましょう。


腰への負担を減らす設備配置にする

トリマーは長時間屈んだ姿勢で作業をすることが多いため、腰痛に悩まされる人が少なくありません。シンクやトリミングテーブルの高さは、スタッフの身長に合わせて調整できるものを選びましょう。

立ち仕事による足の疲れを軽減するために、作業スペースの足元にはクッション性の高いマットを敷くといった配慮も、長く働き続けてもらうためには欠かせない要素です。



集客につながるおしゃれなデザインを作る方法

お客様がサロンを選ぶ際、内装のデザインから受ける印象は非常に大きいです。

清潔感があることはもちろん、オーナーのこだわりや優しさが伝わるようなデザインにすることで、ファンを増やせます。

SNSでの発信も考慮し、写真映えするポイントを作ることも現代の店舗経営では有効な戦略となります。

デザイン要素 おすすめの手法 演出できる印象
カラー ナチュラルウッド
パステルカラー
優しさ
親しみやすさ
照明 暖色系の間接照明 リラックス感
高級感
ディスプレイ 季節の小物
ワンちゃんの写真
楽しさ
賑わい

【関連記事】失敗しない店舗の内装業者の探し方と選び方のコツを解説|テナント工房


ブランドコンセプトを明確化する

内装を考える前に、どのようなお客様に来てほしいのかを明確にしましょう。

高級志向のサロンであれば、落ち着いたダークトーンや大理石調の素材を使用し、アットホームなサロンであれば、明るい木目調や暖色系の壁紙を選ぶのが効果的です。

コンセプトに一貫性を持たせることで、お客様にサロンの魅力が正しく伝わります。


照明を活用して温かみのある空間を演出する

照明は店内の雰囲気を大きく左右する要素です。

作業スペースは安全のために明るい昼白色のライトが必要ですが、受付や待合スペースには暖色系のペンダントライトや間接照明を取り入れることで、お客様にリラックスしてもらえる空間を作れます。

影ができにくい照明配置を心がけることで、店内の清潔感もより強調されます。


外から見たときの安心感を重視する

初めてサロンを訪れる飼い主様にとって、店内の様子が外から見えるかどうかは大きな安心材料になります。

大きな窓を設け、トリミングをしている様子が適度に見えるように設計することで、技術への自信と透明性をアピールできます。

ただし、ワンちゃんが外を通る人や車に反応して興奮してしまわないよう、窓の下部に目隠しフィルムを貼るなどの細やかな配慮も忘れないようにしましょう。

【関連記事】自宅サロンの内装をおしゃれにするには?コツや注意点を紹介!



おしゃれなトリミングサロンの内装事例

店舗デザインのプロフェッショナルである「テナント工房」が手掛けた、実際のトリミングサロンの内装事例をご紹介します。

具体的な成功事例を知ることで、自社の店舗作りに活かせるヒントが見つかるはずです。

兵庫県宝塚市の「Dog Salon King」では、約25㎡のコンパクトな空間を活かした内装デザインが特徴的です。外に面した窓を大きく取り入れることで、自然光が室内に差し込む明るく開放的な雰囲気を実現しています。

わんちゃんがリラックスしてトリミングを受けられるよう、窓からの日差しを最大限に活用した設計です。

また、ワンオペに対応するため、トイレ近くにシンクや洗濯機を配置し、設備工事のコストを抑えながら作業効率を高めています。機材をコンパクトにまとめることで、トリマーがひとりでも動きやすい環境が整えられました。

入口にはガラスの引き戸を採用し、初めて訪れる飼い主さんでも気軽に利用できる配慮がなされています。

さらに、ロゴやカラフルな模様の撮影ブースを設け、トリミング後のわんちゃんを撮影できるスペースも用意されており、機能性とデザイン性を両立させた内装となっています。

【関連記事】Dog Salon King様施工事例|開業ならテナント工房



まとめ

この記事の要点をまとめます。

  • トリミングサロンの内装費用は坪単価30万円から60万円が相場であり、居抜き物件の活用で初期コストを大幅に抑えられる。
  • 保健所の基準をクリアするためには床や壁に不浸透性素材を使用し、衛生的な洗い場や消毒設備、適切な換気システムを整える必要がある。
  • ワンちゃんの足腰を守る滑りにくい床材選びや、スタッフの疲労を軽減する無駄のない動線設計が、長期的なサロン運営の成功には不可欠。

理想のトリミングサロンを実現するためには、デザインの美しさだけでなく、安全性と機能性を高いレベルで両立させることが何より大切です。今回ご紹介したポイントを参考に、まずは理想の店舗イメージを具体化させ、信頼できる専門家と一緒に一歩ずつ形にしていきましょう。