飲食店の客席レイアウトの決め方!必要な客席の目安や選び方も解説


飲食店の客席のレイアウトは、お客様に快適に飲食してもらうためや、効率的にスペースを活用するための大切なポイントです。飲食店で働いている方や経営している方は、レイアウトの重要性を押さえておきましょう。

そこで本記事では、飲食店の客席のレイアウトを決める際のポイントや、よりよいレイアウトにするためのコツをご紹介します。経営やリニューアルを検討している方はぜひ参考にしてください。

飲食店の客席レイアウトの重要性

飲食店の経営やリニューアルを検討している方は、これを機に客席のレイアウトを見直してみてはいかがでしょうか。ここでは、飲食店の客席のレイアウトの重要性について解説します。

お客様の快適な飲食体験のために

客席のレイアウトは、お客様にとって快適に飲食できるかに関わってくるので、結果的に顧客満足度の向上につながります。圧迫感のない快適に飲食ができる空間は、お客様にとってのびのびと料理を楽しめるだけではなく、十分な動線の確保にもつながるでしょう。

その一方で、テーブルの詰めすぎや装飾物に溢れたような圧迫感のある空間は、落ち着いて飲食を楽しめなくなるおそれがあります。リピーター獲得が難しくなるので、飲食店側にとってのデメリットも生じてしまいます。

お客様が移動しやすい客席のレイアウトは、同時に従業員にとっても動きやすく、かつ効率的なサービス提供につながるでしょう。料理を運ぶ際、お客様やテーブルなどにぶつかってしまうリスクの回避にもなります。

効率的なスペース活用のために

客席のレイアウトは、店内のスペースをどのように有効活用できるかに関わってきます。デッドスペースを活用したり、お客様や従業員が動きやすいスペースを確保したりすることで、お店の印象もアップするでしょう。

また、スペースの活用だけではなく、飲食店のコンセプトを組み込むことがポイントです。たとえば、コンセプトに合ったテーブルやイスを用いる際、テーブルなどの形に合わせてレイアウトを決めるとよいでしょう。

空間をうまく活用してレイアウトを考慮し、かつコンセプトを落とし込むことで、競合他社との差別化にもつながります。

飲食店の客席レイアウトの決め方

飲食店の客席は、さまざまな点を考慮してレイアウトを決めることがポイントです。ここでは、飲食店の客席のレイアウトの決め方について3つご紹介します。

ターゲット

飲食店がどのようなお客様をターゲットにしているかによって、客席の種類やレイアウトが変わってきます。そのため、飲食店の経営やリニューアルを検討している場合は、メインターゲットの明確化が重要です。

たとえば、ひとりで来店する方をターゲットとしている場合は、カウンター席をメインにレイアウトを決めるとよいでしょう。カウンター席を多く設置すると、ひとりで来店するお客様の入れ替えをスムーズに行いやすいです。

一方で、1組複数人での来店をターゲットとしている場合は、カウンター席よりもテーブル席をメインにレイアウトを考えるとよいでしょう。ターゲットにばらつきがある場合は、カウンター席とテーブル席をどちらも取り入れることがおすすめです。

また、リラックスできる空間をつくりたい場合は、個室を取り入れていくとよいでしょう。メインターゲット層の立場になって、どのように飲食を楽しみたいか考慮したうえでレイアウトを決めることがポイントです。

テーブルとイスの間隔

テーブル席を設ける場合、テーブルとイスの間隔を考慮する必要があります。カウンター席よりも広いスペースが必要なので、レイアウト次第では通路が狭くなってしまう可能性があります。

お客様が来店から退店までに通るメインとなる通路は、十分にスペースを確保しておきましょう。また、テーブル席同士を近くすると、座席数は多く設けられますが、お客様同士のプライバシー、トイレや会計までの動線を確保することも大切です。

また、テーブルとイスの間隔が狭いと、立ったり座ったりする動作がしづらく、窮屈な思いをさせてしまう恐れがあります。店内のスペースを有効活用しながらも、快適に過ごしやすい空間づくりを心がけるとよいでしょう。

店内の動線

飲食店の客席のレイアウトを決めるとき、お客様や従業員が動きやすい空間にすることが大切です。お客様の観点で、入店から座席までの移動、トイレ、会計、退店までの動線を考慮してレイアウトを決めましょう。

また店内の動線を確保する際、さまざまなパターンを考慮することがポイントです。たとえば、満席である場合を仮定し、お客様や従業員が移動しやすいかを考えてみましょう。

お互いに問題なく移動できるスペースを確保すれば、料理を運んでいるときにお客様と従業員がぶつかってしまうという事態を避けられます。インテリアを置く際も、店内の動線を考慮して、移動の邪魔にならない場所に配置しましょう。

飲食店に必要な客席の目安

飲食店の客席のレイアウトを決めるとき、何を基準にどれくらいの客席数を設けるかを明確にすることがポイントです。ここでは、飲食店に必要な客席の目安について、3つの項目に分けて解説します。

1坪あたりの座席数を軸に考える

飲食店の客席数を決めるとき、1坪あたりの座席数を基準に考えるとよいでしょう。1坪あたりの座席数と飲食店の坪数を掛け合わせると、参考となる座席数の目安が明確になります。

ただし、飲食店の雰囲気やコンセプトなどによって1坪あたりの座席数が異なります。たとえば、ゆったりした空間づくりの場合は1坪あたり1席、回転率を重視した場合は1坪あたり2.5席〜2.7席が目安です。

一般的な飲食店のレイアウトは1坪あたり1.5席〜2席なので、とくにコンセプトが決まっていない場合は一般的なレイアウトを参考にするとよいでしょう。設けられる客席のスペースが30坪ある場合は、45席〜60席を目安に設置することがおすすめです。

従業員の人数を軸に考える

飲食店の客席数は、多ければ多いほどよいというものではなく、従業員の人数も考慮する必要があります。一般的には、従業員ひとりに対して10席が目安となります。

たとえば、従業員が5人の場合は50席、従業員が10人の場合は100席が目安です。1坪あたりの座席数とあわせて考慮することで、最適な座席数が明確になります

目標売上を軸に考える

目標となる売り上げ金額から、どれくらいの座席数を設けるべきか参考にするのもおすすめです。この場合の計算式は、目標売上÷客単価÷回転数となります。

目標売り上げが1日10万円・客単価が1,000円・回転数が10の場合、100,000÷1,000÷10となります。計算の結果10席が目安となりますが、思っていたよりも座席数が少ないと感じる場合は、1坪あたりの座席数や従業員の人数も参考にするとよいでしょう。

飲食店の客席の種類

飲食店の客席のレイアウトを決める際、どのような種類の客席があるのかを把握しておくことが大切です。ここでは、飲食店の客席の種類を4つご紹介します。

カウンター席

カウンター席は、横長につながっている台にひとりで座れるイスが配置されている客席です。お客様同士が向かい合う配置ではなく、同じ方向に向かって飲食を楽しめる種類の客席となっています。

一般的には、キッチンや窓際に向かって配置されていることが多く、調理の様子や景色などを見ながら過ごせる場合もあります。お客様同士の距離が近いので、2人で来店する場合は会話を楽しみながら飲食ができるでしょう。

一方で、隣に座っているお客様同士が知り合いではないケースもあるので、気まずく感じてしまう場合もあります。プライバシーに配慮したレイアウトにしたいときは、イスとイスの距離を離すとよいでしょう。

テーブル席

テーブル席は、独立したテーブルとイスがセットになって設置されている客席です。カウンター席のようにほかのお客様とテーブルがつながっているわけではないので、プライバシーの配慮にもつながります。

可動式のテーブルを用いれば、来客人数に合わせてテーブルを移動できます。複数人での来店の場合はテーブル同士をくっつけたり、人数が少ない場合は使っていないイスを移動させたりできるでしょう。

また、飲食店を貸し切ってパーティなどの大規模なイベントを開催するときは、テーブルやイスを撤去して、広いスペースを提供できます。テーブル席は、状況に合わせて柔軟に座席を調節できる点がメリットです。

ただし、テーブル席を設置するには、1組あたりの設置スペースが広くなるので、配置できる座席数が限られてしまいます。テーブル席のみを用意すると、ひとりで来店する場合に空席が生まれてしまう点がデメリットです。

ボックス席

ボックス席は、腰壁やパーテーションなどで区切られた客席です。お客様が対面で飲食を楽しむことができ、回転寿司店やファミリーレストラン、カフェなどで多く見られます。壁際や窓際に設置されることが多いので、スペースを有効活用したい場合におすすめです。

テーブル席と異なり、独立したイスではなく、背もたれの高いソファが用いられているケースが多いです。イスの背もたれが高いので、隣の客席からの目線が感じにくく、通路側に暖簾や扉などを設置すれば半個室のように使えます。

ただし、テーブル席のようにテーブルやイスを移動させられないので、少数人で来店したときに空席が生まれてしまいます。回転率を上げるためには、カウンター席なども合わせて取り入れるとよいでしょう。

個室

個室は、建具や壁などで仕切られている客席です。半個室や完全個室などがあり、ほかのお客さんや従業員からの目線を感じずに、プライベート空間で飲食を楽しめます。お客様のなかには、個室で飲食ができるところを探している方もいるでしょう。

個室は、ほかの客室よりも、高級感を演出できたり、客単価を上げたりできる可能性があります。リラックスして飲食を楽しめるので、顧客満足度も上がりやすいです。

ただし、テーブル席やボックス席よりも、設置するのに広いスペースが必要なので、設置できる座席数が限られてしまいます。そのため、回転率が低くなりやすいので、提供するメニューの価格の見直しなどで、客単価を上げる工夫をするとよいでしょう。

飲食店の座席の選び方

飲食店の客席をレイアウトする際、どのような座席を選べばよいか迷っている方がいるでしょう。ここでは、飲食店の座席の選び方を3つご紹介します。

店舗の雰囲気

飲食店の雰囲気に合わせて座席を選ぶことで、客席にコンセプトが反映されやすく、お客様からのイメージアップやリピーター獲得につながるでしょう。客席の種類や設置する数によって、飲食店のイメージが左右されやすいです。

たとえば、高い回転率を重視した飲食店の場合は、カウンター席のみを設置するとよいでしょう。お客さんの入れ替えがスムーズにおこなわれるだけではなく、ひとりで来店しやすい雰囲気をつくり出せます。

リラックスして飲食を楽しめる雰囲気にしたい場合は、半個室や完全個室で居心地のよさを演出するとよいでしょう。どのようなお客様をメインターゲットにするのかを考えたうえで、飲食店の雰囲気に合わせたレイアウトにすることがポイントです。

店内のスペース

どの飲食店でも共通していえるのは、設置できる座席数が無制限ではないことです。そのため、店内のスペースに合わせて、どのような座席を用いるか、どれくらいの座席数を設置するのかを検討するとよいでしょう。

店内のスペースが限られている場合は、デッドスペースをつくらないことがポイントです。たとえば、店内の端はデッドスペースになりやすいので、コーナーテーブルや長方形のテーブルを設置するとよいでしょう。

また、店内のスペースが限られているものの、回転率を重視したい場合は、カウンター席のみにすることがおすすめです。回転率や売り上げなどを考慮すると、座席数を増やすことがポイントです。

予算

設置する客席の種類や座席数によっては、必要な費用が異なるので、予算に合わせて座席を選ぶ方法もあります。とくに、飲食店の経営を始める場合は、客席だけではなく、キッチンや冷蔵庫などに費用がかかってしまいます。

客席にかけられる予算が限られているときは、カウンター席やテーブル席を設置するとよいでしょう。個室は1室あたりの設置費用が高い傾向にあり、広いスペースが必要なので、費用がかかるだけではなく回転率の低下も懸念されます。

また、テーブル席は自由に移動させたり撤去したりできるので、開業後に個室に変更しやすい点がメリットです。個室を設置したいものの予算が限られている場合は、一旦テーブル席を設置してあとでレイアウトを変更することもおすすめです。

より良い飲食店の客席レイアウトにするには

飲食店の客席のレイアウトを決める際、幅広い年代のお客様が来店しやすいか、万が一の事態に備えられるか、などのポイントを踏まえるとよいでしょう。ここでは、飲食店の客席のレイアウトをよりよいものにするためのポイントを2つご紹介します。

バリアフリーに配慮する

障害のある方や高齢の方が快適に飲食を楽しめるように、バリアフリーに配慮するとよいでしょう。たとえば、段差をなくしたり、点字ブロックを導入したりすることがポイントです。

具体的には、飲食店の入り口にスロープを取り入れ、車椅子でも来店しやすいようにするとよいでしょう。出入り口のドアは、力を使わなくてもよい自動ドアの導入がおすすめです。

また、座席やトイレまでの通路は、十分なスペースを確保するようにしましょう。それと共に階段や段差をなくすことで、障害のある方や高齢の方の負担を軽減できます。

トイレは、空間を広くするだけではなく、手すりをつけたり出入り口を広くしたりすることがポイントです。とくに、手すりは強度が必要なので、バリアフリーな店内づくりに詳しい専門業者に相談するとよいでしょう。

火災や非常事態への対策と安全レイアウト

火災や非常事態などの万が一のことに備えて、安全なレイアウトを組むのが大切です。たとえば、客席の近くに倒れたら危険なインテリアを置かない、食器類は扉付きの棚に収納するなどの工夫をおこないましょう。

おしゃれな雰囲気を演出するために、店内全体を暗くする場合があります。しかし、足元が見えづらく転倒のリスクが高まってしまうので、客席付近は足元が見えるように明るくするとよいでしょう。

また、火災や地震などで避難しなければならない場合に備えて、避難経路に座席を設置せず、十分なスペースを確保することも大切です。すべてのお客様が安全に避難できるように、段差をなくすことがおすすめです。

まとめ

飲食店の客席は、お客様が快適に飲食を楽しめるか、従業員が効率的に動けるか、などのポイントを踏まえてレイアウトを決めましょう。店内の雰囲気や予算などに応じて、どのような座席を取り入れるか決めることもポイントです。

また、数多くのお客様に快適な空間を提供するために、バリアフリーにも配慮するとよいでしょう。利用するお客様の目線になって対策することも大切ですが、バリアフリーの店内づくりに詳しい専門業者に相談することもおすすめです。

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