Episode.30 ROYAL HAWAIIAN CAFE THE PINK 様(後編)
前編はこちらからご覧いただけます。▶Episode29. ROYAL HAWAIIAN CAFE THE PINK様(前編)
――良かった提案
お客様:毎回、僕の要望にプラス、僕にはない引き出しを出してもらえるんで。店舗が出来上がって、自分がこんだけしたいなって思ってた100%を明らか超えてるんですよ。もう120%・150%、いい店舗ができたなって、それは心の底から思ってて。それはやっぱり、自分が思ってるものプラスアルファの提案をしてもらってるからだと思ってて。だから何かこれ一つっていうことではなくて。一つ一つ向き合っていったじゃないですか、一個ずつ慎重に。VIPルーム、今いるこの部屋、テラスも店内もそうやし。その都度集中して、いろいろ決めていった、その積み重ねが、この店舗のクオリティとかやと思うんで。そこに面倒くさがらずに、しっかりお付き合いをしてくれたっていうところですかね。
営業H(以下H):お客様、いろんなとこ飛び回ってはんのに、毎回打ち合わせで、何時間も付き合わせてしまって、めっちゃ申し訳なかったです…。
お客様:それがありきのこれやと思うんでね。僕は自分自身でデザインするのもあるから、自分の頭で思ってることをちゃんと形にしていくには、その都度、絶対集中しないと、良いモノってできないと思ってるんで。それにお付き合いしていただけたのが、ありがたかったなと思って。お二人、若いのにすごい。なかなか今時出来へんと思うんやけど、すごいと思います。
H:毎回打ち合わせがあっという間に時間過ぎて、あ、やばいってなってました。もう楽しくて。
設計Y(以下Y):関わった業者さん、弊社以外のところでも、やっぱりそういう「こんなんしたい」っていうワクワクが伝わってるから、どこも良いモノとか、良い提案っていうのがあったと思うんですよ。そういうのが積み重なって、どんどん良くなっていったのかなと。
お客様:そうだよね。その分野のプロたちがスイッチ入ってくれると、やっぱその人たちも「みんながあんなに頑張っとるから、うちも頑張って良い仕事しやな!」みたいな。空気が良くなるじゃないですか。
H:確かに。私、このソファー来た時、びっくりしましたもん。家具屋さんもそんな感じで引き込んで。
お客様:これ愛知県からわざわざ納品来てくれてますから。
Y:人のスイッチかけるんが上手。
H:喋ってたら、目なんかキラキラするなって思いますもん、自分で。光宿ったって思います、ほんまに。
お客様:僕のワールドに、みんな引き込んでもらえたら、それで喜んでくれる人が、一人でも多くいたら嬉しいなと思ってる。
(左から時計回りにお客様、弊社設計Y、弊社営業H)
※お客様のご要望でお顔が写らない写真を掲載しております
――うまくいかなかったこと
お客様:最初、事業再構築を考えてたんですよね。それでいろいろ進めて貰ってたんですけど、結局、ふた開けてみたら今年の最終公募に関しては、事前着手を認めないって発表されたんで、それが使えへんくなったっていうのが、ちょっと個人的には痛手かなっていうとこですよね。
H:それやったらもうできひん、やめとくって方も少なくはない中で、それでもやるって言ってくれはった。
お客様:どっちにしろ、絶対やるのは決めてたんで。補助金がなかったら、あとは自力で頑張ればいい、っていう考えなんで。
Y:それができる方がやっぱり限られてくる。
H:ほんまに。ずっと前から思い描いてた計画やからっていうのはありつつも、それでもすごい。
お客様:僕いつも言うのは、出来ないことを考えてもしょうがない。何か壁にぶつかったらそれをどうやったらできるんかなっていうのを考える、ただそれだけやと思ってて。今回も補助金が無くなるんで、無いなりにじゃあどうしていこうかなっていうことを考えて、進めていったらいいかなと思ってたんで。やるしかないっていう。だからこんな感じで喋ってるけど、毎朝、プレッシャーで、えずいてるからね(笑)
H:え!!!
お客様:そこはやっぱあるよ、経営者として。プレッシャーは大きい。でもそれが自分のステップアップやと思ってるんで、嫌いではないですよね(笑)
Y:まあまあ、なかなかのメンタルがないと出来ないですよね。スタッフさんとか、アルバイトの方を入れるのに、ちょっと大変やったとかというのはあるんですか?
お客様:それ、いい質問してくれはった(笑)このご時世、人で困るじゃないですか。お金にも困るけど、人がなかなか入ってこない、良い人材もない、辞めたらまた次がすぐ入ってこないっていうのは、他の職種で僕もめちゃめちゃ経験してるんで。でも僕、今回の店舗に関しては、それはあんまり心配ないかなって、ちょっとスタートから思ってたんです。
今時は、お客さんが一回あそこに行ってみたい・食べに行ってみたい・見に行ってみたいってとこから、従業員としてここで働いてみたいって思わせたもん勝ちかなと思ってて。だから、おしゃれなものを作ることによって、ここで働いてみたいなって思ってもらえたら、勝ちやと思ったから。そうすると今求人がやまなくって、めちゃめちゃ来るんすよ。
H:めっちゃ遠いとこからも求人あるって言ってましたよね。
お客様:そう。彦根から週1でいいから働かしてほしいとか。ありがたいことに、このご時世にスタッフを選べる立場にいれるっていう。よその業種とかでも、みんなやっぱ二極化してて。全然人が来ないから給料上げるけど結局応募来ない職種と、もう一つはバンバン応募が来る、こんな風に今時、二極化してるから、その辺りは、今回の店舗に関しては、今のとこはうまいこといってるかなって。
一応、スタートは家族ベースでやってるんですよ。それにプラスアルファ雇っている方。今回の裏のテーマが「我が家の団結」なんですよね。弟のことがあったんで。僕、妹もいて、妹が今店長してるんです。まだ最初の頃、うちの嫁さんとか、亡くなった弟の嫁さんとかみんな集めて「こんなんやっていこうと思ってる」って話したときに、妹が「ほな私、店長するわ」って言ってくれたんですよ。だからこのプロジェクトが始まったのもある。
みんなで一つの目標を決めて、みんなで頑張ろうよっていうのが、裏のテーマであるんですよね。だからみんなスイッチ入ってますよ。めっちゃ頑張ってくれてるし、団結してるし、スタートは良かったかなと。ただ飲食はやっぱり大変。でもそれで団結していって、みんながちょっと気持ちが前向きになったら良いかなって。
Y:なるほど。詰まりまくってますね。
お客様:そう。だから、絶対失敗できないですよ。
H:オープン前も何度か来させてもらった時に、ずっとミーティングされてて。何時までいても大丈夫ですかって聞いたら、何時でも言ってくれるし、めっちゃ詰めてやられてるんやなって思ったことあって。ご家族みんなで考えて、同じ気持ちになってやられててすごいなと思って。
お客様:そう。ぽそっと言ってくれたじゃないですか「よう間に合わしましたね」って。それもみんなのおかげなんですよね。店舗は僕がやる、料理も方向性と料理の見栄えは僕が担当するんですけど、作り方とか味とかは全部任せてたんで。有名店にバイトとして修業行って貰ったりとかしてたんですよ、それで情報も仕入れて。そうしていくと「味もいいね」ってみんな言ってくれる。その辺りもみんな適材適所。僕も、それぞれの良さ、分かってるんで。だから担当を振り分けて、チーム作って、っていう感じで。みんなのおかげでできた、って感じですよね。だからうまくいかなかったことは、ないかもしれない。
―― 印象に残っているエピソード
お客様:いろいろあったから難しい…。逆にどうですか?今回のプロジェクトで、一番大変やったとことか。
Y:毎回の打ち合わせで、結構印象残ってるから難しいな…、僕、一番最初、お客様に会う前に、お客様のこと女性の方やと思ってたんですよ。
H:あ、私もです!
Y:最初に、こんなお店したいんですってバーって送ってくださった写真見て、女性の方やって、勝手に思ってて。だから会った時に、あ、って印象になったのが、一番の印象かも。
H:確かに。私は最初からこんなに思いをもう包み隠さず、まっすぐに伝えてくださって、やられたいことを逆にイメージさせてもらったっていうのが、めっちゃ印象強かったです。
お客様:なるほどね。僕の小中時代の同級生の女の子とかも、パッと来てくれたんですよ。その時に「こんなん頭の中にあんの?めっちゃかわいいやん!」って(笑) こんな店舗の発想、多分女性的な感覚のおしゃれさなんやと思うんやけど、実は僕が全部やってますよっていう(笑)
H:ピンク、ティファニーブルーとかやし、女性の方や思いますね。
お客様:でも、ここの店舗を借りれたから、このイメージが頭の中に入ったんですよ。もし、違う店舗だったらこれはしてなかったかもしれないです。この場所やからこそ、このノリでやったっていうのもあって。だから飲食は今回初めてですけど、違う業態からの経験で考えてるから、多分、飲食業界人が作らない店舗になってるんやと思うんすよね。
Y:確かに。正直、飛び抜けてるって怖いところでもあると思うんですよ。そこに手を出せる人っていうのが、なかなかいない中で、別のことを経由されてるからこそ、できたことなんかなって。
お客様:いろんな経営者の方や考え方もあると思うんだけど、僕の感覚で言ったら、やっぱりまず良いもの作らへんかったら、人の心動かせへんよねっていうのは、ずっと僕のセオリーである。最低限、自分の思ってるとこ、納得のレベルは超えていかへんかったら、お披露目できひんなっていうのがあったんで。
H:自然となんか万人受けするような方が良いとかなっちゃいますけど、コンセプトをバチって決めて、絶対ぶれへんかったから出来たことですね。
お客様:こだわるとこ間違えてしまったら、人に気付かれへんかったら、良いモノ作ったとて全く意味ない。だからピンク絶対だったんですよ。これがピンクあかんって言われても、絶対、何としてもピンクしたかった(笑) 一目瞭然で、このピンクがやっぱ効いてて、向こうからも見えるし、一瞬で分かるじゃないですか。
H:はい、分かります。
お客様:店の名前も「THE PINK」にしてるし、ピンクのパンケーキ食べれたら、もう全部連想して、一瞬で、一回見たら覚えてもらえるかなと思って。それが、僕の中の戦略だったんです。
Y:大正解ですね、ピンク。
お客様:色合いも良いピンクだったし、何かパワー発してるじゃないですか、ここの店舗。キラキラしてるし。だからもう来てくれた人みんなに元気になってもらいたいって、僕が思ってるような場所になってるんじゃないかなと思ってます。
――オープン後のお客さんの反応
お客様:めっちゃ良いですよね、その一言です。みんなも可愛いって言ってくれるし。ここからスタートなんで、どんどんいろんな人来てもらって、またその人たちが人を呼んできてくれたらいいかなと思います。
Y:滋賀県民全員が、ピンクのトレーナー着て(笑)
お客様:ほんまやね(笑)
Y:僕びっくりしたんです。全然グッズの話は仰ってなかったと思うんすよ。パーティーの時に来たら、こんなん作ってはるんやって。
お客様:グッズとかは僕ら得意分野なんで。ある人が初めて来てくれた時に言ってくれたんですよ。「こんなんできたんですね、僕もこういうの大好きなんですよ」みたいな。で、「良かったら店舗見て行ってください」って一通り見てもらって、最後に「え!グッズまで作ってはるんですか?」って(笑)
Y:そうなりますよね(笑)
お客様:グランドオープンからもう3週目になってますけど、SNSもすごいバズってるし、来店数もどんどん伸びてるし。ありがたいことに、って感じですよね。
Y:多分、まだまだここのこと知らん方もいると思うんですけど、知れ渡ってくるのもすぐですね!
お客様:ほんまにね。僕もインスタのフォロワーの人たち、チェックするじゃないですか。身内以外には僕がここをやってるってあえて言ってないんですけど、僕がやってるって知らんとフォロワーになってくれてる僕の知り合いが、結構いるんですよ(笑)この人もなってくれてるんのや、みたいな感じでさ(笑)
H:すごいなあ。でも確かに思わずフォローしてまいますもんね。
お客様:最初はね、若者向けかなと思ってたんやけどね。SNSのインサイト見ると、意外と高年齢層で。40から50代が一番多くて女性が8割。逆に言ったら、10代から20代はもう少ない。
Y:僕の感覚ですけど、あんまりお店をフォローするっていうのが少ないのかなって。見てるけどフォローするまでっていうのが、なかなか若者は少ないんかなっていう。
お客様:そういうことか~なるほどね。それあるかもね。ストーリーは足跡見れるからそれもちゃんとチェックしてんねんけど、フォローしてへん人がいるもん、いっぱい。
Y:逆にそこは、若者層が多いかもしれないですね。
H:確かに、私も保存だけしますもん。友達と行こうって喋る時に、保存のリスト見返せるように。保存だけはする。
お客様:年齢層で感覚が違うんか、文化っていうか。俺らは良いとこはすぐフォローするっていう感覚があるけど、若くなるとそこじゃないんやね。
Y:だから思ってる以上に、若い人には広まってるんちゃうかなと思うんですけどね。
お客様:なるほどねー。高年齢層が多いっていう事は、僕はプラスやと思ってて。あえてフードも安売りしてへんから。近江牛とか使ってるし、そこそこの値段にはなってくるんよね。そこの価格帯に対して年齢層が若過ぎるとちょっと付いてこれへんくなる。僕の感覚で言ってもよそと比べて、価格帯やや高めとかそれぐらいの値段になってると思うんやけど、うちのお客さんでアンケート取った高年齢層の方は結構安いに丸してる人も多い。
H:やっぱ、年代が上の方やから余裕があるんですかね。
お客様:そう。だからそういう人たちを取り込めれば良いかなと思ってて。若い人たちも含めていろんな層があって、もちろんいいんやけど、やっぱりどんどん来てもらってリピーターになってもらわなあかん。だから定期的に来てもらえる人たちは、やっぱりちょっと落ち着いた方たち。毎週ちょっと来てくれるような流れができたら一番良いかなと思ってて。若者ばっかりっていう店にしちゃうと、したいこととはまた違う店になるじゃないですか。
H:確かに。若者の店っていう感じになっちゃいますもんね。
Y:若者が集まりすぎると逆に年代層高い方が入りにくくなったりするから。
お客様:僕、他の分野の商売でも値段帯で結構考えてて。安けりゃいいってもんじゃなくて、やっぱ安ければその層の人たちが集まる。高いとその層の人が集まるってなるんで、どこを狙っていくかを意識してる。
H:ターゲット層と単価って繋がりますもんね。
お客様:おしゃれ・映えるとこは若い子たちは自ら来てくれるからそこは来てもらって。で、ちゃんとリピーターになってくれる人たちの層とかも取り入れられるような、雰囲気であったりとか、接客であったりとかができたら良いなと思ってて。僕は実際に店に入って接客するわけじゃない。でもありがたいことに、その辺りはスタッフたちが接客すごい頑張ってくれるんで。アンケートには、すごい笑顔満点とか、接客態度がいいとか、また来ますとか、そんなんいっぱい書いてくれてるんですよ。
ここを作った理由が、弟のことがあって、もう一回自分自身が元気になりたいって思って始めたのもあるんで、こういうようなビジネスをすることによって、ここに来てもらう人たちに僕もパワーをもらって元気になる。それと同時に来てもらった人たちみんなに元気になってもらいたいと思ってるんですよ。そういうふうなパワースポットにここがなればいいなと思ってる。来てくれた人が、笑顔になって、楽しかったね、また来たいね、って思ってもらえるような、雰囲気やったり、味やったりとか、接客やったりとか。そういうふうにしていきたいなと思ってて、それが現時点では、高評価もらえてるのが、まずはありがたいなと。
――お店のPRと今後の展望
お客様:今までいろいろ話してきた中に含まれてますけど、ここは来てもらった人みんなに元気になってもらえる場所にしたいなっていう。もうハッピーっていう感じで思ってる場所なんで。県内・県外のみならず、ほんとに世界から集まってくれるような場所にしたいなと思ってて。今後はまた違う店舗生んだりしたいですね。
Y:したいですね。全国チェーンにしましょう!北海道とかにあったら、めっちゃ面白いですけどね。
お客様:ほんまやね、逆に面白いよね(笑)ないもんやると面白い。僕はここから店舗の運営をして回収していってっていう目標もあるんですけど、それプラス、デザインをしたいっていうのがあるんで。実は次の店舗、もう頭に上がってるんですよ。なんぼでも浮かんでくる。だから早くここ回収して、次に行きたいなと思ってて。その際はまたちょっと無理を聞いてください。
H:また関わらせてもらえるなんて!でも早く聞きたい!
Y:もうどこまでも行きます!
お客様:ありがとうございます!