美容室の独立開業の流れは?開業を成功させるためのポイントも解説!|テナント工房
-
2023.8.29
-
最終更新日:
指名客が増えた、または運営を任されたなどにより、独立開業を考えはじめる方も多いでしょう。しかし、開業の知識に詳しくないため、何からはじめたらよいのか迷う方も見受けられます。
開業するためには多額の資金が必要となり、多くの工程をふまなければなりません。開業に失敗しないためには、資金の内訳と手順について把握しておくことが望ましいです。
この記事では、独立開業に必要な資金や流れについて紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
美容室の独立開業までの流れ8ステップ
STEP1.事業計画を立てる
STEP2.物件を選定する
STEP3.資金を調達する
STEP4.契約して工事をする
STEP5.営業の準備をする
STEP6.スタッフを採用する
STEP7.集客活動を行う
STEP8.開業に必要な届出を提出する
美容室の独立開業に必要な手続き
営業に関する手続き
人材の雇用に関する手続き
税金に関する手続き
美容室の独立開業に必要なもの
資格
資金
美容室の独立開業に必要な費用
物件の取得費用
美容設備・器具費用
備品・販促費用
内装工事費用
保険料
美容室の独立開業を成功させるためのポイント
ポイント1. コンセプトを決める
ポイント2.居心地の良い内装づくりを心掛ける
ポイント3. 集客と販促活動に力を入れる
ポイント4.資金計画をしっかり行う
まとめ
美容室の独立開業までの流れ8ステップ
美容室の独立開業までの流れについて紹介します。開業まではやらなければいけないことが多いため、スケジュールを入念にチェックしながら計画的に進めていきましょう。
STEP1.事業計画を立てる
初期段階として、まずは事業計画をたてましょう。事業計画とは、開業後の見込み売上や必要経費を計算し、手元に残るお金を計算することです。
融資を受ける際は事業計画書が必要となるため、細かく数字をつくり込んでいくことが大事です。融資担当者は審査において、計画書をくまなくチェックして利益が見込めるか、返済は可能かを厳しい目で判断しているからです。
事業計画書の作成が難しい場合は、日本政策金融公庫のホームページ「小企業の経営指標調査」のサービス業の欄が参考になるので目をとおしてみてください。
STEP2.物件を選定する
融資を受けるためには、物件の選定が必要不可欠となります。なぜなら、物件が決まっていなければ審査してもらえないからです。まずは、土地選びからはじめましょう。交通アクセスのよい場所は集客力が高いですが、賃料も高くなります。
一方、アクセスしにくい場所は、近隣住民の集客は望めますが、新規客は獲得しにくい立地です。お店のコンセプトや予算、ターゲット客を集客しやすいかなどを総合的に判断して決めましょう。
物件を決める際は、電気や水道設備のチェックはかかさず行ってください。電気容量が建物に十分に備わっていなければ、外部からあらたに増設する必要があります。水道に不備があれば、シャンプーの際に水圧がさがってしまう原因となります。
テナント工房は、テナント探しからデザイン設計、施工、アフターメンテナンスまでワンストップで行っている会社で、内覧同行や現地調査も対応しています。プロのサポートを受けることで、物件取得後のトラブルが防げます。
STEP3.資金を調達する
一般的に、美容室の開業資金は1,000万円が相場です。大金となるため自己資金だけでは、カバーできない方も多いでしょう。その場合は、融資により資金の調達が可能です。
一般的なのが、公的機関である日本政策金融公庫と銀行・信用金庫などの民間金融機関です。どちらも金利が安く、全国で利用できます。
場合によっては補助金が使える場合があるため、国や自治体の制度を確認してみましょう。補助金とは返済する必要のないお金のことです。
STEP4.契約して工事をする
物件を決めて資金を調達できれば、内装会社と契約して工事をはじめます。工事は、店舗デザイン設計を決めてから内装工事という流れで行います。
設計は店のコンセプトをかたちにするものです。シックやメルヘンといったイメージを実現するために、素材の選定やサイズ&量を決定するのがデザイナーの仕事です。
美容室の内装工事の場合は、とくに専門的な知識が必要となります。セット面やシャンプー台の位置、店内の導線など気をつけなければならない部分が多くあります。
内装会社は、美容室の設計&施工経験や実績が豊富なところを選びましょう。なにかトラブルがあった場合に、相談や対処してもらうためにも、アフターフォローの制度がととのっている会社がよいでしょう。
【関連記事】美容室カフェ併設のメリットと魅力的な内装デザインのつくり方
【関連記事】美容室の内装のポイント3選!おしゃれなデザインや費用も解説
STEP5.営業の準備をする
工事を発注したら、営業の準備をはじめましょう。備品や器具の発注や集客を行います。ホームページの作成やヘアサロン予約サイトへの登録、名刺やショップカード、ポイントカードの作成などです。
ポイントは、お店の雰囲気に合わせた販促物をつくることです。お店のイメージを固定でき、印象付けられます。
STEP6.スタッフを採用する
一人で開業する場合を除き、スタッフの採用活動を行います。求人広告の出稿、面接、採用条件の決定など、時間と手間がかかります。
サロンのコンセプトや理念に共感してくれる、技術力と人柄を兼ね備えた人材を見つけることが、サロン成功の鍵を握ります。
STEP7.集客活動を行う
オープンに向けて、集客活動を開始します。ウェブサイトやSNSアカウントの開設、チラシやDMの作成、ポータルサイトへの掲載など、様々な方法を組み合わせて、サロンの認知度を高めていきましょう。
オープン前から予約を受け付けることで、スタートダッシュを切ることができます。
STEP8.開業に必要な届出を提出する
サロンをオープンするには、法的な手続きが必要です。店舗の所在地を管轄する保健所に「美容所開設届」を提出し、検査を受けなければなりません。
また、税務署には「開業届」を、人を雇用する場合は労働基準監督署やハローワークにも必要な書類を提出します。
美容室の独立開業に必要な手続き
美容室の独立開業に必要な手続きについて紹介します。手順を把握してスムーズに準備を進めていきましょう。
営業に関する手続き
お店を営業するためには、保健所や消防署に届け出をして、立ち入り検査を通過する必要があります。手続きの流れとしては以下のとおりです。
1.保健所や消防署への事前相談
2.書類の提出
3.保健所の立ち入り検査
4.消防署の現場調査
スムーズに審査を進めるためにも、保健所や消防署への事前相談をおすすめします。保健所の場合、規定どおりの店でないと、立ち入り検査後に追加工事が必要となる場合もあります。
一方、消防署の場合は、施設の規模や建物内の設備によって、設置する消火設備が異なります。開業日に間に合わない可能性が出ないように、平面図ができた時点で相談にいきましょう。
人材の雇用に関する手続き
従業員をひとりでも雇用するなら労働保険(雇用保険と労災保険)に加入する必要があります。書類はハローワークに直接取りにくいか、ホームページから入手しましょう。
手続きの際に提出する書類は、保険関係成立届と概算保険料申請書、事業所設置届、雇用保険被保険者資格取得届の4つです。書類の手続きは、以下の手順で行います。
1.保険関係成立届を労働基準監督署に提出
2.概算保険料申請書を金融機関か都道府県労働局に提出
3.事業所設置届と雇用保険被保険者資格取得届をハローワークに提出
まずは労働基準監督署に書類を提出しなければ、2や3に進めません。くれぐれも順番を間違えないようにしましょう。ちなみに、法人化すれば社会保険に加入しなければならず、年金事務所で手続きを進められます。
税金に関する手続き
開業した際は税金に関する手続きも行わなければなりません。開業届の提出です。
個人事業主の場合は、事業開始日から1か月以内に税務署に開業届を提出します。書類は税務署に持参する以外にも、郵送やe-Taxからも提出可能です。
法人化している場合は、設立登記した日の2か月以内に法人設立届出書を税務署に提出します。e-Taxや法人設立ワンストップサービスからでも提出できます。
また、青色申告をする場合は、開業届と同時期に青色申告承認申請書を提出しましょう。青色申告とは、確定申告の際に最大65万円の控除が受けられるものです。青色申告をしていない場合は、自動的に白色申告となります。
美容室の独立開業に必要なもの
資格
開業に必要な資格を見ていきましょう。美容室を開業するためには、資格と資金が必要になります。以下で詳しく解説していきます。
美容師免許
美容室を開業する際は、施術するための美容師免許が必要不可欠です。オーナー自身が免許を取得するか、すでに取得している従業員を雇う必要があります。
また美容師免許は、保健所で営業許可をとる場合や融資の審査の際に提出が求められます。もし美容師免許がない場合は、取得しなければなりません。取得するには、美容専門学校を卒業し、美容師国家試験に合格する必要があります。
管理美容師免許
オーナーがひとりで施術をする場合はいりませんが、従業員を雇っている場合は、管理美容師免許が必要です。管理美容師免許とは、美容室を衛生管理するために必要な資格のことです。
施術者2人以上、かつだれひとり資格をもっていない場合は、そのうちのひとりが、公益財団法人理容師美容師試験研修センター主催の講習を受ける必要があります。ただし、資格習得のためには、美容師の免許の所得と3年以上の業務経験が必要です。
講習は3日ほどで終わりますが、年に2回しか開催されないため注意しましょう。従業員に受けさせてもよいですが、もし退職してしまったら、今後はほかの従業員かオーナーが講習に出なければなりません。
手間となるため、のちのちのことを考えると、オーナー自身が資格を取得しておいた方がよいでしょう。
資金
開業には資金が必要となります。資金には大きく分けて開業資金と運転資金があります。一般的に、美容室の開業には1,000万円ほど必要だといわれています。開業してからもお店が軌道に乗るまで約半年かかるという結果も出ており、まとまった資金は必須です。
開業資金
物件の取得費用、内装工事費用、カット席の椅子や洗面台、タオル、洗濯機、パソコンなどの什器や備品など、開業にあたって準備しておく物に対して使用する資金です。ホームページ制作やチラシ作成などの初期販促費用も開業資金に含まれます。
運転資金
美容室を運営していく上で、必要になる資金です。材料費、光熱費、人件費、保険料や家賃、宣伝広告費などが当てはまります。この中でも固定費と変動費に分けられます。
売り上げが減っても固定費に含まれるものは一定の金額を払い続けなければいけないので、万が一運営が苦しくなる事態が発生した場合でも、持ち堪えられる運転資金が必要です。
また近年では当たり前になっているキャッシュレス決済は、手数料がかかります。 それらをふまえて余裕のある運転資金の準備をするようにしましょう。
美容室の独立開業に必要な費用
ここからは、美容室の独立開業に必要な費用について見ていきます。
物件の取得費用
開業するためには、物件を取得しなければなりません。費用には、敷金礼金や不動産業者への仲介手数料、前家賃がかかります。物件を借りる際は、保証人が必要となるため、連帯保証人がいない場合は、保証料を保証会社に支払うことにもなります。
敷金や保証料は、おもに家賃を支払えなくなった場合に備えるものであり、家賃の6〜12か月分が相場です。一方、礼金は家賃の1〜3か月分、仲介手数料は1か月分が相場です。
とくに物件の取得前に注意しておきたいのは、前家賃を初期費用として支払う可能性があることです。2か月分の家賃を前払いするのが一般的です。
また環境維持のために、物件によっては、共益費がかかる場合もあります。テナントがあるビルの通路や階段の清掃費、電気代などにかかる費用で、毎月賃料の5〜10%程度が発生します。
美容設備・器具費用
おしゃれな美容院にするために、内部の美容設備や器具にこだわりたい方も多いでしょう。とくに美容院で必要なのは、レジカウンターやセット面、シャンプー台、スタイリングチェアです。
美容設備はメーカーによって価格差や性能の違いがあるため、購入前に一度使用感を確かめてみることをおすすめします。
また、予約の受付や顧客管理のためのパソコンやタブレットも、業務をスムーズに行うためにはかかせません。施術の際のワゴンやスツール、スチーマーも必要不可欠です。
また、お客さんから見える場所だけに目を配るのではなく、裏方であるバックヤードに置く器具も忘れないようにしましょう。大量のタオルを洗うための業務用の洗濯機や乾燥機などの設置です。美容設備や器具はグレードにより異なりますが、平均200万円かかるため、予算をたてておきましょう。
備品・販促費用
美容室で営業や集客の際に必要なのが、備品や販促ツールです。とくに備品は数や種類が多いので、購入もれが懸念されます。忘れないように、あらかじめチェックリストを作成しておきましょう。
備品は、コームやシザー、ドライヤー、ヘアクリップなどが必要です。ほかにも、タオルやパーマ液、シャンプー類、ヘアケア類などの薬剤や消耗品も必要です。
一方、販促ツールには、チラシやフリーペーパー、WEBサイト、メルマガやSNS、看板などがあります。忙しいからと準備をあとまわしにするケースもありますが、作成に意外に手間がかかるので早めに用意しましょう。
内装工事費用
お店の雰囲気を大きく左右するのが内装です。内装工事にかかる費用は、坪単価40万円前後が相場です。1坪は約3.3㎡なので、たとえば15坪のお店の内装工事費は約600万円です。
実際は広い物件の方が全体的な費用はかかりますが、坪単価は狭い物件よりも安くなるケースが多いです。店舗が老朽化している場合は、耐震補強が必要なケースもあり、追加の費用がかかってしまいます。
保険料
営業中の事故による損害や物損を補償してくれるのが保険です。万が一請求された金額が高額だった場合、お店が破産してしまうかもしれません。保険の加入により、あらゆる事故や災害、トラブルからお店や従業員を守れます。
保険料はプランの内容やメーカーにより異なり、おもに賠償保険や傷害保険、火災保険、経営保険があります。賠償保険はテナントに対して加入する保険で、営業中に不注意で客にケガを負わせた、衣服を汚してしまった場合などに対応しています。
一方、傷害保険は従業員の営業中のケガに対応しており、火災保険はテナントが家事になった場合の補償に備えられます。また、オーナーは労災に加入できないため、ケガや病気の際の補償はありません。その際に備えられるのが経営保険です。
美容室の独立開業を成功させるためのポイント
美容室の独立開業を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。ポイントを学び、独立開業を成功に導きましょう。
ポイント1. コンセプトを決める
年間、約1万件の美容室が新規開業していると言われています。その中でも残っていくためには、他店との差別化が重要です。差別化を図るためにも、まずはコンセプトをしっかりと定めましょう。コンセプトは集客力を向上させるポイントの一つとなります。
また、コンセプトを明確にすると経営方針も固まります。雰囲気に沿った経営を心がけるため、目指すべき目標や指針、どのようなお客様に来てほしいのかターゲットも明確になります。
ポイント2.居心地の良い内装づくりを心掛ける
美容室では、滞在時間が長くなりがちです。そのため長い施術でも快適に過ごせるような工夫が必要です。たとえば、長時間座っても疲れにくい椅子を選んだり、ドリンクサービスや雑誌の提供、アロマを用いるなど、少しでもリラックスできるような環境づくりを心掛けてみましょう。
ほかにも、照明や温度の調節、店内のBGMなどで快適度を高めることも可能です。 小さな配慮に気を配ることで、また来たいと思わせる空間づくりをすることが出来ます。
ポイント3. 集客と販促活動に力を入れる
美容室の集客や販促は、SNSが中心になりつつあります。特にInstagramでは施術のビフォーアフターを写真だけでなく、動画で見ることもでき、それを見た方が予約・来店することも少なくはありません。
とは言え、美容室のある地域やターゲット層によっては、チラシやクーポンサイトが有効な場合もあります。来店してほしいターゲットに向けた販促活動を見極めて行うようにしましょう。
ポイント4.資金計画をしっかり行う
資金の部分で説明した通り、開業前はもちろん、開業後もお金は必要です。売上が多いからといって安心していても、経費も多くかかっていれば、利益が出ません。
大切なのは純利益です。売上や経費、利益など、経営状況は常に把握し、手元に現金がない状態は避けるようにしましょう。
まとめ
開業の際は事業計画や不動産、集客、税金などの多くの専門的な知識が必要となります。さらに開業準備をいったんスタートしてしまったら、トラブルが発生してもたち止まって考える余裕はありません。事前にさまざまなトラブルを想定して、打開策を考える力が必要です。
テナント工房は、テナント探しからデザイン設計、施工、集客サポート、アフターメンテナンスまでをワンストップで行っている会社です。事業計画書作成から、開業資金のアドバイスも実施しており、お客様が難しいと考える部分も丁寧にサポートします。
理想をかたちにする、多くのお客様によろこんでいただけるお店にするためのサポートパートナーとして、テナント工房をご検討ください。まずはホームページからお気軽にお問い合わせください。





