Episode.52 いぶきハーブ・ガーデン様(前編)
――開業のきっかけ
お客様①:私は前職が米原市の職員で、この建物は元々公共施設だったんです。約10年前から使われておらず、遊休化していたので、この建物で何かできないかなということをずっと考えていました。その中で、姫路市の香寺ハーブガーデンの会長と仕事のきっかけでお会いすることがあり、「薬草の宝庫である伊吹山の麓でハーブを使った事業できないか」とご相談と意見交換をさせていただきました。そこから「米原市として伊吹ハーブガーデン事業の構想立てていこう」となったのが始まりです。
古川:そうだったんですね!
お客様①:そうなんです。事業構想を立ち上げてからは役員会で「地元地域を挙げて一緒にやりませんか」というお話をさせていただきました。そして当時役員であったお客様②と「何か一緒にできないかな」と話をしたのがきっかけです。元々はこの地域も過疎高齢化がやっぱり激しかった地域なので、このような事業を行うことで交流人口、関係人口の増加、地域の活性化に繋がるんじゃないかなって。
設計S(以下S):元々は市の事業として始めようとしていたんですか?
お客様①:そうですね。市の事業が事業計画を策定して、地域の方を巻き込みながら一緒にやっていきませんかというのが始まりですね。 でも市議会や市の幹部、地元の方含めて「じゃあ結局誰がやるの?」という問題に直面しました。私も地域の人間の一人として、じゃあなんとか自分でできないかなと思い、会社を起業しました。
古川:最初にこの話を聞かせてもらった時、そこがほんまにすごいなと思いました。
お客様①:なんとかしていきたいという思いが強かったんです。この想いが事業に関わる皆さんに賛同していただけたので今に至っていますね。
古川:市の職員、役員を辞めてまでお店を始めるのはかなりの覚悟やったんじゃないですか?
お客様①:そうですね、覚悟は必要でした。でも地域が盛り上がるならと思っていましたね。米原市って市全体で見ると、どうしても中山間地には目が行き届かないんです。それなら自分たちが環境を作っていく必要があるんだろうなって思いました。
古川:なるほど。市の職員やと動きにくいところも出てくるということですね。お客様②はそういうお話を聞いて最初どう思いました?
お客様②: 本当のこと言っていい?(笑)
古川: もちろんです!(笑)
お客様②:この施設はそもそも上板並区が米原市から維持管理費をもらって維持してたんです。伊吹ハーブガーデン事業の話が出てくるもっと以前から役員会で、上板並区としては維持管理費もらってもやっていけへんから壊してくれって話が出ていたんです。
S:そうだったんですか…!
お客様②:そうなんです。私も当時は多分壊すんやろうなって思っていました。この施設が建ったのはまだ米原市ではなく、伊吹町の時で、この施設を上板並区に持ってきたのが町会議員をやっていた私の叔父やったんです。一生懸命叔父がやっていたのを思い出して、良い施設なので壊してまうのもったいないなと心のどこかで思っていました。先ほども話にありましたが、香寺ハーブガーデンの会長に相談していたら「お前やれや」って言うてはったんです。僕は「消防一筋で生きてきたので経営の知識もないし、お金もないし、無理や」って言うたら、「この施設をやるならお金貸してあげるからやってみたらどう?」って言ってくださって。営業し始めた今でも反対の人はたくさんいるんですが、当時はより反対する人が多くって、絶対お店なんかあかんって言われました。
古川:そういう声はあるんですね。
お客様②:そうですね。でも「ここで事業やらしてほしい」っていうのを役員の人にお願いして回ったんです。そしたら「こんだけ言ってるんやったら、一回やってみたら?でもその代わり、上手くいかなかったらこの施設を壊す費用は君たちが出しなさいよ」って。 「わかりました!」ということで今に至りますね。
古川:そんなエピソードがあったんですね!
(左からお客様②、お客様①、設計S、古川)
――問い合わせのきっかけ、決めた理由
お客様①:この事業に関しては国の補助金を活用する前提で進めていました。当然行政が関わる仕事なので、入札や見積もり合わせが必要で、事業を始める経緯も含めてどういった事業者さんがいいのか考えていました。米原市が活性化することが事業の目的になっているので、地元の業者さんも含め、いろいろ検討させていただいていました。そういった中でテナント工房さんが滋賀県内でかなりの実績をお持ちで、飲食店もかなり手がけられていると見つけまして、見積もり合わせの候補の一つにさせていただいたというのがきっかけです。
S:確かホームページからお問い合わせいただきましたよね。
お客様①:そうですね。国の補助事業なので、私もかなり慎重に進めていて。通常だと設計さんと工事業者さんは別でお願いする流れが多いのかなと思うのですが、テナント工房さんは一体的な発注でスムーズに進められたっていうのは決め手の1つです。
S:ありがとうございます。確か私が担当させてもらった米原市河南にあるcafe and salon三本葦の施工事例も見てくれてはったんですよね。
お客様①:そうそう!米原市内でも実績持ってあるんだなと安心しました。ただ、見積もり合わせが必須なのと、どういう改修計画でどれくらい費用がかかるのかを見極めていかないといけなかったので決めるのにはかなり慎重になりました。今となってはテナント工房さんに頼んで良かったと思っています。
古川:ありがとうございます。僕個人としては、ホームページから来たお問い合わせいただいた案件に関しては担当さしてもらうことって結構少ないんですよ。
お客様①:そうなんですね…!
古川: 過去のお客様からご紹介いただいた案件が圧倒的に多い。今回は本当にたまたま最初お電話させていただいたら、たまたま同じ高校やったんですよね。正直、縁を感じました!(笑)
お客様①:びっくりしましたよね!(笑)
古川:びっくりしました。「会社どこにあるんでしたっけ?」って聞かれて「栗東です」とお伝えすると、「実は栗東に住んでいたことがあるんですよね」と仰っていて。「えっ、なんでですか」ってなって「○○高校に行ってました」って。「僕もですよ!?」みたいな(笑)。
お客様①:そうそう、偶然ね。
古川:で、初めて直接お会いした時に、高校の名簿持ってきてくれはった(笑)。
S: へー、すごい!
古川:高校の先輩になるから一気にミスれへん!って思うようになった(笑)
S:私も設計を担当させていただくことになったのは、たまたまお休みいただいている日に古川から電話かかってきたんです。「休みの日にごめん」って。古川から直で連絡されることがあまりないので、びっくりしていたんですが、「米原でこういうお客様がいるんやけど、一緒にやらへん?」って言われたんですよね。
古川:米原のカフェのお客様も担当さしてもらったのもあったし、内容含めてSが合うと思い、選んだんです。
お客様①:そうだったんですね!
――開業まで不安だったこと
お客様①:二人ともそうですけど経営に対しての知識がなかったこと。あと地域を盛り上げるっていう想いを持ってやっていても、地域の方がなかなか最初はついてきてくれなかったことですね。国の補助金は事業を決めた段階で当然いただけるという約束はなかったので、事業計画を作って申請を出した後に、「もし不採択だったらどうしよう」っていう話もよく二人でしていました。米原市もこの事業に対して地域を盛り上げる事業として認めてはくれたのでいろんな方の手助けがあって今があると思います。
古川:確かに補助金はどうなるかわからないですもんね。
お客様①:そうそう。あとは調理に関して極力地域の方々を雇用していきたかったので最初はスタッフもすごく不安やった。いろんなご縁があって、メニュー開発や調理指導を外部の方にしていただいたので、調理スタッフもかなり腕を上げられた。皆さんの頑張りがなければ、今はないだろうなってすごく思いますね。なので不安だったことは一つに絞れないです。全てが不安!オープンする直前まで、今もそうですけど、浮き彫りになってくる問題はたくさんあるので、どう解消していくのかは課題です。今は日々の業務に追われて解消する時間がない。どっかで時間を作らないといけないんだろうなっていうのは思うんですけどね。
古川:日々忙しいっていうのが嬉しい悲鳴ではあるんでしょうね。
お客様①:そうですね。ありがたいお話です。
――担当の印象
お客様①:古川さんは一番初めの同じ高校っていうのが親近感沸いて、気楽に話せそうかなって本当に思いました。直接お会いして、想像通り気さくですごく親身に相談乗っていただけたので良かったかなと思います。
古川:ありがとうございます。僕はお客様①に対して、もちろん高校の繋がりがあったから変なプレッシャーは正直あったんです。嫌とかじゃなくて!(笑)でも、楽しく打ち合わせもさしてもらってる中で、たまに冗談で先輩風を出してきはるのが個人的にはちょっと面白かった(笑)
お客様①:そんなことはなかったと思いますね!?(笑)
古川:それが僕は嬉しかったんです!(笑) お客様①からみてSの印象はどうですか?
お客様①:Sさんは一番初め打ち合わせさしていただいた時に、内装のイメージをすでにお持ちやったのかなって思い、安心はしていました。内装もお客様からの評判はいいです!
S:嬉しいお言葉です。 私からみてお客様①はすごく話しやすいし、わからないことちゃんと聞いてこられる方。お客様②は暑い中でずっと外の草むしりや芝生にお水をあげてはったのが印象的。毎日すごい大変だったんじゃないかと思います。現地に来させていただくたびに、いつも頑張って手入れされていました。
お客様②:いやいや、そんなことないです!(笑)
古川:枝剪定しはるお客様②、かっこよかったです。
お客様②:自分なりにやってただけで!どうしたらいいかわからないのでYouTube見ながらやってました(笑)。
古川:そうやったんですね!
お客様①:敷地が8,000平米ぐらいあり、建物以外は3年前本当にジャングルやったんですよね。最初は市の役員でこの事業のために一度草刈りはしたのですが、それでも足元から枝が伸びていたりしていたので。お客様②を中心に枝の剪定から草刈りを何度も何度もやりました。5月~8月頭まで改修工事だったので本当に暑い時期でしたよね。
S:暑かったですね。
お客様①:そういう時期に汗をかきながら苦労ながら頑張ってきたのが今に繋がってるのかなと思っています。まだまだでも手入れが大変です。 「ハーブガーデン」という名前なのに、今はまだハーブがそんなに植わってない。徐々に植えていかないと思っています!
古川:大変やね。まだまだ続きますね!
※後編は1月下旬に配信予定です。





