Episode.47 炬~Kagari Shisha&BAR~ 様(後編)

前編はこちらからご覧ください▶▶Episode.46 炬~Kagari Shisha&BAR~ 様(前編)
――良かった提案
お客様:店内のアール壁、今は色を塗って馴染ませているので目立つ感じではないんですけど、この壁の圧がすごかったんですよね(笑)
設計S(以下S):そうそう、銀色でしたね!
奥様:バブリーな感じの銀色でしたね。多分前に入っていたお店ではミラーボール置いてたんかなっていう(笑)
お客様:アール壁の内側が小さいキッチンになっていて、キッチン側から入り口を覗ける窓みたいなのも付いていたんですよね!それも綺麗にしてもらいました!あとはやっぱりカウンターかな!
S:アール壁に関しては、あえて存在を消すようにしました(笑) アール壁をメインにするよりかは、どちらかというと窓側を見せるようにしたかったんです。折角5階なので、景色を見ながらシーシャができるのは良いなと思っていて。窓もあるし、外見ながらの一個別のカウンターがあっても面白いんじゃないかなと思って、2つカウンターを作るっていうことでご提案させてもらいました。
お客様:そう!その案は僕たちも出てこなくて。元々ソファを置くだけのイメージをしていたんです。カウンターをメインにしたいとは言ってたんですけど。
S:既存のカウンターはL字のカウンターじゃなくて、真っ直ぐのカウンターしかなかったんですよね。カウンターメインにしてはちょっと足りないし、ソファをただ置くのもなんやし…打ち合わせをしていた時間もちょっと遅かったのもあって、外見た時に窓側を活かせるように何とかできひんかなって思って、ご提案させてもらったんです。
奥様:窓があるお陰で開放感もあります!
S:最初は物を落としてしまったら危ないっていうのも気にされてましたもんね。
奥様:全然落ちないですね!(笑)
お客様:あと、駅の方で12月からちょっとしたライトアップがあるので凄く綺麗に見えるんです。
S:そうなんですね!
お客様:なので若い方からご年配の方、60歳~70歳近くの方もいらっしゃるんです。そういう方も「デートで使うわ!」って言ってくださっています、ありがたいですね。
S:素敵ですね!外の景色を見えるように設計して良かったです!
お客様:外の景色が見えるシーシャバーは他のところではあまりないよねっていうのはよく言われます。「自分の家そこやねん!」とか話してくれるお客さんもいます(笑) 好んで窓側の席に座られる方もいらっしゃいますよ。
S:皆さん自分の場所を見つけて、使っていただいてるの嬉しいです。
奥様:あと窓側のカウンターの間接照明も良いよな。
S:嬉しい。普通にカウンターを作るのも面白くないし、シーシャって光らせたら結構綺麗じゃないですか。折角なんで光るように作りたいなと思って。
奥様:あと、ボトルの棚も好きですね。内装の作り的に入ってすぐに目に入るのが凄く綺麗で。
S:入った時の印象を棚に付けたかったんです。アールの壁もあったし、なんか印象に付くような棚作りたいなと思って。家具屋さんに仕込みしてもらいました。自分でやっておいてなんですけど、これは私的にも良かったと思ってます!
お客様:綺麗やもんな、実際シーシャ置くと! 僕は入口からの通路も理想通りにやってもらえたのですごく好きなんです。
S:たくさん褒めてくださる…(照) 入口は入った時に店内へ目を開かせたかったので、廊下部分は極力暗くしたかったんです。
お客様:つまづかれる方もいらっしゃるんですけどね(笑)おじいちゃん来たらちょっと明るくしてます!(笑)
S:調光入れていますしね!(笑)
お客様:結局、良かった提案ってどうしても全部という風になっちゃうんです!
S:ありがとうございます!
(左から時計回りに設計S、奥様、お客様)
――うまくいかなかったこと
奥様:予算的に難しかったんですが、トイレをもうちょっと綺麗にしたかったなっていうのがあります。
お客様:そうやんな。元々ちょっと変わった色してた。
S:真っ黄色でしたよね!なんでまたこの色にしはったんやろ?みたいな色でしたよね(笑)
お客様:で、なんかよく分からん花の照明が付いていて。ファンタジーな世界感がありましたね(笑)元々ダイニングスナックだったみたいで、しばらくお客さんが入られていなくて事務所みたいに使われていたそうで。
S:そうでしたね!最初入った時、ホワイトボードがありましたもんね。
お客様:そうそう!床もいかにも事務所みたいな感じだった。 あとはお店を始めて上手くいかないなと感じるのは集客のところ。ノウハウがないので難しいです。どうにかして頑張って続けないとって思ってます。応援してくれる方もいるんですが、初めての経験なんでなかなか難しい。
S:お店が5階にあるとなかなか見つけてもらいにくいとかありますか?
お客様:そうですね。たまに「シーシャ屋さんがあると聞いたんで連絡したんですけど、ちょっと場所が分からないです」って連絡いただくこともあります。駅側の道路が人通りが多くてメインになるので…
S:最初はちょっと見つけにくい場所ではありますね。
奥様:あと、私が感じたのは冷蔵庫と冷凍庫が全然足りなかったです。お店を始めてから気づきました。結局、父が前にお店やっていた時の冷蔵庫をもらってきたんですが、ただ、アール壁の後ろの入り口がめっちゃ狭くて何も入らないんです(笑)
お客様:奥まで入らんかったんよな、ちょっと面白かった(笑)
S:確かにめちゃめちゃ狭いんですよね。
お客様:そうそう。アール壁の後ろに2つ扉があるんです。その扉の隙間だけ異様に狭くて、冷蔵庫も通らないのはちょっとびっくりしましたね。仕方ないのでちょっと片付けして、どうにか置けるようにしました。
S:元々厨房自体もちょっと狭かったですよね。
お客様:そうなんです。既存のお店の形を活かしていただいたってだけでも全然ありがたいです!
――印象に残っているエピソード
奥様:私が印象に残っているのは、打合せでMさんにソファ選びを手伝っていただいた時があったんです。「これはSさんのチョイスで、これが僕のチョイスです」って言って。結局Mさんのチョイスにしたらめっちゃ嬉しそうにしてたのがすっごく印象的です(笑)「これ僕選んだんですよね!」って。
お客様:してた!偉いニヤ―ッとしてたわ、あの時(笑)
奥様:かなりドヤ顔してた、めっちゃ嬉しそうにしてて(笑)
S:そうだったんですね!(笑) Mも頑張ってくれていたんです。ちょっと私が他の打合せが入っていたりして、動けなかったりときも頑張って動いてくれていました。Mにも伝えておきます!
お客様:僕はお店ができた時の仕上がりが一番印象に残ってます。自分が想像していたお店と完全にマッチしていてすごく感動しました!あとはプレオープンの時にめっちゃシーシャが上手かったのと、Mさんが可愛いお酒飲んでた。カシスミルクやったかな?
S:確かに!可愛いの飲んでましたね(笑)
奥様:そうそう、Sさんのドリンクやと思って前に置いたら違うくて(笑) めっちゃ印象に残ってます。可愛いの飲むなぁって。
S:私が印象残っているのは確か奥様が妊娠中で、打合せを進めている時に分かったんでしたよね?
奥様:そうでした!結構つわりが酷くて。
お客様:でもちょこちょこ打合せも来てた?いや、大体来てた?
奥様:夜元気やったからな。8割ぐらい来てた(笑)

――オープン後のお客様の反応
お客様:この辺にないお店やねって言われることが一番多いです。こういうおしゃれな、落ち着いた雰囲気の店がないって。茨木にシーシャのお店って他にもあるんですが、ネオンでギラギラなイメージがまだあるみたいで。落ち着いた雰囲気のシーシャのお店が少ないっていうのはよく言われます。デートで来たいって言われる方もいらっしゃいますし、意外と僕らがターゲットとしている学生さんが意外といらっしゃらなくて。
S:そうなんですか!
お客様:そうなんです。学校の終わる時間帯が16時頃でちょっと早いんですよね。その時間に合わせて、今後は営業もできたら良いなとは思ってます。平日は夜の1時まで、金土は大体朝の5時まで開けてるんで、遅くの時間も開けてくれてるのは有難いって言われる方もいらっしゃいます!でも共通して言われるのは「ありがとう」ってたくさん言われることが多いです。今は新規さんが少ないですが、常連さんは5割、6割の方が毎月来られているんで、ほとんど常連に支えていただいています。
奥様:新規さんでも、入ってきた瞬間に「茨木にこんな店あったんや」ってみんな言いますね。
お客様:お客さんが友達を連れてきてくれる方もいて、そのお友達の方が「え?こんなとこあるの?何でこんなところ知ってんの?」って感じで言ってくださる。僕たちも「せやろ!」って言いたくなりますもんね!(笑) そんな反応が初めての方は多いので、すごくありがたいなと思います。
S:そうなんですね!私たちはオープンして来てくださるお客さんの反応って直接分からないので、そういうお話を聞けるのはすごく嬉しいです。でも、茨木ではあんまりない雰囲気のお店なんですね?
奥様:居酒屋さん、スナックっぽいバーが多いんです。JR茨木駅ってお店が少なくて、みんな阪急茨木市駅の方に行ってるんです。本格的なシーシャっていうのが、ほぼうちだけなんですよ。
S:そうだったんですね。
お客様:あと来てくださったお客様の反応で、お店に入った瞬間の印象はすごく良いです!ちょっとビビられる方もいらっしゃいますが(笑)
S:ちょっと暗いんでね(笑) あえて暗くするために、シート貼ったり、黒くしたりとかしましたしね。
お客様:そうそう、ちょっと暗いので「入って大丈夫かな?」「ぼったくられるかと思った」とか言われるんですよ。
奥様:お連れさんとかでも、あとから入ってきたお客さんが「よう入ってきたな」って言うてる人とかいます(笑)
お客様:最初だけちょっと物怖じしない人じゃないと入りにくいんかなって感じはありますね。でもお客様もすごく喜んでくださってる方が多い印象ではありますね!
S:嬉しい限りです!
――お店のPRと今後の展望
お客様:どのお客様にも常々お伝えしているんですけど、うちのお店に来てもらった以上、楽しんで帰ってもらうのが一番っていうのが僕の中にあります。「何でお店やってんの?」って聞かれるんですけど、きっかけは何でもよくて、楽しんでもらって「また来たいな、他の人も連れて来たいな」と思ってもらいたい。お客様ファーストっていうイメージがあります。だからといってお客様に完璧に合わせるわけではなくて、理不尽な方とかもいらっしゃるんで、そういう方には他の方に迷惑にならないように対応させてもらいますが…今後もシーシャを知らない人、もちろん茨木にもたくさんいると思うので、そういう方に向けて、こんな楽しみもあるよっていう嗜好品の一つとして伝えていけたら良いなと思っています。あと、最近スイーツやフード系をやっていて、アサイーボールとか挑戦してみたりしてます。
S:アイスとかもされていますよね!
お客様:そうなんです!アイスとアサイーと台湾風かき氷も試作しています。夏は冷たいデザート求めている方や女性のお客様もターゲットにしたい。シーシャだけじゃなく、ノンアルコールのドリンクやスイーツとかで。色々やってみて、お客様を寄せていけたらなっていうのは思っています。
あとは今後もし経営が上手くいけば、すぐってわけではないですけど、大きい箱での経営も考えていきたいとは思ったりしています。事業内容に関しては、シーシャをするかどうかはまた別の話ではあるんですけど。もし今後、経営が上手くいってお店をやっていく中で「こういうお店やってみたいんです」っていう人がいたら、その方と一緒に「じゃあこういう店やってみようか」って提案して他のお店をするのもありかなと思っています。
この間、妻と話してたんですけど、地域の方と何かできたらなっていうのは一番今考えています。茨木にも美味しい飲食店があるので、そこのお店と提携して、月契約やサブスクみたいな感じで、僕のお店でも出せるようにできたらなって。
他にも、お店の中にブースを作って、例えば知り合いや茨木市のネイリストさん呼んで、1日5人まで施術できるとか。そういう形で地域の方の職業も活性化できるように、一緒に貢献できたら良いなっていうのは考えてはいます。
S:素敵ですね…!
お客様:自分一人の力でやるっていうのはなかなか難しいので、それやったら周りと一緒に盛り上げていけたらなって。お客さんも嘆いてるのが、昔に比べてこのJR茨木駅、ちょっと盛り下がってきてるよねっていうのを寂しそうに言ってはる方が多いんです。そこはできる限りのところで貢献していきたいなと思ってます。
S:お客さんからもそういう声があるんですね。
お客様:ただシーシャっていうのがネックなんですよね、そこだけじゃ難しくて。シーシャって一応タバコっていう形なんで、年配の方は馴染みが深いのであんまり取っ掛かりはないんですけど、若い子は意外と敬遠する方もいるんです。それでも美味しい料理を提供したり工夫すれば多分食いついてくれると思うんですけど。そういうのも今後やってみても良いかなと考えてます!
S:女性にとっては嬉しいですよね!スイーツもあって、ノンアルコールドリンクもアルコールも種類あって楽しめるって。社内のスタッフにもお酒飲めない子がいるので、こういうお店がたくさん増えると嬉しいと思います。
お客様:お酒が飲めない方って、バーに行っても飲める種類がなかったり、行く機会がなかったりするじゃないですか。「炬kagari」に行ったらスイーツもあって、シーシャも色々試せるし、フレーバーもめちゃめちゃ多いので楽しいですし!行く度に香りを変えて試してみて自分に合うものを探すっていうのも楽しいですしね!
S:初めてのシーシャを体験する方にはここのお店がめちゃめちゃ向いてると思います!
奥様:あと、私はシーシャ屋の割には値段が安いっていうのを推していきたいなと思っています!市内だとチャージ1時間何千円とかなんですが、うちは1回500円です。
今後の展望として、できればバイトを雇えるぐらいになって、私たちがそこまで店に出なくても良くなるようにしたいなっていうのが理想。で、2号店や他のお店などやっていけたらと。阪急茨木市駅と、JR茨木駅の中間ぐらいに作れたらなって考えています。臥煙 詩丹さんみたいな感じが理想です。その時はガラッとイメージ変えていってもありですし、白っぽい店でとかでも良いよなぁとか。
S:それぞれテーマを作って、店舗ごとに全然違う雰囲気の内装で作っても面白いですよね。
奥様:そうですね!あとは7月が周年なんで、イベントや支援会をやりたいなと思っています!
お客様:そやな、地域の飲み会とか好きな人と、色々やっていきたいなと。折角お店自体も広いですし、カラオケとかもありますし!
S:結構カラオケされてるんですか?
奥様:しますね!来た方は7割ぐらいはしてはるかな。
S:点数取ったら…みたいなのやってはりますよね?
奥様:そうなんです!90点以上取ったらとか。めっちゃSNS見てくれますね!
お客様:「僕カラオケ苦手なんです、90点出ないです」って言う方がいたら、お連れの方が90点3回出したらサービスするとかあります(笑) 僕たちがめっちゃ金儲けしようっていう考えがなかったりする。商売下手くそやなって自分でもちょっとよく思うんですけど。頑張ってるからサービスしてあげる!とか言って(笑) 初めてにしては大きいお店なので、今後色んなイベントをしていきたいです!。
S:そうですね、場所が広いので色んなことできますしね!楽しみにしています!





