小さなカフェの内装づくりのコツは?費用についても解説
小さなカフェの経営を検討しているものの、内装をどのようにすればよいのか悩んでいる方もいるでしょう。また、内装工事には費用がかかってしまうことから、できるだけ費用を抑えたいと思う方も多いのではないでしょうか。 そこで、今回は、カフェの内装づくりのポイントや間取り別の特徴に加え、内装工事の費用相場について解説します。さらに、内装費用を抑えるポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
小さなカフェの内装づくりのコツ
これから小さなカフェを開業しようと考えているものの、どのように内装デザインを決めていけばよいのかわからない方もいるでしょう。内装デザインは、集客や売り上げにも大きく影響してきます。 とはいえ、どういったところに注意して内装づくりをすればよいのかわからず、コツを知りたい方も多いのではないでしょうか。ここでは、小さなカフェの内装づくりのコツを6つ紹介します。
1.コンセプトを明確にする
カフェの内装づくりを進めるにあたり、まずコンセプトを明確にすることが大切です。もちろん予算やスケジュールなども重要な要素ではありますが、計画初期の段階では、先にコンセプトをはっきりさせることが重要なのです。 どのようなカフェにしたいのか、ターゲットはどうするのかなど、作りたいカフェのイメージを広げていきましょう。
2.テーブル席とカウンター席の両方を設ける
コンセプトを明確にできたら、次は具体的なレイアウトなどを確認します。小さなカフェの場合、テーブル席はもちろん、カウンター席を設けることがポイントとなります。 というのも、テーブル席しかないカフェの場合、一人利用を躊躇してしまうユーザーが多いと予想されることから、集客を取りこぼしてしまう可能性があるでしょう。一方、カウンター席しかないカフェの場合はグループ利用に適さないことから、売り上げが伸びにくい恐れがあります。
そのため、広さに問題がないのであれば、テーブル席とカウンター席の両方を設けることが理想的です。なお、カフェは居心地のよさが集客のポイントとなるため、一人利用やグループ利用など、多方面での集客を検討するのがよいでしょう。
3.来店客と従業員を考慮した動線を意識する
小さなカフェの内装を計画するにあたり、来店客のことを考えるのはもちろん、カフェで働くスタッフのことも考慮することがポイントです。 カフェのような飲食店の場合、スタッフがオーダーを取るフルサービスタイプと、レジで注文を受け付けるセルフサービスタイプの2種類があります。
どちらのタイプを選ぶかによって動線が異なるので、まずはフルサービスなのか、セルフサービスなのかを決めるところからはじめましょう。なお、フルサービスを選んだ場合は、スタッフが動きやすい動線づくりが大切です。 一方、セルフサービスであれば、来店客が動きやすく、どこになにがあるのかわかりやすい内装デザインがポイントとなるでしょう。
4.居心地のよさを追及する
カフェを利用する目的はさまざまですが、どのようなコンセプトであっても、居心地のよい空間を作ることが大切です。単に食事目的でカフェを利用する方もいれば、ひとりでゆっくりしたい方もいるでしょう。または、友人と会話を楽しみたい方もいるかもしれません。
いずれの場合であっても、居心地が悪くてはリピートしてくれる可能性が低くなります。そのため、カフェの内装計画を進めるときは、居心地のよさを追求することが大切です。
5.照明や壁の仕上げにこだわる
居心地のよい空間を作るために、壁紙や床材の色に加え、照明にこだわってみるのもよいでしょう。コンセプトを前提とし、ペンダントライトやスポットライトなどを活用して、雰囲気のある空間に作り上げることがポイントです。 そのほか、漆喰やモルタルなどを使って壁を仕上げたり、タイルを使ったりするのもよいでしょう。照明や壁の仕上げによって全体の雰囲気がガラッと変わるので、時間をかけて検討したいところです。
6.空間に奥行きを感じられるように工夫をする
カフェの内装づくりでは、空間に奥行きを感じられるよう工夫するのも非常に重要なポイントです。とくに、小さなカフェの場合は面積が広くないことから、視覚的かつ感覚的に奥行きを感じられるように設計することで、圧迫感のない広くゆったりとした空間になるでしょう。
小さなカフェの間取り別の特徴
内装づくりのコツを押さえたところで、それでは具体的にどのようなデザインにすればよいのでしょうか。小さなカフェの内装づくりについて、10坪と5坪の間取り別に、それぞれの特徴を詳しく紹介します。
10坪の場合
10坪の場合、お手洗いやキッチンなどのスペースを省くと、2人がけのテーブルを7~8セットを置くことが可能です。また、カウンター席は4~5席程度設置できることから、合計で、21名程度で満席になる計算です。 小さなカフェであれば、十分な席数といえるでしょう。ただし、テーブルやイスの間隔が狭くなってしまう可能性があるので、ゆったりと広々とした空間づくりがしたい方は、テーブルを減らすなどの対策が必要です。
また、デザインを重視するために、店内に観葉植物やモニュメントなどを設置する場合は、そのスペースについても考えておかなければならず、現実的に設置できるテーブル数は7~8セットよりも少なくなることもあるでしょう。
5坪の場合
5坪の場合、キッチンスペースなどを考慮すると、テーブルを2セット程度しか設置できません。もしくは、カウンターだけといった選択肢もあるでしょう。 とはいえ、十分な席数を確保できないので、売り上げを伸ばすためには回転率を上げることが大切です。そのため、メニュー数を絞ったり、〇〇〇専門店といった特化型のカフェにしたりなど、工夫が必要になります。
さらに、テイクアウトメニューを充実させて、店内飲食のほかにも売り上げを確保できる方法を考えておくことがポイントとなるでしょう。
小さなカフェの内装工事にかかる費用
小さなカフェを開業するにあたり、内装づくりのコツや具体的なイメージを理解できたものの、実際にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、カフェの内装工事にかかる費用相場に加え、費用相場の算出方法を紹介します。
費用相場
カフェの内装工事にかかる費用は、施工面積に加え、工事内容によって大きく異なります。また、居抜き物件かスケルトン物件かによっても工事費用に差が出ます。 たとえばスケルトン物件の場合、1坪あたりの工事費用は30万~60万円が目安となります。スケルトン物件では、いちからデザインを考え、工事をしなければならないので、どうしても費用がかかってしまうのです。
一方、居抜き物件であれば、もともとの間取りを活かして工事を行うことから、その分費用を抑えられるのがメリットです。1坪あたり10万~30万円円程度で工事ができることから、スケルトン物件と比べると半額程度で工事ができると考えてよいでしょう。
相場の算出方法
内装工事費用のおおよその算出方法は「坪単価×店舗の広さ」です。たとえば、スケルトン物件で店舗の面積が10坪だった場合は「30万~60万円×10坪」なので、300万~600万円の費用がかかる計算です。 また、居抜き物件の場合も同様の計算式となります。仮に店舗の面積が5坪だった場合「10万~30万円×5坪」となり、50万~150万円が工事費用の目安です。
もちろん、実際の費用は、工事内容や使用する機材や建材、さらに施工業者によっても異なります。事前にしっかりと見積もりを取ることをおすすめします。
小さなカフェの内装費用を抑える方法
カフェの内装工事は、広さや工事内容によって費用が大きく変わります。ここでは、小さなカフェの内装工事費用を抑える方法を紹介します。
DIYを活用する
少しでも内装工事の費用を抑えたい方は、無理のない範囲でDIYを活用しましょう。DIYであれば、いわゆるデザイン料や工賃がかからないため、材料費のみで内装工事ができます。 もちろん、プロの職人のクオリティと差が出ることもありますが、自分のカフェをDIYで仕上げることで、より愛着がわき、コンセプトが強いカフェになるでしょう。
ただし、電気工事や水道に関してはDIYの対象範囲外となります。これらの施工には専門資格を保有していなければならず、知識のない方による工事は非常に危険です。 そのため、DIYは壁の塗装やクロスの張り替え、作り付けのカウンターテーブルや棚を自作するなどが現実的な範囲となります。
安価な材料を使用する
カフェの内装工事では、使用する建材などによっても工事費用が大きく変わります。内装デザインや素材にもこだわりだすと、どんどん金額が膨れ上がってしまうことも少なくありません。 ただ、少しでもコストを抑えたい方は、可能な限り安価な建材を使ってみるのもよいでしょう。たとえば、本物のタイルではなくタイル調のクロスを使うことで、材料費を大幅に抑えることが可能です。
そのほか床材や壁材なども、同じようなデザインであってもメーカーや種類によって単価が異なることがあるので、施工業者と相談しながら金額調整していくことをおすすめします。
造作家具を減らす
よりよい内装をつくるために、市販の家具ではなく、造作家具の導入を検討している方もいるでしょう。ただ、造作家具は完全オリジナルで製作するものなので、どうしても費用が高くなってしまいます。 そのため、こだわるところのメリハリを付けて、造作家具を減らし、費用を抑えることが大切です。もちろん、こだわりたいところには、しっかりとお金をかけて造作家具をつくるのもよいでしょう。
小さなカフェではコンセプトや内装デザインが非常に大切なので、しっかりとメリハリをつけて、工事費用を調整することがポイントです。
居抜き物件を活用する
先述のとおり、居抜き物件とスケルトン物件とでは工事費用に大きな差があります。居抜き物件であればスケルトン物件の約半値で内装工事ができるので、初期費用を抑えたい方にぴったりといえるでしょう。 そもそも居抜き物件とは、もともとの間取りやデザイン、設備などを有効活用できるのがメリットのひとつです。使えるものは使用して、変えたいところはこだわりをもって工事をするといったように、メリハリをつけることが重要なポイントとなります。
相見積もりを取る
内装工事にかかる費用は、店舗の面積や工事内容に加え、施工業者によっても異なります。ほとんど同じ工事であっても、施工業者が違うだけで見積もりに差が出ることも少なくありません。 実際に施工を依頼する業者を決めるときは、複数の業者から見積もりを取り、比較することが大切です。複数の業者から相見積もりを取ることで、相場感を把握できるだけではなく、設計士やデザイナー、営業担当者の対応も見ることが可能です。
もちろん、見積もりが安いからといって優良な施工業者とは限りません。施工業者を決めるときは、見積もりの確認はもちろん、担当者の対応やアフターフォローなどもあわせてチェックしておきましょう。
ワンストップ業者に依頼する
DIYを活用したり、使用する建材を調整したりするほか、ワンストップで対応してくれる業者に依頼するのもおすすめです。たとえば設計事務所に工事を依頼した場合、設計料がかかるだけでなく、設計事務所から下請けの施工業者に依頼するので、中間マージンが発生します。
さらに、機材や設備の搬入についても別会社に依頼しなければならないので、追加で費用がかかってしまうことも少なくありません。 しかし、ワンストップに対応した業者であれば、設計から内装工事、機材搬入などを一貫して行ってくれるので、中間マージンを大幅にカットでき、結果的に工事費用を抑えることが可能です。
また、打ち合わせから引き渡しまで、すべてワンストップで対応してくれるので、複数の業者とやり取りをする必要がないのもメリットといえるでしょう。 テナント工房では、物件探しやデザイン設計に加え、施工やアフターフォローまで、トータルサポートに対応しています。お店づくりのパートナーとして、さまざまな視点から最適な提案いたします。
まとめ
小さなカフェの開業こそ、内装デザインはとても重要になります。カフェの内装づくりをするときは、いかに居心地のよい空間をつくれるかをポイントにして意識しましょう。 とはいえ、店舗の広さや工事内容によっては、想像よりも工事費用が高くなるケースも珍しくありません。DIYを活用したり、安い建材を使ったりして、工事費用を抑えるのもよいでしょう。
店舗デザイン設計や開業、改装を得意としているテナント工房では、予算や要望に合わせた最適な提案をいたします。小さなカフェの開業を考えている方は、ぜひテナント工房にご相談ください。