1人美容室を成功させるための内装ポイントや費用を解説

  • 2024.1.18

  • 最終更新日:


目標だった1人美容室を開業しようと考える人も少なくないでしょう。しかし、1人美容室を開業するにあたって、悩みの種となるのが内装です。

 

どういった部分にこだわればよいのか費用はどの程度かかるのか、内装に関する悩みは尽きません。そうした悩みを解決するために、本記事では1人美容室の内装について詳しく解説します。


1人美容室の内装にこだわるべき理由

1人美容室を始める場合、内装にこだわることをおすすめします。理由としては以下の2つです。

・利用者の満足度を向上させられるため
・集客につなげられるため

利用者の満足度を向上させられるため

内装をこだわることで利用者の満足度を向上させることができます。

チェーン店の美容室だと、あらゆる利用者に向けて内装を設計しているのでどうしても淡白なレイアウトやデザインになってしまいます。しかし1人の場合、オーナーの好みを反映できるので内装に個性を出すことが可能です。

チェーン店のような淡白な内容と比べると、利用者の満足度は高まります。

集客につなげられるため

こだわった内装は集客にもつなげられます。

たとえば、近所に存在しないような雰囲気の内装であれば、利用者を通じて話題になります。話題を聞いた人が美容室を訪れるかもしれません。

また、個性的な店舗は同じような内装の店舗が生まれにくい傾向にあります。そのため、内装を気に入った利用客は同じ店舗を利用するはずです。このように、内装にこだわる1人美容室は集客の面で有利になると言えるでしょう。


1人美容室の開業のメリット・デメリット


1人美容室の経営方法や店舗の立地、デザインは、通常の美容室とは異なります。そのため1人美容室には、通常の美容室にはないメリットやデメリットがあるのが特徴です。したがってこの章では、1人美容室のメリットやデメリットを紹介します。

メリット

1人美容室のメリットは以下の4点です。1人美容室のメリットは以下の4点です。

・労働時間が自由
・思い通りの店作りができる
・売上の利益がすべて自分のものになる
・経費の負担も軽い

労働時間が自由

1人美容室は従業員が1人だけであるうえ、シフトも自身で決定できるので、通常の美容室よりも自由な働き方を実現できます。病気や冠婚葬祭などでやむを得ず休む場合でも、シフトを気にしなくてよい点がメリットです。


思い通りの店作りができる

1人美容室の場合、すべての決定権は自分にあるため思い通りの店作りができます。反対に通常の美容室では、オーナーや店長の許可を得ないことには自分好みの店作りはできません。イメージした店作りをそのまま実現できる点は、1人美容室のメリットだと言えます。


売上の利益がすべて自分のものになる

1人美容室では、売上から必要経費を引いた額がそのまま利益になります。ほかの従業員を雇っている場合、人件費がかかるため、どれだけ売上が上がっても思うように利益が上がらないケースも少なくありません。通常の美容室で働いていたときよりも稼げる可能性が高い点は、1人美容室のメリットだと言えます。


経費の負担も軽い

1人美容室と通常の美容室で異なるポイントとして挙げられるのは従業員の数です。通常の美容室の方が従業員数が多くなるため、かかる人件費は必然的に通常の美容室の方が多くなります。その点1人美容室は従業員が1人なので、その分利益も増えるというわけです。

デメリット

1人美容室のデメリットは以下の4点です。

・ 集客に苦労する
・収入に限界を感じる
・長期的な継続が難しい
・計画不足による経営不振
・廃業の恐れがある


集客に苦労する

1人美容室を経営するということはすべての業務を自ら行う必要があります。業務のひとつには集客も含まれており、集客力が低いと顧客を確保できません

顧客を確保できないと利益に繋がらず、経営を続けていくことが難しくなります。通常の美容室であれば、集客が得意な従業員に任せたり、複数人で集客を行ったりできるでしょう。


収入に限界を感じる

美容室の売上をアップさせる方法としては、単価や回転率を上げたり顧客数を増やしたりする方法が挙げられます。単価の増加は1人美容室でもできますが、回転率や顧客数の増加は1人ですべての業務を行う必要があるため1人美容室では限界があります。このように、売上をアップさせる方法が限定されていることで収入に限界を感じることがある点もデメリットです。


長期的な継続が難しい

1人美容室には、店舗を永続的に経営していくのが難しいというデメリットがあります。理由は以下のとおりです。


・常連の顧客が年齢を重ねるため
・ 現在の経営スタイルが将来的に通用しなくなる可能性があるため
・自分の年齢や生活環境に変化が出て経営できなくなる可能性があるため


こうした問題点を把握しておくことで、1人美容室でも長期的に経営を続けていくことが可能になります。

計画不足による経営不振・廃業のおそれがある

1人美容室では、計画から経営まですべて1人で行わなければいけません。計画の段階で問題点が発生していると、経営の最中に思わぬトラブルを引き起こす恐れがあります。最悪の場合、店舗を畳まなければいけないことになるので、初めて開業する場合は計画の段階から慎重に進めていくことが重要です。


内装で意識すべきポイント7選


内装で意識すべきポイントは以下の7つです。


・コンセプトを明確にする
・ターゲットを決める
・統一感を出す
・お客様の居心地を重視する
・動線など機能性にもこだわる
・保健所の規定を遵守する
・理想を叶えられる業者に依頼する


コンセプトを明確にする


1つ目はコンセプトを明確にすることです。コンセプトを明確にする理由は以下のとおりです。

・他店舗との差別化を図れるから
・店の経営方針が固まるから

コンセプトを定めることは、その店にとっての強みになります。店舗を大きくしたり集客力を向上させたりするうえでは大変重要です。

たとえば、おしゃれで洋風な雰囲気を醸し出す美容室を作るとします。付近にそういった雰囲気の美容室がない場合、洋風な雰囲気の美容院が好きな利用者の多くはこの美容室を利用するでしょう。

しかしコンセプトを決めないままだと、利用者からの印象は薄れます。よりコンセプトをはっきりとさせた美容室に通ってしまうでしょう。

また、コンセプトを明確にすると経営方針も固まります。雰囲気に沿った経営を心がけるため、目指すべき目標や指針がはっきりするというわけです。

ターゲットを決める

2つ目はターゲットを決めるということです。ターゲットを決める理由は以下のとおりです。

・利用者の視点で内装を決められる
・万人受けを考えるよりも効果的
・コンセプトとのズレをなくせる

ターゲットを設定すると、利用者のイメージが明確に浮かんできます。どんな性格でどういった悩みを抱えていて、どんな要望があるのかがわかると内装にも反映できるでしょう。つまり、利用者のニーズを満たせる内装作りができるというわけです。

また、1人のターゲットに向けて考えられた内装は、万人受けする内装よりも強い印象を与える傾向にあります。たとえば、以下のようにターゲットを絞るとします。

・20代
・女性
・東京都在住
・食品会社勤務
・明るい雰囲気が好き
・趣味はカフェ巡り

このようにターゲットを絞ると、条件に当てはまる利用者は強い印象を持ってくれるでしょう。しかし、万人受けしようとさまざまな要素を取り入れたり、反対に無機質な内装にしてしまうと、だれにも強い印象を持たれません。このように内装を決める際はターゲットを決めることも重要です。

統一感を出す



3つ目は統一感を出すということです。たとえば「明るい暖色を用いた温かみのある雰囲気」をコンセプトにした内装にするとします。

そうした美容室の店内に、銀色で機械的な椅子や冷たい色の照明があると雰囲気を壊してしまうでしょう。「明るい暖色を用いた温かみのある雰囲気」を求めてきた利用者の満足度が高くなるとは言えません。そのため、内装には統一感を出しましょう。

たとえば、先ほどの雰囲気の美容室にしたいのであれば、丸みのある暖かい色の椅子や暖色の照明を利用すると統一感を出せます。さらに統一感を出すためには、オーナーのユニフォームや接客態度にも気を配りましょう。暖かい雰囲気で接客を行うことで、コンセプトに沿った雰囲気を演出することが可能です。

お客様の居心地を重視する



動線など機能性にもこだわる


5つ目は動線などの機能性にもこだわるという点です。内装の設計というと、どうしてもデザイン面に意識が向いてしまうでしょう。

 

しかし、内装の設計には動線や機能の設計も含まれます。デザイン面だけ充実させても、動線や機能面が充実していないと利用者の満足度は落ちてしまうでしょう。

 

たとえば、コンセプトをはっきりとさせたデザイン性の高い美容室があったとします。デザイン面では目を引くものがありますが、シャンプー台への動線が悪かったり椅子の座り心地が悪いと、利用者の評価は下がってしまいます。

 

内装のデザインで獲得した強い印象やよい評価が台無しです。そのため内装を設計する際は、動線や機能面にも気を配りましょう。

保健所の規定を遵守する


6点目は保健所の規定を遵守するという点です。

美容室を開業する際、保健所が設けた規定を満たす必要があり、規定から外れていると開業ができません。

そのため、以下の内容を理解しつつ開業の際に規定を満たしておくようにしましょう。

・作業椅子は店舗の面積に相応しい数になっているか
・美容業務を行うスペースと待合スペースは区別されているか
・流水装置や消毒用の流し台は設置されているか

なお、作業椅子や面積に関する規定は、以下のように詳細が公表されています。

・美容業務を行うための部屋は1部屋につき13平方メートル以上
・13平方メートルの作業室の場合、置ける作業椅子は6つまで
・作業椅子の数を増やす場合は、1つにつき3平方メートルの面積が必要
・個室を設ける場合は、個室1部屋につき13平方メートル以上の面積が必要

理想を叶えられる業者に依頼する

6つ目は理想を叶えられる業者に依頼するという点です。どれだけ魅力的で充実した内装を設計しても、その内装を再現できる業者に依頼しないと意味がありません。

場合によっては、個性やコンセプトが薄くなり、経営に支障をきたす恐れもあります。そのため、内装を依頼する業者は理想を叶えられるようなよい業者を選ぶようにしましょう。なお、よい業者を選ぶ際には以下のポイントを意識することが重要です。

内装のイメージを考えておく
時間をかけて打ち合わせを行う
複数業者を検討する
実績を見る

とはいえ、ここまで紹介したポイントをすべて実現してくれる業者を見つけるのは簡単ではありません。しかし、トータルサポートを実施しているテナント工房であれば、計画からアフターフォローまですべて対応させていただきます。店舗が完成したあとも徹底的にサポートさせていただきますので、ぜひお問い合わせください。




1人美容室に必要な内装設備


1人美容室に必要な内装設備は以下のとおりです。

・スタイリングチェアと鏡
・シャンプー台
・レジ
・内装材

スタイリングチェアと鏡

利用客が座るスタイリングチェアと髪型を確認してもらう鏡は美容院にとって欠かせません。そのため、内装を設計する際はスタイリングチェアと鏡についても検討するようにしましょう。

また、スタイリングチェアには利用者が多くの時間座ることになります。そのため、スタイリングチェアの座り心地がよいほど利用者の満足度は向上するでしょう。

なお、スタイリングチェアや鏡は個性を出すことも可能です。内装に沿うようなデザインのものを選ぶとよいでしょう。

シャンプー台

レジ

カットやシャンプーなどの代金を管理するレジも必要です。美容室では、金銭管理のほかにも予約の管理や利益の計算なども行わなければいけません。すべてをひとつの機械で同時に行えたら便利です。

その場合は、POSレジがおすすめです。POSレジはさまざまな機能が搭載されており、金銭管理や予約管理機能が搭載されています。

複数のシステムをいくつも導入するより、POSレジをひとつ導入する方がコスト面でも節約可能です。業務効率も向上するのでぜひ導入したいシステムと言えるでしょう。

内装材

床や壁などの内装材は、保健所の規定を満たしたものを使用する必要があります。具体的には、コンクリートやタイルなどの不浸透性材料で簡単に清掃が行えるものです。絨毯やたたみなどは認められていないので注意しましょう。


1人美容室の内装にかかる費用

1人美容室の内装にかかる費用は200〜400万円であることが多いです。なお、全体の開業資金のうち、内装の費用が占める割合は半分ほどだと言われています。つまり、内装にこだわるほど全体的な開業費用は増えやすくなるということです。

店舗が広くさまざまな箇所にこだわりポイントを追加すると、内装にかかる費用が1,000万円を超えることも珍しくありません。

また、内装にかかる費用は物件の種類によっても異なります。以前の利用者が使っていた設備がそのまま残っている居抜き物件であれば費用は比較的抑えられるでしょう。しかし、1から設備や間取りを考えるようなスケルトン物件の場合、内装にかかる費用は増えます。

このように、内装にかかる費用はあらゆる要素によって変動します。内装にこだわるほど満足度の高い美容室が作れますが、その分費用も増加するでしょう。


内装工事を依頼できる業者の種類


1人美容室の内装工事を依頼できる業者には以下のような種類があります。

・設計または工事のみを請け負う業者
・設計から工事までを一括で請け負う業者

そこでこの章では、上記の業者それぞれのメリットやデメリットなどについて解説します。

設計または工事のみを請け負う業者

設計あるいは工事のいずれかを請け負う業者です。つまり、設計から工事までを行うのであれば、2つの業者に依頼することになります。

実際に依頼する際は、どちらの業者とも入念な打ち合わせを行うことが重要です。可能であれば、すべての業者が出席する打ち合わせを開くことをおすすめします。

また、種類の異なる2つの業者に依頼するため、業者間のスムーズな連携も必須です。間に入るオーナーには円滑なコミュニケーションが求められます。

メリット

設計あるいは工事のいずれかを請け負う業者に依頼するメリットは、設計や工事のクオリティが高いという点です。設計や工事のどちらかしか行わないということは、その分ひとつのことに費やす時間や労力が多いということです。設計業者であれば設計、建設会社であれば工事にすべての力を注いでくれるため、質の高い内装が完成するでしょう。

なお、記事の前半では、1人美容室にはコンセプトや統一感が必要だと述べました。設計あるいは工事のいずれかを請け負う業者に依頼することで、洗練された内装に仕上がります。

デメリット

設計または工事のいずれかを請け負う業者に依頼するデメリットは、時間と費用が多くかかることです。設計あるいは工事のいずれかを請け負う業者に依頼する場合、異なる2つの業者に依頼することになるため、その分多くの費用がかかります。1人美容室の場合、1人で開業することになるので、工事費用が増えるのは大きな負担になるでしょう。

また、業者を分けることで完成までに必要な時間も大幅に増えます。ある程度余裕を持って依頼することが前提となります。

設計から工事までを一括で請け負う業者

設計から工事までをすべて請け負ってくれる業者です。ひとつの業者に依頼するだけで、内装完成までに必要なことをすべて行ってくれます。

なお、設計から工事までをすべて請け負ってくれる業者とはいえ、設計を行うスタッフと工事を行うスタッフは異なります。あくまでも、ひとつの業者のなかに設計士や内装職人が存在するというわけです。

メリット

設計から工事までを一括で請け負う業者のメリットは以下のとおりです。

・やり取りがしやすい
・予算の目処が立ちやすい

1つ目はやり取りがしやすいという点です。ひとつの業者に依頼するだけで、設計から工事まですべて行ってくれるため、やり取りする相手は1箇所だけで済みます。設計と工事で別の業者に依頼すると複数箇所とのやり取りが必要になるので、人によっては面倒だと感じるかもしれません。

また、複数の業者とやり取りすると、業者の間で認識の違いが生まれるリスクもあります。そうしたリスクを減らせる点も、設計から工事までを一括で請け負う業者のメリットだと言えるでしょう。

2つ目は予算の目処が立ちやすいという点です。設計から工事までを一括で請け負う業者の多くは、設計から工事までの費用をまとめて見積もりを出してくれます。そのため、予算の目処が立ちやすいのが特徴です。

とくに1人美容室の場合、オーナーが予算の管理などを行う必要があります。そうした負担を低減できる点は大きなメリットだと言えるでしょう。

まとめ



1人美容室を開業する際は、あらゆるポイントを意識する必要があります。そのひとつが内装です。

よい内装は、お客様の満足度を高めたり集客の手助けになったりするため、1人美容室においては強い味方ですコンセプトやターゲットを明確にしたり統一感を出したりすることで、理想的な内装を手に入れられるでしょう。

とはいえ、そうした内装を実現してくれる業者は簡単には見つかりません。そこで一度、テナント工房にご相談ください。

テナント工房では、お客様が考える理想の内装を実現するために尽力しております。1人美容室にも対応しているので、1人美容室の開業を検討されている方はぜひお問い合わせください。