パン屋内装のカギは清潔さとおしゃれさ!内装工事にかかる費用目安など

SNSが流行している昨今、パン屋も内装にこだわったおしゃれな店舗が増えてきています。厨房の設備にも費用がかかりますが、内装にもこだわれば集客につながり、パン屋として成功できる可能性が高くなります。

しかし、具体的にどのような内装にすればよいのか、アイデアに悩んではいませんか。今回は、パン屋の内装工事を行ううえで押さえるべきポイントについて、解説していきます。

成功するパン屋の内装とは?

成功するパン屋とは、どのような内装をしているのでしょうか。まずは、経営成功のために意識すべきポイントについて、みていきましょう。

清潔さとおしゃれさがキーワード

キーワードとなるのは「清潔さ」と「おしゃれさ」です。食べものを扱うお店では、まず清潔であることが大前提となります。

誰しも、清潔な環境で作られている・売られているものを食べたいと思うでしょう。清潔さを感じさせることは、パン屋としての大切なサービスなのです。

たとえば壁は耐水性があり、すぐに水掃除できるような素材の壁紙だと清潔さを保ちやすくなります。床には、汚れが付きにくい平らな床材を用いるなどの工夫をしましょう。

また、店内の通路は、ゆとりをもたせることをおすすめします。人とすれ違うときに、手にとったパンが人に触れることを防げるからです。

おしゃれさについては、照明や商品の並べ方を工夫することで、顧客の目を引く内装に仕上げることができます。温かみのある照明を用いるほか、パンもインテリアだと思って陳列するなど、魅力を感じさせる工夫をしましょう。

パンの陳列の工夫は、そこまで費用をかけずともおしゃれさを演出できるため、経費面でもうれしいポイントだといえます。

立地にあわせたターゲット層の研究

ただ内装にこだわるだけでは、パン屋としての成功は難しいでしょう。立地にあわせたターゲット層を研究することで、ほかのお店と差別化を図れ、集客を上げることができます。

とくにパン屋は街中にいくつもあることが多いため、差別化を図るために、ターゲット層の見極めは非常に大切です。

年齢層が高めの方が多い場所では、高級感があって落ち着いた内装に仕上げるのがおすすめです。学生や若い人が多い場所では、ナチュラルなテイストの内装にするなど、ターゲット層に好まれる内装を目指しましょう。

パン屋の内装で必須の3エリア

ここまで、内装におけるポイントについて解説してきました。ここからは、とくに内装に力を入れたい3つのエリアについて、みていきましょう。

商品展示スペース

ひとつ目は、商品展示スペースです。パンが並べられるスペースは注目を集めやすく、顧客とスタッフが交わる空間であるため、内装にもこだわりましょう。

パンの並べ方によって、内装のレイアウトが決まります。レイアウトは「セルフ式」と「対面式」の2種類に大きく分けられます。イメージしているパン屋のコンセプトに合わせて、選択しましょう。

セルフ式の特徴

セルフ式とは、名前のとおり自分でパンを取る方式のことです。壁に棚を取り付ければ、多くのパンを置くことができます。

顧客がパンを取るため、スタッフはほかの業務に集中することができ、お店の回転率にもつながります。また、スタッフの人数が少なくてもお店を回せるため、人件費削減にも効果的でしょう。

一方で、デメリットもあります。パンの衛生管理を保つことが難しく、スタッフがパンを陳列しに行きやすい動線も考えて設計しなければなりません。パンを個包装にする工夫や、設計を事前に考えて、スタッフと顧客の動線がかぶらないようにする必要があります。

対面式の特徴

対面式とは、棚やショーケースに陳列したパンを顧客が選び、スタッフが取る方式です。セルフ式とは異なり、パンはスタッフが管理するため、衛生管理をしやすいのが特徴です。

さらに、顧客の動線とはかぶらずにパンを陳列することができるため、お店の面積が小さい場合にも対応できる方式です。

セルフ式よりもスタッフの業務が多くなるため、スタッフへの負担がかかりやすいのがデメリットといえます。また、ショーケースに入る分しかパンを陳列できない点や、顧客との接客時間が長くなることから、セルフ式に比べるとお店の回転率はよくありません。

新しい生活様式にそった工夫が必要

コロナ禍の影響で、新しい生活様式に対応する工夫も大切になっています。たとえば、パンの陳列スペースにはパーテーションを設置する、あるいはパンを個包装するなどの対応が求められます。

パーテーションや袋の用意・設置には、費用や手間がかかりますが、顧客の安全を守ることもお店の義務だといえるでしょう。

パーテーションのなかには、陳列したパンに上から被せて飛沫感染を防ぐタイプもあるため、費用や手間を考慮したうえで、導入を検討するとよいでしょう。

会計スペース

会計スペースでは、パンを選んでから会計までの動線がスムーズになるよう、レイアウトを考えなければなりません。

セルフ式では、顧客がパンを選んで会計スペースまで移動するため、とくに効率的な動線にすることが大切です。また、対面式でも、注文待ちの顧客が並ぶ場所を確保しておく必要があります。レイアウトを考えながら、レジの場所や数も設定していきましょう。

厨房スペース

厨房は、パンを作る重要な場所です。生地をこねるところから焼き上がりまで、効率よく作業できることが大切です。

スタッフの人数や厨房の面積に応じて、スタッフ同士がぶつからないように、適切な動線を考える必要があります。スタッフの動線がよいと作業効率が上がるため、無駄のない経営にもつながります。

センスのいいパン屋づくりのコツ

センスのいいパン屋には、いくつかの共通点があります。共通点を元に、パン屋の内装をセンス溢れるものに仕上げましょう。それでは、具体的にどのようなことに留意すべきなのか、解説していきます。

テイストやカラーの統一

内装は、テイストやカラーを統一することをおすすめします。統一感をもたせることで、洗練された空間を演出することができます。顧客も落ち着いてパンを選ぶことができるでしょう。

反対に、統一性が感じられないと、ゴチャゴチャした印象になってしまいます。その結果、顧客に「お店に入ってみたい」と思わせることができず、集客力を上げられません。

たとえば、高級感を演出したいのであれば、落ち着いた色味とインテリアでまとめるなどの工夫が大切です。

使いたいインテリアから内装を逆算する

使いたいインテリアがある場合は、インテリアから逆算して内装を設計しましょう。

たとえば商品を陳列する棚に、優しい色のクロスを使いたいと考えている場合、内装は温かみのあるデザインが合います。優しいオレンジ色や黄色などを基調に、デザインを考えていきましょう。

また、レンガをインテリアに使いたいと考えている場合には、レンガを置くスペースによって、レイアウトを考える必要があります。レンガは欧風なイメージを演出できるため、内装はナチュラルなテイストにする、あるいは白塗り壁にするのがよいでしょう。

パン屋と相性のいい木の建材や設備

木材は、温かみのある空間を演出することができるため、温かいパンとの相性は抜群であり、パン屋との相性がよい素材だといえます。

棚や机、インテリアに木材を取り入れるほか、木材系の壁紙を使うなど、内装に木材を取り入れましょう。フローリングや扉を木目調のものにしてもよいでしょう。パン屋と相性がよい素材を用いると、統一感のある洗練された空間に仕上げることができます。

レンガや漆喰も人気の建材

パン屋の内装には、レンガや漆喰も人気です。レンガも木材と同様に、温かい印象やカントリー風・欧風な印象を与えてくれるため、パン屋との相性はよいです。

また、パン屋と漆喰の組み合わせは意外ですが「和モダン」「シンプル」といった印象のお店にしたい場合には、おすすめです。漆喰の塗り方によっては、味のあるデザインに仕上げることができるため、内装工事の際に相談してみるとよいでしょう。

温かみのあるライティング

センスのいいパン屋づくりには、照明にもこだわる必要があります。照明には、ただ店内を明るくする役割だけでなく、店内の雰囲気づくりを担うといった役割も期待できます。

どのように照明を使えば最もパンが美味しく見えるのか、照明の当て方についても考えましょう。たとえば、暖色系の照明は温かみを感じさせるため、パンなど食べものとの相性がよいです。

一方、昼白色の照明を使うと、入店しやすい印象をもたせることが可能です。顧客のターゲット層にあわせて、照明を選びましょう。

さらに、照明そのものにもこだわるのがおすすめです。吊り下げタイプ照明のペンダントライトは、その形状自体がおしゃれなため、使っているだけでセンスのいいパン屋を演出できるでしょう。

また、シャンデリアは豪華な照明であるため、店内が華やかな印象になります。照明そのものについてもターゲット層に応じて選ぶことが大切です。

外からも商品が見えるディスプレイ

窓ガラスは透明にして、外からもパンが見えるように意識しましょう。パン屋に用事がない人でも、実際に陳列されたパンを目にすると購買意欲をそそられることがあります。

また、閉鎖的な空間には恐怖心を覚えやすいですが、店内の様子がクリアに分かると、安心して入店できます。新しい顧客を獲得できるチャンスでもあるため、店内の窓ガラスは透明なものをおすすめします。

独立したイートインスペース

敷地に余裕があるなら、独立したイートインスペースを作るのもよいでしょう。買い物のついでや小腹がすいたときに、ふらりと立ち寄れるパン屋にできます。

リピーターを増やせるメリットもあるため、敷地の面積に応じて、イートインスペースの用意を検討してみるとよいでしょう。

パン屋の内装工事費用とワンポイント

ここからは、実際に内装工事をするにあたって、押さえておくべきポイントについて解説していきます。

1坪あたりから算出する目安

内装工事は、1坪につき30~50万円が相場です。20坪ほどのパン屋なら、600~1000万円の費用がかかるということになります。

パン屋専用の厨房設備をはじめ、空調などの設備も必要であり、一般的に坪単価は高くなりやすいです。内装にこだわっている場合は、さらに工事費用が高くなります。

物件・工事業者選びによって坪単価を下げられるため、ポイントを押さえて賢く内装工事をしていきましょう。

居抜き物件を探すのも有効な手段

居抜き物件を探し出すのは、有効な手段のひとつです。前に使われていた内装や設備をそのまま使うことができるため、内装工事にかかる費用を大幅にカットできます。

ただし、内装とパン屋のテイストがあまりにも異なる場合や、設備が古くて使えない場合は、追加工事の必要が出てきます。そうなると、居抜き物件である理由がなくなってしまいます。必ず物件を下見して、思い描く理想のパン屋に近づけられるかチェックしましょう。

高額になりやすい厨房設備

パン屋に必要な厨房設備として、オーブンや冷凍・冷蔵庫、ミキサー、フライヤーなど、さまざまなものが挙げられます。

また、店内に換気フードやシンクがない場合には、設置する必要があります。必要な設備を一式揃えるためには、一般的に400~800万円ほどの費用がかかります。

内装工事とあわせると、1,000万円を超える費用がかかることになるため、どうにかして厨房設備にかかる費用を抑えたいと思う人が多いです。費用を抑えるためには、中古品やリースの利用を検討してみましょう。

中古品やリースで初期費用を抑えられる

すべての設備を新しいもので揃えようとすると、莫大な費用がかかります。しかし、中古品やリースを利用すると、費用を抑えることができます。

最初に中古品やリースで初期費用を抑えておき、実際にパン屋をオープンさせて売上を見てから、購入したい設備を検討することも可能でしょう。よほどのこだわりがない限り、まずは中古品やリースを使うのがおすすめです。

相見積もりをとる

工事業者は、いきなり決めるのではなく、複数の業者から見積もりをとって比較検討するのがポイントです。同じ内装の工事であっても、業者によってかかる費用が異なります。また、業者の得手不得手もあるため、必ず相見積もりをとるのがおすすめです。

テナント設計に熟達した業者を選ぶ

業者を選ぶ際は、テナント設計に詳しいかどうかをポイントにするとよいでしょう。たとえば、デザインを専門とした設計事務所に内装工事を依頼すると、デザイン性は高くなるものの、顧客やスタッフの動線まで細かく設計するのは難しい可能性があります。

また工務店をはじめ、施工がメインの業者に依頼すると、価格を抑えやすいメリットがあるものの設計力が低い可能性があります。そのためパン屋の内装工事には、設計から内装工事まで一貫して担当する内装工事会社がおすすめです。

まとめ

成功するパン屋を作るためには、清潔さを感じさせる店内かつ、顧客とスタッフの動線が効率的に設計されていることがポイントとなります。そのためには、お店の設計から内装工事までを一貫して担当してもらえる業者に、内装工事をお願いすることが大切です。

テナント工房は、設計から内装工事、アフターメンテナンスにもしっかりと対応している会社です。なかでも顧客とスタッフの動線を重要視しているため、成功するパン屋に最適な設計を提案してもらうことができます。

物件探しも依頼できるため、パン屋の場所探しにお悩みの方にもおすすめです。パン屋の内装工事を控えている方や、新しくパン屋を開業する方は、テナント工房に内装工事を依頼してみてはいかがでしょうか。