失敗しないオフィス内装!オフィスデザインのコツや内装工事の種類、費用までオフィス内装工事をまるっと解説

  • 2023.4.3

  • 最終更新日:

オフィスは従業員が仕事をするのに不可欠な空間で、内装は重要なポイントです。オフィスの内装デザインにこだわることで、見た目の綺麗さが増すだけでなく、企業イメージや生産性の向上や社員のモチベーションアップなどにも繋がります。しかしオフィス内装をつくる際に何を意識すれば良いのか分からないと悩んでいる企業の担当者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、オフィス内装のメリットや内装デザインのコツ、内装工事の種類や費用などについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。


オフィスの内装をこだわるメリット

オフィスは従業員が1日の大半を過ごす場所であり、生産性やコミュニケーションに大きな影響を与えます。環境が整っていないと、業務効率が落ちたり集中できなかったりするおそれがあります。
そのため、従業員が適切に力を発揮できる環境づくりには、しっかり力を入れるべきでしょう。ここでは、オフィスの内装をこだわるメリットについて、詳しく解説していきます。

生産性が向上する

内装が整っていると、従業員が快適に働ける環境が整備されます。その結果、生産性が向上するのです。たとえば、明るく広い空間や快適な温度、騒音を低減する工夫などは、従業員のストレスを減らし、仕事に集中できる環境をつくり出します。仕事に必要な道具や、資料を手軽に取り出せる収納スペースや、快適な椅子やデスクなども、仕事効率を上げるために重要な要素です。また、席が自由に決められたり休憩スペースがあったりすると、メリハリをつけて働けるでしょう。

オフィスは仕事をする場所のため、生産性の向上は必ず達成したい項目です。内装を考える際は、生産性が向上するつくりになっているか念頭に置いておきましょう。


企業ブランディングのイメージ向上が見込める

オフィスの内装にこだわることは、企業のブランディングにも重要な役割を果たします。社員だけではなく顧客も目にする空間のため、印象的な空間を創り出せれば、企業イメージを高められるでしょう。具体的には、企業のカラーを壁や家具に反映させたり、ロゴをデザインしたインテリアを使用したりすると、会社のブランドや個性を明確に表現可能です。その結果、社外に対して、企業の認知度を上げられます。

また、内装が整っていると、従業員の表情にもつながります。従業員がいきいきと働いている姿を見れば、社外の方もいい印象を持つでしょう。社内のいい雰囲気が伝われば、企業に興味を持ってくれる人が増え、優秀な人材の獲得にもつながります。このように、企業ブランディングがうまくいくとよい連鎖が続くため、オフィスの内装は重要なのです。


コミュニケーションの活性化

内装が整っていると、従業員同士のコミュニケーションを活性化させられます。社員同士のコミュニケーションが活性化すれば、職場の雰囲気がよくなり、前述した生産性の向上や、企業ブランディングにもつながっていきます。

たとえば、ミーティングを行うためのスペースを設置すれば、アイデアの共有や意見交換がはかどるでしょう。ただ、コミュニケーションが活性化すると、必然的に話し声が生まれます。話し声が気になり、作業に集中できなくなってしまっては意味がありません。そのため、集中力が必要な作業を行う場所と、打ち合わせやコミュニケーションを行う場所を分けると、コミュニケーションの活性化と同時に、生産性の向上も達成できます。


社員満足度の向上と離職率の低下につながる

内装が整っていると従業員のモチベーションアップにつながり、離職率の低下が期待できます。この会社で働きたい、この空間で働きたいと感じると、会社を辞めようとは思わないはずです。おしゃれな空間であったり快適な空間であったりすると、従業員のモチベーションが上がります。モチベーションが上がれば離職率の低下に加え、前述した生産性の向上や、コミュニケーションの活性化にもつながるのです。

仕事はどこでやっても同じと考える方もいるかもしれませんが、内装にこだわるとこれだけのメリットが挙げられます。会社や従業員のことを考えるなら、内装にはこだわるべきでしょう。



洗練されたオフィス内装デザインをするためのコツ5選

洗練されたオフィス内装デザインにするためには、いくつかコツが存在します。コツを知らずに決めていってしまうと、居心地の悪い空間になりかねません。

会社や従業員にとって必要不可欠な、おしゃれで働きやすいオフィスになるための5つのポイントを押さえておきましょう。

  • 1.コンセプトを明確化する
  • 2.コーポレートカラーを考慮する
  • 3.社員へヒアリングを行う
  • 4.フロアごとの必要な要素を明確にする
  • 5.動線やレイアウトを意識する

1.コンセプトを明確にする

内装を決めるときには、まずコンセプトを明確にするのが重要です。コンセプトの例としては、シンプルな内装で生産性を第一に考えるのか、ウォーターサーバーや食堂を設置して福利厚生を第一に考えるのかなどがあります。

コンセプトが決まっていないと、内装がちぐはぐになってしまいます。ちぐはぐな内装は雑然とした印象を与え、落ち着かない空間となるため避けなければなりません。内装を決める際は、コンセプトの明確化を忘れないようにしましょう。


2.コーポレートカラーを考慮する

コーポレートカラーとは、企業のイメージとして使われる色のことです。色の組み合わせによって、企業が持つイメージを無意識に消費者へ届けています。

たとえばブルーは、信頼感や清潔感を与える色です。そのため、信頼がとくに重要な銀行や、生命保険会社で使われやすい傾向があります。また、集中力を高める色でもあるため、従業員の生産性向上にも役立つでしょう。

コーポレートカラーをオフィスに反映させると、企業のイメージを確立し、従業員の帰属意識の向上も可能です。


3.社員へヒアリングを行う

オフィス内装のデザインを考える際には、実際に働く社員へのヒアリングも大切です。具体的には、座席の配置や照明、色使いなどです。社員へのヒアリングを行うことで、オフィスの課題点などもより見えやすくなります。

また社員の意見が採用されることで、自分たちのオフィスという一体感や満足感を感じやすくなり、新しくなったオフィス内装デザインをよりポジティブに受け入れられるようになります。


4.フロアごとの必要な要素を明確にする

内装は方向性が重要ですが、何もすべてのフロアを同じ空間にする必要はありません。むしろフロアによって必要な要素は異なるため、フロアごとに何が必要か考えるのがおすすめです。

たとえば多数の社員が一定の時間を過ごすようなメインフロアなどの場所では、シンプルなデザインでまとめると、気が散りにくく作業に集中しやすいでしょう。

クリエイティブな業務を行う部署では、アイデアの共有や創造性を高めるためのスペースがあるとよいです。ホワイトボードやスクリーンを設置することも考えると良いでしょう。

顧客とのミーティングなどを行う場所では、セキュリティやプライバシーの確保に気をつけなければなりません。たとえオフィス全体で開放感を重要視していたとしても、機密性の保持には注意しておく必要があるでしょう。

このように、全体の方向性を意識しつつフロアごとでもコンセプトを意識するようにするだけで、働きやすいオフィス内装につながります。


5.動線やレイアウトを意識する

オフィス内装デザインを考える上で、動線やレイアウトを考えるのはとても重要になってきます。来客が多いオフィスは会議室を入口近くに配置する、業務上連携の多い部署はコミュニケーションが取りやすいデスク配置にする、個人情報の取り扱いが多い部署はセキュリティを高めやすいつくりにする、など企業業態や働き方によって、仕上がりが大きく変わってくるポイントになります。

個人では難しいポイントにもなりますので、内装会社に現状をしっかり伝え、どのように配置するのばベストか提案をしっかり貰うと良いでしょう。

オフィス内装の案として、スケルトン天井のメリットをこちらの記事で紹介しています。



オフィス内装工事の種類

オフィスの内装工事にはいくつかの種類があります。オフィスの内装工事と言っても自社ビルか賃貸で出来る範囲が変わってきます。賃貸オフィスは、入退去時に内装工事や原状回復工事が必要です。工事はA工事・B工事・C工事の3種類に区分され、それぞれ対象工事が異なるほか、工事業者を指定したり、費用を負担する側が異なります。

工事区分

A工事 B工事 C工事
対象工事 共有部分で建物の躯体がメイン テナント内の専有部分で建物全体に影響を及ぼすもの 専有部分のうち建物全体に影響を及ぼさないもの
工事業者の指定 オーナー オーナー テナント
工事業者への発注 オーナー テナント テナント
費用負担 オーナー テナント テナント

仮設工事

業者と契約後、内装工事を行う前に、仮設設備を現場に設置する場合があります。これが、仮設工事です。

たとえば、作業員のための仮設トイレや作業場所を確保するための足場、仮設壁などです。これらは、工事中に作業をスムーズに進めるために必要になります。また、現場の安全確保のため、一時的な防火設備や消火器の設置も重要な工程です。


軽天工事

軽天工事では、天井に通す配線や器具のスペースを確保するために、天井に取り付ける鉄骨や吊り下げ金具を取り付ける作業を行います。

軽天工事では、軽鉄材という軽量の鉄骨材を使用します。軽鉄材は薄く火災にも強いため、天井に使う材料としては最適です。あまり目がいかないポイントかもしれませんが、重要な工程です。


建具工事

建具工事は、ドアや窓を設置する予定の開閉部分に扉を取り付ける作業です。建具はいわゆる扉のことで、開け閉めのための機能性はもちろん、オフィスのイメージを決定づける要素のひとつでもあります。

また、建具は出入りするドアや換気用の窓だけでなく、光を取り入れるための窓や防音・遮音のためのドアなどの種類があります。うまく活用すれば、快適な環境につながります。素材や色、デザインなど、内装との調和を考慮したうえで建具を選びましょう。


内装工事

内装工事では天井や壁、床などの表装を仕上げたり、壁に造作家具を取り付けたりする作業が行われます。

軽天工事で照明器具のスペースが確保されているため、天井に埋め込む照明器具の設置もここで行います。壁の工事は壁に必要なパーツを取り付け、壁材を貼り付ける作業です。壁に埋め込むコンセントやスイッチの設置をします。

床の工事では、床材を敷き詰めていきます。造作家具工事は、壁面や天井面に取り付ける棚や仕切りなどを設置する作業です。造作家具はいわゆるオーダーメイド家具のため、ニーズに合わせた設備を導入できます。


表装工事

表装工事は壁や天井、床などの内装材に仕上げを施す作業です。具体的には、下地処理やクロス貼り、塗装などです。

内装のデザインに合わせて、カーテンやブラインド、シャッターなどの取り付けも行います。企業のロゴを入口に掲げるケースでは、企業ロゴの設置もここで行われます。


電気設備工事

電気設備工事では、文字どおり電気設備に関する工事が行われます。具体的な作業内容としては、配線の配色や処理、制御盤や配線パネルの取り付け、LAN配線や電話回線の配線などです。

電気設備工事は電気工事士の免許が必要であり、法規制に適合しなければなりません。しっかり対応してくれる業者を選びましょう。



内装工事費の目安

内装工事をする際には、必ず費用がかかります。しかし、かかる費用には大きな差があり、どのように予算を立てるかは悩ましい問題です。

費用がいくらかかるかを知っていれば、見積もりの時点で対策を立てられます。ここでは内装工事費の目安を紹介するので、予算を考える際の参考にしてください。


坪単価は10万円~30万円ほど

まず、内装工事費の目安としては、坪単価で10万円から30万円程度です。そのため、50坪であれば500~1,500万円、100坪であれば1,000~3,000万円ほどと考えられます。
ただし、工事の種類や物件によっては、この目安よりも高額になるケースがあります。たとえば、高級素材を使用したり設備を充実させたり、物件がスケルトンの場合などです。最終的にどのくらいの坪単価になるかは、必ず確認しましょう。



オフィス内装工事のコストを抑えるには?

ここではコストを抑えるための方法をご紹介していきます。

相見積もりは入念に

費用を削減するためには、複数の業者に見積もりを取る、いわゆる相見積もりが必要です。相見積もりを取ると、費用が比較できるため、より適正な価格で依頼できます。
業者選定はオフィスの完成度に直結するため、相見積もりは入念に行うのがおすすめです。相見積もりを取ると、明らかに高額な費用がかかっているケースや、逆に見積もりが安すぎるケースもあります。


そのようなときは見積もり段階で警戒できるため、トラブルが起こる確率を減らせます。相見積もりに加え、評判や口コミなどを調べておくのもおすすめです。

居抜き物件で費用削減も

費用を削減する方法としては、居抜き物件を利用するのもおすすめです。居抜き物件とは、前のテナントが使っていた内装をそのまま活かすことです。

床や残っている設備の状態がよければ、そのまま使用できます。そのため、居抜き物件を利用すると費用を大幅に削減可能です。

居抜き物件は急ぎでオフィスが必要なときや、内装のデザインを考える手間を省きたいときにおすすめです。ただし自由度が低かったり、内装の変更が必要なときは費用が発生したりするため、注意しましょう。


費用をかけるべき箇所の優先順位をつける

まずはオフィス内装の工事の目的をしっかりと決めることが大切です。その上で、工事を行う場所や費用をかける優先順位を決めましょう。

たとえば商談が多い企業であれば、受付の綺麗さや商談室を個室にするなど、商談が成立しやすい空間をつくったり、クリエイティブな企業であれば広い作業スペースを設けたりなど、会社に適したオフィス内装工事を行うことで余計なコストを抑えること出来るでしょう。



オフィス内装工事の流れ

オフィス内装の工事を検討している場合の基本的な流れを説明します。スムーズに工事を進めるためにも、どの段階でどのような作業が発生してくるのかを理解しておきましょう。


1.現状の課題を洗い出し、目的を決める

内装工事を行う目的をはっきりさせるために、まずは現状の課題を洗い出しましょう。目的やコンセプトが決まることで、優先順位をつけることができ、予算やスケジュールなどの調整もしやすくなります。


2.業者の選定を行う

内装工事には、デザイン設計と施工の2つがあります。デザイン設計と施工をどちらも一貫して行える業者を選ぶと、窓口が一つとなり、また費用も抑えやすくなります。

また得意分野が異なる業者も多いので、オフィス内装工事が得意な業者を選定するのもポイントです。HPなどに施工事例などの掲載があるかの確認も行いましょう。

3.デザイン設計


業者と詳細な打ち合わせを行う段階です。考えているコンセプトや内装イメージをしっかりと伝えましょう。自分が考えているイメージに近い画像なども用意しておくと伝わりやすくなります。

4.見積依頼


デザイン設計を基に見積り作成を依頼します。この時にだいたいの工期や作業内容が明確になります。もし希望や条件と合わない場合は、再度調整をしてもらったり、業者を選び直したりする作業が発生します。

5.工事契約・スケジュール


デザイン設計、見積りに問題がなければ契約となります。契約後、工事スケジュールも確定してくるので、それに伴い社内外への告知のスケジュール立ても行うと良いでしょう。また工事中に問題が発生し、工事の完了が遅れる場合もあります。余裕のもったスケジュール調整が大切です。


6.竣工・引き渡し

オフィスの内装工事が完了し、物件が引き渡される段階です。工事完了後は、発注通りに仕上がっているかを必ず確認するようにしましょう。



オフィス内装を決めるときの注意点

内装を決めるにはコツがありますが、同時に注意点も存在します。注意点を知らないと、後悔する原因になりかねません。

望みどおりの環境をつくるために、注意すべき点を把握しておきましょう。ここでは、オフィス内装を決めるときの3つの注意点を解説します。

消防法と建築基準法を確認する


内装を決める際には、消防法や建築基準法にしたがって設計・施工する必要があります。これは、万が一火災が発生したときや、地震などの災害時に安全を確保するためです。

消防法では、建物の耐火性能や防火設備、非常口の設置などが定められています。建築基準法では、建物の構造や設備、スペースの広さなどが定められています。

これらの法律を遵守しないと、建物の安全性が脅かされるだけでなく、法的な問題にもなりかねません。そのため、内装を決める前には、必ず消防法や建築基準法を確認し、遵守するようにしましょう。


テナント契約やルールを確認する

内装を考え始める前に、テナント契約やルールを確認しておきましょう。テナント契約には内装に関する規定が含まれているケースがあり、知らずに規定を破るとトラブルになりかねません。

たとえば、壁や天井を塗ってはいけない場合や、床材が特定の種類に限定されている場合などです。また、オフィス内の照明や騒音など、ルールが設けられているケースもあります。

ルールを守らないと最悪契約を解除されてしまうため、必ずテナント契約やルールを確認しておきましょう。



オフィスの内装デザインの事例

実際にオフィスの内装デザインの事例をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

滋賀のオフィスデザイン

株式会社佐藤医科器械製作滋賀工場

各所にあしらわれた木目がやわらかい印象を与えてくれる雰囲気のあるオフィス。

一方で、ガラス張りの会議室は都会的な雰囲気があります。
部署内はもちろん、部署同士でのコミュニケーションが取りやすいオフィスです。


大阪のオフィスデザイン

株式会社ライズアセット

『不動産の商談の場に恥じない緊張感・高揚感と落ち着きを両立させた空間』
不動産業のオフィスにふさわしい、緊張感・高揚感と落ち着きのある空間が両立しています。
これまでなかったオンラインミーティングのためのブースを建物の柱型に配置し、本来ならばデッドスペースになる部分が有効活用されています。



まとめ

オフィスの内装にこだわると、従業員のコミュニケーションを活性化させたり、生産性を向上させたりする効果があります。そのため、企業にとっては重要なポイントでしょう。

ただ、やみくもにつくり始めるとオフィスの中がちぐはぐになってしまい、かえって業務に悪影響を与える可能性があります。そのため、内装を決める際は、今回紹介したコツや注意点を意識するようにしてください。工事の流れも知っておくと、スケジュールを考えながら進められるため、今回紹介した一連の流れを覚えておくのがおすすめです。