Episode.4 優好美容室 様


「髪とお肌に優しい美容室」として、ノンケミカルのカラー剤や骨格補正スパなど様々なメニューをご提供されている、滋賀県湖南市の美容室。ひとりひとりを大切にする1席だけのサロンにはこだわりがたくさん。弊社を選んでいただいた理由やオープンまでのエピソード・こだわりなどを、詳しくお伺いしました。



――問い合わせのきっかけ、決めた理由、業者選びで重視したことはありますか。

お客様:私の想いを汲んでくれる人を探しました。美容室を作ってくださる会社をネットで検索してあがってきたところに何件かお話聞いて。一番よく聞いてくださって提案してくださったのでテナント工房を選びましたね。


スタッフM(以下M):何件か行かはったんですか?


お客様:すみません、何件か行きました(笑)


M:いえいえ、ほとんどの方が何件か聞かはります。多いところで5社、7社とか普通なので!


お客様:あとはお店作ることに慣れてらっしゃる感じがしたのも大きいかもしれません。例えば、家がメインの業者さんは、お店のことで私がぱっと出た疑問を聞いてもあまり明確に答えを持っておられない感じがして。お店のことは詳しくはご存じないのかなって。


M:そのへんは得意です!


お客様:なのでそこがよかったですね!



――開業まで不安だったことはありましたか。

お客様:準備があまりにも早すぎたので私の場合は。なのでモノを買いに行ったのがめちゃくちゃ早かったんですよ。


M:そうでしたね。


お客様:こだわってしまったので、椅子とかは半年前にオーダーしないといけない品物で…本当に届くのかは当日まで不安でしたね。


M:方向性とか、こういう家具置きたいとかはほんまに早かった。初めて会ったときから決まっていたので。最初はご自宅のほうでやるってなってたけどそのときから決まってましたよね。


お客様:お店のことに関しては一切なにも不安はなかったですね。


M:集客に関して不安はなかったですか?


お客様:あんまりないんですよ。なんでしょうね、誰かしら縁があると思っているので…今も大丈夫なんでしょうか。こんなにゆっくり営業してますけど。なんの不安もないんですよね。


M:それは感じましたね。なんかこう不安に思うこととかないんだろうかって。

お客様:お客様にもすごく言われました、オープンしてから。でもないんですよ。あかんかったら世の中仕事は山盛りあるので、働いたらいいかっていう感じですかね。



――担当者目線でが不安だったことはありますか?

M:大丈夫かなっていうのはありましたけど、お客様はこんなんしたいんですっていうのが強かったから、逆にそのワクワク感をもっとワクワクさせてやろうとしか思わなかったですね!置きたい家具や、こういうテイストにしたいが決まってるなら、それを一回噛み砕いて、こうやってご提案したら、もっとやりたい欲を掻き立てらえるんじゃないかなというのはありました。不安はあんまり…たしかになかったかも、僕も。



――開業のきっかけを教えてください。

お客様:実はそんな前から決めていたわけではなくて。昔からやらないかって言ってくれていた美容師仲間がいて。その子がずっと言ってくれていたんですけど、いつもは無理無理って笑い飛ばしていたというか。でも1年前、テナント工房にお願いしに行くあたりでまた言われて、なんかそのときふと入ってきたっていうか、あ、やってみようかな、できるなら動いてみようかなっていう感じになって。 一回やってみてやれそうやったらやってみようくらいの感じで動き出したら、あれよあれよと言う間に話が進んで。いい方向に転がりだしてこのテナントを決めた感じ。ここが空いたことも奇跡やし。


M:ここは前も美容室で。色々条件があった中で、エリアも絞られていたし、物件あるかなって思っていたんですけど、ご自宅の話がなくなってから、すぐにここが見つかって。


お客様:え、もう見つかったの?って感じ(笑)開業のきっかけは…


M:息子さんが高校卒業されたタイミングっていうのもおっしゃってましたよね。


お客様:それもあります。今までは子育てしながら美容師をやっていたので、子供が家を出るって決まったときに、じゃあフルに戻ろうって思って。そのフルに戻る形をどうしようかなっていうのは全然決めていなかったんですけど、お店してみようかなって。やりたいことはいっぱいあったので、それをできるお店に次は行きたいなって思ってたんですけど、結局ね、自分がやりたいことは自分がやらないとっていう結論になりました。



――担当(営業)の印象はどうでしたか?

お客様:このままです!本当に話しやすくて。Mさんだけでなくて他の方ももちろん。打ち合わせ楽しかったですし。

あと、皆様から教わったのは「伝える」ってこと。お客様に”自分がこう考えるからこうする”をちゃんと伝えるっていうのを、気恥ずかしい部分もあって、あんまり常連のお客様に自分の今の想いやメニューの提案にしても、そこまでお伝えしてなかったので、それをちゃんと伝えないといけないし、お客様のことを思って勉強しないといけないなって思って。これは真剣な話で、営業さんとかも引き出しをいっぱい持ってくれてはるから、でもそれっていろんなお客様がいて、そのお客様に提案するために引き出しを沢山持ってらっしゃると思うので、私ももっと引き出しを増やさないといけないなと思いましたね。


M:私こんな店やりたいっていう想いはめちゃくちゃ伝わりましたよ!どちらかっていうとそれをお客様テイストに噛み砕いて伝えさせてもらった感じでしたね。



――上手くいかなかったことはありましたか。

お客様:なにもない!


M:ご自宅での開業ができなくなったことくらいですかね?


お客様:今となってはそれがよかったですけどね。


M:準備期間や設計期間は長かったんですけど、時間がかかったことをうまくいかなかったとは一切思わないので…むしろ最後までいっぱい悩んでもらって”こうかな?” ”でも僕はこう思います” って伝えさせてもらったからこの雰囲気ができたと思うし、僕としてもうまくいかなかったことはないと思います!



――印象に残っているエピソードを教えてください。

M:夜に鍵を持ってきてくださいって言ったことはありましたね…


お客様:ありましたね。私が閉めて帰っちゃって。


M:まだ工事中のときに照明の調整に来させてもらったら、鍵はあるけど、裏の勝手口のチェーンが締まっていて(笑)”どうしよかな、でも夜やしな、さすがに電話すんのも申し訳ないな”と思ったけど、このタイミングでやっとかないとって思って電話して…お風呂上がりにも関わらずっていうことがありました。あの時はすみません。


お客様:すごい遅くまで頑張ってやってくれはるんやなっていう、それが印象に残ってるかな。


M:あと、工事の最後のほうで、一緒にお店を見てもらって”もうちょっとこうしましょう” ”この商品どうやって置いたらいいと思います”とか。ああいうやり取りはめちゃくちゃ楽しいですね、お店をどう見せるかとか。一緒にやれたのはすごい楽しかったです。


お客様:よかったです。私も楽しかったです。もう一回違うジャンルでやりましょう。今度営業さんプロデュース店内で私が働きます!


M:本当ですか。めちゃくちゃ尖った店内にしますよ。


お客様:そうしましょう!それも面白いなって思っていて。今回は自分のほしいテイストがあって作ってもらったんですけど、誰かの作った中で仕事してみたいなっていうのもあって。全然私はなんにも言わずに、できればオープンまでなにも見ず、入ってみたい。


M:めちゃくちゃそれ嬉しいですけどね。この場所でカット何席・シャンプー何席であとは勝手にしてみたいな。どんなテイストでも文句言わへんし、予算これだけで、できあがったら言ってな〜って感じで。


お客様:それ一回見てみたいですね、面白そう!



――良かった提案はありましたか。

お客様:色ですね。空間の色。最後まで2人で議論したやつ(笑)私は青系、Mさんは暖色の赤系やと。。


M:これは理由があって。置きたいものとかこういうテイストにしたいとかが、悪く言うと、男くさすぎるものが多くて。それ自体は全然僕はいいと思うんですけど、プライベートサロンで女性オーナーが一人でやるってなったときに、男っぽい内装ってどうなんでしょうっていう話をしていて。女性に向けたサービスを充実させたいっていうのも聞いていたので、荒っぽいテイストは残すけど温かみのある女性らしい色味で整えたほうがいいと思うっていう提案をさせてもらって最後まで議論しましたね。


お客様:最後は私が諦めきれずにトイレだけをブルーにしました。


M:ここは意見を曲げなくてよかったと僕は思ってますね。


お客様:ほんとにこれは大正解!!


M:そこは僕が折れちゃうと30代40代くらいの男性オーナーさんが一人でバリバリ寡黙にやりますみたいな美容室になったと思うので…


お客様:暖色は優しさがあってやっぱりいいですよね。


M:そこはほんまに意識したというか、テイストが決まっていたぶんそこの軸をぶらすと、「誰のための何の店なのか」わからなくなりそうな気がしていたのでそこは強く言わせてもらいました。


お客様:それは本当に一番良かった提案ですね!



――こだわった箇所は。

お客様:全部!特にセット面ですね。スポットライトがここだけに当たっているように感じる空間をつくってほしいって言いました。


M:ここの見せ方はほんまに注意しましたよ、僕も。さっきの色味もそうですけど、僕の小さいこだわりはいっぱいあるんですよ。


お客様:そう、いっぱいある、めちゃくちゃいっぱいある。


M:そんなんだれも見てへんってみたいなこだわりがいっぱいある。天井も白に見えると思うんですけど、実は白ではなくて。でもグレーでもないんですよ。壁紙にちゃんと合うように装飾してもらって。


お客様:めちゃありますね、コンセントも。


M:コンセントも最初は付いていたやつをこのまま使いますっておっしゃっていて。ご予算もあったのでそういう話やったんですけど、これを変えないと家でやってます感が出るのでここは絶対やったほうがいいですよとお伝えしました。僕の頭の中にあるイメージを伝えるのはなかなか難しかったんですけど、全面がきれいになったときにこのコンセントはすごく目立つと思いますって色々説明させてもらって、クリーム色からシルバーのコンセントになりました。スイッチとかも全部、見えるところは提案させてもらって。


お客様:お店を作ったことがないのでどこまで浮くかが分からないというか。このままいけるんじゃないのって思ってしまうから。でもほんまにこれも変えてよかった。


M:あと、建具の色。既存のものに色を塗って表情を変えてるんですけど、どうしても2度塗りになると木目が消えてしまう。でもベタっと塗らないと色が載らなくて。そこをどうやったらできるかとか、微妙な風合いを出すにはどの色を塗ったらいいのとか、っていうのはこだわって考えました。



――オープンしてからのお客様の反応はいかがですか。

お客様:ほーんとに大絶賛、皆様!入ってきた瞬間からすごい!Instagramを見てる状態からすごいって言ってくださって。ものすごい喜んでくれてます。


M:嬉しいですね!


お客様:めちゃくちゃおしゃれ、ものすごい落ち着くって言ってくれます。それは営業さんが言わはった色味が大事なのかもしれない。


M:美容室って、どこかで赤の他人が1人いる状況が生まれるものやって皆思っておられるけど、ここはそうじゃなくて絶対に1対1じゃないですか。それがいいんだと思います。


お客様:セットは2面置いてオーナーさん1人でやってはるっていうのが多いじゃないですか。そうじゃないのがすごいって言われますね。ほんまにもう1人入れる気ないんやねって(笑)


M:坪数でいうと2席いけますもんね。


お客様:ね、取ろうと思ったら取れる。3つでもいけるって言ってはったので。


M:こんな立派なカウンターも他の美容室にはないですもん。


お客様:美容院がだめになったらバーにしてくれっていうお客様もおられました。それと、みなさん意味もなくソファに座っていいかって言って帰っていかはりますね。ここからの眺めがいいなって。


M:めちゃくちゃいいんですよ。ある意味特権なんですけど、家具が納品された瞬間「ちょっと座っていいですか」っていって座らせてもらって。


お客様:帰りたくないって今日のお客様も言っておられました。


M:めちゃくちゃ嬉しいですね、それ。


お客様:明日から仕事行くの嫌やって今日のお客様も帰っていかれましたよ。このドア開けたら現実や…って(笑)


M:現実逃避できる空間になってるのは嬉しいですね。



――お店のPR・今後の展望をお願いします!

お客様:髪とお肌に優しい美容室、10年後も美しい髪の毛を保ち続けていただくために作ったお店です。今後の展望は、今ちょっと勉強し始めている植物療法、薬草学、アーユルヴェーダを取り入れて…


M:え、なんですか?


お客様:「アーユルヴェーダ」。最古の東洋医学ですね。今メニューで骨格補正シャンプー、骨格補正スパをしているんですけど、それは柔道整復師さんの技術を入れているのでそっちは西洋医学。今度は東洋医学を取り入れようかなと。で、アーユルヴェーダと薬草学を今勉強し始めたところで、植物を使って美容をするっていうのをしていけたらいいなと。

あと、今後は完全にケミカルが使えない方にも対応できるようになっていきたいなと思っているので、ケミカルとノンケミカルをどういうふうに融合させるかっていうのが課題。道具一つにしても、一つのお店の中で混ぜれないので、その空間づくりが難しいなとは思ってますけど、できたら両方を取り入れたいなと思っています。

それと、”自然にも優しい”っていうのをしていこうかなと。循環できるサステナブルな美容室を目指したいです。商品も今プラスチックごみ削減のものを入れていて。【sell by weight(セルバイウェイト)】っていう、必要な分を必要なときに必要なだけっていうので中身だけを販売してるんですよ。初回だけボトルが必要な方にはお渡ししてるんですけど、次からもしよろしければボトル洗って乾燥させていただいて…


M:ボトルを持ってきてくださいってことですか?


お客様:そうです!ボトルを持ってきていただければ中身だけを量り売りするっていうのができるようになりました。


M:今までいろんな美容室さんとお付き合いさせてもらいましたけど、初めてです!環境にいいとか自然なとか。


お客様:それができたらいいなと思ってますね。美容院がお花の香りに変わればいいなと!



――素朴な疑問なのですが、どうしてノンケミカルの美容院をやろうと思ったんですか?

お客様:お客様がだんだんケミカルがだめな方が増えてきた。若い間って体の皮膚も強くて。でもだんだん年齢を重ねてくると、いろんなアレルギー反応を示されたりとかするようになってくるんです。自分と一緒にお客様も年齢があがってくるので、今までやっていたカラー剤がだめ、頭皮が荒れるだけでなくって気分的にしんどい、パーマを当てたいんやけどパーマ液の匂いがだめ、強い薬をつけているその感覚がだめ、っていう方がものすごく増えられたので、なにかできることがないかなって…そうなると、諦めることしかできないので。カラーをやめる、パーマをやめる、でもやりたい、それでなにか方法がないのかなって調べまくった結果、っていう感じですかね。そこに辿り着いて、それならやってみようって。


M:ちょっとヒリヒリする感覚って危ないんですか?


お客様:そうですね、私はゼロテクっていう技術をつかっているので、頭皮にはつけません。根本は染めるけど毛穴は染めないっていう。根本ギリギリまで染めます。でも頭皮にベタベタはやっぱりよろしくないんですよね、頭皮にダメージを与えてしまうので。今まではそれが普通だったのが、今見直されて変わってきているので、私もそれはやっていきたいなと思ってます。普通のカラー剤も50%刺激削減のものを取り入れています。私はそれを頭皮につけずに塗るのでかなりマシだと思います。シャンプーの仕方もお湯の温度も全部お客様にお伝えしています。

マメな方で2ヶ月に1回来てくださるんですけど、それでも年に6回しかケアしてあげられない。あとの約360日の頭皮と髪の毛はお客様に委ねないといけなくなるので、ここでどんだけ頑張って刺激少なく髪の毛と頭皮を未来のために…ってやっていても、家で何もされないと良くするのは難しいので、そのお話はしてますね。美容室のシャンプーを買っていただくのは、なかなか出来ないかもしれないんですけど、それでもできる限り内容成分をお伝えして、市販のシャンプーであるならばそういうのを選んで頂くように、成分を簡単にお話させてもらっています。そういうことをお伝えできるお店でありたいなと思ってます。もちろんうるさくなると良くないので。絶妙な距離感と声のトーンと気を付けていますね。

※本対談に記載の内容は取材当時のものです。(2022年4月)