アパレルの店舗デザインを決める際に押さえておきたいことまとめ

アパレルショップの店舗デザインは、お店の顔といえる部分です。デザインの方向性によって利用者に与える印象が変わるため、できるだけ慎重に決める必要があります。利用者が居心地のよい、好きだと思える空間を作れれば、長く愛されるお店ができるでしょう。

この記事では、アパレルショップの店舗デザインを決めるときに重視するべきポイントについて紹介しています。デザインに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。


アパレルの店舗デザインが重要な理由とは

アパレル業界において、店舗の内装デザインはブランドの広告としての側面を強く持ちます。店舗が打ち出したいブランドイメージを空間に反映することで、どのような商品を取り扱っているお店なのか、利用者へ即座に伝える重要な役割を担っています。

たとえば、アメカジファッションを扱うお店では、内装にヴィンテージ風建材を使用することで「アメリカの古い時代の味わいを楽しむ」という世界観を表すことができます。

つまりアパレルでは、ブランドや取扱商品の世界観=店舗デザインといっても過言ではありません。そのため、扱う商品と店舗デザインのイメージを統一させておく必要があります。

洋服と店舗デザインのイメージが一致されたお店は、自然と居心地のよい空間となり、購買意欲を刺激してくれます。集客力アップや売上アップが期待できるでしょう。


アパレルの店舗デザインを決める前にまずすべきこと

店舗デザインを考えているうちに、方向性に迷う方は多くみられます。以下では、アパレルの店舗デザインを決めるために、事前に押さえておきたいポイントについて紹介します。

ポイント①店舗のコンセプトを決める

コンセプトとは、お店の掲げるテーマや方向性のことをいいます。「ここはこういうお店である」という内容を表したものです。

お店を開業する際は、事前にコンセプトを決めておくと、内装を決定する際の軸となります。反対にコンセプトが定まっていなければ、デザインの方向性がぶれてしまう可能性があります。

そのため、必ずコンセプトを決めてからデザインを考えるようにしましょう。コンセプトを決めるためには

・商品の販売目的
・ターゲット層
・販売する商品
・商品の価格帯

を考えていくと良いでしょう。

商品の販売目的

販売目的を具体的に考えることも必要です。たとえば「個性的な洋服を販売するこだわりのセレクトショップにしたい」や「あたたかな雰囲気を感じさせる手作りの子供服を販売したい」などです。

たとえば前者であれば、外からでもディスプレイを見やすいようにしたり、トータルコーディネートしたマネキンで世界観をアピールしたりと、洋服の持つ個性を前面に押し出す工夫が挙げられます。

後者であれば、子ども連れの購買層にゆっくりと見てもらえるように商品間の空間を広く取り、明るく見やすい照明を設置するなどの方法がとれます。商品の販売目的を明確にすることで、効果的なディスプレイやレイアウトが導き出せます。

ターゲット層


商品を購入してくれるターゲット層を決めることは、お店のデザインを決める際の鍵になります。

ターゲット層に好まれる内装やインテリアにすることで「あのお店のデザインやディスプレイが好き」と感じてくれて、集客力のアップに繋がります。年代や年収、興味のあるものなど、ターゲットの研究が大切です。

販売する商品


店舗デザインと商品のイメージを合わせることで、なにを販売しているのか一目で認識してもらえます。たとえば、アウトドアウェアを扱うならアウトドアの雰囲気が感じられるデザインにする、アーバンスタイルを扱うならモダンな雰囲気の内装にするなどです。

店舗デザインと商品のイメージが合わないと、チグハグした印象になり、利用者にストレスを与えかねません。客離れの原因にもなります。

商品の価格帯

商品の価格によっても、お店にとって最適なデザインは異なります。手頃な価格帯の商品ならば、シンプルで親しみやすいデザインにすると、入店しやすいお店となります。

一方、高価格帯の商品なら、高級感を感じられるデザインにすると、重厚感や上品な印象を与えられます。普段から高価格帯の商品を購入する方は、商品独自の希少性や特別感を求めているため、魅力的に感じるでしょう。

ポイント②予算を決める

店舗デザインを考えているうちにイメージが膨らんでいき、当初考えていた以上の大がかりな工事を行う方や、高価な建材や設備を採用する方も少なくありません。また決めていたコンセプトからぶれやすくなるリスクもあります。そのため事前に予算を決めておくと安心です。

新規事業を立ち上げるときは店舗工事だけでなく、商品の仕入れやスタッフの採用、売上が安定するまでの資金繰りなど、さまざまな項目に資金を割かなくてはなりません。それらの点も踏まえて、予算設定しておくと良いでしょう。


アパレルの店舗デザインにかかる費用の目安



アパレルは、厨房や水回りの設備が必要ないため、内装費用を抑えやすいのが特徴です。店舗デザインの一般的な費用の目安としては、坪単価10〜40万円です。

居抜き物件を利用する場合は、坪単価を抑えられることもあります。居抜き物件とは、天井や床、内装、設備などが前のお店のまま残されている物件のことです。設備や内装を変更しなくても使える状態になっているため、費用だけでなく、開業までの時間を短縮できるのが魅力です。

ただし、以前のお店の業態やデザインが自店舗に合っていなければ、リフォームが必要となります。内見の際は、店内を入念に確認するようにしましょう。

一方、スケルトン物件を利用する場合は、坪単価40万円以上が相場です。スケルトン物件とは、建物の基本的な骨組みだけが残された物件のことです。

自分の練り上げたコンセプトに合わせて、一から店舗を作れますが、工事費用は居抜き物件よりも高額になります。デザインが複雑な場合や、高価な建材や設備を使用した場合は、さらに費用がかかることもあります。



アパレルの店舗デザインや内装を決める際のポイント7選

利用者の購買意欲や快適性を追求する店舗作りは、売上アップや集客力アップにかかせません。以下で、アパレルの店舗デザインを決める際のポイントについて解説します。

ポイント①商品の陳列方法を工夫する

商品の陳列は、お店の売れ行きを左右するといっても過言ではありません。まずは利用者にどのような商品があるのかを見てもらうためにも、流動客を視覚的に惹きつける陳列を行いましょう。

とくに注目させたい商品や、売れ筋となりそうな主力商品を目立つ場所に配置しましょう。入り口付近やトルソーの近くなど、利用者の目が行きやすい場所が効果的です。

また、形や大きさの異なる洋服を並べる、高さの違うラックを並べることで、配置に変化をつける方法も効果的です。視線誘導にもなるため、奥の商品も見てくれるようになります。

ポイント①商品の陳列方法を工夫する

デザインを考える際は、利用者が滞在しやすい空間づくりを意識するようにしましょう。利用者にとって居心地がよい空間になっていると、リピートしてお店を利用してくれるようになります。快適性を追求することで、お店のファンが増えるでしょう。

また、利用者の滞在時間を増やせるといった効果もあります。滞在時間は売上にも関係があり「来店時の購買意欲に関わらず、店舗に長く留まった利用者ほど実際に商品を購入している」という調査結果もあります。(参照:https://www.jeki.co.jp/info/files/upload/20180718/180718hp.pdf「jeki NEWS 購買に影響するのは、「買いたい」気持ち以上に滞在時間の長さだった!」)

店舗の快適性を上げる工夫のひとつに、フィッティングルームの前や靴の陳列スペース付近へ椅子やソファを配置するという方法があります。子ども連れをターゲットにしている場合は、ベビーカーが通りやすいように設計するとよいでしょう。

また、BGMを流すという方法もあります。音楽は店舗のイメージに大きな影響を与えるため、できるだけ商品や内装の雰囲気にあった音楽を選びましょう。

そのほかにも、アートの要素を店舗に取り入れるという手法もあります。空間に個性をつくることにより、好奇心が刺激され、来店が楽しく感じるようになります。お店のイメージに合わせて、魅力的なデザインを取り入れてみましょう。

ポイント③適切なマテリアルを使用する

床材や什器などのマテリアルは、カラーや質感、大きさにより空間の印象を大きく変える要素です。利用者に与えたい印象のマテリアルを採用することで、商品のイメージとの齟齬がなくなります。

そのため、商品のイメージと一致するように、また全体と調和するような適切なマテリアルを使用することで、商品をより魅力的にみせられます。

たとえば、ステンレスやコンクリートなどの無機質なマテリアルを使用した場合は、クールさやインダストリアルな印象を与えられます。一方、木や漆喰などの自然素材は、温かみのある印象を与えます。

また、照明もお店づくりには重要な部分です。間接照明で非日常感のある大人な空間を演出する、自然光を最大限に取り入れたやわらかい光の照明でアットホームな雰囲気の演出などが可能です。

そして、マテリアルは耐久性やメンテナンスのしやすさも考えて選ぶと、長期間にわたって清潔で安全に使用できます。トルソーや棚、床材などは、耐久性があり、汚れや傷が目立ちにくい素材がおすすめです。

ポイント④フィッティングルームを広くする


フィッティングルームは広く取るようにしましょう。商品の購入を検討する際、ストレスフリーな環境づくりを行うことで、購買意欲を高められるからです。

試着の際に十分なスペースがあることで、利用者はゆっくりと商品を試せて、自分に合ったアイテムを見つけやすくなります。

ポイント⑤わかりやすい場所にレジを配置する

レジはわかりやすい場所に配置するようにしましょう。見えにくい場所にレジが設置されると店内を探す必要があるため、利用者がストレスを感じてしまい、利用者から避けられやすくなります。

またレジは、店内の動線も考えて設置するようにしましょう。スムーズな導線をつくることで、利用者が自然な流れで商品を見てまわり、レジで購入しやすくなります。利便性を向上させることで、利用者の満足度を高めてくれます。

ポイント⑥バックヤードを充実させる

意外と失念しやすいのが、バックヤードのスペースです。店内を広くしようとすると、自然にバックヤードのスペースが削減されていくため、気づけば狭くなっていたということも少なくありません。

しかし、バックヤードは在庫管理に必要なスペースです。この部分を削ってしまうと、十分な在庫が入りきらなくなる可能性があります。

アパレルは商品の種類が多く、流行があることから、商品在庫を抱えやすい業界です。在庫が店内にはみ出してしまう場合、利用者に乱雑な印象を与えるおそれがあります。

バックヤードは、商品の在庫管理がスムーズに行えるように、十分なスペースを確保しましょう。収納スペースも設けて、従業員が商品を出し入れしやすい環境を整えます。

また、通販ショップも開設している場合は、商品の検品やタグ付けなどが安易に行えるように作業スペースも確保しておきましょう。

ポイント⑦店舗ディスプレイを変化させる

店舗ディスプレイは、通行人や利用者の興味を惹きつける大事な部分です。いつも同じ飾りつけで済ませず、ディスプレイの定期的な変更が大切となってきます。イベントや季節に合わせてディスプレイを変化させていくことで、利用者に新鮮な印象を与えられるでしょう。

具体的には、季節に合わせた新商品をディスプレイすることで、興味をもった利用者を店内に誘導できます。利用者にとっても、お店を利用することで最新のファッションや新しいコーデの可能性を見出だせるといったメリットがあります。

一方、同じディスプレイが続くと、利用者がお店への興味を失ってしまう可能性があります。ディスプレイを変化させることで購買意欲を刺激し、固定客の興味を引き続けるだけでなく、新規のファンも獲得しましょう。

まとめ


アパレルショップの店舗デザインを決める際は、はじめにコンセプトを決めておきましょう。コンセプトがしっかり反映されたデザインは、それだけで流動客を魅了し、店内へと誘導してくれます。

利用者の目を引くような商品の並べ方はもちろん、利用者の利便性と快適性を考えた設計や、商品と店舗イメージを統一させるインテリアも大切なポイントです。魅力的な空間作りを実現することによって、口コミで評判が広まり、話題のお店となるでしょう。

テナント工房では、アパレルショップをはじめ、多岐にわたる業界の店舗デザイン設計を行っております。現地調査からデザイン設計、施工、アフターサービスまでお店づくりをトータルサポートいたします。

自宅をアパレル店舗に、または自宅兼店舗へのリフォームもご相談可能です。ご興味のある方は、ぜひ一度当社までご相談ください。